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表題作子捕り

遼平
誘拐され10年間行方不明だった幼馴染み 幸人

あらすじ

八歳のとき、遼平の目の前で誘拐された、幼馴染みの幸人。10年の時を経て突然消息が明らかになった幸人は、なんと誘拐犯と生活を共にしていた。すでに帰る場所を失っていた幸人。不幸な親友を放っておけない遼平は幸人の不幸を背負い、自身の運命を自らねじ曲げていくことに……。辰巳ドロ子が描く、禍々しいカルマに捕われた青年たちの純愛。

作品情報

作品名
子捕り
著者
辰巳ドロ子 
媒体
漫画(コミック)
出版社
ステップラボ
レーベル
100%男子
電子発売日
3.6

(5)

(2)

萌々

(1)

(1)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
2
得点
17
評価数
5
平均
3.6 / 5
神率
40%

レビュー投稿数2

子を捕る

子捕り=人攫い、
子供の拉致から始まる、悲しいことの連鎖。

終りはメリバだった。

面白い作品を描く作家ですね。
短いけれど インパクト強い内容で、耽美風の結末。
一度読んだら、多分忘れられない。

作品数が少ない作家で、pixivに「Mドロ」のIDで頁があるけど、
最近の更新はないみたい。

0

優しい狂気

怖い話、哀しい話が多いドロ子さんの作品の中では
比較的救いがあり、結末にホッと息をつける作品。
(しかし冷静に考えるとやっぱり怖いですw)


8歳のとき、遼平の目の前で誘拐された、幼馴染の幸人。
10年後、遼平は近所の子供たちから
「ゆきと」という青年がドヤ街に越してきたと聞く。

荒れ屋を訪ねてみると、そこには成長した幸人が。
誘拐犯の男・黒田を「父さん」と慕っていた。
連れ帰ろうとするが、幸人はあの家には帰りたくないと。

しかし、黒田はすぐ自首し、幸人は実家に戻る。
後継のことで幸人を疎んじる弟に折檻を受け、
幸人は日に日に憔悴していく。

10年前、自分が幸人を誘拐犯から守っていれば――
10年後、自分が幸人と再会しなければ――
これ以上、幸人の苦しむ姿を見たくない。
そんな想いから遼平のとった行動は…。


ラスト、二人の優しい笑顔に
最初はホッとしたけど、
そのあとすぐ手前の壁の貼り紙が目にとまりゾワッと。

親は子を選べない、過去は取り戻せないから、
せめて行き場のない子を救いたいという事か。

優しく美しいラストシーンを演出する一方で、
決して彼らが正義とは言えない、
ある意味「狂気」の人たちであるとも示唆するかのような
ラスト一コマの構成が巧い。

温かな感動と恐怖を同時に味わえる、なんとも言えない読後感です。

好きな話なんですが、
もっと掘り下げてほしかった部分もあります。
◆誘拐犯と幸人の、擬似親子の絆とか
(黒田の自首が、アッサリしすぎていて…)
◆遼平が、いくら罪悪感があったとはいえ、
ここまで幸人に尽くすかなーとか、
ちょこちょこ気になったので、萌評価です。

2

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