雨降りvega

amefuri vega

雨降りvega
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神106
  • 萌×243
  • 萌24
  • 中立11
  • しゅみじゃない19

64

レビュー数
29
得点
785
評価数
203件
平均
4 / 5
神率
52.2%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
シリーズ
幻冬舎ルチル文庫(小説・幻冬舎コミックス)
発売日
価格
¥590(税抜)  ¥637(税込)
ISBN
9784344830080

あらすじ

もう一生誰にも心を開かないし恋もしない……傷つき頑なだった文人を優しく解いてくれた彼は絶対に好きになってはいけない人だった。

高校生の文人が唯一心を開くのはネットで知り合った年上の男性「アルタイル」。趣味の天体観測を通じて穏やかにメールを交わすつきあいだ。卒業式の後、友人の言葉に酷く傷ついた文人は駆けつけたアルタイルと初めて会いその人柄に惹かれるが……

表題作雨降りvega

ネットで知り合った年上の男性 新開巧 29歳~
ゲイであることを隠す学生 白石文人 高校3年生~

その他の収録作品

  • 七年目の雨上がり
  • あとがき
  • 恋の末路

評価・レビューする

レビュー投稿数29

切ない

どうなるか、もしかしたらこのままバッドエンドなのか……ハラハラしながら最後まで読みました。しかも久しぶりに泣きました。とても丁寧な描写で心打たれる言葉、セリフに何度も涙が浮かびました。凪良さんの作品は何作か読ませてもらい、どれも素晴らしい作品だと思いますが、私はこちらの作品が一番胸を打たれました。文人と新開さん、夏那のそれぞれの気持ちがとてもリアルでとても切なかったです。だけど、その分最後の読後はとても満足出来るものでした。素晴らしい作品をありがとうございます!

1

何度読んでも泣ける

ものすごく感情移入してしまい号泣してしまいました。姉のことを考え、新開と距離を置く選択をする文人の気持ちはとても理解出来ます。周りのことなんて気にせず、どうせお互い好きなら突っ走ってしまえ!とも思いますが、そう簡単にいかないところがリアルだと思います。
この作品に出てくる人たちはみんなそれぞれ素敵な人ばかりです。文人の友人も、結果的には彼を傷つけてしまいますが、悪人ではありません。登場人物に不自然に悪い人が出てきて主人公たちを苦しめる展開は都合がいい気がして萌えきれないので(笑)

二人がくっつくまでが辛く長いです...しかし、どんなに離れても惹かれ合う姿が素敵な作品でした(*^o^*)

1

星と星が出逢う時

現実にこういう人達いるだろうなぁ。という行ったり来たりの進まない二人。

BLとして、趣味の娯楽として、お金を出して買って読む小説として、この展開はじれじれで、こんな攻めと受けはまどろっこしいからヤダっていう人もおられると思う。いい加減イイところでくっついて甘々展開望む、とか。もっとエロ下さい、とか。
中学生の頃に自分の性癖を自覚して、誰にも言えない、誰にも相談できないって自分の殻を作って、衝動的に友人に話したら気持ち悪がられて。
そりゃ死にたい気持ちにもなる。自分は誰からも理解されず愛されずにこれからの人生過ごすんだ、って思い込む。
文人はもがいてもがいて、それでもままならなくて。その文人だって自分だけが耐えてるような顔をして神崎を苦しめて。人と人の想いに正義も正解もないんです。この辺は本当にリアルだと思った。現実はスマートでもなければ倫理的に事が進むわけでもない。
文人も新開も夏那も神崎も。
みんなが出口の見えない迷路にいるみたいな重苦しさ、切なさ。
未練たらしいとか不誠実とか、鈍感とか自分勝手とか、言わないであげて。
心は止められない。抱えている現実とは必ずしも続き一致しないものだから…
BLファンの中には、リアルゲイの事なんて知らねーよ、というスタンスの方もおられます。でも、私はカムアウトを支援するサイトをよく読むのですが、そこで語られるのは「いつも死にたい、消えたいと思っていた」や「それでもあなたは一人じゃない」という言葉。傷付いた少年の文人に贈ってあげたい言葉達。
生きる事に傷つくひとが現実に隣にいるかもしれない事を感じていたい。

「七年目の雨上がり」
新開視点。
ベッドの中で、こうなるまでに時間のかかった二人の回想をしている。隣には眠る文人。(でもあの時あなたは逃げていた、と思う。大人はずるい事を守る事にすり替える。よね。文人の勇気に感謝しましょう。)

「恋の末路」
神崎の、新しい恋の始まりの予感。超SS。

1

とにかくじれったい

自分がゲイだということに悩んで、その悩みを包み込んでくれて好きになった人が姉の恋人だった、という話が最初から最後まで丁寧にまとめられているなぁと感じる作品でした。
キャラに嫌悪感を抱くわけでもストーリーが破綻しているわけでもないんですが、あまり萌えることも感動することも出来ないまま読み終えてしまったので私には合わなかったんだと思います。

とにかく二人とも煮え切らなくて、読んでてもどかしい…!立場とかいろいろあって踏み出せないのも分かりますが、そこは攻めがガツンといって受けを安心させてあげようよ!とか、受けも物分かりいいんだかよくないんだか分からん…とか、未練たらたらなの丸わかりなのに結ばれるのに時間かかりすぎィ!とか、とにかくやきもきさせられました。
お互いなんとなくこっちにしか進めないのは分かってるはずなのに、他の人を傷つけないように本心とは違う方に進んで、結果余計に他人も自分も傷つけてしまってるように感じたのが好みじゃなかったのかな。終盤まで誰も幸せになってないのも辛くて「何でこうなった…」と思いながら無表情でページを捲ってました。

あと上記に書いた通り、キャラは嫌続きいではないんですが特に好きにもなれなくて…。二人ともそんなに感情を表に出さないタイプのせいか淡々と進んでいく印象があって、個人的にはいまいち思い入れ出来ないまま終わってしまった気がします。当て馬の神埼の方が生い立ちも可哀想で執着心が強い性格になってしまったのも理解できたので、正直この二人よりも神埼と新しい彼氏が付き合うことになった経緯が気になりました。相手は余裕ある年上っぽくて萌えそうだったしその相手にからかわれて拗ねてる神埼くっそ可愛かったしものすごく心が擽られるんですけど…。スピンオフ下さい…(懇願)

障害がある恋の壁を間違えながらもゆっくり乗り越える過程を楽しめる方には良いかもしれませんが、じれったく最後の方までもう一押しがたりない話が苦手な方は萌えは感じにくいと思います。私は最後まで入り込めなかったので中立にさせて頂きます;

0

'7'がロマンティックな数字に感じる。

文人は自分の性癖を誰にも言えずにいたけれど、新開と高校一年に出会い系サイトで知り合い、趣味を通じて仲良くなり、自分の悩みを打ち明けていました。このときはまだお互いの顔も名前も一切知りませんでしたが、文人の高校の卒業を機に二人の関係が大きく変わり始めます。

高校卒業から大学入学までは二人の間で、大学入学から卒業までは文人の友人や家族もからんできて、二人の関係はどんどん複雑になっていきます。出会いと別れを繰り返す中で文人の繊細な心情がこまかく表現されていて、恋ってこういうものだよなぁとしみじみ思いました。
それでも諦めきれないってことはやっぱりそういことなのでしょうね。

最後にやっと二人で見たかった星を観ることができた、七夕の織姫と彦星みたいにも読めるのですが、この二人にとっては七年越しの逢瀬だったのでしょう。

二人のやりとりが毎回じれったくて早くくっついちゃえよ!と思う一方、そう簡単ではない事情もありきでとにかく切ない。最後には結局予想通りになったのですが、経過した年月とすれ違いの回数を思い返すと涙なしには読めませんでした。読み終わった後ほっと一息つけるような、そんな続き作品でした。

ただし、文人の友人たちに関してだけずっとなにかひっかかるものを感じてしまったので少し残念でした。
これからの二人とその周りの人たちの行く末が幸せなものになってほしいです。

3

何光年も離れた星のように遠回りした恋だった

高校生の文人は、ゲイの掲示板で年上の男性と知り合い、天文好きという共通の趣味を通し3年間メールだけの付き合いを続けてきた。

卒業を前にしたある日、遠くの大学に行く友人に急にカムアウトしたのには唐突すぎて驚きました。
友人にしてもいきなりのことで驚いたでしょうに詰ったり気持ち悪がることもなかったのはその年にしては立派だと思う。
「遠ざけることもしたくないがどう付き合っていっていいのかわからない」という本音はよくわかるし時間が経って年相応に経験を積んで再会したらきっといい関係が続けられたかもしれないと思います。
そんな不安で悩みまくっている正直な気持ちを友人同士で語り合っていたところを文人が聞いてしまったのは不運としか言いようがない。
友人だと思えばこそ悩んだんだと思うから。
どっちも悪くないのだけれど、それを聞いた文人が死にたくなるくらいに落ち込むのもわかり気がします。
自分自身の全てを否定されたみたいだし、これまでの付き合いがうそだったみたいで悲観してしまうことでしょう。
こんな最低な気分のところに、優しく救いの手を伸ばし癒してくれる年上の男の人に気持ちがが傾くのも続き当然かもしれません。

恋人がいながら気になる男の子にクラリとしてしまう新開の言動が許せないし、新開が結婚相手を評して楽だからちょうどいいというのも不誠実だと思う。
世間体や親の気持ちとか大人の常識優先に導き出された結果のようで、大人ってズルい、と言いたくなる場面です。
そんな人との結婚はきっと不幸になると夏那に言いたかった。破談になってよかったのだと思いますよ。その時は体調を崩すほど思い悩んでも、ちゃんと自分だけを愛してくれる誠実な人に出会えたのですから。よかったよかった。

どっちつかずで揺れていた挙げ句、北海道にまで逃げていった新開は後悔して落ち込んでで世捨て人として朽ちていけばいいなんて思ってしまいましたよ。
なのに、偶然にもその居所が知れて文人が追いかけて行ってしまうんですから、バカだなあ。

いろいろ複雑で親にわかってもらうには時間がかかりそうだなっといらぬ心配をしてしまいました。
文人はどこで就職するのでしょう、っていうか遠恋ですかね。
新開先生また戻ってくるのかな。
神崎の恋話もおもしろそうですね。
ツンデレさんですか。年下攻めですよね。
これまでの失敗を反省していいこいしてください。

イラストがイメージと違っていたのと好きな絵じゃなかったのが残念。

1

ロマンティックが止まらない

何度も読み返したくなる、温かくて切ないお話です。
ゲイであることを自覚し、悩む文人はネット上の“アルタイル”なる人物にだけは心の内を打ち明けることができる様になります。
あるとき、文人はアルタイルに「死にたい」とメールをしてしまいます。このことがきっかけで初めてアルタイルと文人は顔を合わせます。お互いに惹かれてしまうのですが、アルタイルこと新開には婚約者が。しかも、その婚約者の正体は…。
三角関係にはなるのですが、三人ともとても性格が優しく、最後まで誰も恨まないし誰のせいにもしないんですよ!
はぁ〜、今回ばっかりは結局結ばれないんじゃないかと、ヒヤヒヤしました。
文人が、何度も「これで最後」と言い続けたのは、新開に否定せて欲しい思いもあるんだろうけど、何より自分に言い聞かせてたんじゃないかなぁ。
初めて身体を重ねた日の朝、文人は天球儀のストラップを探して泣いてたけど、新開の方も貸した傘が外に立てかけてあったのを見て泣いてたんですね。そのシーンがもう…胸が痛くて痛くて。でも、最後は結ばれて良かったぁ。
しばらくは遠距離恋愛なんですよね。まぁ、織姫と彦星よりは会えるんですよね続き
近いうちに本物の星空を二人で観れるといいですね。
(でも、文人ってもしや雨男?)

1

天体観測

なんですんなりくっつかんのよ(≧◇≦)ノシ
思わず声を荒げてしまう場面多々。
それくらいじれったくもどかしく、そして切なくほろっと甘い作品でした。

ネットで知り合った二人。
星の話をする攻の文章に惹かれ、声をかけるのが怖くて
同じように星の名前からハンドルネームをとった
そして星に関する投稿をして、会話が始まり、出会い。
再会はまた悲劇的なというところからのスタート。
姉さまには申し訳ないが結論はわかってるのよ。うんうん
なんて読み進めていたわけですが
義理がたいというかなんというか。
自分は攻のことが好きだと自覚して。
姉とも別れたことを知っていて。
最初で最後と告げて、すべて断ち切って攻の元を去る
そして河原で一人泣き叫ぶシーンに胸打たれました。
自分の中にこんな感情があったのか。こんなふうに泣くことがあるんだ
と思うほどの表現に胸がきゅぅんと痛んだ。
攻がプレゼンとと一緒にいれた言葉がまた泣ける。

長い長い年月。
どうしても気なかった思い。
最後にようやく結ばれた時にはほっとした。
もっとはやくこうすることもできたのになーと私なら続き思ってしまいますが
これが二人のペースなのだとしたら
これはこれでよかったのかなとも思う読後でした。

0

キャラメルみたいなお話

ゲイである事を隠している以外、特に悲惨な設定のない普通の家庭の子が、好きになったメール友達は実は姉の婚約者だったというお話。
 キャラメルの様に甘く、時折歯にくっついて不快になる感じの小説でした。でも嫌いじゃないです。とても好き。
 あまりに「ああ、あるある」という事が多過ぎて、色々過去を思い出してしまいました。
 似た心境に陥った事のない方は、「なんだ、こりゃ」としか思わないかもしれません。とても読む人を選ぶかも。

 主人公の文人は、いい意味でも悪い意味でも幸せな家庭で育った末っ子でした。無意識で周りに甘えているなあという箇所が多々あって、しっかりしているという割に何ともぐだぐだというか。
 対する新開さんもいい大人なのにぐだぐだ。
 分かっていてもどうにもならない。それが恋愛なんだろうなあと思います。
 もう二人は、個人的にメールを交わす様になった時点で自覚していないうちに恋に落ちていましたよね、これ。
 だから「死にたい」なんて幼稚なメールを送ってしまったり、死ぬ訳ないのに慌てて駆けつけたり。
 あとかなり「これで最後」詐欺でしたが、これもよく分かるなあ。
続き
 本人はその時は本当にそう思ってるんですよ。
 全体的に甘ったるく未練がましくて、歯切れが悪い。
 実体験を反芻すると、恋愛ってこんなですよね。
 ある意味、とてもリアルな小説かも。
 名作ではないかもしれませんが、私は好きです。
 
 両思いなのにまとまれないじれったい展開が多くて、凪良作品は今のところ読んだ小説は全てハッピーエンドでだったにも関わらず、もしかしたら今度こそ違うの?とハラハラしてしまいました。
 そんな事なかったです。
 ただ文人の家庭の事を考えると、二人は今後真の幸せになれるかどうか少しだけ不安ですよね。

 文人視点なので新開さんがどう思っていたか分かり辛いですが、自分は新開さんと同じ性癖なので「しんどいよなあ」とぼんやり思ったりしました。
 とても胸が痛くなるお話です。でも私はとても好きです。

3

共感できず

結末だけが気になって一気に読んでしまいました。
2人の募らせた想いが切なく響くよりも、自分の必要なものを取捨選択できない中途半端な2人がかっこ悪いと思ってしまいました。
文人や新開に共感したり感情を寄せることもできませんでした。
想いのまま突っ走れとまでは思いませんが、諦める努力も手に入れる努力も全てが中途半端なままでずるずると引きずっていて、その様が女々しいとしか思えませんでした。
”これで最後”詐欺だし、偶然に助けられすぎな気がします。
恨まれる覚悟や傷つく覚悟を背負った潔さが欲しかったです。
決断力を求めるせっかちな私が読むような作品ではなかったのですよね。
読んでいて不快だったとかではなく、ひたすら共感と理解ができないという感じです。
そんな風に引いて読んでしまっていたために、後ろ向きな雰囲気も過剰に感じました。

そして、成熟した大人(新開)が夢中になるほど、文人が魅力的に思えませんでした。
文人の存在で新開が救われるとかでもないし、若さとか青臭さ含めて慈しみたい、愛しいという年の差的な愛情でもないように思えます。
好きになるのに理由はいらないですが、続きせいぜい”良くできた綺麗な後輩”くらいにしか思えませんでした。

この2人どうなるの?!という単純な視点ではとても面白かったです。
BLを読んで初めて「バッドエンド来た!!」と確信を持った早とちりをしてしまいましたが、読み終わった後は「良かった…」と思えたので萌え判定でした。

5

綺麗な文章なもんだから、切なさ2割増し

 BLって、どこかありえない設定が入ってて、「ありえないーあはは」と泣いたり笑ったりしながら、その設定も丸ごと楽しめてしまうところがあるんだけど、凪良さんの作品は、いつもリアル設定で、すごい引き込まれる。実際、文人のような男の子が町のどこかにいても全然不思議じゃないなあと思ったから。

 ゲイであることを自覚し、そのことに苦しむ文人がネットで知り合った男性アルタイルに思いを寄せる。でもアルタイルは文人の思いに応えようとしない。アルタイルのほうも、文人のことを憎からず思っているというのに・・・ここがまず切ない。
「君と出会わなければよかった。もしくはもっと早く出会っていればよかった」このアルタイルのセリフ、やられたー。なんでこんなにアルタイルのガードが固いのかというと、アルタイルさんには女の婚約者がいて、その女はなんと文人の姉ちゃん。

 ありえないー、でも笑えないー・・・

 お互いに忘れなきゃ、距離を取らなきゃ、とする2人だけど、どうしても気になって、好きで好きでたまらなくて、でもどうしようもなくて、もがき苦しむ様子が切なくて仕方なかった。いいかげん、アルタイルを忘れて続き前に進まなきゃいけないのに、と思う文人だけど、心はどうしてもアルタイルを忘れられない。新しい恋なんてできない、と思う文人が切なくて痛くてどうしようもなかった。

 ラストは、きちんとハッピーエンド。うっとりできた。恋は、やはり素敵です。いい作品でした。神評価です。

6

凪良さんの作品で一番好きかも

ネットで知り合った年上の男性。
本名も知らず恋したその相手は、姉の婚約者だったというありがちな設定なのに、切なくて胸が絞られるようで読んでいてずっと苦しかった。
さすが凪良さん。
最初に出てくる七夕の織姫と彦星の話、二人が会うときはいつも雨、けして一緒には見れない満天の星空、プラネタリウム、キャラメル、万年筆、そして天球儀のストラップのからくり!いやーもう小さなモチーフの散りばめ方の巧さにやられっぱなしでした。
んでもって麻々原さんのイラストが見事に填まってる。
これ、麻々原さんでぜひともコミカライズしてくださらないかなあ・・・。

3

せつない二人

知り合ったのがネットの掲示板というのが、いかにも現代風なお話。

主人公の二人(攻め新開巧・受け白石文人)が、
真面目なだけに相手のことを想い過ぎてもどかしい。
攻めがバイというだけで、その人には女と言う選択肢が増えてしまう悲しさ。
よりによって、その相手が自分の姉だったなんて、切ないにもほどがある。
その姉が自分にとって良い姉であり、良い家族だからこそ
自分のことより姉の幸せを優先して考えようとする文人。
心の奥にしまってある本当の気持ちを、
時々隠しきれずにボロが出てしまうのが人間らしいところ。
心底好きになった相手を、忘れることなんて簡単にはできないことなのに
追い込まれた中でも、一生懸命前に進もうとして
だけど、ほんのちょっとの心の隙間にほんのちょっとのきっかけで
大好きなあの人が入ってくると、今まで抑えてきた気持ちを捨ててでも
衝動的に動いてしまう文人の気持ちが、すごく共感できて好きでした。

どちらかというと、文人の視線で書かれているので
文人の様々な気持ちの動きや葛藤はわかりやすいですが
巧の気持ちについては、事後報告的になっているので続き
バイである拓の大人としての心の葛藤などももっと覗いてみたかったかな。
巧は誠実過ぎるがゆえに、衝動的にとか本能で・・・とかが似合わない人。
お姉さんとのことも文人とのことも、どちらも真剣でどちらも本当の気持ちだったんだと思う。

文人が分かれる前に一度だけ拓に抱かれますが、その時の描写がすごくよくて
ちょっと感動してしまいました。
生々しさの中にも巧の愛があり、文人の何年分もの想いがあり
ただのSEXではなく、すごく情熱的な儀式のようにも感じられるものでした。
これで「さよなら」すると決めている文人が巧に抱かれながら想う気持ちが
せつなくて、涙なしでは読めませんでした。

北海道にいる巧に会いに行った文人が、
勘違いから今までずっと自分の心の中にしまっていた想いを吐き出すところ
切なくて涙が出るんだけど、なぜかスッキリしてしまいました。
何年もの間、苦しんできた本当の気持ちをやっとぶちまけられた文人。
読んでいる自分が我慢していたものをさらけ出したように、すっきりしました。
巧がまさか結婚していたとは・・と思いましたが
誠実な巧がそう簡単に自分の幸せだけを優先するとは思えない。
巧もまた文人と同じように、前に進めないでもがいた3年だったんですね。
何円もの月日が流れ、その間に実に様々な試練が二人の間にありましたが
とりあえずハッピーエンドで良かったです。

二人がその後どうなったか、すごく気になるところですが
まずは、ちょっとかわいそうな神崎に幸せになってもらわないと・・・
最後に「恋の末路」神崎の話が少しだけありますが
次回、神崎のスピンオフ期待しています。

6

綺麗なのにどこか寂しい…

爽やかで でもどこか物悲しいような雰囲気の漂う作品でした。
切なかったです。

主人公は自身のセクシャリティに対する悩みを、1人で抱え込んでいます。

家族と話していても、友達と話していても、明かせない部分、
皆の”普通”に当てはまらない部分がある。
友達が何気なくネタにする話題も、家族が何気なくふる話題にも
その悩みを持つ主人公にとっては棘だったりする。
それは当人たちに悪意がない分、たちが悪かったりします。
なかでも打ち明けた友人の言い分はあんまりにもリアルで、別の問題でも
こういうことってあるよな…となんとも言えない気分になりました。
若尾くんの言ってることもわからなくもないけど他の友達に相談として
話してしまうなんてちょっと…私は嫌でした!現実味がある分余計に苦々しかったです。

主人公、文人は社会的に見て決して孤独ではない。でも心は孤独なんですよね。
そんな主人公vegaが初めてそんな悩みを共感しあえた相手がaltairです。

実は互いにずっと想いは1つだったんじゃないかな…という印象が強かったです。
でも出会った時の状況とか、お姉さん続きとの関係とか、いろんなものがないまぜになって
しまったのでしょうか。

もうちょっと早く決着が着いたのでは…とも思うけどそうそう現実でもうまくいくわけではないし、2人とも誠実すぎる故にかな、と思ったりしました。

主人公の心情もとても丁寧に描かれていました。
ただ気になってしまったのは今後の2人です。
この後、2人が特に文人の家族に認めてもらえるのかな、それとも一生秘密にしていくのかなとちょっと余計な心配をしてしまいました。

2

凪良さんは大好きな作家さんですけど

基本バイの攻めはあまり好きじゃありません。それはやはり生粋のゲイなら仕方ないが、せっかくバイなら女性と結婚して普通に家庭を持った方がいいと思うだろうし、現実社会ではほとんどがそうだろうと思うからです。
それから実の姉と関係があった男性と、というのもちょっと引きますね。結婚を前提に真剣に付き合いだしたけれど、自分の性癖もあって肉体関係までは中々踏み込めなくて……という時に受けと出会った、のならいいのですけど。家にも来ててプロポーズもしてたら関係ありましたよね……。
上記2点が私にとっては地雷でしたので星を2つ引きました。
そこに目をつぶれば(ってそうしたらこの話が成り立たないんですけど)嫌いな話ではなかったです。
天球儀をペアで買った時点で攻めは受けとちゃんと付き合うつもりだったのだろうけど、だったらメールで「姉と別れた。バイトはやめてくれ」はないと思うんですよね。そりゃ自分とも清算するつもりと受けは勘違いしますよ。ちゃんと会って話そうよ。
それから最後の赤ちゃん連れの女性は、攻めの地元だったのでまあそんなことだろうと思いましたが、薬指の指輪はちょっとこじつけっぽい。お見合い避続きけと受けへの断ち難い思いからずっと着けてたのならともかく。あそこで義姉さんに突っ込まれないのかな?
お話ですから多少は勘違い・すれ違いは必要ですが、あまりにもわざとらしいかなぁと思いました。
攻め・受け共に好感の持てる人物像でしたので、若干まどろっこしいところはあったものの読後感は悪くなかったです。攻め視点のSSもよかった。もうちょっと色々と知りたかったけれど。凪良先生は出来あがったカップルのその後を書くのは苦手と常々おっしゃっていますが、遠距離恋愛になる二人のその後を読んでみたいなぁと思います。あ、神崎には全く興味が湧かないので彼に関しては本編と巻末SSで十分です。

3

とてもとても好き

凪良さんは個人的に外れのない作家さまなのですが、中でもこれはとても好きです。

内容は皆さま書いてくださっているので感想を。

とにかく主要キャラの二人にとても心惹かれました。

高校生で、自分の性癖に悩む文人くん。色々なことを経験してきた大人なら大丈夫と思えることも、まだ高校生の彼には明けない夜のように感じて。心に大きな悩みを抱えながら、それでもまっすぐで素直なとても清潔感のあるキャラで、新開さんのように「大丈夫だよ」と言って抱きしめてあげたい気持ちになりました。

対して攻めの新開さん。彼も誠実な、大人な男性だなと思いました。男性も恋愛対象になるのに「結婚したいから」「子どもが欲しいから」と女性を選ぶ人って個人的に好きではないのですが、文人くんの姉である夏那を大事にし、誠実であろうとした態度があったからか、彼のことを批判的に見ることはできませんでした。バイであるがゆえに、女性も愛することができるために、世間体を考え結婚したいという新開さんの気持ちもとても良く理解できました。自分自身が大人の狡さを知っているからかもしれません。

二人が出会ったときにはすでに新開さ続きんには婚約者がいて、お互いに納得してもう会わないと決めた二人。それがいろいろな偶然が重なり縁が切れることのなかった二人。
メールだけで繋がっていた3年間の間に培われたお互いへの気持ちが、芽を出す前に摘み取らなければならなかった二人の気持ちを思うと涙が出て止まりませんでした。

帯にもある、「いつか、ふたりで満天の星空を見たい」のメモを見つけたとき、不覚にも文人くんと一緒に号泣しました。

星が好きで、それが二人を繋ぐきっかけになったのに、曇っていたり雨降りだったりで一緒に星空を見ることができなかった二人が、最後に「一緒に行ってみたい」と願っていた地で満天の星空を見ることができて本当に良かったなと思いました。表紙の、傘を外し、星が流れている中で二人が微笑んでいる絵がとても合っていて素敵でした。

7年もかかってやっと一緒になれた二人に幸あれと願っています。

8

わたしには合いませんでした

凪良さんの作品は、『よしっ!』と勢いをつけないと読むことが出来ないのです。
この作品のことは知っていましたが、そんな調子なものでやっと読む機会が訪れました。
本編は受け視点、SSは攻め視点です。
あとがきの後のスーパーSSは、受けの友人の視点となっています。


受けの文人は、自分がゲイだと自覚している大学生。
中学時代にネットで知り合った『アルタイル』に片想いをしながらも、その距離感を壊すことを恐れていました。

攻めの新開(アルタイル)はバイの大学講師。
文人に惹かれながらも、現実の自分の立ち位置を守るために女性との結婚を考えています。


高校時代の友人へのカミングアウトに失敗した文人は、メールでのやりとりしかしてこなかった新開に助けを求めます。
そんなふたりが初めて顔をあわせ、心を通い合わせられそうになったのも束の間、すぐに別れはやってきました。
そして再び再会した時は文人の姉の恋人だった新開。

新開のような攻めは嫌いな方もいらっしゃいそうですね。
わたしは大人のズルさと、同時に恋に翻弄される攻めは嫌いじゃないです。
自分の立場を考えると続き、守りに入りたくなるのも頷けますし。

反面、受けの文人には共感できる要素が少なくて…
あんなに新開に対しては姉のためにも誠実になれたのに、初めて出来たゲイ友には流されて不誠実だなと感じます。
自分の意見をきちんと言えるというのが、彼のウリだったように思うのですが…
初めて新開と顔を合わせることになったメールも、なんだかなあと思ってしまいました。
高校生なんてまだまだ子供なのだからとも思いますが、ああいうことを書くのって自己満足感が否めません。
だって、あれで無視したら人非人になっちゃいますよ。

読み返しますか?と聞かれたら、きっと読み返さないだろうなあと思う作品です。
神評価が多いのでひじょうに肩身が狭いのですが、わたしには合いませんでした(汗
唯一良かったー!と思えたのは2本のSSでしょうか。

5

読後、じわじわと更に良くなった作品

最初に読み終わった時には、好きな話だなぁ「萌×2」位と思った。
でも……
何日か経っても気持ちが離れず、
気がつくと彼らのことを想像している自分に苦笑し
再読してみて、もっと気持ちが引き寄せられた。
その後も折りに触れ浮かんで来くる二人……。

         ☆   ☆

中学の時に自分の性癖に気がつき、周囲にそれを隠している高校生の文人。
そんな彼が悩みを打ち明けられるのは、ネットのゲイサイトで知り合い
星という同じ趣味を分かち合う年上の男性”altir”。

卒業を機に、思い切って友人に自身の性癖を打ち明けたが
快く受け入れてもらったと思ったのは上辺だけで、蔭で語られる事を聞いて絶望し
会った事もない本名も知らないaltirに、「死にたい」というメールを送ってしまう。

傷ついた自分の元に駆けつけてきてくれたアルタイルの優しさに、
惹かれずにいられない文人だが、バイのアルタイルには彼女がいて
それを大切にしたいと本名も知らぬままに、二人は別れることに……。


タイトルになっているvegaとは、七夕の織り姫のことで、
七夕が誕生日の続き文人が、自身につけたHNだ。
それは最初から、アルタイル(彦星)を意識してのことだっただろう。

忘れようとしていた文人だったが、思いがけない再会が待っていた……
再会に関する予想は二つあった。
その二つのどちらかではなく、結果両方だったのだがある意味予測のつく展開、
物語が力を持って読ませるのは、そこからの二人の苦しい道のり。

この二人は、物語の最初から相思相愛なのだ。
そしてお互いにそれを知っていながら、お互いの立場に踏みとどまる二人。
そんなストイックで理性的な二人のありように、胸が絞られ涙が出そうになる。


まるで星のように。
とんでもない熱を孕みながら、青く冷たく見えるそんな二人。
理性で断ち切ろうと思いながら、でも断ち切れず、
長い時間をかけてようやく手を取り合った二人の行く末は
それまでの経緯を考えると苦しいこともあるだろう。
でも、どうやってもお互いじゃなくてはダメだった二人の未来に
幸多かれと祈らずにはいられない。

評価は、神。
今まで読んだ凪良さんの作品で、一番好きです。

11

人を想う気持ちは星みたいにキラキラしてるんだ

あらすじを見た瞬間、そんな悲しいに決まってる話、自分には無理だと思ったのですが、
今回アワードにノミネートがあり、評価も素晴らしいので読んでみました。

大学講師の新開と高校生の文人は、星が好きという趣味を通じてインターネットで出会い
匿名でのメールのやりとりから、あるきっかけで実際に会うようになります。
心惹かれあう二人ですが、新開には最初から婚約者がいて…。

二人が実際会うきっかけになった事件には胸が痛みましたが、
もうその時点で、すでにお互いが心を通わせていたことが分かります。
しかし、新開の婚約者が文人の姉だということが発覚し…。

一番伝えたいことは、一番口にしてはいけないことだということを
お互い分かっていて、その手に触れることも出来ずに
遠くからただ見つめるだけだなんて、
こんな哀しいことってあるんでしょうか。

正直、もっと他に方法があるんじゃないかと思う部分もなくはなかったし
新開に関しては、誠実さが臆病さに見えてしまう部分もありました。
ただ、相手が傷つかないよう、悲しい思いをしないよう、
お互いが細心の注意を払って行動してい続きるのが手に取るように分かり、
その痛々しさと優しさに涙しました。

このお話は、二人の性格がとてもおだやかで、
自分の気持ちをぶつけたり、激昂したりすることがなく、
それぞれが一人で静かに涙をこぼすという印象です。

それが、二人の好きな星や夜空、紺の傘のイメージに合っていて、
心に沁み渡るような味わい深さがありました。
ラストに解き明かされるブルーの箱の秘密は感動的だったし、
altairとvegaという、秘密の暗号のようなHNもワクワクしました。

あて馬クンも良かったです。
人当たりが良く、文人のよき理解者と思わせて、
実は精神的に不安定な執着系キャラで、不気味な怖さがありました。
この彼の登場で、お話が新開と文人だけの閉ざされた空間にならずに、
第三者の視点から読むことが出来て、とても良かったと思います。

そして挿絵が素敵でした!
特にブルーの箱の、あのアイテムがああいう形になるということを
麻々原さんの丁寧な絵で見せてもらったので、大変分かりやすかったです。
そして読み終わった後に改めて表紙絵を見ると、
お話の内容を汲んだ、とても完成度の高いデザインだということが分かります。

愛しているからこそ、諦めることも出来るし、
離れた場所から、たとえ何年経っても、相手の幸せを願い続けることが出来るという、
愛情の本質のようなものを見せてもらえた作品だと思いました。

暗い夜空に瞬く星の輝きは、二人の相手を想う気持ちに似て、さりげなく儚く、それでもまっすぐに絶え間なく、静かに心を満たすものでした。
星空の下のラストシーンの素晴らしさと、
隠し玉のブルーの箱の秘密ネタで、チョット甘めですが神とします。
当て馬クンにも幸あれ!

4

久々にないた

エロばかりを求めていた自分ですが
久々に胸がぎゅんとなりました。

受けに共感したり、何だか上手くいかないことにハラハラしたりもどかしくってもどかしくってもどかしかったです。

割りとやりまくりでビッチテイストなのをここ最近読んでいたからかなんか
恋愛ってこんな上手くいくことばかりじゃないんだよっていうことを再認識させられました。

受けの不器用さにやややきもきしましたが
逆にその不器用さがリアリティに富んでいて良かったです。

しかも切なすぎてなんか泣きました…

自分がハピエン厨なので、最後にまとまってホントにスッキリしました。

一気読みハートギュンギュン系
自分お気に入りランク上位に入ると思います。

3

一気読み!

以前から本屋で目にすることがあり、ランキングを見てついに買ってみました。
後悔は全くありません!
久しぶりにドキドキ・はらはらしながらページをめくって気づいたら息つく間もなく一気読みしていました。

読了した今、一番印象に残っているのは、自分がゲイだということを言い出せない人の気持ちや、勇気を出して言ったことを友達に受け入れてもらえなかった時の表現です。
そこの文字追っている間ずっと心が痛んでいました。
こんな思いを抱えている人がきっと少なからずいるのかなと思うと、ただのBL作品で片付けてしまうには勿体無いと言える作品だと思います。

途中、暴力シーンがあるので苦手な方は注意です!
私もあまり暴力は得意ではないですが、話の上で必要だったと思えるので気にすることはありませんでしたが…。

ラストに向けては、人間の弱さや優しさが伝わってきて、登場人物それぞれの目線で見ると、みんながみんなすごくいいキャラクターすぎて苦しくなりました。

ぜひ、これは作品の世界にどっぷりつかって、一気に読んでいただきたいな、と思います!!

5

悲しくてしんみり

メール友達からの出会いでなんだか、ドキドキする設定だったのですが
これがまた泣けます
じれったい感じだったり、すれ違いで勘違い物が好きな方は、
かなりはまるかもしれません。

すれ違いも多くて出会ってから何年だよ!と突っ込み所があり、
ヤキモキします。
その中でも、お互い寄り添えない気持ちがなんとも萌えちゃいました

最後の追い上げが凄い感動的で買って良かったと思います。
最後の最後に収録「恋の末路」はもう少し先が気になります・・・

1

最高!

私的にはすごく好きな作品でした。
甘酸っぱくてどこかせつない。もう萌えまくりました。
ネットから始まる恋なんてどうなんだろう・・・と思っていたけれど読んでいくうちに号泣している自分がいました。
文人と新開さんがお互いに悩みすれ違ってしまうところでは結ばれてほしいと一生懸命願ってしまいました。(笑)
お互いがお互いを思う気持ちはとても強くだからこそ三年もの時間がたっても結ばれたのだと思います。
また、文人くんと新開さん以外にも文人のお姉さん(夏那)と神崎がこの物語でいい役割をしてくれました。
二人が結ばれて良かったです。

2

駄目だった(T_T)

凪良先生の作品は好きです。

でも…この作品の受の文人も、攻の新開も…好きになれない性格です。

文人は、人に対する依存が高すぎて駄目。本当におぼっちやまですね。
自分の性癖に対して、友人から傷つけられると、簡単に「死にたい」と呟き、新開にすがります。
新開を好きになって、好きになっていけないとフラフラしたときは、神崎からの好意にすがります。

はあ~。新開を好きになっては、いけないと決めたらなら、離れるべきなのに、何かの理由をつけては未練たらたらで…
捨てるはずのメモとかは、どうぞお持ち帰りくださいと思うけど…万年筆は高いのよ、それもイニシャルが入っているのは、それなりに持ち主の思い入れがあると思うのに、新開の物を手放したくなって返さないのは、罪が重い。
大事なものを失くして困ってないのかとか考えなかったのか~。
その後、その万年筆が新開の大事なものだと判って反省したけれど、新開が自分を庇ってくれた事を重視したのが、許せなかった…もっと反省しろ!

神崎の事にしても、お姉さんの事にしても、自分はすぐ傷つくのに、他人の痛みには鈍感ですか~と言いたくなった。
続き読んでいる途中で、お姉さんと神崎が可哀想で思わず泣けてきました(>_<)。

たとえ、その後に神崎やお姉さんが新しい人を見つけて幸せになっても、自分が傷付けたことは、忘れてはいけないのに…とっとと、新開の所へ行って、新開が結婚していると誤解して、傷つく…なんだかな~。
子供ですね。自分しか見えてないそんな気がして駄目でした。

新開も駄目ですね~。
卑怯です…文人に対しても、距離を置くと決めたなら抱くべきではなかった。
心の中に未練があるんでしょう…なのに、自分からは行動をおこさない。
お姉さんを傷つけて、本当に悪いと思うなら、本当の事を正直に話して、2人で謝るべきだと思いました。
謝って、謝って許してもらえるまで2人で待つべきなのに、逃げた…(>_<)。
私には、そう思えてしかたなかった。

凪良先生の作品は読みやすくて、色んな情景が心にしみてくるけれど、この作品だけは、登場人物が私の好みではなかったです。

中立なのは、この作品の中で唯一、幸せになってほしかった神崎が幸せになれたので…(^-^)。
暴力は好まないけれど、思わず手がでてしまう心情はわかるし、反省しただろうし、手痛い罰ももらったので、今回はセーフです。

17

久々に

登場人物の性格もありますが、淡々と静かに物語が展開するのですが、いつの間にか主人公と一緒に息を詰め、星の見えない夜空に切なくなりました。久々に泣ける物語でした。

4

天の川の距離

7月7日の誕生日。
織姫と彦星のヴェガとアルタイル。
その時はいつも雨。
そんなモチーフがうまく設定に盛り込まれ展開させていく。
穏やかで、でも切ない、心が訴えかけてくるお話でした。
主人公達は草食なイメージを持つのですが、麻々原さんのさらっとした絵柄がぴたりと当てはまります。
受け視点の物語だけど、攻めの気持ちも伝わってくる。
だから物語が染み込んでくるのです。


文人は同性愛の性癖を自覚した時、助けを求めたインターネットの掲示板でHNがaltairの男性と知りあう。
文人はvegaというHNで彼とは共通の星の話と共に、自分の性癖の悩みも話していくうちに彼が大事な存在になっていった。
高校卒業時、思いきって友人にカミングアウトすると一見受け入れてくれたように見えたのもつかの間、彼等の戸惑いを知り文人はショックを受け、思わずaltair宛てに「死にたい」とメールをします。
すると彼は駈けつけて来てくれたのです。

このaltair、自分はバイだと言い彼女がいることを知ります。
だけど彼は文人の為に時間を割いて会ってはくれるけど、ブレーキをかけているよう続きな。
そしてもう会わない方がいいとメールが。
しかし、彼との再会は思いがけない形でやってきました。
文人の姉が結婚を前提のお付き合いをしているとして家族に紹介するために連れて来たのが彼・altairこと新開巧だったのです。
しかも、文人と学部は違えど同じ大学の臨時助教であり、姉の薦めで彼の仕事の雑務というバイトまですることになってしまいます。

恋はしないだろうと思っていた、その恋をする相手が姉の婚約者だった。
しかも、巧は自分と同じように性癖に悩みながら歳を経て、そして出した結論が女性と結婚すること。
会わないほうが、と別れを切り出したのは新開だけど、どうしても文人が気になってしまう。
文人にしても、新開の相手が姉である以上あきらめなくてはならないと割り切っているが、接触が増えればどうしても。
そこへ友人の神崎が文人へ告白をし、執着を示してくるからはっきりと新開が特別で唯一好きな人であることを自覚せずにはいられない。

互いに欲している相手であるはずなのに・・・なのです。
織姫と彦星、ほんとうは好きあっている二人なのに、天の川が立ちふさがって二人を躊躇させ、自由に会わせる事をさせてくれない、
いや、天の川があるから彼等はそれぞれの川岸で暮らし会わないほうがいいと選択する。
切なくないはずがありません。

文人が新開に言われているのに「育ちがいい」というのがありましたが、文人はどこか冷めた感じのするキャラクターであるような気がします。
なので、その育ちの良さもあるからかとても落ち着いていて物腰が丁寧で一見冷静な印象を与えるのですが、ラストのシーンで彼が零す涙は、彼が今までの自分から解き放たれた瞬間なのかな、と彼の素直を見た場面でした。

新開を決してズルい男とは思えません。
彼はバイですし、これから生きていく上で女性を選んだのは彼の選択。
初めて出会った時、文人をこんなにキレイな子だったなんて。と言っています。
別れを一番初めに言いだしたのも、文人を好きになってしまう怖さと彼女を裏切ることになる予感から良心がとがめたに違いないと、わかりすぎるほどに伝わります。
天球儀のストラップのエピソードも、それが指輪に変身するというそれに、新開の本気が見えていました。

本当に心がとてもよく伝わります。
少し胸が痛くてキュンとする恋でした。

気になるのが、文人の友人で後振られる事になる神崎。
とてもいい奴だったのです。彼の執着を文人が重いと言ってましたが、それは文人の心が新開にしかないからこそです。
神崎は愛してほしかっただけです。
少しキれやすくて暴力に走るのはマズイですが、彼にも恋人が?な存在が見られて救われました。

ネットでの出会いから現実の出会い、別れ、再会、別れ、再会と、実に年月を経て展開していくからこそ、彼等の結びつきが難く思えます。

9

リアルそうで、且つロマンチック…!!

個人的に凪良さん作品に連敗していたので
今回は純粋に(?)あらすじもそこそこで読んでみました。
切ないだろうなーと予想していましたが
まさかここまで時間をかけてのお話だとは!!
じっくり丁寧に紡がれる愛(恋というより愛に近い!)でした!

自分が同性愛者だと気づいたのは中学の頃、
誰にもそんなことは打ち明けられない、隠し通さなければいけないと思いつつ
高校卒業の日に、仲が良かった友達に言葉少なにカムアウト。
嫌悪感も抱かれず受け入れてもらえたかと思った安堵も束の間、
もう一人の仲が良かった友人と二人の話を聞いてしまい、
言わなければ良かったと激しく後悔し…。
絶望から救ってくれたのは、
掲示板で知り合ったメル友の“altair”。
携帯メールでのやりとりになっていて、つい助けを求めると
飛んできてくれて、ツラさを和らげてくれて…。

付きあっている人がいるからと、
誠実な態度を崩さない“altair”が、文人の願いを叶えてくれた初めてのキス。
触れ合うだけのそれは、思い出というには悲しすぎるものでした。

好きになりそうだからもう会わないという続き意味の言葉で
二度会っただけでメールのやりとりも終わるという“altair”は
恋人にも文人にも誠意を持ってはいたけれど優しくて残酷でした。
文人の最後のお礼メールに涙が滲みました…。

再会したのは文人の恋人として。
それまでの経緯は何一つ明かさず
家に挨拶に来たのが初対面だと家族に隠す二人も切なかった。
でも何事もなかったふうにはできない、今だって好きなのに。
姉の幸せを願いたいのが本心とは言えない葛藤は
読んでいて苦しくなるばかりです。

それでも、文人の大学で出来た友人・神崎が
きっと文人を支えてくれるのかなと思いきやまさかの執着系!;
育った環境故、好きな人と四六時中一緒にいて安心したい気持ちもわかりますが
暴力は許せない(泣)
神崎と文人がうまくいったらいけませんし
神崎も悪いとは思ってるのですが
文人を心身共に傷つけるなんてひどいと思いました…。
やっぱり、勝手に文人のカバンを見るとか私も生理的に無理;;

大学の助教授の新開は忙しい為、雑用を文人に手伝ってもらうことになりますが
(姉の夏那がそうさせた)
その健気っぷりと言ったら…。
側にいられて苦しいけど嬉しい、不要になったメモを持って帰ってしまうし。
再会する前にもらったキャラメルの箱と一粒を捨てられない。
新開が忘れていった古めかしい万年筆を返せない。
はぁ……切ないというより苦しい。

何度も、「ここでこうしたらすぐ想いが伝わるのに」と思う事もありましたが、
文人自身の心の清らかさと、姉を大事に思う気持ち、
何より新開の為にやむを得ず閉じ込めた恋心に胸を打たれました。
新開も、決して強引な事はせず、ひたすら優しく
文人を尊重してくれている姿が素敵でした。
最初で最後と決めた情事の次の朝、傘を貸したのに、
返さなきゃいけなくなるからと
文人が玄関のドアへ掛けていったのを後で見て泣いたとか……。
大人も泣きますよね…。

最後の糸ともいえる、天球儀のストラップがまさか指輪だったなんて!!
うーわー……ロマンチック過ぎる!!
でも結ばれるその直前まですれ違うのって
どんだけ焦らしプレイ!?って思いながら
とにかく長い年月を経て結ばれる愛、感動しました!

姉の夏那も、神崎も、それぞれの幸せがあって良かったのですが
人を傷つけて傷つけられて…それが人生だと知りつつ
なんとも言えない気持ちになりました。

読み返すときは、新開と文人の想いを反芻しながら
ゆっくり味わいたいなと思います。

“altair”に見つけて欲しかった“vega”、
印象に残るような会った日にはいつも雨が降っていた…。
星座の事もマイノリティも、マフラー、キャラメル、万年筆、指輪、
全てがうまく作用して切なさ満載でした!
神寄りの萌×2です!!

6

胸にせまる恋の話

ゲイであることに悩む高3の白石 文人は 『vega』と名乗って
掲示板で知り合った『altair』と名乗るバイの男性とメールのやりとりをしている。
好きな星の話、セクシャリティの悩み。
ある日友人にカムアウトした文人は、相手の言動に傷つき
「死にたい」とメールを送る。
会いに来てくれた『altair』に、はっきり自覚しないものの、恋心をいだく。
 しかし『altair』こと新開 巧は姉の恋人だった----。

あらあすじはこんなのなんです。
「姉の恋人、婚約者ってありがち」?
ちがいます、
これありがちな話と違います。劇的なエピソードはないのだけど、
真正面から恋が描かれている。
主人公が号泣するシーンでは一緒に泣けました。

キャラクターそれぞれに個性があって思いも、事情もあって。
作中でそれぞれに生きている。
誰が悪いというのではないのに
うまくいかないもどかしさ。

キャラメル、万年筆そしてプラネタリウムといった舞台、小道具が
印象深く使われています。
あと、大学生になった文人を好きになる神崎が可哀相な奴で。
救いが用意されていてホン続きト良かった。

2人が想いを告げ合うのは会ってもう数年、文人には大学最後の冬休みです。

読んでいる最中、胸の痛む恋を文人と一緒に感じているようでした。
良かった、結ばれて良かった。やっと2人は始まる。

10

何度も読み返したい作品

もう一生誰にも心を開かないし恋もしない……傷つき頑なだった文人を優しく解いてくれた彼は絶対に好きになってはいけない人だった。


発売前から、このあらすじを読んでハラハラしていました。
絶対に好きになってはいけない人?
近親?親友の恋人?既婚者?
既婚者だけはどうか勘弁して下さい!と半べそで祈りを捧げていました(笑)

そして結果、地雷回避できました。
思いっきりネタバレですが、絶対好きになってはいけない相手、お姉さんの恋人なのです。

裕福な家庭で愛されて育ちながらも、自分のセクシャリティに悩み、それを誰にも打ち明けることができずにいる主人公文人は、ネットの掲示板でaltairという年上の男性に出会います。

この男性こそがまさに、後に再開するお姉さんの恋人なんです。


もうこの後の経緯書きたくて堪らないのですが、読み進める楽しみを奪ってしまうのも忍びないので我慢します…(涙)

ただ、本当に是非多くの人に読んで頂きたい一冊です
ハンカチ用意して下さいね〜!

12

赤穂

かたがんさんも既婚者地雷なんですね。私も同じです^^
同じ地雷持ちとしてこちらのレビューがとても参考になりました。

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