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ゆき林檎さんの2ndコミックは、
Valentine’s Dayにキュン♡とできるお話が表題作でした♪
■「マジックメールチョコレート」
生まれてこの方ずっ~と無縁だったのに、17歳の2月14日に下駄箱にチョコが!
送り主の名前はなくて、チョコレートの箱にはメールのアドレスだけが記載。
仲良しの友達に相談しながら、そのアドレスに浮かれてメール。
でもその友達こそが、そのチョコレートを下駄箱に入れた本人で…
どこにでもいそうな、ごくごく普通の高校生の友達同士、というのがいい。
最初は嘘をつかれていたという怒り、
でも相手の事をよく知っているからこそ、表情が、言葉が、後から心に響いてきて…
切なさと温かさと愛おしさを感じる、余韻の美しいお話でした。
描き下ろしの「Re:マジックメールチョコレート」では、
ゆっくりながらも、ふたりの間にちゃんと恋人同士の愛が育まれているのが分かって、
じんわ~りきましたよ。
こういうCPが、今年もどこかで誕生しているといいなぁ…なんて思ったり…☆
■「もしも29歳草食系マスターが肉食系にロックオンされたら」
1stコミックにあった「もしも29歳草食系マスターがジャズバーを始めたら」の続き。
読んでなくても分かると思いますが、せっかくだったらそちらも是非に~
草食系マスター(バンビ)をロックオンした、かわいい年下肉食系の子(ライオン)が、
今回は温泉への一泊旅行で、ついにヤってしまいます!
動物の姿でも描かれたエッチシーンが、とても可愛くて笑えますよ~~w
あとは、不毛な片思いをしている有名写真家の息子と、
その子の事が気になる卓球部の男の子の、若さ溢れる高校生同士のお話。
もさもさヘアでヒゲのゲイのおじさんと、キラキラな大学生との、
喫茶店でのハプニングと嘘から始まるお話。
ヘタレなおじさんと、ちょっと強気な大学生との力関係が素敵でほのぼの。
■「アフターダーク」では一転して、描かれているのは人の黒い部分。
帯では、犯罪者のクズ受と最凶病み攻、あなたは、どちらが最低だと思いますか?
そんな言葉が目を引きました。
集団強姦、麻薬、ゆすり、脅し、監禁…
高校時代の過去を交えて淡々と描かれていき、どんどん引き込まれました。
1stコミックでも、色んな魅力を見せてくれる作家さんだなぁと思いましたが、
今回は更に!!という感じでした。
全体的にエロ度は低めですが、雰囲気や余韻の良さがとても印象に残ります。
ますます今後の作品が楽しみになりました。
表紙が綺麗だったので、内容もおとなしめだろうと勝手に思っていましたが、各方面に弾けた短編集で楽しかったです。短編ですが詰め込んだ感じはなく自然に読める&読後に妄想する余地があって、お得な1冊でした。
◆マジックメールチョコレート
同級生。片想い。自覚前のいちゃいちゃ。甘くて切ない、青春の味!
◆もしも29歳草食系マスターが肉食系にロックオンされたら
年下攻め。ほど良い甘さがたまらない、鹿肉の味。
◆片恋モノマニア
高校生。好きだからいじめられるのだと思う倒錯的な関係も捨てがたかったですが、本庄の殻を破った里中に拍手。光が差し込む予感の味。
◆週間恋茶屋劇場
学生×作家。異才を放つ学生が冴えない作家に惹かれた理由が分かりませんでしたが、だんだん冴えない作家が魅力的に見えてきました。この魅力を見抜いてたのだとしたらすごい。コーンポタージュ味。
◆ヒゲとアフロの消失
学生×作家のとある1日。ソーダ味。
◆アフターダーク
ダークな2人のダークな話。全編こんな味だったら食欲なくしそうですが、良い感じのスパイスになってました。
◆Re:マジックメールチョコレート
切ない同級生のその後。一番優しく甘い味。
前作で気になる作家さんだったのでこれも買ってみました。
タイトル的に甘いお話かな~と思っていたら、そうでもないお話も入っていたりしてアソート感覚が楽しめるようになっていました。
以下はネタバレあるのでご注意くださいね。
『マジックメールチョコレート』
一番よかったのは、ラスト。できあがるまで、ではなくてカップル成立ルート確定のところで終わるなんてなかなか小憎らしい!やるのう!あとがきではあと100Pくらい描いて結ばれるところまで描きたかったとありましたが、私はむしろこれで正解なのでは?と思います。
「もしも29歳草食系マスターが肉食系にロックオンされたら」
タイトル長いよw前作にも入っていた小話の続きです。いい感じのラブコメで、アニマルバージョンの部分とか、くすっとくる小ネタがかわいい。
「片恋モノマニア」
一方通行の三角関係が切ない。里中が不器用だけどいいヤツで、かっこよかったです。
「週刊恋茶屋劇場」
年上ヘタレ攻め(たぶん)が、一人で悩んでいるときの顔がよかったです。相手を前にすると形無しになっちゃってみっともないほど恋してる様子がかわいかった。
「ヒゲとアフロの消失」
これをリブレプレミアムで読んだ時はなんのこっちゃわからなかったのですが、こうして読むと笑えました。
「アフターダーク」
帯に書かれていた作品。どっちもひどいし後味も悪い。だけど妙に引っかかるのはやはりラスト1ページの強烈な印象なのでしょう。登場人物に感情移入するのはとても無理なんですが、「作品」としてみると面白いものになっていると思います。
「Re:マジックメールチョコレート」
表題作のその後。匂わせるところで終わっていたところを描き下ろしで。
絵のメリハリがよくて、キメゴマの美しさで先に引っ張っていかれました。前作もそうでしたが、そういういいところをチラ見せしながら持っていくのがとても上手な作家さんだと思います。書きたいものを好きなように書く、というよりも、一つ一つを「作品」として考えて作っているような感じがあって、その意識がいいなぁと思います。
今後の作品も期待しています。
『玉響』読了後、読んでみようと思いながらそのままになっていたが
巷はValentine’s Dayで盛り上がっているので、
そうだ!と手に取りました。
なんといっても表紙が可愛い!
(裏表紙とつながっているので、広げてみましょう。)
中身も可愛いけれど、絵が表紙のクオリティに比べて
気になるといえば気になる部分もあるが、
抜くところと書き込むところがもう一息整理されると、魅力的な画風。
7つの短編、色合いはそれぞれで
ゆきさんの引き出しを少しずつ覗いている感じ。
繊細さは持ち味だと思うけれど、それだけじゃあない
ユーモラスさやコミカルさも出ていて、なかなかいい。
(ライオンと鹿に笑った!)
セリフも作者ならではの個性を感じる場面多し。
ただしそれぞれ短いので、見本帳のような趣で
物足りなさもある。
それぞれをもう少し長く読みたかったか。
最後の『アフターダーク』は一転病んだ雰囲気。
ダークな世界は嫌いじゃないのだが、これは今ひとつ……。
最後の「にゃあ」こそが作者のセンスなのだと思うが
そしてそれはかなり好きだったのだが
そこまでの展開の仕方が練れていないというか、
個人的な感想としては説得力がない。
散りばめられた光るセンスに、
非常に楽しみな作家さんだということがわかる。
それを大きく構築する力を今後に期待したい一冊だった。
5編からなる短編集。
軽やかな学生の初々しい恋愛から、ダークな犯罪ものまで、バラエティに富んでいますがどれも秀逸。
表題作「マジックメールチョコレート」は、中でもお気に入りの一編。
片想いからはじまる同級生同士の物語ですが、切ない片想いをバレンタインに絡めて描いたエピソードはとても優しくて甘酸っぱい。
最後の描き下ろしも含め、あと一口で満腹なのになぁというような、ほんの少しの物足りなさがよい。
「好きだよ」の一言が読みたい。でも書かれてはいない。
その絶妙な空白が、素晴らしい余韻を残してくれるのです。
短編もうまい作家さんだなぁと思う。
語り過ぎず、もっと読みたいというところで終わる。胸はドキドキしたまんま。
気だるそうな美形が多々登場するのも、ドキドキの一因ではありますが。
「アフターダーク」
ゾッとするラスト。