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表題作森ボーイの行方

森野斗真,高校1年生,16歳
江坂夏樹,高校2年生,17歳

同時収録作品森ボーイの行方

小野美樹,高校2年生,17歳
上田勇樹,高校2年生,17歳

同時収録作品枯れ木にリボン

同時収録作品にわにはこにわ

その他の収録作品

  • 森ボーイたちの行方(描き下ろし)
  • カバー下:あとがき・キャラプロフィール

あらすじ

夏樹に美樹に勇樹、三人とも名前に“樹”がつく。
そんな理由で仲良くなった三人は、学校生活をただ楽しく満喫するのだと思っていた――が、
美樹と勇樹がつき合い始めたことでズレていく三人の関係。
二人の関係を受け入れきれない夏樹は、男同士の修羅場に遭遇。
夏樹は別れを切り出して殴られていた美少年の斗真を助けた。
一人でいるとまた元彼に殴られるかもしれないと言う斗真にいきなりキスされて――。

作品情報

作品名
森ボーイの行方
著者
紡ぐるり 
媒体
漫画(コミック)
出版社
一迅社
レーベル
gateauコミックス
発売日
ISBN
9784758073035
3.6

(15)

(0)

萌々

(11)

(3)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
7
得点
54
評価数
15
平均
3.6 / 5
神率
0%

レビュー投稿数7

話の魅せ方が素敵な1stコミック

名前に“樹”がつく3人ということで、仲良くなった同じクラスの夏樹・美樹・勇樹。
木(樹)が3つ揃うってことで、3人=森ボーイ。
表題作はそんな彼らの恋と友情の行方、
そしてそれらに悩む森ボーイたちの素直な気持ちが描かれた、爽やかな作品でした。

■表題作「森ボーイの行方」は4話だったのですが、
最初の1話はそのうちの2人、美樹と勇樹(ゲイとノンケ)がくっつくまで。
部屋のドアを挟んで背中合わせに2人はずっと立ったまま、30分…
そんな事になった経緯を振り返りつつ、お話は進んでいく~という展開の仕方がいいな。
お好み焼きは器用に焼くのに、
傷ついた過去のせいもあり、気持ちを表すのが不器用な美樹と、
それを自然に察することができる友達の勇樹、その2人の間にある空気が素敵でした。

表題作の2話めは、1話で友達2人がくっついて、
それを知らされた残りの森ボーイ・夏樹の心の内のお話。
男同士だけど、おめでたいのか? 自分は邪魔なのか? 友人を失ったのか?
ぐるぐるしながら、
友情について、相手を想うことについてちゃん考える姿に、
そして出したその結論に、キュン!
キスはできなくても、友達でもできる愛情表現ってあるんですよね♡

表題作の3話めは前後編になっていて、
あぶれた夏樹が偶然、学校で男同士の修羅場を目撃してしまい、
その修羅場で殴られ手当してあげた年下のゲイの子に、想いを寄せられるお話。
恋って、愛って、なんだろう?
自分の気持ちを持て余して葛藤しながらも、真っ直ぐな高校生の姿が眩しかったです。

■「枯れ木にリボン」
6歳の時に隣の家に引っ越してきたハーフの子、
その日に見た幸せそうな笑顔がとても印象的だったのに、
その子の両親は翌日事故で亡くなってしまう…そして目にしたその子の涙…
それから11年、
ずっと隣で家族のように過ごし世話を焼いてきて、やっと恋を自覚…でも……
ロシア語の愛の言葉が温かい気持ちにさせてくれました。

■「にわにはこにわ」
爵位の家柄の病弱な息子(10~15歳)と、
その家に庭師として仕えることになった少し年上の少年。
2人が心を通わせるきっかけとなった温室、でも悲しくも離れ離れになった理由、
それらが30年以上経って再会した2人の口から、思い出として語られて……


どの作品も、話の魅せ方に工夫があって素敵でした。
1stコミックということで、今後の作品がとても楽しみ。
エッチなシーンは皆無ですが、
温かな愛情に触れられる作品で物足りなさは感じずに読むことができました。

8

いいこと言うわ~

森ボーイの行方act1,2
三人組 美樹と勇樹と夏樹の物語。
美樹と勇樹がくっついたことで、
よくわからない恋や愛について考える夏樹。
サージのある助言が、彼を少しすっきりさせます。
サージいい人 いいこと言うわ~
恋人関係の二人とその友達である夏樹の壁を、扉を使った描写で演出しています。

森ボーイの行方act3、4
同性愛者の斗真と前作の夏樹の物語。
斗真の別れ話を、盗み聞きした夏樹。
彼の頭には、恋や愛が一体何なのかという疑問がまだ残っています。
夏樹が、人間社会の汚い部分をまだあまり知らないところが伺え、
一人の純粋な少年が、成長していく感じがみられるので、読んでいて楽しかったです。
自分に-評価ばかりをつけるあたり、夏樹って自分に正直な人間だなぁと思いました。
あんまりつけすぎたら駄目よと思ってみたり。
そんな感じのことを考えながら、読んでいました。

相談できる相手がいるってことは、とても重要な事だと感じました。
内容的にも、一人で考えるのは厳しそう。 
色んな事を教えてくれる気がして、この物語は個人的に好きでした。

枯れ木にリボン
優也の目から勝手に涙が出てくるシーンが印象的でした。
涙は悲しい時以外にも、感動、悔しい等、色んなパターンで出ますよね。 
この作品で改めて、涙って奥深いなぁと思いながら読んでいました。
心温まる作品でした。

にはにはこにわ
懐中時計が一つのポイントになっている物語。
最後の宝箱に入った懐中時計の描写が印象的でした。

全体的に考えさせられる作品で、濡れ場のことを忘れておりました。
濡れ場がなくて良かったとも思いました。
面白かったので萌×2で








3

森ボーイの中身。

 タイトルと表紙のイメージ通りの、優しい作品集でした。草食男子の定義は様々ですが、優しい、ロマンチスト、浮気しなさそう、そんな男子達の恋模様に癒されました。

◆森ボーイの行方
 3人組の男子高生。そのうちの2人が恋人同士になったと告白された夏樹。
俺、邪魔? 俺、1人? 素直に祝福できないのって、心が狭い?
どう感じて何と答えるのが正解?
相手の気持ちを考えた時、少し心が軽くなる。
けれど寂しい気持ちは拭いきれず。
そんな時に出会った、後輩の斗真。
お互いに惹かれたのは、寂しかったからなのではないか。
傷つく斗真。…また間違えた? それが青春!

◆枯れ木にリボン
 幼なじみの優也とラビ。
6歳の時に出会い、今年で10年目。
ラビが1人にならないように、一緒にいてやりたいと思ってきた優也。
ロシアへ行くというラビ。そのまま帰ってこないかもしれない。
「…ずっと行きたいっつってたもんな お前 よかったな」
泣き顔の優也がミーリー!(милыйで検索しちゃいましたが、野暮だったかも!)

◆にわにはこにわ
 庭師のアイザと、引きこもり次男坊のジュード。
少年の日の思い出があって、しばしの別れがあって。
30余年ぶりに再会して語り合うオッサン2人。
お互い別々の道を生きても切れない縁というのは、男同士ならではだなぁと思いました。

2

3人だから、森ボーイ。

全3作と、プラスアルファが1冊に詰まっています。
繊細なタッチの絵に惹かれ購入。

森ボーイの行方
樹が名前に入っている男の子たちが友情と恋愛に翻弄されちゃう。
繊細な心と動揺する心が見事に描かれています。

枯れ木にリボン
ロシア人とのハーフのラビ。彼は優也の住むマンションに引っ越してきた。
次の日両親が事故に遭い、亡くなってしまった。
玄関の前に立ち尽くす6歳のラビを優也が、やさしく家に招き入れる。

にわにはこにわ
病気を患っているジュード。そんなジュードに庭師のアイザックが彼の世界を
広げるべく温室を作る。理由あってアイザックが故郷に帰ってから
何十年の時を経て2人が共に過ごした屋敷に、また集う。

森ボーイたちの行方
4こままんがです。
森ボーイの一員、勇樹と、枯れ木にリボンの2人が共演!

1

優しいお話三つ

タイトルとカバーイラストに惹かれて、前から気になっていました。ほのぼのとしたものが読みたかったので、希望にぴったりと沿ったほわっとした作風でとても良かったです。

表題作。タイトルにある「森ボーイ」とは、高校入学後同じクラスになった、美樹・勇樹・夏樹の仲良し三人組のこと。名前に樹(木)がついている×3で、「森」。3話構成(うち1話は前後編)になっていて、三人のうち二人が親密になり、残りの一人が自分は邪魔なのかな〜なんて悩み、その彼にも心通わせる後輩ができて、みんながハッピーになるお話。

「枯れ木にリボン」
幼くして両親を亡くしたロシア人ハーフの幼馴染が、主人公にとって特別な存在だったことを確認していくお話。泣いているラビを見て、声をかけずにはいられなかった6歳の優也。幼いながらの優しさにきゅん。最後のオチにもきゅん。

「にわにはこには」
外国を舞台にした名家の次男と庭師の主従モノです。身体が弱いジュードの為に、兄が「友人」役も兼ねて雇った庭師のアイザ。家から出られないジュードのために、箱庭を作ると約束します。その二人が一度離れ、三十年の時を越えて再会する、切なくもあたたかいお話。最後、二人の姿が離別した当時のもので描かれているのは罪な演出です(涙)

みんな、とっても優しいキャラ達なんです。特に、仲間の間で一番揺れて悩んでいる夏樹、お互いのことを気にかけている優也とラビ、ジュードに嫌われても彼の心を開かせようと懸命なアイザ。彼らがお話を魅力的なものにしてくれていました。

背景が白めなんですが、それが逆に良い演出になっている稀なケースじゃないかな?全体的に生々しさが排除されて、おとぎ話のような雰囲気が漂っています。モノローグとセリフで良いこと言う!時々唸る。。主人公の一人語りのようなんだけど、お話全体を伝えてくれる三人称のような広がりがあって、作家さまの世界観を感じます。こういう雰囲気、すごく好き。ふと読み返したくなるような、癒し系です。

0

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