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表題作今夜、きみと星につなごう

大宮崇央,29歳,企画営業部
羽野木沢梗,27歳,総務部総務課

その他の収録作品

  • 世界の終わりに星が降る
  • 雨の夜にも星 そこにある、きみの星
  • あとがき

あらすじ

とろけるような、恋をしよう。
一夜かぎりのコイビトごっこから始まった、世界が変わる恋。

もし、今夜世界が終わってしまうとしたら、その瞬間に隣にいてほしいのは誰? 世界滅亡の予言の日、羽野木沢梗(はのきざわこう)は出張先を間違えたコールボーイ・イチゴのふりをして、想い人である会社の先輩・大宮崇央(おおみやたかお)と肌を重ねた。たとえこの想いが報われなくても、一夜の思い出だけで十分、そう思っていたのに……。「――見ぃつけた。」……えっ、大宮に正体がバレた! ?一途な嘘が引き寄せたのは、世界を変えるとびっきりの恋か、それとも――?

作品情報

作品名
今夜、きみと星につなごう
著者
川琴ゆい華 
イラスト
小鳩めばる 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA(メディアファクトリー)
レーベル
フルール文庫ブルーライン
発売日
ISBN
9784040662015
3.6

(110)

(32)

萌々

(40)

(20)

中立

(8)

趣味じゃない

(10)

レビュー数
11
得点
388
評価数
110
平均
3.6 / 5
神率
29.1%

レビュー投稿数11

ティシュ細工の可愛い子

同じ会社で働きながらも、大企業ならば、他部署の人間の顔など知らないのが当たり前。
でもそんなところでも、憧れる素敵な人に出会い、見かけるだけで幸せを感じていた子の恋のお話です。
川琴さんの本は初読みなのですが、ひじょうに読みやすく、他の本も読んでみたくなりました。


受けの梗(ハネちゃん)は特徴ある額のアザとティシュ細工の技を持つ、自称・万年恋愛貧乏性の27歳。
こっそり大宮へ二年間片想い中で、好きあっている相手と寝たことのないゲイ。

攻めの大宮は明るく整った容姿を持ち、花形部署でバリバリ働く29歳。
親友に片想いをしていましたが、彼の結婚で隠れ失恋します。
まさか俺ってゲイなのかなと、悩んでいる真っ最中でした。

二ヶ月前の、大宮の親友の結婚式の夜。
ゲイ友に背中をグイグイ押され、ハネちゃんはコールボーイを装い大宮に抱かれました。
大宮にとっては自分の性的指向を探るため、ハネちゃんにとっては大好きな人といっときでも肌を重ねるため。
一回と覚悟し、お金も置いて携帯番号も変え姿を消したハネちゃん。
大企業だということで安心していたのも束の間、大宮に見つけられてしまいます。

社食でこっそり大宮のリサーチしたり、行きつけの飲食店に自分も行ってみたりする、まるで乙女思考のハネちゃん。
気持ワルなキャラならば「ストーカーですからー!!」と言いたくなるところですが、このハネちゃん、すごく可愛いのです。
アイドルを追っかけているような、報われることなんて100%ないと知りつつも少しでも見たいんだもの…という雰囲気。
だからと言って女の子女の子しているわけでなく、自分の恋は叶わない、望むだけ無駄なんだと諦めているんですよね。
文章では見た目地味と表現されているハネちゃんなのですが、イラストの効果で、脳内はすっかり可愛い子ちゃん風に変換されていました。
わたしもハネちゃん同様、子供の頃、祖父母と夕方の時代劇のフンドシちらりに興奮した口なので(笑)、なんだか妙な親近感が。

受けキャラよりも、いつも攻めキャラに思いをよせるわたしですが、今回は久々に可愛い!!と思える一所懸命な受けさんでした。
ハネちゃんのことばかり書きましたが、攻めの大宮もひじょうに気持ちの良いキャラです。
セリフが要所要所でズバッときて、ハネちゃんでなくても惚れてまう…

「コールボーイってどうなのよー」と読む前は思っていたのですが、読後ホカホカした気持ちになりました。
川琴さん未読の方にも、ぜひぜひオススメです!
わたしと一緒にホッコリしてください(笑

7

可愛くて心が明るくなる話 〜Hitch your wagon to a star〜

羽野木沢梗(ハノキザワコウ)は、同じ会社に勤める大宮に2年も片思いをしている。
プチストーカーよろしく、社食で大宮情報に聞き耳を立てたり
こっそり陰から姿を見る事が出来た日は、ラッキーデー。

世界が終わる日とも予言される12月のある日、
(これは例のマヤ暦の世界終末日、2012年の12月21日ですね?)
偶然のきっかけに乗じてコールボーイのイチゴになりすまし、
大宮と一度限りの身体の関係を結ぶ。
決してバレないはずだったのに、会社のパーティで見つかってしまい……


コールボーイになりすます……?
しかも、呼んでもいないのに……?
と最初はそのぶっ飛んだ設定に苦笑しながら読み始めたのですが、
読んでいるうちにあまりに可愛くて、そこはともかくとして、という気分にw

家族にも恵まれず、ゲイであることに引け目を感じて
幸せな恋愛の経験のない梗。
そんな梗が大宮と急速に親しくなり、
友達のような友達以上のような関係で休日を共に過ごしたりするうちに、
憧れはいつしか失えない恋になる。
でも、自分は嘘をついていたし、大宮には釣り合わないし……と悶々とする。

大宮は、気の迷いにせよなんだってコールボーイなんて買ったかな?
という感じの、とっても好青年。


二人とも30近い社会人なのだけれど、なんとも可愛い!
まるで息子達を見守るみたいな気分になってしまった。
(いや、実際の年齢の話はさておいてw)
大概の高校生の話以上に、微笑ましくて愛おしいのだ。

基本的にあまりいかにもな可愛さや
グルグルするネガティブ受けは好みじゃあないのだけれど、
これはピュアでキュンとする。
(まるで「君に届け」でも読んでいるみたいな気分……ww)


甘く可愛い恋愛模様と共に、それぞれの仕事の話もとっても前向きで、
でも現実から遊離していない感じで好感が持てる。

それと、気になるのは大宮の上司の篠崎課長、42歳。
カッコ良くて喰えないオヤジ……しかも独身?!
そうくれば、勿論スピンオフ期待しちゃうじゃあありませんか?


気まずく別れた後に自慰をする場面を含めて、H場面もなかなかいい。
「神」をつけてもいいかな?とも思ったのだけれど、
もともとは後半に載っている『世界の終わりに星が降る 』という
コールボーイの短編から生まれたこの作品、
設定の不自然さと毒のなさが個人的にはマイナスポイントで
「萌×2」にします。
でも、初読みだった川琴さん、今後も要チェックです!



*作中に出て来て、タイトルのいわれとなった「汝の馬車を星につなげ」は
 19世紀アメリカの思想家で詩人のラルフ・ウォルドー・エマーソンの
 『社会と孤独』の中の言葉。 
 「ただ暮しに役立つだけの下等な仕事に沈み果てるなー
 神々を奨め尊ぶ美徳なる正義、愛、自由、知識、公益のために働け」と。
 
 馬車は普通は馬につないで仕事に使うものだが、それを星につなげとは、
 日々の生活に追われたり、目先のことだけではなく、
 夢や希望や理想を、星のように高く掲げて生きよ!と語りかけた名句。

12

可愛いな

相手を好きで好きで仕方ない気持ちが作品から溢れ出ているみたいな話でした。
元がWeb小説からだと言うのが驚きますが恋する受けキャラがとても魅力的で可愛い。
同じ社内の攻めになる大宮に2年間片思いしていて、でも見ているだけで満足。
まるでアイドルにでも憧れる可愛く甘い雰囲気。

それが大宮が自分はゲイなのかも知れないと悶々としていることを知り、
友人の無謀とも言うべき策略に乗せられた形で大好きな人と1度だけでもHがしたい
それに友人が言った明日世界が終わるとしたらの言葉に背中を押されるように、
コールボーイの振りをして目的を達成して、一夜限りの夢と思っていたら、
会社のパーティーで大宮に見つかったことから恋が始まる展開です。

一途に相手に思いを寄せているのに、その一方で恋は実らない、欲をかいてはダメ、
どこかで同性同士の恋を諦めているけれど、一方的に焦がれるならいいよね。
久しぶりに攻めが好きすぎて好き過ぎてどうしていいかわからないような気持ちが
とっても共感できるお話でした。
一度だけの嘘が次第に大きくなって自己嫌悪になっていくさまも、恋する気持ちが
つかせた嘘だと思うと可愛らしく思えてしまう。
胸キュン系の可愛らしくてどこかコミカルで甘いラブで楽しめます。

9

人生は一度きり

「宵越しの恋」がとても気に入ったので早速こちらも購入。どちらもKindle版。
なんかずっとふわふわとした何かに包まれているようなとっても甘い感じの物語り。

梗は同じ会社に勤める部署の違う年上の男に片思い中のゲイ。その片思いされている大宮は親友の結婚がきっかけで自分がゲイではないかと思い始める。
そんな大宮の様子を知って梗は友人の強い勧めでコールボーイを偽り大宮に接近するが…

同僚という事はわからないだろうとの思い切りだったのにあっさり発見されて、梗のウソは隙だらけで大宮に詮索されてわたわたしてるし、かわいいというかダメダメくんですw
でも諦めている梗に大宮は誠実に付き合おうとしてコールボーイを辞めてほしいまで言うのですから、何も考えず信じてあげてもいいじゃんと思うけれど、大宮は元々ノンケなのであれこれ思い悩んでしまう梗。
普通のデートをしてきゅんきゅんしちゃってる梗、本当にかわいいです。

そんな梗が大宮のためと思い、大宮は梗の副業(ハンドメイドジュエリー)が忙しいだろうと慮ってすれ違う。切なくて胸が痛かったです。

梗のウソがバレて誤解が解けてやっとわかりえるふたり。そして、お互いに本当にやりたい仕事に邁進していきます。そうやってお互いを高め合う関係っていいですよね。

梗が副業だったハンドメイドジュエリーを本業にしようと決める時に、
デザイナーからのアドバイスの言葉「汝の馬車を星につなげ」にしびれました。
これは梗だけでなく大宮のその後も表しています。
梗がこの言葉の英語を入れた手帳用のブックマーカーを作って大宮にプレゼントするのですが、ワタシがいただいたような気分にw

もっともっと早くこの言葉で後押しされたかったなーと個人的にむぅ~と考えたりしましたが^^;
この小説で知ることが出来ただけでも価値があると思いました!

7

ふゆき

snowblack様

いえいえ、本当にすみません!
そのままにとも思ったのですが、訂正したタイトルを最初につけようと
思っていたのでやはりそれにしましたー。

レビューを書くときはみなさまのを先には読まず書いてます。
なので、後日読んで気づくことがありまして…

同じ視点でと言うのがわかるのは嬉しいですね。
こちらこそ、コメントいただいてとても嬉しかったです♪
ありがとうございました!(*^^*)

ふゆき

snowblack

あああ、ふゆき様、ごめんなさい。
同じタイトル、おソロでよろしゅうございましたのに!
あの名句をタイトルにしたくなるような、そんな作品でしたよね。
同じ感想で嬉しかったので書き込ませていただいたのですが、
かえって気を使って頂いて、申し訳ない……(>_<:)
リコメント、ありがとうございました。


ふゆき

snowblack様

あわわ、やっちゃってました。すみません!!!
タイトルかぶってしまって後から直すというのをもう3回くらいやってます(>_<)
最初に考えていた「人生は一度きり」に訂正致します~

snowblack様の「毒のなさ」と書かれていたのにとっても同意です。
このずっとふわふわした感じなんだろうと思っていたのでピタッと来ました。

篠崎課長いいですよね。スピンオフあったら私も読みたいです。
オヤジスキーなのです^^;

最後になりましたが、コメントありがとうございましたm(__)m

ふゆき

snowblack

ふゆき様、こんにちは。
私もこの作品とても好きなのですが、おっしゃるように
ふゆき様がタイトルにされたエマーソンの名句のイメージというか
使い方も大きな魅力になっていると思います。
(奇遇ですが私のレビューも同タイトルですw)


頭隠して尻隠さずが可愛い

コールボーイの振り…ってどんだけ無茶な設定!?
と思ったけど、いやいやそれがスパイスとなって笑えます(笑)
受けのハネちゃんがどれだけ攻めの大宮のことが好きか、コールボーイという淫乱設定(笑)の嘘の為にあたふたするハネちゃん、でもそれも大宮からしてみたら嘘を隠しきれてなくて、余計可愛く見えるみたいな?
微笑ましいカップルです。

6

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