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表題作秘恋の庭

荒川朋成,24歳,来島邸の庭を潰そうとしている新当主
築山一樹,20歳、祖父の代から続く築山造園三代目

その他の収録作品

  • 再会の庭
  • あとがき

あらすじ

かつて兄と慕っていた朋成と再会した庭師の一樹。社長となった朋成を怒らせ、亡き父の設計した庭と引き換えに強引に関係を迫られ!?

作品情報

作品名
秘恋の庭
著者
金坂理衣子 
イラスト
緒田涼歌 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
ISBN
9784344831346
3

(7)

(0)

萌々

(2)

(4)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
2
得点
20
評価数
7
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

王様と王子様

主人公が日本庭園の庭師という珍しいと思われる設定。
恋愛ものとしてお仕事ものとしても楽しめました。

受け→攻めでなく、攻め→受けのお話です。所々攻めが酷いと感じる箇所もあるのですが、トータルでは萌えられたし、カップリングも好みでした。
外見は可愛いのに頑張り屋で真っすぐな一樹は、主人公としてとても好感がもてるキャラでした。
亡き父親の跡をつぎ、庭師になった彼は、仕事先の豪邸で幼なじみの朋成と再会します。彼もまた父親の跡をついで企業の重役になっています。

再会してからの二人の関係はとても良かったんですが、すれ違いから朋成が一樹を強姦…。
少し暗い展開を挟みますが、キャラクターが丁寧に描かれているのが良かったです。そんな酷いことをしても、朋成の裏側にある傷やコンプレックスが見えるので、ただ単に酷い攻めだなあ片付けてしまうこともなかったし、消化不良ということもありませんでした。

一樹は小さな村で子供が少なかったので村中から可愛がられ、ちやほやされて育っていて、朋成はそんな一樹を王子様のようだと思っています。
可愛くて素直で愛されて、そして本人も周りから大事にされることを当たり前に思いながら大きくなっています。
でも父親を亡くして、災害で土地や財産を無くしても相変わらず彼は周りに愛されて生きていて、裸になっても彼は「王子様」なんだという、今は地位もお金も手に入れた「王様」のような朋成が、自分と一樹の違いを実感するシーンが良かったです。

一樹が幼い感じなので恋愛感情が沸き上がるのがおそめの展開ですが、このかわいらしい受けはすごく大きな魅力だと思いました。
イラストもかわいく、合っていたと思います。

2

あらすじのニュアンスに違和感アリ

作品情報が先に入っていたのであらすじとともにキーワードやトーンを見れば
これはシリアスな痛い系の話で表紙イラストの可愛らしさとは真逆なのかと
苦手な作品なんだろうなと言う予測の元で読んだのですが、あれっ?コミカル?
何やらシリアスな雰囲気はあまり感じられないと読み進め、結果的にはシリアスと
言うほどの話でもなくて、読み終わりはほんわかしてて甘さが感じられる内容でした。

表紙イラストから感じるイメージ通りの作品で受けになる一樹のワンコみたいに
無邪気で子供みたいに純真で明るく誰にでも愛される雰囲気が攻めになる朋成の心を
癒しもするし誤解されるような流れにもなります。

再会もので直ぐに昔のように気安い関係になりますが、離れていたから余計に
朋成は過去に微かに抱いていた一樹への思いが一気に膨れ上がります。
一樹も兄と慕っていた朋成との再会に喜びますが好きの温度差は当然あるわけです。

そこに一樹の無邪気過ぎる思いやりが別方向にとられ朋成のネガティブなプライドが
一樹に対して可愛さ余って憎さみたいな激情に駆られる事態が起きてしまい、
その激情のままに一樹を無理やり陵辱してしまいます。

この誤解とすれ違いも蓋を開けてみれば激情をぶつける前に誤解が解けるだろうにと
思える内容なのですが、過去の貧乏暮らしを必要以上に恥ずかしいと思っているから
一樹に対して取り返しが付かないことをしてしまうのです。

朋成は育った環境や立場でいつかは自分を馬鹿にした相手を見返してやるという思いで
ある意味腹黒な考えで生きてきているのですが、唯一そんな負の感情を無にする存在が
一樹なのです、それもあって過去に何も言わず姿を消したこともあるのです。

一樹は人を疑うという気持ちもネガティブな感情も持ち合わせていないような
明るく無邪気な性格なのですが、その性格が誤解の一端を担いでしまうという
皮肉な内容でもあります。

そして後半でビックリしてしまう展開が一樹の亡き父親と朋成の亡き父親の話。
おまけ的な流れなのでしょうがちょっと強引な気がしないでもありません。
本妻と愛人に頭を押さえつけられ本人も女性を利用するしかなかった男が
造園業を営む職人に恋心を寄せている、そんな内容でしたがこれは別に組み込まなくても
なんて個人的には思えます。

3

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