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表題作Bad Luck -黒衣の迷執-

館川勝司,検察官,愛染の長年の親友
愛染匡一郎,バツイチ子持ちの刑務所医

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

刑務所医・愛染はいたってノーマルだが、ある日親友の検事・館川から「恋人として最期を見送ってほしい」と身体を求められて!?

作品情報

作品名
Bad Luck -黒衣の迷執-
著者
日向唯稀 
イラスト
水貴はすの 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
レーベル
クロスノベルス
シリーズ
Dr.ストップ -白衣の拘束-
発売日
ISBN
9784773086997
2.8

(5)

(0)

萌々

(1)

(2)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
12
評価数
5
平均
2.8 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

千影さんが哀れなり

前作の「Eden ―白衣の原罪― 」のスピンオフ系続きもの、単品で読まれても
わかる内容に一応はなっているが、シリーズ前作は読まなくても前作は必須かな。
2冊で1ピリオドな感じの作品で、前作の主役二人が被害者の事件の裁判を
今回の主役攻めが担当検事として明らかにする流れ。

その担当検事の館川は前作の真弓ちゃんの上司の藍染さんと19年の腐れ縁関係。
長い腐れ縁で、先輩後輩&親友同士でもある二人が館川の病をきっかけに
今までも家族と言うような関係で付き合ってきたが、ここに来て死を意識してから
改めて相手が自分にとってどのような存在なのかを意識し恋愛関係になる展開。

このシリーズも15冊目で長いと言えば長いし、作者のファンではありますが、
実は12冊目くらいで完結かなと思っていた時期がありましたが、
この展開ならまだまだ続きそうですね。
もしかしたら、今回の受け主役の藍染さんの愛息が主役の話なんてものが出るかもと
あの、モホォばかりの学校に中学から入ることになった息子さんが心配です。

そして今回の二人、シリーズ2作目からのスーパードクター黒河と白石みたいな
病魔に冒される内容なのかとシリアス気味な雰囲気を後半まで引っ張ってのオチは
安堵なのか怒りなのか微妙な感はありますが、個人的にはハッピーものが好きなので
このシリーズはこうだよねと納得してしまいます。
それでも思うのは千影さんが哀れ、今回のこんな裁判はファンタジーでもありえない
そんななんちゃって裁判で有罪になりましたが、不憫なキャラなので幸せに
して欲しいなんて思います、それも医者やヤクザ絡みでないほんわかキャラと。
このシリーズはこれでいいのだよと一人納得読みです。

3

『三割族』だったのか。

『Dr』シリーズ15作目です。

このシリーズはとりあえず出たら買うことにしていますが、買ってすぐ読んだのは初めてです(もう何年も買うだけで延々と積んでたんですが、数か月前に一念発起してシリーズ一気に読んだので、やっと新刊読めるようになった)。

ちなみに↑レビュータイトルは、このシリーズの主要舞台である『ホモ病院』の母体の大学では『異性愛者は三割』なんだそうです。で、メインの2人はその『三割族』だったってことで。


前作『Eden ―白衣の原罪―』の脇キャラクターである愛染(受)がメインになっていますので、必然的に『Eden~』から引き続きの要素が多いです。

もちろん、補足は入るのでこちらだけでは読めないとまでは言えませんが、少なくとも『Eden~』は読んでいた方がいいんじゃないかと(というより、逆にこちらは『Eden~』の超ネタバレになってます)。

『Eden~』での事件について、館川(攻)が担当検事、愛染が被害者の上司として関わることになるんですが、それが出逢いというわけではなくメインの2人はもともと大学から19年来の親友だったんですけどね(館川が1年先輩)。

館川は、愛染に自分が余命半年だと告げて『最期は恋人として見送ってくれないか』と・・・


あらすじにも書いてありますが、この愛染がバツイチで小学校6年の息子がいるんです。個人的に『受が実子持ち(や結婚歴あり)』がすごく苦手なんですよ。

さらに、これは日向さん作品にはよくあるんですが、愛染が受キャラクターとしてはまったく好みじゃない。

だからと言って、メインCPのそれぞれのキャラクターは別に苦手でもキライでもないんです。どちらも魅力的なイイ男だと思うし、ラブ無関係なら館川と愛染の関係は好きですよ。愛染の息子を含めて疑似家族のようなほのぼの。

ただ、CPとしてというかラブストーリーとしては個人的好みにおいて許容外というくらいに無理でした。

ストーリーについては、もともと『お仕事もの』もキャラクターの年齢が高い(メインの2人が30代後半)のも苦手要素ではあるんですが、それ以上に愛染の結婚生活の破綻から離婚~のあたりに辟易しました。

なんでBLでこんなものを読まされなきゃならんのか。ただひたすらに気分が悪いだけでした。
『バツイチ・子持ち』がどうしても外せないとしても、単に過去話として『離婚した』って事実だけならまだマシだったのに。

正直なところ、こちらは好みの要素は何ひとつないと言ってもいいくらいでしたね。シリーズの一環でなかったらいっそ読みたくなかった。


あえて言うなら(ホントに無理矢理感溢れる『あえて』ですが)、個人的に日向さん作品でいちばんと言ってもいいくらいに好きなキャラクターである佐原が顔を出しています。←だからって『佐原目当て』で読むほどには出てませんから。ほぼ存在感はないです。

佐原は『極・嫁』の受ですが、こちらの『Dr』シリーズは現実より時間の流れが遅いので(『極』シリーズも現実とは少しずれて来ていますが)、今作時点での佐原はまだ検察事務官です。
脇だった『その恋、異議あり!』『その愛、有罪!』のさらに前になるようですね。


キャラクター・ストーリーのすべてがくだらない・つまらないとは思っていません。
それでも、ラブストーリーとしてはまったく問題外、入り込む隙もないままに終わってしまった感じでした。
このシリーズ、当り率低いわ・・・

ただ、シリーズ通してですが水貴さんのイラストがとても綺麗で素敵です。

6

命のリミットを知った時に本当に欲しいものに手を伸ばす

シリーズものの15冊目だったんですね。
表紙の絵が素敵だったのとあらすじが好みのようだったので手にとりました。
それと「恋人として最期を見送ってくれないか」という帯の言葉が気になって。

このシリーズは残念ながらどれも未読です。
シリーズものでも巻ごとに主役カプが変わる場合は特にそれぞれが独立して楽しめるようになっているものが多いのですが、こちらは前に出ている「Eden ―白衣の原罪― 」の後編とか解決編といった感じで後日談といってもいいような内容なのではないかと思いました。
ついでに話の流れで担当検事と被害者の先輩医師を登場させ、新たなカップルをおまけ的にくっつけたみたいなもののようで魅力的なだけに残念でした。
どうせなら続編としてもっとキャラを立てずにさっらと登場させるだけにするか、事件と関係なく検事×刑務所医として作ったほうがよかったと思いました。

19年も親友としての付き合いだった館川と愛染ですが、もってあと1年と余命宣告された館川は残りの時間を愛染と恋人として過ごしたいという告白をしたことで関係が変化していきます。
個人的には死にネタは避けたい方なのですが、黒河さんのような天才的外科医により治療されるとか誤診だったというオチなのでは?と期待して読むことにしたのですが、どうも彼の病気に関しては置いといて検事としてのお仕事中心で放りっぱなしでした。
深刻な病を放っておく愛染もどうなんでしょう。
医者としても親友としてもいい治療法や医者を探すとか足掻くべきじゃないのかなと思うのですが。

一審終了後に倒れた館川に、とうとうお終いか、と愛染と共に覚悟してしまったのですが…。
賢い館川さんがそんなことであんなになっちゃあいけませんよと言いたくなりました。

そもそも館川が1年前に眠る愛染の唇に目を奪われてことから彼に対する思いを自覚し、悩みまくったことが遠因らしいのです。

愛染も元妻からのDVや離婚後の親権問題などできつい思いをした過去があるなど、面白くなりそうな設定があるのでできればこの話はこれで独立させてほしかったですね。

前作で逮捕された宝蔵院氏が沈黙を通すことから、どうして罪を犯したのかを追跡していく捜査や推理や関係者の気持ちが大半なので、主役の二人の話が二の次のようでした。
後半は法廷の場面が続くのでこのまま終わって、おそらく最後まで愛染は館川を励ましながら看取るのでしょうと思わせる終わり方だったらどうしようかと思いました。

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