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表題作闇の翼に囚われて

黒羽,芳明の先祖に封印された元神の式神,
倉橋芳明,人ならざるものが視える大学生,20才

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  • あとがき

あらすじ

陰陽師の子孫の倉橋芳明は、朽ち果てた神社で封じられた神・黒羽を解放してしまった。芳明は先祖の陰陽師・吉明と間違えられ、彼に無垢な身体を強引に犯されてしまう。力を貸すことを条件に芳明は黒羽に凌辱され続けるが、彼と行動を共にするうちに吉明の記憶を夢に見るようになって…。黒羽の想い人だった吉明の記憶と、今の自分に引き裂かれるような気持ちになり——。

作品情報

作品名
闇の翼に囚われて
著者
水月真兎 
イラスト
緒田涼歌 
媒体
小説
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリア文庫
発売日
ISBN
9784861347061
4

(5)

(2)

萌々

(1)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
20
評価数
5
平均
4 / 5
神率
40%

レビュー投稿数1

生まれ変わりと神様のラブ

この作家さんの作品は結構好きなのですが今回の作品はちょっとだけ物足りないかも。
書籍の厚さも薄めなのでそんな風に感じてしまうのかとも思います。
荒神×陰陽師、帯にはそんなカプ紹介なのですが、もう少し詳しく言えば
遥か昔に神だったものが陰陽師にうっかり恋してしまった為に神ではなくなり
その陰陽師の式神として使役される側になってしまう。

そんな神の地位を捨ててまで側に居て守りたいと願った陰陽師の人間は亡くなる前に
式神を鏡に封印してしまう。
そして現代になりその陰陽師の血を引いている受けになる芳明が「視える」能力が
生まれながらにあったことで元は神だったはずが長い間封印されて荒神になっていた
黒羽の封印を偶然解いてしまったことで危うく封印した先祖に間違われ殺されかける。

もっとも黒羽の怒りは亡き陰陽師を愛する気持ちの方が強くて殺すことは無かったが
黒羽にとっては芳明と過去の陰陽師で主だった吉明とは同じ魂を持つものだから
同一人物認識なのです。

そのことで芳明は先祖の吉明の身代わりのように抱かれてしまい、いつしか身代わりで
抱かれることに、自分でないものへ気持ちがある黒羽に怒りとも悲しみとも付かない
感情を持ってしまい、いつの間にか湧き出ていた黒羽への思いが自分のものなのか
先祖の記憶の為なのかと揺れ動く感じですね。

見た目も潜在能力の過去の陰陽師そのものだけれど現代で生まれ育った芳明には
今の記憶と気持ちがある訳で過去の人間を愛している黒羽との関係はうまく行かない。
黒羽からすれば同じ魂を持っている相手だから同じなんですよね。
でも頑なに本人は先祖と自分は違うと言い張るので過去の記憶がない芳明の言い分を
納得して認めていくようになります。

それなのに過去の陰陽師の力が危機的状況のときに自分の身からあふれ出る
完璧に生まれ変わりで過去の先祖の記憶も黒羽と共有出来たりするのですが
やはり現在の自分と切り離しているので黒羽への気持ちも黒羽からの気持ちも
素直に受け止めることが出来ない感じですね。

完璧に過去と切り離して神と今の芳明とで恋をするとか、過去の記憶も感情も
全て蘇るとかしていれば個人的にはもっと面白かった気がするのですが、
この作品ではどっちつかずなままで終わるのでちょっともやっとしました。
それでも陰陽師系の作品は大好きなので面白かったですがもっと深みが欲しかったです。

7

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