ボタンを押すと即立ち読みできます!
前作が気に入って、予約して買ったこの本。
BL作品は当たり外れが多いので読む時ドキドキしましたが、これは当たりだと思いました。
どの話も、絵が綺麗で見やすく、話がバリエーションにとんでいておもしろい。
中でもお花ちゃん’Sがお気に入りです。
最後が意外な展開で、ぶはってなりました。
また書き下ろしが最高です。
短編で気軽に読めるのに、話がおもしろい作家さんだなと思います。
不思議に幸せな読後感です。
読み返して癒されます。
私の中では注目の作家さんで、次の新刊も買うこと間違いなしです。
主人公の職業が筆師ということが、まずなかなかないですね。
(あったらごめんなさい)
筆師というくらいだから、お習字などで使う筆を作る職人さんのこと。
若い主人公、筆師の夏生と夏生の作った筆を愛してやまない書道教室の先生叶。
高校生みたいに若々しく見える夏生だけど、意外にえっち。
色気のある叶先生に、ついムラムラとしてしまい・・・
夏生はもともとノンケだから、男に目覚めてしまったのはやっぱり叶先生のせいなのかな?
先生の座った座布団の匂いを嗅いで、体が疼いてしまうとこなんかホントにエロいです。
そして夏生は妄想族です。叶先生でどんどん妄想爆走します。
だけど一旦仕事に入り込んだら、そこは職人やるときはやります。
筆作りに没頭している夏生もまたカッコ良くてイイ男です。
先生は最初からゲイという設定のようなので、夏生と出会う前からいろいろなお相手がいたようですが、その辺りが夏生との出会いでどう変わっていくか・・というところでしょうか。
後半、叶先生そっくりの弟、希が当て馬で登場。
いろいろな殿方と広くお付き合いしてきた叶先生が
希の出現により、嫉妬や焦りであわわわなるところ、なかなか笑えます。
そりゃあ、やきもちの何物でもないのに、本人は気づかないんですよね。
そして、筆職人の夏生は小学生以下のきたない字であることが判明。
いくら男でも、やっぱり読める字書かないとね~
字がきれいな男はモテます。(なんの根拠もありませんが)
案丸先生のピリリと苦みが後に残る話が大好きです!
ポップなラブコメも萌えるしおもしろいのだけど、短編集にしのばされたビターな話がほんと後を引く。
この本も、巻末の短編「傾城の従者」「その者、人に非ず」がすごくイイ!
「ボクの筆、卸してくださいっ!」「私が筆、馴らします!」
筆職人と、和服美人の書道家。童貞くんがまんまと誘い受けにハマってます。
「は、初めてなんだから優しくして!いやって言ったらぜったいやめて!」
「よしよしこっちへおいで」
って二人の会話、恥ずかしがってるのが攻めっていうのがおかしい。
「お花ちゃん’s」
男子多数の中に女子が少数だとチヤホヤされてうまくいくけど、女子多数の中に男子が少数だと肩身が狭くなる。そして男の目を気にする必要の無い女子はオッサン化していく。女子の生態あるあるにクスッとさせられます。
そんな女の園で、つつましやかに生きる男子二人が肩寄せ合って…
オチではしっかりたくましくなってるのが楽しい。
「ワルい子、ワルい人!」
48歳のオヤジと高校生、31歳年の差カップル。
私にはオヤジ萌え属性がないので…
「傾城の従者」「その者、人に非ず」
暴君のディナトは征服した国の王族は皆殺しにするが、美貌の国王ニーチェがディナトに従者として仕えることを条件に国民の安全を約束する。そんなニーチェに死を覚悟して付き従うのが幼いころから仕えていたアムレート。
美貌の従者にさせることといえば、当然、夜伽。
アムレートの前で痴態をさらすニーチェ、大事なニーチェが穢される様を見なければならないアムレート。そしてディナトの鬼畜の手はアムレートにも…
民とアムレートのために生きるニーチェの儚さ、助けることも終わらてあげることもできないアムレートのやりきれなさ、そんな二人の刹那を高みの見物で楽しむディナトの鬼畜ぶり!
甘さなんて全くないけど、鬼畜もここまで極められると素晴らしいとしか良いようがなく。絵が綺麗なので異国ファンタジーの世界観にすっぽり入りこめるし、三者三様の感情がビシバシと伝わってきて、短編なのが惜しすぎる傑作。
この話はもっと長くしっかり読みたかった。
短いページで惹きつけるストーリーを描けるのはもちろんすごい。
でも短編でもこれだけ傑作を描ける案丸先生だからこそ、一冊まるごと、それ以上のボリュームでじっくり描いた物語を読みたいと願ってしまう。
タイトルの通り本当に「筆を卸してる」攻め、初めて見ました。下ネタじゃなくて!書家に自作の筆を卸してるんです!
底無し性欲のビッチ先生が嫉妬して恋心を芽生えさせていくのが可愛かった。へたれわんこな攻めも泣きぼくろ弟くんも可愛い。
そしてお花ちゃん攻めだったり31歳差ヤンキー受けだったりどれも楽しくて、最後の異国のダブル受けがなかなかえげつなくて素敵。愛のない身体と損得だけで結ばれる関係。主君のために肉奴隷になるアムレートが男前で良いです。カバー下で「私いらないんじゃね!?」ってなってる主君に笑った。ディナト陛下がアムレートに心も体もメロメロになっちゃうに500円。
ドーテイくんが淫乱先生に食べられちゃうお話w
割愛するとそんな感じなのですが
実にかわいらしいお話でした。絵柄がかわいいのもマル。
中盤から登場する弟君。
これもまたかわいくてよかった。
個人的には弟押しなんだけどな(´艸`*)
メインカップルは入る隙間なさそうでちょっぴり残念
◇お花ちゃん~
女ばっかりの学校に少数精鋭の男子ww
クラスメイト(女)にコンドームもらって泣きそうになってた
男の子がじつは・・・・!?なラストが衝撃でした。
や、こういうのも好きだけどさww
ワタシも衝撃の現場に遭遇したいっ
◇ワルい子!ワルい人!
年の差カップル。しかも年上攻!
最近の年下攻ブームのせいかなぜか新鮮に見えてしまう。
おっさん・・・やくざよな・・と思いながらもな受がかわいく。
ラストのオチで全身真っ赤にしている受がかわいかった。
こういう「チャンチャン♪」で終われる話が好きだ。
◇傾城の従者
や、お前も犯されるんかいっ(*´Д`)ハァハァ
ある意味一番作中で好きかもな作品。
舞台は中世。人身御供、伽の相手をさせられるために売られた王子。
一人の従者を連れてやってきた~
何があってもそばを離れぬと誓った従者
目の前で主が犯されるのも必死に耐えて。。。。。
なんてやってたら従者が敵国主人に犯されてるとか
しかもわりと本気のエロイ感じになっちゃうとか。
むしろ「俺の立場って」な人質王子がかわいそうというかww
全体を通して「そーくるんかい!」な展開がおいしい作品集でした。
この最後の話は続編とかあっても面白いな~
まるまる同じじゃなくても、短編ではなく長編で読みたい作品だなと思ったのでした。