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表題作神凪の恋

日渡拓海,27歳,一級建築士
高辻笙,25歳,女人禁制の島の社の神主

その他の収録作品

  • 現世の恋
  • あとがき

あらすじ

叶わぬ片恋から逃げ、神主の笙は禁足の島の宮守となった。そこへ、傷んだ社の改修を行う宮大工にまぎれ、建築士の拓海がやってくる。しきたりや信仰に攻撃的で、何かとつっかかる男に反発しつつも、彼とのやりとりにいつしか爽快感を覚える笙。そして、秘めた恋を拓海に肯定されたとき、救われる思いとともに、内に何かを抱えた拓海の心に、笙も寄り添いたいと願うが…? 建築士と神凪が結ぶのは、神様も赦す恋。

作品情報

作品名
神凪の恋
著者
いつき朔夜 
イラスト
富士山ひょうた 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
ISBN
9784403523564
3.2

(5)

(0)

萌々

(2)

(2)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
15
評価数
5
平均
3.2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

25歳のDT神主

可愛かったです。恋に不器用な感じでキュンキュンしました。受けは失恋の痛手からほぼ無人島みたいな女人禁制の島に社の神主として赴任しています。不便な場所なので1か月の所、3か月に延長までして。

そこへ社の改修のため宮大工達一行の男衆が5人ほどやってきてその中にいた宮大工の息子で一級建築士の攻めのダーリンに出会います。最初は神社のしきたりなどで揉めていましたが、ポンポン言い合っているうちにお互いに惹かれていきます。

受けの笙の性格が大人しそうだけどムッとするとすぐ顔に出るタイプでそれが攻めに対してバレバレのところが面白かったです。両思いになってからの後編は笙が卑屈すぎてちょっと面倒くさい子になっちゃったけど恋愛初心者だからまあ仕方ないかな。攻めが包容力のあるタイプで良かった。

いつきさん、安定感のある良作書かれるのでまた新作読みたいです。

2

我慢Hに萌え♪

建築士×神主というカップリングや
富士山ひょうた先生の挿絵の落ち着いた雰囲気から
なんか地味そうだなぁと思っていたのですが(すみません)
読んでみるとこれが面白い!
知的でコミカルな会話や、くっついてからの甘い雰囲気がとても楽しかったです♪


島で神主をやっている笙のもとに
社の修理をするため、宮大工一行がやってくる。
彼らと一緒に来た建築士の拓海は、笙のかつての想い人「真人」にどこか似た雰囲気。
しかし、拓海は非科学的なものや「しきたり」を嫌うリアリストで、ことあるごとに笙に突っかかってきて…。


聖職者と無神論者、ゲイとノンケ、文系と理系…。
「あんたとは言語が違う」と拓海が言うほど正反対な二人ですが、
話していくうちに自分にはない相手の発想や言葉を「面白い」と感じ惹かれ合っていく。
それが読者的にも面白かったです♪


笙は、いとこで初恋相手の「真人」の結婚を機に
もう恋なんかしないと決めて島へやって来た、
ちょっと潔癖すぎるくらい一途な主人公。
ネガティブなところもあるけど、
そんな自分の欠点をわかっていて
受け身でなく自分を変えようと頑張るところが
応援したくなる主人公でした♪

そんな笙を好きになる拓海は、ノンケだけど
セクシャリティや性別に拘らないフラットな人物。

ラブシーンで男の自分には胸がない…と卑屈になる笙に対して
「おまえにだって、乳はあるだろう。ないのは乳房だ」
と屁理屈を言って、乳首の愛撫をはじめるシーンがすごく好きです♪
イケメンで、ちょっと理屈っぽいけど優しくて
照れて赤くなる等かわいいところもあって…
もう、言うことなしですね☆


拓海がしきたりを嫌う理由(母親のこと)は
ずいぶんアッサリ片付いたなって感じですが、
その後、非科学的なものに理解を示すようになる
拓海の変化はよかったです。
トラウマがなくなったからだけでなく、
好きな人の影響もあって
柔軟になっていくのがいいなと思いました。


恋人になっても、潔斎(禁欲期間)で一週間Hできなかったりと
大変ですが、文句を言いつつ従ってる拓海は優しいですね~
初Hで、神域だから最後まではダメと笙に言われて
寸止めで我慢してるところに萌えましたv

萌×2寄りの萌です☆

3

不完全燃焼でした

”誠実で真面目な”
いつき朔夜作品を評する時にわりとよく使う言葉です。
今回ももちろんそうでした。
建築士×禰宜 という組み合わせの今回。

特に、言えない恋を心に抱きそれを忘れるため自ら島の神社に通常より長く勤務している
永きに渡る辛い片想いを抱いた神職者という点から一体どうやって恋が始まり成就していくのか、見守る気持ちで読ませてもらいました。


神社の修理にやってきた宮大工一行の中に、棟梁の孫で建築士の拓海という青年が混じっていたのですが、彼が禰宜をしている笙の従兄弟の声に似ていると思ったのが気になるきっかけ。
リアリストのような拓海は笙につっかかるような会話をしかけ、
それが言葉のラリーの応酬というより、スマッシュの打ちあいのような、
穏やかなモノではなかったのですが、それはずっと一人で島でくらしてきた笙に人と交わる喜びをもたらすもので、同時に拓海への関心も増していくのです。

笙はゲイという、そういう性癖と自分でわかっており
彼が拓海へ環境も気持ちもあり、恋が芽生えて行くのはわかるのですが
どうにも拓海について、何で笙なのかな?
そこが今一歩自分に響いてきませんでした。
彼の生まれや育ちや、笙の会話から、笙との触れ合いの場面からしても
多少ドキっとする意識するような場面があったとしても、
恋愛の対象となるような、その決定打が自分には弱いように感じて
この恋愛の成立が「ありき」のものになっているのが、何だかもの足りないきがしてしかたありませんでした。

その後の二人を描いた話においても
男を意識させたら怖いと思うとか、エッチが痛くても我慢するとか、拓海の元同級生が粉をかけてきたのに嫉妬してわだかまるとか、
そんなエピソードがあっても、視点が笙の為、
なんだかな~?
拓海が笙を選んだ決定打には弱く感じてしまって。。。

残念ながら萌えきれなく、不完全燃焼でした。

10

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