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表題作弁護士は愛に堕ちる

高藤昴輝 大学生・暴力団組長の次男 22歳~
白神優司 弁護士 31歳~

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

妻を殺した犯人への復讐のため、極道の力を頼り組の顧問弁護士になった白神。そこで大学生ながら極道の道を歩む組長の息子・昴輝に、犯人の情報と引き換えに身体を要求される。年下で傍若無人な昴輝の囲われ者となった白神は、荒々しい愛撫で強引に身体を開かされ…!
事務所、裁判所、そんな場所でも応じなくてはならない屈辱。男のプライドをも踏みにじられるが、昴輝の異常な執着の中の温もりに、白神の抑圧された欲望が淫らに疼き始め――!

作品情報

作品名
弁護士は愛に堕ちる
著者
砂床あい 
イラスト
佐々木久美子 
媒体
小説
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイSLASHノベルズ
発売日
ISBN
9784799714300
3.3

(10)

(1)

萌々

(3)

(5)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
2
得点
32
評価数
10
平均
3.3 / 5
神率
10%

レビュー投稿数2

人は愛によって馬鹿になり、愛によって救われる

面白かった。
でも萌えたかというと「ウーン…」というところなので、評価は萌いっことなりました。

物語は暗いシリアスものです。
弁護士の白神(受)は妻を惨殺され、その胎の中にいた子供を連れ去られたという過去を持ち、犯人に復讐しようとしています。
犯人は誰の目からもあきらかなのですが、バックボーンが強力で罪を償わせることができなかった。
復讐するためにヤクザの手を借りようとして、出会ったのが昴輝(攻)となります。
プロローグとしてふたりの【本当の】出会いが綴られているので、昴輝ってなにもの?という疑問はないというか、読者にはいろいろと筒抜けというか…
(個人的意見としてなのですが、こういうのはあまり好きではないな…
 でもこの出会い描写がないと、昴輝が割とひどいやつになるので仕方ないのかも)

タイトルに「堕ちる」とあるように、このお話は最初から最後の直前まで、白神が堕ちていく物語です。
それは単に昴輝に堕ちていくという意味にあらず。
絶望から始まり、新たな絶望を通過し、また絶望を味わう。
最大級の絶望に直面したとき、そこからほんの少し救い出してくれたのが昴輝でした。
でもそこで意思の疎通がうまくいかなかったせいで、また次の絶望が…

絶望を連呼してしまいましたが、それでも最後はハッピーエンドです。
バッドエンドではないので、ご安心ください。

面白かった!と言えるのですが、どうしても気になることがあって。
白神の奥さんが殺された事件なのですが、現実にあった事件(ふたつほど)に似てるなぁと思ってしまって、そこだけはのめり込めなかった…

あと恋愛要素は最後にぎゅぎゅっと詰め込まれてるので、最後のほうまで甘い空気はありません。取引なのでエロシーンは序盤からあるんですけどね。

愛によって馬鹿になって堕ちていくふたりを読みたいかたにおすすめです。

4

面白いけど

なかなかシリアスで面白い作品だと思うのですが、主役の弁護士である白神が
結果的に弁護士資格を剥奪されるオチは好きになれなかったですね。
のほほんファンタジーを好む私にとっては白神が背負った被害者としての事件が
かなり重かった、そして真実が明かされたとき被害者である白神がもっと苦しむ。

それを救うのが、攻めになる年下のヤクザの一家に生まれた昴輝なのですが、
子供の頃の初恋相手である白神を不器用な一途さと健気さで愛を捧げてるけど、
再会時点で白神が全然気がついていないし、どうやって好きな相手のために
何をしていいかも解らない昴輝の行動言動全てが空回りしてしまい、
好きな白神に嫌われてしまう。

ただ思うのは、昴輝が自分の進路を決めるきっかけになった子供だと思い出し、
直ぐに愛情が芽生えるのはどうなんだろうと思いましたね。
もっとも、無自覚で昴輝を特別だと思っていた訳なので違和感はありませんが、
思い出したことで一気にほだされている流れで昴輝がお子様に戻った感じもあります。

愛情と愛憎、憎しみに裏切りとかなりシリアスな雰囲気の作品ですが、
ファンタジー的な解決ではなく、生きていれば理不尽なことも、
白黒つけられないことも多々あるのだと思い出してしまうような作品でした。

3

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