• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作近すぎて、遠い

浅川理史,33歳,又従兄弟のオーナーシェフ
浅川和,21歳,大学生

その他の収録作品

  • もっと近くへ
  • あとがき

あらすじ

両親を失った和は遠縁の理史と同居中。数年前から理史に恋しているが想いを告げる気はない和だったが……!?

自動車事故で両親を亡くした浅川和。同じ事故で自らも右脚に後遺症を抱え、退院後は姉夫婦の住まいに身を寄せていた。ある「事件」をきっかけに居場所を失くし途方に暮れる和に、幼い頃から慕う又従兄弟・理史が同居を申し出てくれる。一緒に暮らし始めて以来、過保護なまでに和を気遣い甘やかす理史。次第に理史への思いを募らせていく和は……?

作品情報

作品名
近すぎて、遠い
著者
椎崎夕 
イラスト
花小蒔朔衣 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
ISBN
9784344830035
3.5

(54)

(4)

萌々

(33)

(11)

中立

(2)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
8
得点
187
評価数
54
平均
3.5 / 5
神率
7.4%

レビュー投稿数8

もっと甘やかされればいい♪

椎崎作品久々のヒットでした(個人的に)。
苦労人で頑張り屋な美人受が
男前攻にベッタベタに甘やかされるという大変美味しい展開♡
悪役一人を除き、周囲の人々が皆温かいのも良かった。


大学生の和は、交通事故で両親を亡くし、自身も右脚に後遺症がある。
結婚した姉とは3年前のある「事件」以来疎遠になり、
今は又従兄弟の理史のマンションに居候させてもらっている。
ある日、「事件」の元凶である人物が和に接触してきて…。


和(受)はとても健気で芯が強いです。
一回り以上年上の理史を子どもの頃から好きだけど、
弟分として側にいられればいいと割り切っている。
「事件」のことを誰にも言わず一人で抱え込み、
理史に女性の影を感じたらマンションを出て自活しようとする。
精神的に強い反面、甘え下手で頑なななところがすごく愛しいです。
ただ、襲われかけた相手にノコノコ会いに行くのは軽率すぎるような…?
まぁあれだけ理史に甘やかされてたら多少天然になるのも仕方ないw
自分を盾にお姉さんを守ろうとする男らしさは素敵でした。

理史(攻)は和を溺愛しています。
実は前から和のことが好きなのに、ポーカーフェイスな和の本音がよく分からず、保護者としての責任もあるので自ら行動は起こせない。
引っ込み思案だった和を子どもの頃から気にかけ、
今も、毎晩の脚マッサージや大学の送り迎えを欠かさない過保護っぷり。
離れて行こうとする和に、寂しそうな反応をする理史には
和と一緒に胸が痛くなりました。
大人で男前なのに、ヘタレで親バカな面もある、可愛いキャラですv


想いが通じ合ったあとの絡み~翌朝の風景がまた甘くて良い。
お粥を「あーん」しようとしたり、和を毛布でくるんで脚を温めたり
とどまることを知らない理史の甘やかしっぷりにニヤニヤ( ̄∀ ̄)

後日談【もっと近く】は更に甘くて、
酔ってトリモチのごとく理史に甘える和が、犯罪級に可愛い!
お姉さんと友人の手前、色々我慢してる理史に萌えましたw


片思いの体で進むストーリーですが
理史の態度からして両想いなのはモロバレで
何だかんだ最初から最後までラブラブ。
家族のような恋人のような、何とも微笑ましい二人でした♪

8

なるほど近すぎてですね~

イラストと本の内容がとてもぴったりしていて、切なくて苦しくてでも甘い、
そんな素敵な作品になっていましたね。

両親を事故で亡くし本人も足に障害を残し、たった一人の姉と暮らしていたが、
その姉のご主人と受けになる和との間である事件が起こってしまう。
そして、迷子の子猫状態になった和に救いの手を差し伸べたのが幼い時から和の
理解者で懐いていた一回り年の差がある又従兄弟の理史。

理史に引き取られ二人で同居しながら平穏に暮らしていたけれど、
実は和は理史を幼い時から慕い、今では恋愛感情の気持ちを持っている。
でも3年前の義兄との出来事やノーマルで離婚歴がある理史へ自分の気持ちが
知られたら嫌われてしまうのではと言う思いから再び現れた義兄に脅され、
またしてもトラブルに発展していくシリアスな内容でもあります。

理史の和に対する態度は溺愛過保護の保護者なのですが、ふたりの距離が近すぎて
逆に見えなくなってしまうこともあるのだと感じてしまうお話です。
DV義兄の横暴は許すまじき出来事ですが、大事な存在に気持ちを打ち明ける
勇気が出ない和の気持ちが切なかったです。
もちろん最後は甘いハッピーで、大人の包容力で和がきっと幸せになると
思える締めくくり、かと思ったら以外にも理史の方がベタベタでした。

4

過保護攻め

主人公の和は、事故で脚を悪くした上、姉の旦那と揉め事を起こし、今は遠縁の理史に引き取られて一緒に暮らしています。
一回りも歳が違う歳の差もの。
体にハンデがある事もあって、理史が和を過剰に甘やかしています。
受けが年上の攻めに甘やかされるお話が大好きな自分にはこの設定だけで十分楽しめました。

ただ、確かにいい歳の男に対してちょっと過剰には見えます。
和は小さいころから理史が好きですが、それを隠そうと理史に「姉の旦那が好きだ」とバレバレの嘘をつき続けます。
それがあまりにも無理がある嘘なので、頑なになる意味がちょっとわかりにくかったです。
内容は、姉に暴力を振るう夫から姉をかくまい、その夫が和にも接触を試みてくる…というハラハラするような事件もの。
ですが和の周りには守ってくれる大人が多くいますので、安心感はありました。

恋心を言いたくても言えないというせつない感じがあり、でも安心感のある可愛いお話でもあります。
和が歳のわりには可愛くか弱い印象なので好みがあるかもしれませんが、歳の差ものや健気な受けがお好きなかたはオススメだと思います。

最後に攻め視点のお話が少しだけ入っていましたが、駆け足だったのが少し残念でした。
昔から和を意識はしていたようですが、理史は一度結婚をしているので、もう少しの気持ちの変化などがわかるエピソードを載せてくれれば嬉しかったです。

3

受けがタイプでした。

近すぎて、遠い。確かに。そうですね。笑
くっつく前からこんなにずっと2人でのシーンが多いのはやはり近すぎるおかげなのでしょうね。
和は、理史くんのことが好きで、それを知られないようにすることで必死でした。そのことを利用されて、義兄にいやらしいこともされたり... 馬鹿すぎる...
理史くんは、和に過保護で読んでいてとても楽しかったです。笑 何せ私はそうゆう組み合わせが好きなので。笑 和のことを愛玩動物呼ばわりしながら毎日お世話していました。
最後の小話で理史君目線になるのですが、ここでもう少し和を好きになった理由をしっかり知りたかったというのが心残りです。もともとゲイなのならまだしも、彼は結婚歴もあるわけですから、一体なぜ和を思う気持ちが弟以上のものになったのかが不思議なのです。他にも色々ツッコミどころがあり、少しご都合主義的なところもありましたが、単純に受けがタイプだったので気にしないことにします。

3

まさに、近すぎて、遠い

まさにその通りの作品でした。
あまりに近しすぎたために隠さなければならなかった想い。
それがバレたくなくて一人で色々を背負ってしまおうとする主人公。
想いは本当は通いあっていたはずなのに、互いが互いを思うあまりに踏み出せないちょっぴり切ないお話展開でした。


高校生の時両親を車の事故で亡くし、自らも足に大怪我をおい後遺症が残り少し不自由が残った主人公の大学生・和。
結婚していた姉の元で暮らしていた3年前に起きたある事件をきっかけに、小さい頃から家族同様に育ち懐いていた一回り年上の又従姉の理史と暮らしている。
過保護なほどに、和の足を心配して色々世話をやいてくれる理史。
本当は恋愛の意味でこの又従姉が好きな和は、理史には過去結婚してたという離婚歴もあり、自分の想いは秘めているつもりでいたのだが、結婚話が持ち上がったり、女性の影が見えることで、せめて大学を出るまでは側にいたいとおもっていたところ、3年前の事件に関係する男が和に接触してくるのです。


すでに和と理史の間には長い年月があります。
人見知りで言いたい事が言えない彼を察してやることが上手い理史でしたから、すでに子供の頃から和は意識しているのです。
理史も、そうやってきて和を知っているので側にいて当たり前な存在です。

理史が和に対して過保護なほどに、と書きましたが、話の中でちょっと無理すると痛みが出たりするところから、足の具合については過保護ではないかも?と思います。
大丈夫と言ってるが、ほんとうは構ってもらうことが嬉しいんじゃないかな?
だから女性の影が見えると途端に不安になる。
全ては3年前の事件。
唯一の肉親である姉とどうやら音信不通で仲たがいのような感じになっているということが後々わかる全ての原因になっています。
わりと、シンプルな展開と設定なので、そこは伏せておきましょう。
だけどそこまでして自分の気持ちを隠さなくてはいけなかったのは、様々な条件があると共に、理史が女性と結婚していた、という事実だと思うのですよ。

しかしながら、和の姉にしても3年間何やっていたの?
過去はわからないけど、徹底的に弱い女性として登場してきたのが何だかこの女性嫌いと思った部分があります。
和もいくら隠したいからと、とんでもない男と接触するのって?
そして理史は、和と一緒に暮らし始めて意識しだしたと言いますが、何だかあまり恋愛を感じないのです。
確かに守ってやりたい存在だったり、一緒に暮らしていることで色々気持ちが乱れることもあったかもしれないけれど、離婚の原因も良く理解できないし。
だからこその、近すぎて、、、というやつかもしれないですね。

作中、理史の共同経営者である八嶋が結構和を助けてくれます。
「魔性」と呼ばれるなんて最初にあったので、ひょっとして彼が何か?と思ったら、彼も徹底的に良い人でした。
結構気になるキャラクターで、和が仲良くしている友人が登場して和がそこへ逃げる場面があるのですが、ひょっとして八嶋ととか~なんて期待したら、和の姉と何だか・・・な雰囲気がラストに述べられていて、ちょっとガッカリしました(自分で勝手にw)

【もっと近くへ】で理史視点が語られる事によって、やっとちょっぴり彼の気持ちについて補足されます。
正直番外で補足しなくてはいけない展開というのは、答え合わせみたいで好きでないのですが、これが作中で上手く取りこまれてわかるようになっていれば、きっとこの作品がもっと好ましかったかもです。

4

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP