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表題作FATHER FIGURE

ガブリエル,警察官,23歳
ウリエル・ブラックストーン,ガブリエルの父親

同時収録作品Between the Devil and the Deep Blue Sea

その他の収録作品

  • Break Down(ラフイラスト集)
  • あとがき

あらすじ

誰かを求める思いが純粋すぎたとき、悲劇は起こる―――
「In These Words」のストーリーラインを構築するNarcissusが描く極限愛!コミックス「In These Words2」と同時発売!!



警察官であるガブリエルには秘密があった。自宅のアパートの窓から見えるその部屋 に住む男――彼を自分のものにするために、親切な隣人を装って綿密な計画を立てていたのだ。そして真冬のある夜、ついにその計画 は実行された!
ガブリエルが思いを遂げた2週間、その小屋で何があったのか!?
精神分析医・浅野が手がけた一つのプロファイルがここに明らかになる…!
英語圏、中国語圏などで話題のクライムBLノベル、日本語初翻訳。 日本語版には、日本を舞台に浅野が登場する短編を特別収録。


Guilt|Pleasure
(小説:Narcissus イラスト:咎井 淳)
翻訳:仔犬養ジン

作品情報

作品名
FATHER FIGURE
著者
Guilt|Pleasure 
媒体
小説
出版社
リブレ
シリーズ
In These Words
発売日
ISBN
9784799714904
3.7

(67)

(29)

萌々

(11)

(14)

中立

(4)

趣味じゃない

(9)

レビュー数
12
得点
235
評価数
67
平均
3.7 / 5
神率
43.3%

レビュー投稿数12

首輪と指輪

読む人の精神力を試す作品だと思います。

中身を読むまでタイトルを信じられませんでした。

強い印象は「拘束」。
首輪をつけさせ、いうことを聞かないとお仕置き。ガブリエルがウリエル・ブラックストーンに対した行為は制圧力が強くまるでスパルタ教育を見ているようでありました。
さすが法の執行者。
拒めば殺すとは簡単に言わない。限りなく痛めつけるやり方は無駄がない。
BLいう枠踏みに無理にはめなくてもいいかもしれません。BLの視点で見ると父子姦というテーマはロマンスが制御されてしまう感がありますので・・。

愛情表現がとても切ないですが、結果はガブリエルが当初から計画した通りの幕をおろします。

重い形となりました。
愛しているが、信用できない。母から得られることのなかった愛をウリエルに求めているにすぎない。根底にあるのは強烈な人間不信ではないのかと思います。
虚偽を見破る鋭いカンを持っていて納得させるには生易しいタイプではない。
(敵にまわしたらこわい男だなあ・・。)
ウリエルは身をもって証明する必要に迫られました。

決定的な「一夜」にしてウリエルの心境が変わったのは確かですが何を考えていたのかはよくわかりません。フィリップの言葉から推察するのみであります。

事が発覚してからの展開が面白く『ITW』の主人公浅野克哉が精神科医として関わっています。彼の役目は検察側の人間として、ウリエルの遺体のありかを聞き出すこと。そして裁判沙汰にできない精神状態である診断を下すこと。被害者の家族を黙らせること・・浅野の背後にある組織の『意思』がうかがわれます。奪われた指輪を取り返し改めてガブリエルの「左手の薬指」(意味はここに記すまでもありませんが)に嵌めなおしているシーンが意味深だなと思いました。

ガブリエルの最大の美点はウリエルから貰った「約束」をj遵守することに発揮されます。

その後、フィリップと浅野の会話があります。
フィリップの淡い萌え感でてました。
事件から4年後という設定とのことですが、『ITW』ではあの「事件」が始まったころですね。
これはそのプロローグなのでしょうか?





8

重く深い愛

あらすじやレビューを見るかぎり、近親相姦、監禁、凌辱、拘束、バッドエンドなどの不穏な言葉を目にしたので覚悟して読んだのですが、一度も閉じることなく一気に最後まで読みました。
ウリエルの最後の二晩あたりの心境変化をまだ深いところまで読み込めていないので何度もじっくり読み返そうと思います。ウリエルがガブリエルを赦し、薬指に指輪を嵌めるシーンはとても印象的でした。台詞の意味も何度も考えてしまう。ガブリエルのどうしようもなく深い重い愛のなれのはてはとても切なく寂しいものでした。
個人的に近親ものは大好きなので父子関係の珍しさに惹かれたのですが、作中の「彼が初めて味わう男――その相手は、実の息子だ」の一言、とっても良かったです。

6

忘れられない一冊に

これは凄い作品に出会えた。
この作者二人じゃないと決して表現できない世界、お話だなと思いました。
全部の作品読んでみたい。

最初はただ単にこりゃ良作な監禁ものでは?とワクワクしていたんですよ。
(監禁ネタ好き)

一人の男を繋ぎ止めておくための居住空間をきっちり準備していて、抜かりないんです。
万が一自分に何かあったら、一人では生き残れないようにしているあたりも怖いですよね。
机もボルトで固定されているし、食器はプラスチック製。
その用意周到さが素晴らしすぎて惚れ惚れして。
おまけにそれを実行しているのは現役警察官。
こりゃ勝ち目がないー、いいぞー!!!と無邪気に楽しんでいたのですが、彼の父親に対する異常な執着に惹き込まれ、気付けば無我夢中で読み進めていました。

狂気あふれることではあるのに、どうにもガブリエルを憎めない。
嫌悪できないどころかどうにか救いはないのかと思えてなりませんでした。
終盤のウリエルにはただただ涙です。

凄く印象に残る一冊でした。
ふとした時に思い出してはなんとも言葉にしにくい気持ちになっています。
悲しいお話ではあるのですが、私はそこがとても好きです。

3

これも一つの父子の物語

クライムサスペンス「IN THESE WORDS」の関連作ノベルス。
翻訳は、ハードボイルドな洋モノBLに定評ある仔犬養ジンさん。
ジンさんの作品もとても好きなので、久々にお名前を拝見でき歓喜しました♪


母子家庭に育った23歳の警官ガブリエルが、母親が決して語らなかった父親ウリエルの存在を知り、彼をつけ狙うところから始まる物語。

愛に飢え、父に飢えていたガブリエルはウリエルに執着し、彼を愛している、閉じ込めその肉体を犯したいとまで思う。
隣人としてウリエルに近づき、小屋に監禁し、首輪でつなぎ凌辱します。


鞭でスパンキング、フェラ強要、
逆らったら糞を食わせるなんて発言もあり、
監禁の描写はかなりバイオレンス。
挿絵もすごい色っぽさと迫力で物語を牽引します。

心身共に追い詰められていくウリエルの恐怖がリアルに迫ってきてかなりゾクゾクします。
ウリエルの説得を全く聞かないガブリエルの思考回路は得体が知れないし、ウリエルが本当の妻や息子について発言したときのキレっぷりも見境なくて怖い。
そんな人物の一人称「俺」で話が進むため、犯罪プロファイルかサイコパスの手記でも読んでいるような不安感が終始つきまといます。

ウリエルに会うまでのガブリエルはただ父親の愛に飢えた、残虐なことをしない「まとも」な人物であることが伺われるだけに、何かのきっかけで一線を越える人間の怖さ、悲しさが沁みます。


シビアで救いのない展開ながら
ラストにはほのかに希望が見え、読後感は悪くない。
ウリエルの人間性も、哀しいくらい優しい言葉と贈り物も、
きっと息子に受け継がれるであろうという希望が残ります。


ITWの主人公で精神科医の浅野克哉は、
終わりの方で精神科医としてとても重要な役割を果たします。
その優しさと冷静な説得術に惚れ惚れするし、
若い青年をたぶらかす色気もやはり建材v
浅野のストローを吸いたがる青年くんの気持ちがよく分かるのでしたw

16

Krovopizza

すっぽんぽんさん
はじめまして、コメントありがとうございます!!

ノベルは加害者視点ということで、コミックとはまた別な恐怖、スリルがありました。

本編以外のところだと、口絵カラー(入浴シーン)のエロ美しさがとても印象的でした(pixivにもupされています☆)

ぜひぜひお試しを(*^-^*)

すっぽんぽん。

初めまして☆
コメント失礼します<m(__)m>
ウリエルの狂気感と鬼気迫る内容の感じがすごく伝わってきました!!
おもわずコメントまで…(笑)
ノベルはまあいっかと思っていましたがちょっと読んでみようかと思います。

タイトルが秀逸

※ネタバレです

まず、挿絵がとても多いです。こんなにつけてもらっていいの?というくらい多くてホクホクなのですが、そのほとんどが登場人物の悲痛な表情のイラストです。
愛情に飢えた主人公ガブリエルと、ガブリエルの実父であるウリエルのガチ近親相姦・監禁もの。そしてバッドエンド。ちなみに、監禁ものですがスカ描写などはありません。ただ、ハードではありませんが流血、肉体的に痛い描写がありますのでご注意を。
この作品、評価に非常に悩む内容で、どうしようかなと悩みましたが萌え×2で。面白かったし一気に呼んだのですが、この本に対する評価を例える言葉が「萌え」ではないかな?という意味で悩みました。こういう雰囲気の話は好きです。

内容ですが、まずガチ父子、しかも息子×父親は結構レアな気がします。エロ描写もちゃんとあるし、表紙の美しい父親、ウリエルの色っぽい描写、息子ガブリエルの父親に対する執着はもちろん萌えますが、それ以上に作品全体から漂う陰鬱な雰囲気がすさまじく、私はBL小説というよりサスペンスものの洋画をみたような気分になりました。
ウリエルが最後、ガブリエルを赦し指に指輪をはめてあげたところで、彼のガブリエルに対する深い愛情を感じ取れたのがとても哀しかった。どうしようもないの一言。
「ただ、父さんの息子になりたかったんだ」
ガブリエルのこの一言が胸に突き刺さりました。ガブリエルだって、根っからの悪人でも狂人でもない。魂の無い父親の抜け殻を助手席に乗せ、語りかけながら涙を流すシーンは彼の途方のない感情がひしひしと伝わってきます。

この作品の終盤と短編にはIn These Wordsの主要人物である精神科医の浅野がでてくるのですが、この作品での浅野の存在はかなり大きかったです。In These Wordsで見せる浅野の表情とはまた違った一面が見られます。
浅野の存在が、結果的にはウリエル、ガブリエル、フィリップたちの救いになっていたことが本当に良かった。特にフィリップの。浅野は年下男を射止めるのが本当に上手い…。カフェでの二人のやりとりはBL的に萌えました!

主人公の実父に対する容赦の無い暴力的行為、更にバッドエンドで苦手な方はとことん苦手だと思いますが、本編の後の小説作者のNarcissus先生のあとがきには中々ハッとすることが書いていますので、気になった方は最後まで読んでみることをオススメします。

13

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