江名
死が、惨い死が、すぐ側にある――
そんな切ない世界の中で、人を愛し求めて躰を繋げる様を真面目に描いた同人誌です。
「進撃の巨人」の世界観や雰囲気を損なうことなく、
みごとにキャラクターの個性とBLを描いた同人誌だと思います。
わたしはこの同人誌を先に読んでいたことで、
コミック新刊の12巻の展開が、より深くグッと胸に突き刺さるように感じました。
「進撃の巨人」にハマっている方には、是非こちらも読んでほしいです!!
※この同人誌の内容はコミックの11巻中のものですので、
「進撃の巨人」11巻をしっかりと先にお読みください。
ローゼの壁が壊されたのかどうかまだ不明な頃、
負傷中のリヴァイは、司祭を連れてトロスト区にいるエルヴィンと合流。
先遣隊の報告が入り、新人のうち3名もが実は巨人であったという事実が告げられる。
同じくトロスト区にいた憲兵団に入ったジャンも、
これで同期が5名も巨人だったことになると動揺を隠せない。
「どうせなら、あいつらと一緒に戦って死にたい…取り残されるのは…嫌だ」
そう弱音を吐くジャンに対し、リヴァイは冷静に言い放つ、
どんなに願ったって、死ぬときは一人だ、と。
一緒に死ねるなんて夢みたいなことは起こらない、と。
でも、リヴァイの手は震えていた。
エルヴィンの元に行き、3時間後に現地に発つと聞くと、
リヴァイは負傷中にも関わらず「俺も行く」と言いだす。
滅多に言わないわがまま。
自分の知らない場所で、エルヴィンを失うくらいなら…
人類最強の男、リヴァイの願いは切ない。
巨人に仲間が食いちぎられる様を、
数えきれないほど繰り返し…繰り返し…見たであろうリヴァイの願い。
一緒に死ねることを「夢」と言ったリヴァイの願い。
「お前は、失えない」と、
一緒に行くことを止めたエルヴィンの熱を躰におさめ、激しく貫かれながら、
もう二度と会えないくらいなら、それならばいっそ…この部屋で……
言葉に出さないリヴァイの想いが、痛い。
悪態をつきつつも、震えながらまだ目の前にいる男を求める姿が切ない。
その心の内をちゃんと解っているエルヴィンの、直接的ではないセリフがすごくいい。
さすが団長、格好よすぎだ…
そのエルヴィンが12巻では……!
離れた場所でリヴァイは、その時何を感じていたのだろう。
エルヴィンは、痛みの中でリヴァイの切ない表情を思い出しただろうか。
ウノハナさんのあとがきの一文、
団長をはじめ皆のご帰還を心から祈りつつ。
その言葉がその後の出来事を思い出させて、再読時には胸が苦しくなりました…
嗚呼この続き、はやく読みたい…! ぜひ描いてほしいです…!!
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