野良犬にさえなれねぇ

norainu sae narenee

野良犬にさえなれねぇ
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
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  • 萌×29
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

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レビュー数
6
得点
91
評価数
20件
平均
4.6 / 5
神率
55%
著者
 
媒体
コミック
出版社
幻冬舎コミックス
シリーズ
バーズコミックス ルチルコレクション (コミック・幻冬舎コミックス)
発売日
価格
¥630(税抜)  ¥680(税込)
ISBN
9784344831261

あらすじ

幼なじみの保・洋平・蓮、そして保の義弟・央登。央登は子供の頃から洋平に憧れていたが、洋平は昔、蓮とただならぬ関係にあって…?

表題作野良犬にさえなれねぇ

辻村洋平,高校生
小島連,幼馴染の仲良し3人組のひとり・高校生

同時収録作品ハートに風穴 前編 / 後編

辻村洋平,受の兄の親友・刑事
夏目央登,高校1年生・16歳

その他の収録作品

  • 28日後…(描き下ろし)
  • あとがき

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レビュー投稿数6

ダブルパンチのやるせなさ

これまでに読んだ語シスコ作品の中でどれが一番やるせないかって言ったら「上等だベイビー」収録の『リハビリ中断』かこの作品か。
もしかしたらこちらの方がよりやるせないかもしれません。
読めば読むほどやるせないです。

小学校からの腐れ縁3人組〔洋平〕〔保〕〔蓮〕+保の義弟〔央登〕の4人が作品の主要な登場人物で、高校生の央登を主人公に現在の4人を描いた関連作と、洋平を主人公に3人の高校時代を描いた表題作で構成されています。

『ハートに風穴』(全2話)
兄の親友〔洋平〕に恋する〔央登〕が主役のお話です。
全体的にはコミカルトーンだけど、中盤で痛ましいレイプ事件が起こります。
子供の頃遊んでくれた蓮を「ヒーロー」だと言って、会わなくなって以降も慕い続けた央登を見事に裏切る蓮のクズっぷりが情けない…
一方で洋平が見せる男気にはホロリときます。
保は保で弟思いのいいお兄ちゃんです。

『野良犬にさえなれねぇ』(全5話)
〔蓮〕に恋心を抱いていた〔洋平〕が主役のお話です。
この表題作がなんともやるせない。
哀しきクズ男〔蓮〕がどんな風にして出来上がったかが明かされま続きす。
語シスコさんと言えば、弱者を光のある処へすくい上げる(もしくは向かわせる)ストーリーをお得意とされている印象が強いので、その最も象徴たるキャラ(蓮)が切り捨てられてしまったところに個人的にものすごいショックを受けてしまいました。
ただその分、リアリティがあります。
親の再婚で央登という守るべき存在ができて真っ先に見切りを付けた保のドライさもリアルだし、堕ちてく蓮をどうにかして救ってあげたかった洋平の足掻きもリアルで、どうしようもない蓮の空っぽさもリアル。
蓮が洋平を自分の道連れにしなかっただけマシなのかもしれないけれど、最後に洋平に見せる蓮の良心は悲しさを誘います。
それから月日が過ぎて大人になった洋平は大人になったなりの方法でもう一度蓮を救おうとするのですが、その行く末が『ハートに風穴』の蓮な訳ですから、もはや蓮には同情のしようがなく、そこにまた更なるやるせなさを感じます。

『28日後…』(描き下ろし)
央登と洋平のその後。
再びのコミカルトーンで表題のやるせなさをちょっぴり和らげてくれます。
兄の無言の牽制虚しく、そう遠くない未来に洋平は央登に手を出しちゃうんじゃないかな。
央登の成人を待つのは無理でしょ~(笑)

1

これも高校生もの

高校生祭りもそろそろ打ち止めかなぁ。

爽やかとも、かわいいとも、かけ離れているけど、これも紛れもなく高校生もの。

冒頭の「ハートに~」は、高校生になったばかりの央登は子どもの頃から近所に住む兄の友達洋平が大好き。
洋平としては、まだまだ子供の央登を相手にするわけにはいかず拒み続けるのだが、兄と喧嘩し、洋平にも追い出された央登は、兄と洋平ともう一人の仲間だった蓮に街で偶然で会います。
この後の展開が、なかなかハードなんだけど、逆に説得力あるというか、
ここまでのことがないと、大人の方からは子どもに手を出す「淫行」の壁は乗り越えられないよね。

そして、続く表題作「野良犬にさえ~」で保と央登、洋平、蓮の高校時代が語られます。

なんと言っていいか、年期?覚悟?格の違い?
ズシンと来る。

その上、最後はちゃんと洋平と央登の現在話でちゃんと明るくオチを付けて終わる。
大満足です。

2

本領発揮!のアウトローもの

5月の予約購入本のひとつ、語シスコさんの新刊。
ワクワクしながら開いたら、口絵にいきなり女装っ子が!
まさか女装モノ?!と一瞬たじろいだものの(苦手なんです、女装モノ)、本編には女装シーンはありませんでした。めでたし、めでたし(゚ー゚;A

ていうか、この口絵、「赤ずきんちゃん(=女装っ子)たら気をつけて(オオカミが狙ってるよン)の図」だったんですね。
冒頭の「ハートに風穴」は、そう言われてみればそんなお話。
主人公は、高校生の央登(ひさと)。央登には、父が再婚した関係で血の繋がりのない(年の離れた)兄が一人。
自分も昔はヤンキーだったクセに、央登を掌中の珠のように大切に厳しく育てようとする兄と、兄の悪友たち――マル暴刑事の洋平と、ヤクザでムショ上がりの蓮――にユーワクされたい年頃な央登の、バトルな日々を描いたコミカルな作品です。

表題作も一連の作品で、こちらは「ハートに風穴」から少し年月を遡り、央登の兄と悪友たち3人の悪ガキ時代と、洋平と蓮の切ない恋の顛末が描かれています。
ワケありの家庭に育った3人がつるんで、酒・タバコ・麻雀・喧嘩三昧の日々。
といってもフ続きツーにやんちゃな高校生だった3人の中で、一人蓮だけは、暴力団関係者とも付き合い始め、次第に闇社会へと足を踏み入れていきます。
変わっていく蓮を一途に想い続ける洋平ですが、犯罪に手を染め、いっぱしのヤクザへと変貌を遂げていく蓮を止めることはできず…という、語さんお得意のやるせないアウトローもの。
あとがきによると、「ハートに風穴」連載中、蓮が好評だったことから「野良犬にさえなれねえ」が生まれたとのことですが、後出しで生まれたという「野良犬~」の部分が圧倒的に面白い!
これほんとに「キュートでスウィート」が謡い文句のルチル?とレーベルを見返すほど、ヤクザに染まっていく男の姿が躊躇なく描かれています。
この本の表紙絵はマル暴刑事の洋平なんですが、レーベルカラーに配慮してか、中身よりもずいぶんキレイめ。本編では、洋平は顎鬚有りのワイルド路線だし、ヤクザ顔負けの派手な雰囲気なんですがね(苦笑)
表紙を見て、「あれ?語さん随分マイルドになった?」と感じた方、中身はもろに語シスコ節なので、安心してください。

何度カラダを重ねても洋平の愛が届かない、蓮の空虚な眼差しや、ヤクザの世界でのし上がるために手段を選ばない蓮の非情さ、そんな彼が自分を虐待していた父親と再会して失禁するほど怯える姿など、蓮というキャラが、まるで実在の人間であるかのように生々しくてリアル。
これほど暗く、救いが見いだせない人間を、ドライに、容赦なく、しかも魅力的に描ける作家さんは少ないんじゃないでしょうか。

「ハートに風穴」に較べると「野良犬~」は、濡れ場の数は少ないものの、雰囲気は逆に淫猥。
「野良犬~」の暗さを、「ハートに風穴」がうまく中和する形で、両者のバランスも絶妙です。それでいて、どうにもならない人間の性(さが)は曲げることなく描き切っている辺りに、語シスコさんのゆるぎない世界観を感じます。
や、面白かった。良い意味で、ルチルのイメージを壊してますね。

6

変わるものと変わらないもの

◆『野良犬にさえなれねぇ1~5話』
 家族でも恋人でも普通の友人でもない「保」「連」「洋平」の3人。道が別れても敵対してもどこか信頼し認め合っている男同士の絆が熱い表題作でした。
 それぞれが自分の道を見つけ、大切な人を見つけます。1人まだ自立できずに彷徨っている男がおりますが、他2人から同情されないうちはまだ大丈夫なのでしょう。

「そいつとは今もダチのまんまだ」
大事なものが1つでもあれば強くなれる、男の単純さとロマンチストぶりに憧れます!
 そんな3バカの話はさておき、3人にとってそれぞれ違った意味で大切な存在である「ヒサト」を主人公とした同時収録作が萌え×2でした!↓

◆『ハートに風穴』『28日後…』『280日後…』
 酸いも甘いも噛み分けたような顔で余裕ぶっている隙のない男が好きじゃないのですが、まさに表紙の男・洋平がそのタイプ。そんな男の「大人の余裕」を揺るがすワンコ受け・ヒサトの登場。オッサン、枯れたふりしてないで起きて来いよ! な展開にウキウキでした。

 ヒサト16歳。兄とその悪友達に憧れて育った少年時代。片想いの相手に振られて迎えた反抗期。小続きさい頃から「連」だけは自分を子ども扱いしなかった。そして久しぶりに再会を果たした今も…。

 傷つけられたヒサトを初めて「大人」として扱ってくれた洋平。それが嬉しくて幸せで。切なさを上回る若いパワーに元気づけられます。

 そして、粘り押しに押したヒサトの恋の行方は…。
公僕となった洋平はヒサトの兄である保の手前もあり、「こいつが成人するまでは何もしねー」と言いますが、日々成長する色気にふらっと口づけしてしまったり。

「ま、こんくらいセーフだろ」

汗かいて言い訳してる時点でアウト!
高校卒業までは待つけど成人までは待てないに1票です(笑)

2

読むほど染み入る

2008年~2010年にルチル掲載されたものに、描き下ろしを加えたものでした。
表紙の洋平の思春期と大人になってからの恋のお話。

導入?の「ハートに風穴」は、洋平の親友・保の弟、央登視点で、洋平への思いが軸になっていました。が、洋平とレンの複雑な思いは匂わせてあって、何があったのか非常に気になる。そこから表題作(洋平×蓮)につながっていきます。

語作品おなじみのろくでなしモノなんですが、これまでのものと一味違うのは、洋平が蓮と一緒に落ちていかないところ。それぞれが自分の道を自分のものと認識して進むのが潔く、切なかったです。

最後まで読んでから「ハートに風穴」に戻ると、洋平と蓮の短いやり取りに思いが凝縮されていたことがわかって、それがまた切ない。
保のキャラや、壊れた感に隠されてますが読み返すほど染み入るものがあり、やっぱり語作品。好きです。

3

ダークヒーローの肖像

シリアスで重いけど、端々に挟まれるギャグと
男たちのタフなカッコよさのおかげで
読後感はカラリと痛快。
ビターでエッジの効いた青春エンタメ劇です。


【ハートに風穴】は
明るく可愛い高校生・史登の身に起こった不幸な事件と
その後のめっけものなラブ展開を描いたプロローグ。

その後の【野良犬にさえなれねぇ】は
史登の兄・保と、その幼馴染み二人の過去編。
幼馴染みの一人で史登の片想い相手・洋平(表紙の男性)が
主人公です。


幼馴染みの洋平、蓮、保。
父から虐待を受け酷い家庭環境で育った蓮は、
成長するにつれ薬やヤクザと関わるようになり
洋平たちから離れていく。
蓮に想いを寄せる洋平は、蓮を放っておけず
頼まれるままヤク流しの仕事に加担するが…。

史登の憧れのお兄さん・洋平にも当然あった青春時代。
好きな人を守る番犬にも
欲望のまま生きる野良犬にもなれない
洋平の焦燥感が伝わってきて切ないです。

蓮の側にいたいけど
愛してくれる家族がいて根が常識人な洋平は
蓮と一緒に堕ちることができず、二人は道を違う。
別れ際の会話は子続き供時代の感傷に溢れ切なく、
更に冒頭の現在編の彼らを思うと
成長するにつれ否応なしに変わっていく
人間関係の虚しさを感じさせます。

洋平の、ニヒルな風貌の下に
過去の恋の痛手や優しさを隠した佇まいには
アニメや特撮物に出てくるダークヒーローのような
哀愁、カッコよさがあり、そこに男のドラマを感じました。
(なんか俳優の某ジョー氏に似てるような…v)


移り変わっていく人間関係に絶対なんてない、
何がきっかけで愛が芽生えるかなんて
誰にも分からない
そんなメッセージを感じる本書。

このまま史登が成人して、H解禁になったら
二人は意外とラブラブバカップルになるんじゃないかな。
そんな未来まで見届けたかったです!
そして悲嘆に暮れる保の姿もw

5

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