僕をぎゅっと抱きしめてくれませんか…… そうしてくれたら……あとは僕にどんなことをしてもいいです

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表題作町工場にヒツジがいっぴき

皆瀬智康,28歳,町工場の職人で工場の後継者
八重垣遥季,20歳,御曹司大学生

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

御曹司の遥季は電車事故を免れたことで自身の生き方を見直すように。
町工場の面々に受け入れられ、その中の皆瀬に心惹かれていくが…

美味しいご馳走を目の前に、おあずけか――。八重垣遥季は小さな約束を果たすため、元実業家の従兄弟のアパートに住み込み、彼の娘・美羽の面倒を見ている。一族の跡取りという期待に応えられない自分に存在価値を見出せない遥季だが、美羽の夏風邪をきっかけに町工場の皆瀬と親しく会話を交わすように。過去の出来事が原因でほとんど眠らない皆瀬。強面で表情も読みづらいけれど、遥季はどこか心安らぐものを感じていた。一方で皆瀬は……。

作品情報

作品名
町工場にヒツジがいっぴき
著者
今城けい 
イラスト
周防佑未 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
ISBN
9784576140827
3.5

(36)

(5)

萌々

(14)

(13)

中立

(2)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
8
得点
122
評価数
36
平均
3.5 / 5
神率
13.9%

レビュー投稿数8

ヒツジがいっぴき=ヤエがいっぴき

2人の視点交互で物語は進んでいきます。
読んでの感想はまず遥季がとっても良い子でした。ほのぼのしました。
そして強面である智康さんは過去の事が原因で軽く人嫌いなんですが、全然怖くなくて優しい良い人でした。
そして遥季のお父さんと姉は最低だと思いました。
周防佑未さんのイラストも可愛かったりエロかったりして良かったです☆
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御曹司の遥季は電車事故を免れた事で自分の生き方を見直す事にしました。
遥季は美羽との小さな約束を果たすため、元実業家の従兄弟の誠のアパートに住み込み、彼の娘の美羽の面倒を見ることになります。

智康との出会いは誠の住んでいるアパートの場所が分からず夜に迷っていた時に声をかけたのがきっかけでした。
それから美羽が町工場に興味を持ち始め見学していると、働いているカンチから工場の案内をしてもらえることに。そこでは跡継ぎとして智康が働いていました。それから町工場の人と仲良くなりはじめ、遥季はこの町が好きになります。

智康の事が気になりはじめたのは、美羽が高熱を出して病院に連れていこうとしていた所に智康と出会い車を出してくれたのがきっかけでした。

智康は過去の事がきっかけで不眠症。でも遥季との出会いによりどんどん心がおだやかになっていきます。
そして心を入れ替えた誠の引っ越し騒動があったりで智康と遥季は一緒に住むようになり距離がどんどん縮まります。

そんな時他の会社の倒産を被って工場は4千万の借金をおってしまって!!
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最後はさすがにふせておきます。でも遥季は良い子なのにお父さんと姉は本当にどうしようもない。遥季を見習って~

そしてタイトルにもあるヒツジなんですが、使い方が可愛かったです。
「ヒツジが一匹、ヒツジが2匹」を変えて、「智康さんが一匹」「ヤエが一匹」「智康さんが2匹」「ヤエが2匹」って交互に2人で言いあうシーンがあるんですがとってもほのぼのしたので萌え×2に評価にしたいと思います♪

5

ピュアっ子爆弾

今城先生の作品は初読みだったので、会話での言い回しなど最初は引っ掛かりを感じる部分もあったのですが、読んでいる間に自然と馴染んでいきました。

ピュアっ子な羊ちゃんことヤエちゃんの心情と世話焼きコヨーテの智康さんの心情が代わる代わる描かれていたのでお互いの思いがわかりやすく安心しながら物語を俯瞰して、楽しむことができました。

ヤエちゃんは、周りや家庭の環境によって自分自身に自信を持つことができず空っぽなまま毎日を過ごしていました。そんなヤエちゃんが死にかける経験を切っ掛けに生きるということを見つめなおして行動していく姿はカッコ良かったです。
それでも、すぐにヤエちゃんが大きく変わっていくのではなく少しづついろんな人の手を借りながら変わっていく姿はヤエちゃんの持ってる真っ直ぐさが人から愛される部分だったからなんだと思います。愛される人は人から応援されて頑張れるんだな~と嬉しくなりました。

ヤエちゃんの行動力や真っ直ぐさはヤエちゃんだけじゃなく従兄弟の誠さんや智康さんの変化にも繋がっていてそういう連鎖をおこせるヤエちゃんは自分が思っている以上に素敵な人なんだともっとわかって!と言いたくなるくらいでした。

過去にあった事件から人を拒絶し人を信じられなくなっていた智康さんがヤエちゃんと出会って、また人を受け入れられるようになりそして世話焼きへと変わっていく姿は微笑ましかったです。ヤエちゃんのことを考えゆっくりめなスピードでヤエちゃんと触れ合いながらもヤエちゃんの素直な言葉に振りまわされているところにニマニマしました。これからも振り回され続けていて欲しいです。ピュアっ子爆弾は威力が絶大!

町工場の人たちも優しくてにぎやかな人が多くて、そんな環境で新しいヤエちゃんのこれからが始まります。ヤエちゃんが自分で掴んだ居場所なんだと思うと成長したなぁ~!なんて感動してしまいました。
そんな、可愛らしい部分がたくさん詰まったお話でした。

3

クスッとジワリ

ほっこり、ほのぼのした気持ちになれた作品でした。
主人公は家がお金持ちの八重垣遥季、ヒツジがいっぴきのヒツジさんで受けです。
冒頭で駅のホームに転落し、九死に一生を得た遥季は今は空っぽな自分が何をしたいかを考え、落ちぶれた従兄弟の幼い娘、美羽ちゃんと遊ぶ約束を果たそうと、これまで縁のなかった下町へ向かいます。
そこで、影のある攻め皆瀬と出会い、職人さんたちが誇りを持って働いている町工場の世界も知ります。
結論は、ほっこりハッピーエンドです。正直、強烈にキュンキュンしたということはないのですが、ちょっと面白いところがあるのです。
私はどうも、後からアッ・…とくるタイプのようです。
この作品てアッときたのは、攻めの皆瀬の特異性なのです。
町工場の社長の息子、皆瀬智康は顔に傷があり、影のある男です。いえ、でした。
町工場を嫌って一流企業に就職したものの辛い経験をしたので、壁を作るようになったのです。
遥季に出会ってからは割と簡単に明るさを取り戻していきますが、特筆すべきは何とこの人随分と長い間、満足に寝ていないのです。
不眠症、インソムニアというやつですね。で、この設定が無茶な感じがしまして、クスッとなるわけです。
真夜中に遥季がピンチになると決まって皆瀬が現れ、助けてくれるのですが、会ったのは「たまたまじゃない、俺はたいてい夜にはここらを歩いてるんだ」なんて言っちゃってますけど、これってなかなかヤバイ奴ですよね。
でも、遥季はあっさり納得して「智康さんは親切だ」と感動してますから、やはりこの二人の相性は花マルだということでしょう。
以上のように、あまり構えることなく楽しめる作品でした。今城けい先生、文章はしっかりしていますので読みやすかったですよ。

2

肉食動物がガッと食いにかかるのが好きv

面白かった~!ヾ(*´∀`*)ノ

裕福な生活の中で、高い高い柵に囲まれ誰からも愛されること無く
生きているか死んでいるのか淡々と生きてきたひつじさん。
初めて死に直面したときに改めて己の人生を考え、動き出すーー。

そんなひつじさんが迷い込んだ下町。
そこで出会ったのは傷を抱えたコヨーテ。
コヨーテのぶっきらぼうな優しさと仕事をしている姿。

生き方も生活も真逆だった2人が出会い、傷を補いあうのが良かった!
コヨーテはひつじさんの純粋培養された優しさに癒やされ、
ひつじさんはコヨーテから家族からもらえなかった言葉や愛情を貰い。

どちらかが一方的に寄りかかるのでは無く、
どちらも相手の存在で見えない傷を癒やして精神的に寄り添い合って。
優しさが沢山感じられるお話でした。

(※コヨーテ・ひつじは比喩表現です。擬人化ではありません)


さてさて、お話はこんな感じで進むのですが、
恋愛面は作者さんのあとがきを引用させていただくと「中学生レベルの恋愛」からのステップアップ。
ひつじさんは"偶然会えないかな?"と夜の町を散歩していたり、
コヨーテはひつじさんをバリバリ意識しているのに気付いてない風を装ってたりw
そんなところから恋愛が始まっていくのが萌える!!(∩´///`∩)

最初の内は両片思いでせいぜい散歩する程度だったのに、
初めてのキスはなんだかんだいっても子供じゃないのでガッツリエロい大人のキス////
ピュアからいきなりエロエロしいキスぶっ込んできてニヤニヤが止まりませんでしたw

で、エロいキスを何度もして、掻きあいっこも済み。
どちらもコヨーテが辛抱堪らずガッと食いにかかったのですが、
初エッチだけは大事にとってあって全て整えてから始めるw
変なとこにこだわるコヨーテが可愛いヾ(*´∀`*)ノ
お布団の上で向かい合って挨拶してる姿が微笑ましいやら笑えるやらです。

コヨーテはひつじさんを壊さないよう大切に進めたいのに
ひつじさんは天然無自覚煽りを繰り返してコヨーテの理性を崩壊させてくのも萌えました♪


ちと残念だったのが大きな山場がなく無く、
・従兄弟の誠が当て馬?→中途半端な印象;
・遠距離?→即問題解決(美羽ちゃんにとっては良かった!)
・コヨーテの昔の女が…!?→ほぼモブ
・ひつじさんの家族が…!?→あれ?そんだけ?
と肩透かしを何度かくらってちょっぴり疲労感。
特にひつじさんの家族問題は解決していない気がするんだけどな…(ФωФ)ウーン
これで終わりなのか気にかかるところ。

評価は萌え寄りですが
町工場の面々のキャラや恋愛部分に癒やされたので萌え×2です。


2

ヒツジが柵を飛び越える日

最近すっかりお仕事ものがはまってきている今城作品、今回は
町工場というから荒っぽい男たちに囲まれて、さながら狼に食べられそうなヒツジちゃん?かと思いましたら、そうじゃなかったんですね。
表紙の主人公の頭の上に小さいヒツジちゃんが乗ってるイラスト♪かわいー!
周防さんのこんなちょっぴりユニークなイラスト初めてみたかもしれない☆


ヒツジちゃんにこだり例えるとするならば
囲いの中に縛られて外へ出て行きたいと思っているんだけど、絶望してあきらめていた箱入りヒツジちゃんが、
心に傷を持つ(顔にも傷ですね)一匹のコヨーテと出会い
コヨーテはヒツジに癒され、
ヒツジはコヨーテの寂しさを知り、夜の遠吠えの理由を知り互いに惹かれあっていく
とでもいいましょうか?
それが町工場という状況と舞台で繰り広げられるというものでありました。


このヒツジな主人公・遥季、家が大会社経営という金持ち境遇で長男であるのですが、
凡庸だと言われ何だか家庭で肩身が狭そうなんです。
本当はやりたいとかすかに思う事もあれど、親は話を聞いてくれなくて相手にもしてくれない。
ただぼんやりと、自分の存在意義すらもぼんやりとしてしまうような、
何だかちょっとかわいそう。
でもとっても優しくていい子なんです。

仕事に失敗して下町のボロアパートに越した従兄の子供との約束を果たす為にその街にやってきた時に出会ったのが町工場の息子・皆瀬。
子供が工場を見たいと覗いたことからこの工場とも縁ができていくのです。

育ちがいいから品があるのか、でもスれてなくて誠実で真面目でちょっぴりふんわりした雰囲気に工場で働くカンチも、恋愛対象には考えないけどなくもないとか
従兄も遥季に向かって、間違いが起きそうだとか言ってるし
一歩間違えば(?)なんだかんだと襲われてしまったり、何かありそうなんですがそれがない(笑)
で、皆瀬だけ特別なのは、一番最初に出会った事。
彼が心に傷を持っていて夜眠れないことから、夜に遥季と散歩しながら沢山ではないけど互いの事を語り合ったことが大きいかと思います。
う~ん、、、早いもん勝ち?(笑)

この皆瀬が周防さんのイラストって割とスーパー攻めを描く事が多くてそういう雰囲気の人かと思えば、
トラウマから人嫌いになって愛想が悪いだけ。
勤めていた会社で理不尽な目にあって心が折れてしまった、人間くさい人なんです。
頼りにはなる人だけど、そういう弱さを持っている。
クライマックスで工場の存亡にかかわる事件が起きるんですが、意地ははらない!
いい意味で遥季も皆瀬も等身大な人物だったような気がするのですよ。

工場の人々もいい人達で、だから何となくお話にも親しみがわきますね♪

ただ!遥季の親、、、これは腹立ちましたね~
この親子会話が足りないよ。

一番萌えたのは表紙イラスト、次がヒツジを数えるのを遥季の名前に替えるところ。
そりゃ不眠症もぐっすり眠れますって(爆)でもそのうちムラムラして眠れなくなる数え方かもね。なんて笑ってしまうのでした。

4

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