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いろいろ惜しい
オリジナリティには欠けるもののきれいめな作画で、女子もしっかり描ける作家さんでした。
女子もしっかり描ける作家さんはだいぶ増えてきたように思いますが、それでも女装してる男子にしか見えない女子を描く作家さんの方が依然として多いのも事実で、「男しかいないファンタジーの世界」から一歩出た「女性という選択肢もある、より現実味を帯びた世界」が舞台の作品が増えているように感じる昨今、「描ける」作家さんは貴重ではないかなと思うのです。
表題作と同時収録、2CPの話が読めます。
大学の同級生と朝チュンからの〜、という表題作と、同時収録は年の離れた幼馴染み。
両方通して言えるのは、きれいめな顔面があまり崩れないので、絵から感情を読み取りにくいということでした。
さらにその感情も既定路線を辿るだけで、結果を急ぐあまりに「え？何か読み飛ばした？」という展開もちょこちょこ見られて、同時収録の方でいきなり自宅まで押しかけて告白しに来る後輩がいるのですが、この流れも不自然で、「こういう出来事があったら、そっちに気持ちが向くでしょ？」というルートを守る方が流れよりも重きを置かれている感じでした。
そもそも同時収録に関しては年齢差がよく分からず。ふつう、どこかしらで出てくるはずなんだけどなあ。
出会いの場面での体格差では3才くらいは違いそう。受けは大学入学と同時に一人暮らしを開始していて、攻めが「勉強教えてくれ」って言いにくるまで何年か経っているのか、実は1才差なのかよく分からない。飲み会なんて大学生は未成年でもしますもんね、良くないことだけど。
年の差が分からないと、攻めがどのくらい思い悩んでいたのかもわからないし、きっかけになった女子とのこともいつなのか分からない。
さらに戻ると、受けの自宅まで告白しに来た女子の服装が制服に見える。大学1年と高2〜3なら「先輩！」っていうのもわかるけど、自宅までくるのはご都合主義というか、ストーカーじゃないんだから構内か大学の門前で良くないですかと思ってしまった。
細かいことをこちゃこちゃ言いましたが、イケメンも美人系も女子も描ける作家さんなので、ストーリー展開をもっと自然に、キャラの表情からも感情を読み取れる絵が描けたら相当良くなるだろうなあと思いました。
自分は描けないのに、偉そうですみません。
う～ん…
題名と綺麗な表紙に興味を持って、手に取りました。２つのカップルのラブストーリーが収録されています。
読んだ感想は、ありがちな話で心に残らない…という感じでした。特に表題作は、よくある始まりによくある葛藤によくある別れ話…と、あるあるづくしでした。
もう一つの短編の方がまだ面白かったけど、萌えやキュンは感じることもなくて。
インパクトはないけどスッキリアッサリ読める感じで、ＢＬ初心者さんが安心して読めそうな感じかなと思いました。
BLってどんな本ですか？
・・・という質問をされたらこの1冊を差し出せば過不足なく理解していただけそうです。
その位、必要なものは一通りあるにもかかわらずそれ以上のプラスアルファがまったくない本です。
・酔っぱらって寝たら隣にいた
・攻め受けに関する逡巡
・綺麗の基準が「まつげが長い」
・体が反応しているから好き
・かわいい子は成長して野太い男子
・女子に告白されて相手が好きだと気付く
・・・などなど。BLにありがちな状況を点とするならそれを丁寧に全部たどってなぞったらこういうお話になりました！ってかんじ。
一つ一つの表現のすべてが「BL的普通」でそこを1歩も出てない本なので、BLを沢山読んだ人にはまったくお勧めする気になれないのですが（自分も正直つまらんかった）
逆にいうと必要な要素はきちんと揃っていて、絵も綺麗なんですよね。そこそこエロ度も高いし。でも滾るほどすっごくエロに力が入ってるほどでもないのですが。
「好き勝手に書かせていただいた」って後書きにありますが、正直言ってこれは
この調子じゃいくら放牧してもセオリーから飛び出して変な所にはいきそうもない、
という編集さんの舐めプレイでしょう。
（逆に放牧すると危なすぎるのは天城れのさんだとおもう・・・）
ま、けれんみがないのでBLをほとんど読んだことのない初心者にはおすすめます。
良くも悪くも「完膚なき普通」のBLです。
電子配信２編+描き下ろし２編の初コミックス
きれい+可愛い表紙に惹かれましたが、中身は線が太くなったり細くなったりで、雑な感じが気になりました。
電子配信されていたという２編+描き下ろし２編の短編集。エピソードが少なめで、登場人物達の感情を説明するモノローグや台詞で話が進んでいくので、あまり興味を持って読めませんでした。妄想が膨らむような伏線や間があれば良かったなぁと思います。
地雷はありませんでしたが萌え所もなかったので、趣味じゃないに近い「中立」です。
◆不純恋愛症候群
テンプレ通りと決めつけるのもアレなので、１話目だけあらすじ紹介してみようと思います。
目覚めると隣には裸の男。もう会わないだろうと思ったら同じ大学の学生だった！ 友人に尋ねると「お前知らないの？ 顔も頭も良くて女にもモテる！ この学校の有名人だぞ。家もかなりの金持ちらしい」とあらすじのような答え。
「責任とって付き合って」と主人公に迫る有名人。そのまま襲われ抵抗もせず「オレがやられる側かよー！」と叫ぶ主人公。何度目かのＨで「もうやめよう…」と男同士であることを理由に別れを切り出す主人公。泣く有名人。別れた後も有名人の事が気になり友人に相談する主人公。「女だろうと男だろうと、相手を想う気持ちが大事なんじゃないかな」という友人の言葉に大切な事を気付かされ有名人に告白する主人公。ハピエン。
◆密愛ｖ症候群
「そんな可愛いことされると加減できなくなっちゃうよ」と言った次のコマで絶頂(顔のみのカット)。何という肩すかしプレイ。せっかくの玩具プレイですがこの回が一番絵が雑です(涙)。
◆初恋天使は年下男子高生
可愛い女の子だと思っていた初恋の相手がいつの間にか立派な男子高校生に成長していて。ドキドキの理由に主人公が気付くまでの話。
◆年下男子高生の初恋
「初恋天使は～」の話を男子高生視点で。
ちょっと残念な気持ちで本を閉じましたが、表紙を見たらやっぱり綺麗可愛いのでほっこり。カバー下のラフ画を見てまた残念な気持ちになったので再度表紙を見て心を落ちつけました。表紙があって良かったです。
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