本が結んでくれた強引な彼。

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表題作秘密のキスは図書館で

北條輝一,広告デザイナー(26歳)
佐倉井晶,図書館司書(26歳)

その他の収録作品

  • キスの続きも図書館で
  • あとがき

あらすじ

モッコウバラのアーチの奥、静かに佇む図書館。そこで司書を務める晶は、高校の同級生・北條輝一と再会。相変わらず華やかで自信に満ちた輝一は強引に迫ってくる。「おまえ、なんかかわいいな」と、つややかな低音で囁かれて戸惑う晶。どちらかというと苦手、でも――北條の貸し出し履歴に残るタイトルを見て思い出す。彼とは高校時代も、本の好みだけはぴったり同じだった。本と恋が好きな貴女のためのオール書き下ろし?

作品情報

作品名
秘密のキスは図書館で
著者
市村奈央 
イラスト
壱也 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA(アスキー・メディアワークス)
レーベル
B-PRINCE文庫
発売日
ISBN
9784048662604
3.2

(22)

(4)

萌々

(7)

(5)

中立

(2)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
5
得点
65
評価数
22
平均
3.2 / 5
神率
18.2%

レビュー投稿数5

攻め様も受け様も凄く良い!!!!!

高校時代の同級生の再会物です。
キャラクターが正反対で、高校時代も特に親しくすることもなかった2人。
でも、図書委員をしていた受け様は、密かに攻め様と本の趣味が合うという共通点に気が付いていて、攻め様に興味を持ってはいたものの、当時はただそれだけ・・・という感じ。

でも、受け様が司書として働く図書館で偶然の再会をして、正反対の2人の関係が大きく変わっていく・・・という、私が個人的に大好きなパターンの同級生再会物でした。

攻め様の性格がはっきりしていて何とも気持ちがいい。
勢いがあって、なあなあにしたり、曖昧なままにするのが嫌いで、行動力もあって・・・という人物で、もちろん仕事もできるし、見た目も華やかで・・・という高スペック、更には勢いのある性格とは言っても、決してがさつではなく(あ、片づけは苦手そうですが・・・)人への気遣いはとても細やかで、すがすがしくて、正直で、何よりもとても努力家で・・・と、本当に素敵な攻め様なのです。
そんな素敵な攻め様と恋に落ちていくなんて、もうひたすらうっとりなお話でした。
受け様にも好感が持てて、2人の恋を全力で応援したくなりました。

攻め様が受け様のすべてが好きで、受け様の事を心から大事にしたい!!!!という思いも常に揺るぎなくて、受け様も攻め様の事がかわいくて(見た目は格好良いのに、疲れてくるとお子様味覚になるところとか・・・)大切に思っていて、大好きで・・・という、心から愛しあって、思い合っている2人がとても良いのです。

キャラクター達の心の機微とか、考え方とか、細やかな視点とか・・・どれも優しくて、細やかで、文章も凄く素敵なんです。
Hシーンも表現が生々しくなくて、きれいで、凄くドキドキします。



2

臆病うさぎさんみたいな受けでした

本が大好きな図書館司書と元同級生との再会ものラブでした。
全体的な雰囲気は甘く切ない系で恋する臆病さがにじみ出ているような胸キュンラブ。

受けになる佐倉井は地味でおとなしめの司書で両親亡き後、弟と二人暮らしで
まるで心配性のお母さんみたいなタイプなんです。
そして攻めは学生時代の話もしたこともない同級生の北條なのですが、
こちらは押し出しの強いイケメンで佐倉井にとっては苦手な部類の人間。
それでも何故か学生の頃から気になっている存在で同じような本の趣味だったことも
気になる理由の一つだったのですが、自分にないものに惹かれる感じでしょうか。

佐倉井が務める図書館に偶然北條が来たことで再会するのですが、
始めは過去の苦手だけれど話してみたい少年に似ていると過去に思いを馳せた佐倉井
それが本を貸し出す時に見た名前で本人だと気がつき忘れ物を教えようと
咄嗟に北條を名前で呼びかけてお互いに認識してしまう。

佐倉井は無自覚で好意を垂れ流す天然だと思いますね、
それを敏感に感じ取った北條はその仕草を見るたびにこいつ俺が好きなんだなと
思ってしまう訳です。
でも本人は無自覚なのだから、北條に俺が好きなんだろうなんて言われたらパニック。
自分の気持ちにすら気がつかなかったのだから逆にどうしてそんなこと言うの状態。

本人が自覚する前に北條から言われ、動揺し過ぎて北條の勘違いで自意識過剰気味を
混乱したまま指摘して言われた北條は自分の勘違いなのかと、逆に恥ずかしさと
その気になって佐倉井に対する気持ちを受ける側から思う側になっていたことに
こちらも気がつく展開です。

好きだけれど、好きだと自覚したけれど自分自身にも自信がない。
そんな佐倉井に改めて告白し佐倉井の答えを待つという北條。
臆病なうさぎさんが好きな相手に自信を持って好きだと言える勇気を持つまでの
ストーリーで胸キュン系で甘くてどこかほっこり出来るような二人でした。

3

受けが企画した図書館の展示をぜひ見てみたいです。

新刊チェックで粗筋を読み、図書館司書の職業で作品が気になり、
今回は特典ペーパーが付くということで、いつものお店で予約して
購入しました。

『秘密のキスは図書館で』と『キスの続きも図書館で』の
二部構成になっています。
前編は再会から両想いに至る、心が結ばれるまでの過程が書かれていて、
後編は晶くんと湊くんの成長ぶりと、晶くんと北条くんが心だけでなく
体まで結ばれる過程が書かれています。
どちらも図書館での行為は全く無く、どちらも行為は攻めの部屋でした。

受けの晶くんが企画した展示をぜひ観に行きたいです。
装丁家やデザイン会社ごとに本を集めて、
美術館のように見せる展示を企画したということで、
とても興味深いです。
現実の世界で、もし このような展示があれば、
機会があれば行ってみたいと思いました。

内気で殆ど受け身な晶くんですが、攻めの北条くんの強引な言動や行動に
あまり抵抗をせず、疑問を持たず、すんなりと受け入れすぎているので、
読んでいて心配していましたが、後編で弟の湊くんとの問題に直面した時に
自分の力で解決しようと努めているところに安心し、好感を持ちました。
また、少し天然が入っているところも微笑ましく思いました。

北条くんに対する最初の印象は、強引で如何にも俺様という感じで、
もしかしたら自分の意に沿わなければ力で捻じ伏せるのではないかと
少し心配していましたが、そんなことは一切なく、
強引でも、決して無理強いしたり暴力的ではないので、
きちんと弁えているところに好感を持ちました。
晶くんと湊くんとの件も含めて、その時その状況に応じて、
一歩 下がって後ろから見守ったり、相手の意思を尊重して
辛抱強く待ち続けるところにも、とても誠実さが伝わってきて、
さらに好感度が上がりました。

湊くんは、晶くんの過保護ぶりから北条さんが最初に思っていた
湊くんへの印象と同じように、未だに21歳の大学生という感じが
しないです。
後編での湊くんの反応は一般的だと思いますが、
普通は取り付く島もないくらい
拒絶するところを、抵抗を感じていても晶くんのことを
受け入れようとする姿勢に好感を持ちました。
もしかしたら、このまま和解することなく
物語が終わるかと思いましたが、
最終的には晶くんを応援してくれたので安堵しました。
理解したり受け入れるには複雑だったり葛藤があったと思いますが、
そう考えると、晶くんだけでなく、湊くんも、
二人分の成長していく物語が描かれているのだなと、
あらためて思いました。

あとがきによると、
「図書館に行くと、探している本を忘れる現象」について書かれており、
また、忘れないようにメモをしても、そのメモを持って行くのを
忘れてしまうという内容が書かれていますが、図書館に纏わる
よくある話だと、私もその現象が良く起こるので、とても共感しました。
私に至っては、図書館だけでなく、他のことに関しても同じ現象が
起こりますが…。 f(^^;

今回の評価は、迷うことなく「萌×2」です。
物語の内容や展開、人物設定、挿絵、全てがとても萌えました。

購入後、直ぐに読んだ時から、ずっと「萌×2」評価だということは
覚えていたのですが、読んだ後に直ぐレビューを書かず、
今回レビューを書くにあたって、何で「萌×2」評価だと思ったのかが
思い出せず、もう一度、初めから全部 読み直したのですが、
「萌×2」ではなく「萌」までしか感じられず、評価が下がるはずが
ないのに、こんなはずではないと焦ってしまいました。
慎重に確認しながら読み進めていくうちに、上記で書いたレビューの内容と
ほぼ同じ感覚を取り戻しました。f(^^;

2

臆病な恋

可愛いちょっと切ない2人の物語でした。
高校生の時同級生だった2人。でも接点はなくて唯一本の趣味が同じ。そんな2人が偶然図書館で再会します。

晶はおとなしくて、弟思いのお母さん気質の自分の恋に気づかない天然さんでした。
北條は会話のテンポも何もかもが速くて最初俺様系と思ってたんですが、読んでいく内にただの恥ずかしい人になってちょっと笑える部分もあって、可愛い人でした。
そして努力家で真面目な人でした。
自信をもてないでいる晶を待つと言ったり、弟の所にきちんと挨拶に行ったりとすごく相手の事を考えられる人でした。

晶の自分の気持ちが成長していく所や、北條さんの男前な所に萌えたので×2で♪

0

なんとも言えない

どうしようか迷いましたが、受けと攻め両方が私の萌えとちょっと違う…と感じて中立にしました。決してクオリティーが低いわけでなく、単純に私の萌えにひっかからなかったというだけです、すみません。
カップルの受け攻めの両方が、最後まで読んでも得に好みだなあと思えなかったです。

図書館を舞台に、そこで働く司書の晶と、利用者だった北條がたまたま同級生で…という再会ものです。
しかし2人が再会してから図書館での何度かのやりとりの中で、互いを好きになっていった過程があっさり薄味な気がして、ただ単純になぜこの人に恋をしたのかな?というのがわかりにくく感じました。

晶は大人しいタイプに見えて芯が強くて、でも北條に対して「好きなんだろ?」と聞かれて「好きじゃない!」という意地っ張りさが、魅力的に見えたら良かったのですが、私はどうにもあまのじゃくに感じてしまいまして…。同じく、北條は最初はエリートサラリーマンに見えたですが、意外と口が悪くて俺様です。
もちろん俺様系が好きな方には魅力ある男性なのですが、私はこの口調の荒さが少しタイプではなかったかも。完全に個人の好みのお話なので申し訳ないのですが…。

このお話は、短いストーリーが2話で構成されていますが、1話が短かったので「恋愛していく」という様子があっさりに感じてしまいました。
いつのまにか好きになっていて、あっさりくっついてしまったな…という感じで。
1話が短いのは特に雑誌に掲載されたからという事ではなく、両方書き下ろしなので、一冊まるまる使って結ばれるまでをじっくり書いた方がもしかしたら良かったかもと思いました。

本文中に、「その人の事を考えると泣きたくなるというのが恋だ」というようなフレーズがあるのですが、「あなたのことを考えると泣きたくなる」という深い思いに至るまでが、短くさらっと読めるお話しだったために主人公と共感しにくかった。「恋をするという事はどういう事か」という重さ、深さを描くにはちょっとあっさりでした。

それと、1番しっくりこなかったのは・・・そんな事気にするのもどうかと自分でも思うのですが、図書館はよく行く方だと作者さんが書いてたのにも関わらず、図書館、及び図書館の業務について、「あれ?」と感じる箇所が冒頭からちらほらありまして、下調べがあんまりされてないなあ~と感じてしまい、頭のどっかでハマりきれない部分がありました^^;細かいことですみません・・・。
「あれ?」て思っても気にならないで読めるお仕事ものもあるのですが、自分も図書館大好きなのでこれは気になってしまいました。

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