赤い星 「甘い手、長い腕」ご購入特典書き下ろしペーパー

amai te nagai ude

赤い星 「甘い手、長い腕」ご購入特典書き下ろしペーパー
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レビュー数
1
得点
9
評価数
2件
平均
4.5 / 5
神率
50%
著者
 
イラスト
 
媒体
GOODS
出版社
出版月
価格
非売品
付いてきた作品(特典の場合)
甘い手、長い腕

商品説明

一穂ミチ作、雨隠ギド画『甘い手、長い腕』の特典ペーパー。
B51枚の4分割の1コマ目はタイトルと挿絵、残りが3ページのSS『赤い星』。

春、名残の桜で花見をする鳴子縫製と春日繊維の人々。
風に散って水面に浮かぶ花びらを見ながら、自分はこういうものを眺めて美しいと感じたことがあっただろうか……、ここに来て変わったのだろうか……という思いを、となりにいる真尋に語ると……。

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愛しさが増す風景

鳴子縫製と春日繊維の合同花見でのワンシーンです。

桜はもう散り始めていて、
今までこんな風景を眺めた事があっただろうかと
風に舞う花びらを目で追う理一です。
その姿が疲れたように見えたのか
真尋が側に来て声をかけてくれます。

大き目のタッパ―に詰められたおかずの数々は
決して特別ではないけれど
外で皆と食べるだけで凄く美味しいのでした。
そんな経験も、理一には無かった事。

「ここに来て変わったのかな」ふと自分で思って
つい言葉にしてしまったものの
「そーんな急に変わんないよー」と真尋に笑い飛ばされてしまいます。
努力しているつもりだったのに、
進歩していないと言われているような気持ちになってしまう理一。

そこで、真尋は桜の木の話をし始めます。
桜は染料になるのですが、花からではなくて、
樹皮を煮出すと淡い桜色が出るから、
幹の中に桜の色がちゃんとある。
自分で以前と変わったと思う事も、
きっと理一の中にもともとあった要素なんだと思う、と。

説得力のある事を言われ、
また風に吹かれて散ってしまう花びらに寂しさをおぼえてしまい続き
そんな自分にやはり戸惑いを感じてしまうのです。
「来年は、もっと満開の頃にしょうな」
ささやかな約束をしようとすると
散り際でも好き、と真尋は言います。
花びらの根っこの“がく”がえんじ色で星のように見えるから、
散った後も星がいっぱい咲いているようだと
理一には思いもつかなかった事を…。

ささいな日常をも好きになれる、大事だと思わせてくれるのはいつだって真尋。
これから先だってきっと敵わないけれど
自然で温かくて、誰も代わりになれない真尋と
来年もその次もずっと支え合って生きていくのでしょう。


好きな人が、自分をまるごと愛してくれるって
どれだけ幸せなんだろうと思ってしまいました。
過去も現在も、未来だってその人に包まれているような気持ちになれそうです。
こんなにも人は溢れているというのに、
そんな想いになれる相手を見つけられるのは
ほんの一握りだけでしょうね…。

こちらのSSだけでもまたじんわりきてしまい、
涙が滲んでしまうのでした。

3

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