防人の男

sakimori no otoko

防人の男
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神1
  • 萌×23
  • 萌8
  • 中立1
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
5
得点
42
評価数
14件
平均
3.1 / 5
神率
7.1%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
海王社
シリーズ
ガッシュ文庫(小説・海王社)
発売日
価格
¥620(税抜)  ¥670(税込)
ISBN
9784796405881

あらすじ

美しい捜査検事の礼一は地検で注目を集めるエリートだったが、談合事件の捜査途中で左遷の憂き目に遭う。
自棄になった礼一は、場末の立ち飲み屋で偶然出会った自衛官の大守と爛れた夜を過ごしてしまう。
時には、溺れてしまいたい事もある。獣のように逞しい大守は、絶頂の瞬間を迎えながら、礼一の心を強く優しく抱き締めてくれた。
――二度と会わないはずだった。ところが礼一は、駐屯地で機密漏洩事件を担当捜査することに。
思いがけない再会に礼一の心は揺れて――?

表題作防人の男

大守季一郎,陸上自衛官,36歳
美作礼一,左遷された捜査検事,31歳

その他の収録作品

  • あとがき 水原とほる
  • あとがき 兼守美行

評価・レビューする

レビュー投稿数5

サスペンスありラブあり

自衛官の機密漏洩事件に絡んでの、自衛官x検事の出会いと恋の物語。
ジャンルとしては、いわゆる「お仕事BL」系と言えると思いますが、内容は非常に硬派で、機密保持に関する同盟国のパワーバランスとか、日本の国防とか、仮想敵国の攻撃パターンとか、かなりそういう話が中心です。
読者も聞き取り調査を続ける検事と共に、一体どんな人物が機密漏洩をしてしまったのか、その背景は何なのか、謎解きやミステリもの的な楽しみ方も出来ると思います。

攻めは、能力がありすぎるが故に自衛官幹部として相応しくない論文を書いてしまい、出世コースからはずれた大守。心の底から国を愛し国を憂う、生粋の「防人」。もちろん鍛え上げられた肉体のイケメン。ノンケ。
受けは3代続く検事の家系で、子供の頃から社会の正義と悪、腐敗と法の裁きについて叩き込まれている、これまた生粋の「司法」人である美作。こちらは見た目は線の細い美人系。ゲイ。
2人とも心が強く、でも他人の心の弱さやその弱さ故に犯す罪に対しても十分理解して共に哀しむ事の出来る、度量の大きな男たちなのです。
こんな2人が事件の取調べと並行して、ある時は駆け引きのように続き、ある時は甘く抱き合う。常に正義でなければ、と気を張っている美作には、大らかでひょうひょうとした明るい大守の腕の中でリラックスできる感覚が愛しいものになっていったのでしょう。
『おまえも必ず俺が守ってやる』…そんな言葉に身を委ねてみるほどに。

お堅い国防や自衛の話の方が多いような一冊ですが、かなり読み応えがありました。

3

題名&表紙買い

題名が気に入ったのと、表紙が素敵だったので購入をした一冊です。
続編「司法の男」と並べると麗しいイラストにうっとりします。
とはいえ、あとがきにあった「ある朝のふたり」、朝食を作る大守とそれをじぃと見つめる礼一のコミカルなイラストも可愛かったです!

表紙の印象そのままに、内容はカッコイイ二人の男の話でした。
働く男達といった感じで、仕事もの好きとしてはたまらない展開でした。自分たちの方法で大切なものを守る、という言葉に胸がじんとしました。

仕事に誇りを持ち、仲間を大切に思う。
強いだけでなく脆い部分もあるのが人間的で良かったです。

頭脳派と肉体派、クールとホット、正反対のようで似た二人の物語です。
検察庁&防衛省がお好きな方にお勧めです。

2

方法は違っても、どちらも“防人”

兼守さんの表紙は美しいし、
陸自×美人検事って設定からセクスィーじゃないですか!!
某BL作家さんのようにきっとうはうはさせてもらえるに違いないと
勝手に期待を膨らませてしまいましたが
事件の内容があんまり頭に入ってこなくて
眼球を文字が滑るようでした……ってこれはただ単に私がバカなだけなんですが;

お仕事BLで個人的に理想なのは、お仕事の内容が重すぎず且つ軽すぎず、
出来れば恋愛の過程の方が楽しめるもの、という我侭っぷりですみません…。

古びた立ち飲み屋で偶然出逢った男と一夜を過ごし
思いがけず心を開きかけるという設定はすごく好みでしたが
もう少し受けの礼一がツンだったら良かったなぁなんて
これまた個人的な好みの問題です。すみません!

攻めの大守は、大雑把で強引そうに見えていながら
無理強いはしないし朝食を作ってくれたりなかなか気がきく男で良かったですw

どちらも好意はあるのに、お互いの腹を探りながらの逢瀬っていうのも
仕事柄切ないものがあります。

エリートの道まっしぐらだったはずの人生の挫折、
正義の定義と真実の矛盾や理不尽さ、続き
仕事を誇りに思いたい男達にとってはしんどいはずですよね…。

でも、大守によって解き放たれる心と躰は
礼一にとってはなくてはならない存在でしょう。
危険な目にあっても、自分を守ってくれる男がいるというのは
支えにならないわけがありません。

立ち飲み屋の店主がいい味出していて、ふらっと寄ってみたいわ!
わけぎとタコのぬた和えも食べてみたいわ!!と
BLとは違うところに興味を持ってしまいましたよ…。
うん、中身がおっさんだからね…。

私は(しつこいようですがバカなので)中立評価とさせていただきますが、
自衛官の機密漏えいやら難しいお話がお好みの方は萌えると思いますよ!!

やっぱり陸自の男は絶倫だろうなという謎の〆で失礼致しますw

4

守るということについて

「防人」表紙絵も迷彩服の通り自衛隊の隊員が登場する物語でした。
しかし”守る者”としてかたや自衛隊員はその役割からも当然かと思えるのですが、
もう片方のペアとなる男は検事であるのですが、彼もまた法の下守る者であろうとするものでした。
2人とも守る者=防人なのであろうと思われる組み合わせでした。


さる事件の案件を追っていたに関わらずそれは上の力により不本意な結末を迎え
左遷させられた、祖父・父親も検事だった若手検事令一が、ヤケ酒に立ちよった立ち呑み屋で出会った男・大守。
一夜を共にした彼と再会したのは、機密漏洩の捜査のために訪れた自衛隊駐屯地であった。


実はこの機密漏えいの出来事といい、大守が語る防衛論といい、
丁度今、集団的自衛権について国が動いている最中の、現在の日本が直面している諸々の対外の出来事が重なってくるものとなっております。
そこに作者さんの主義主張などがひょっとして込められているのかもしれません。
実は、BLとして読むより自分的にはこちらに目がいってしまって悩ましい作品となってしまったのです。

しかし、この二人の男の在り方を見るに続きとても前向きなものを感じます。
礼一も、大守も、上の力によって左遷させられた人間です。
祖父や父が同じ道で、というそういう家系の生まれという部分も一緒です。
そしてそれぞれに課せられた仕事を自分なりに懸命にこなそうとする姿勢も。
ただ、大守がデキすぎなほど良い男かもしれないです。
彼は根っからの「守りたい男」なんです!
左遷なんてなんのその、与えられたその場で全力をつくし、ガンとしてぶれる事のない自分を貫き通す。
ひょっとしたら作者さんが思う所の何かの象徴なのではないかしら?と思えるほどの(邪推しすぎ?)
礼一も職務には忠実です。
大守が守ってやりたいと思う対象ではありますが決して弱くはありません。
セックスに関しても2人とも前向きにそれぞれ積極的です。
それなりに2人とも男前なのかもしれません。

そんなで、恋愛の甘さというものはあまり感じられないのではありますが
ちょっぴりBL題材にするにはシビアな背景を持って来てはいるのですが、悪くはありませんでした。
背景はどうであれ、キャラクターに好感が持てたので。


5

国を護る男たち

若手ホープの検事であったが、
談合事件の捜査に上から圧力をかけられ
本庁から支部に左遷された礼一(受)。
半年後、その事件が不起訴とされたニュースを見て
立ち飲み屋でやけ酒を呷っていたところに、
常連客で陸自衛官の大守(攻)と出会い、一夜を共にする。
その後、自衛官の機密漏洩事件を調べることになった礼一は
捜査のため訪れた駐屯地で大守と再会し…。


誰が機密を漏洩させたのか。
大守を被疑者の一人として捜査を進めながらも
礼一は大守に惹かれていく。

硬派なサスペンスでありながら
二人のプライベートな会話やベッドシーンは甘く
大人同士の公私にメリハリある雰囲気が好みでした!

大守も礼一と同じく、自身の正義を貫いたがために
出世の道を断たれた人物でありました。
陸自エリートでありながら、発表した論文が問題となり
現在の駐屯地に左遷された。
そんな理不尽な目に遭っても腐らず、国を守ることを第一に考える大守。
その強さ、優しさに礼一が惹かれる流れはとても自然だし、
仕事のポリシー(&身体の相性)で意気投合したことから始まる関係が、大人の魅力た続きっぷりで素敵でした。


ところで本書は、日本の国防問題や近隣諸国について
かなりはっきり批判がなされています。
なので、BLにそういった視点を求めていない方には
ちょっと煙たい内容かもしれません。

また、大守の論文内容(あの元航空幕閣僚の論文がモデル?)や
ロシア潜水艦沈没事件など、
実際の事件を思わせるエピソードが目につきます。
問題提起ではない…とあとがきに書かれてはいますが
この内容で、しかも大守や礼一の考え方が正義のように書かれているため、いやでもメッセージ性を感じてしまいます。

書かれていることは正論でも、個人的には視点が一方向に偏っている印象を受けました。
どうせなら大守や礼一とは考えの異なる人物も登場させ、
もっと多様な意見を紹介した方が
この手のテーマの作品として読み応えのあるものになったのではないかと思います(でも尺的に難しいかな…)。

5

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