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表題作彷徨者たちの帰還 ~守護者の絆~

フェンリル,森で拾った繭卵から生まれた聖獣
キース,14→22歳,天の国アルカ邑育ちの捨て子

その他の収録作品

  • 守護者の絆
  • あとがき

あらすじ

帝国生まれでありながら密入国集団が隠れ住む『天の国』で育ったキースは、聖獣のことも騎士のことも知らずに育った。生来の美貌のため、キースは幼い頃から性的な悪戯を受けたり襲われたりすることが多く、人間不信に陥っていた。そんな折り、成人の儀式で光り輝く繭卵を見つけ大切に保管する。数年後、孵化した聖獣に驚くキースだが〝対の絆〟という、言葉も概念も分からないまま誓約を結び、聖獣をフェンリルと名付け、育て始めるのだが――。

代償シリーズ第四弾。

前編「彷徨者たちの帰還 」、後編「守護者の絆」が収録。

【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。

作品情報

作品名
彷徨者たちの帰還 ~守護者の絆~
著者
六青みつみ 
イラスト
葛西リカコ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
シリーズ
忠誠の代償 ~聖なる絆~
発売日
ISBN
9784344830882
4.1

(95)

(46)

萌々

(31)

(12)

中立

(1)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
13
得点
391
評価数
95
平均
4.1 / 5
神率
48.4%

レビュー投稿数13

美人で強気な受け様に萌え♪

さまざまな迫害にもめげず、強くしたたかな受け様は、この作家さんには珍しいタイプかも。

前半はつらい場面が多いけれど、攻めの聖獣との出会いからは精神的には満たされてきて良かったね!キースちゃん。

必死に子育てする時期もあり大変そうだけど、このカップルはずっと離れず一緒にいるからこのシリーズの中ではその辺は安心して読めました。

後半の帝都に入ってからは面白くてもう一気に読んじゃいましたね。
お仲間が見つかってほんとに良かったね、キースちゃん!
なんたって葛西リカコ様の挿絵がこのお話にもバッチリ合っててバッチグーよ!あのキースちゃんの細身の身体と麗しいお顔なら男が群がってもしかたないわね。もう妄想炸裂よ~わたくし。

このシリーズ、いろんな対の絆の話ををもっと読みたいでっす!
インペリアルだけじゃなくてもね。
作者様、どうかひとつ、よろしくお願いいたします。


6

野生育ちの聖獣と騎士

もふもふシリーズ第4弾
これまでと違って初の聖獣×騎士です
年下わんこ攻め
人懐こい大型犬×美貌の一匹狼

密入獄者集団のかくれ里で育った孤児のキースは聖獣のことも騎士のことも知らない。
森で拾った卵を密かに育て生まれた獣フェンリルを孤独を癒す仲間として愛情を育む。
人に化ける獣が金になると知った邑長の息子らに見つかり邑から逃げ出し、森で暮らすがやがて食料や働く場を求めた人里で魔物と出会い善戦するも大怪我を負い魔物を追って来た騎士と聖獣(前作の主役リグとカイエ)に発見され保護されることになるのです。
彷徨時代が長すぎた。
邑での不憫な生活や森での逃亡生活の描写が長くて本来の力の発揮や騎士となり活躍する姿が早く見たかったのでジリジリしてしまいました。

人間不信の一匹狼でいつまでも誰にも心を開かず常に気を張って必死にフェンリルを守っているキースの姿に、かつての自分を見たリグとカイエが寄り添い徐々に癒されていくところがよかった。彼らの想いやその後の活躍が見られて。

聖獣の学校に入学したフェンリルが幼い年下の友人たちとの交流にほのぼのです。
これまでのシリーズの主役たちがちょっと大人になって元気に活躍している様子に安心しました。

インペリアル勢揃いで獣化して毛繕いしたりじゃれ合うもふもふに癒されました。

いよいよ初陣というところで終わってしまうのはすごく残念。彷徨時代をもっと省力しても戦闘シーンや活躍が見たかった。

3

誘い受け

 このシリーズを読みたいと思ったキッカケの一冊です。表紙の二人の美しさに一目惚れしていた。

 始まりからつらい。キースの母親(偽物)がゲスクズすぎる。
 キースの暮らしてる邑は、現実で言う部落。そしてすごく閉鎖的。
 外界は悪の権化であるテイコク人がうようよしている、アルカ邑は地上の楽園だ、絶対に境界を越えるな、という宗教じみた洗脳をしている。
 キースを村八分にするような邑のどこが地上の楽園じゃと思った。

 フェンリルを人質にキースをレイプするシーンは心が痛かった。胸糞。動物に嫉妬するなんて浅はか。
 キースが強い受けでよかった……。

 邑から脱出し森を抜け、途中で栄えたいくつかの邑を見つけて、物々交換で食料等を調達していたが、交換するものが尽きると、キースは自ら進んで男を誘惑し抱かれて物を貰うようになる。
 フェンリルがそれに気づいて怒るシーンが良い。

 悲痛なシーンはここまで。ページで言うと、1/3でシリアスシーンは終わり、その後は帝国での療養と騎士としての勉強が始まる感じ。
 シリーズ作品のキャラ大集合で、やりとりの可愛さに口元が緩む。

 初の聖獣×騎士だから、ほかの受け聖獣(リュセラン)に、受け騎士(キース)が嫉妬や焦りを感じるシチュエーションが新鮮で良い!

 キースがフェンリルとエロい事をする夢を見て夢精しちゃった場面好き。
 そこから、フェンリルに欲情したらダメだと、外に男を探しに行く展開がたまらない。後腐れなくてフェンリルの特徴と似たような男に、身体の疼きを鎮めてもらおうとするも、一発目でデミルみたいな性癖のハズレを引いてしまったのには笑った。
 キースに対して物凄い執着と独占欲を拗らせてる。この二人最高にどストライクです。

 エッチシーンも神。
 聖獣は自分から発情しないから、騎士が仕掛けるしかない。つまりフェンとキースの場合は、受けのキースが仕掛ける! 誘い受け!
 童貞×経験豊富なお姉さん♂みたいな感じでテンション上がります。
 小さい頃から育てた子供に押し倒されて、体を求められるという背徳感が刺激となり、快感が増しちゃうキースがめっちゃエロい。

2

シリーズ内唯一の「騎士が受」

聖獣が登場する代償シリーズで、唯一受が騎士。
小柄の美貌騎士が受。聖獣が大柄で攻です。

納税義務から逃れた難民たちで作った村に、まぎれて育ったキースは、肌の色、目の色が違うよそ者。
キースは美人。男に襲われないように顔を汚して、独り暮し。
山で偶然拾った聖獣の卵を持ち帰ると、孵化した。
でも聖獣を知らないキースには、育て方がわからない。教わる人もいない。
手探りしながら育てたので、聖獣の成長は遅れ気味。
聖獣泥棒に襲われて、村を逃げ出す。
それから王都に着くまでの放浪は、幼獣が絆相手のキースに守られる。
王都に着いて、成長した聖獣にキースが守られるようになり、恋の対象に変化していく過程の心理描写が細かい。

ストーリーは、この作品が変化に富んで一番楽しめると思います。

1

新しいパターンのシリーズ4作目!

『代償シリーズ』4作目。
あとがきで作者も触れているように、今回はタイトルに代償がつかないので
絆シリーズ、もしくはモフモフシリーズ4作目というべきか。

このシリーズは、やはり好き!!
よく練られたファンタジーの世界観も素晴らしいし、
聖獣の可愛らしさ、対の絆の互いに一途な健気さにやられ、
この作者らしい痛ましい味付けが、結ばれた後の甘さを引き立る。

個人的にはシリーズ2冊目の『誓約の代償~贖罪の絆~』が涙なくしては読めず
気高く美しくでも不器用な二人が身悶える程好みだったので、
3冊目の『奪還の代償 ~約束の絆~』は切なさにキュンとしながらも
地味!と思っていた。

表裏になっている1冊目2冊目の皇室の陰謀絡みの話は
ヴァルクートの帝位が安定した後には、もう書けないだろうし
どうしてももっと庶民的というか、規模の小さい話になるのは致し方ないのだろう。

そんな中、さて次なる4冊目は、初の聖獣攻めと予告もあったし
どうくるか?!と期待半分心配半分だったのですが、
そう来たか!というサバイバル系。
今までの選定を巡る悲劇、とは異なる展開の物語だった。

             :

帝都から遠くは慣れた辺境の、落人部落のような邑。
そこでテイコク人の孤児として虐げられて育った一匹狼のキースが
成人の儀式の折りに森で偶然見かけた聖獣の卵。

聖獣の事など何も知らないままに、フェンリルと名付け慈しみ育てるのだが
様々な経緯から結局邑から逃げざるをえなくなり、
苛酷なサバイバル生活を送りながら、さらに絆を深めていく。

幼いうちから「キースを守る」というフェンリルと
フェンリルの為ならどんなことでも厭わず、
自分の身を売りながら生きる糧を得る、美しいキース。

ある邑に差し掛かった時に、突然巻き込まれた魔獣との戦いで
キースは負傷し、二人は帝国軍に発見され
新たなインペリアルとして帝都に住まうようになる。



今まで描かれなかった世界や、凛と強くて美しい孤独で健気なキースのキャラに
ドキドキしながら読み進めたのだが、
残り20ページの辺りで「あれ?これってもしや前編で続き物?」と思ってしまった程、
最後が簡単にまとめられてしまっている。
個人的にはそこのところが、マイナス☆一つ。

初の聖獣攻めということで楽しみにしていたのだが、
フェンリルに欲情してしまうキースの葛藤も、
先輩達がお膳立てしてアッサリ解決(既視感が……)。
その後のHシーンもそれほど盛り上がらず(当社比ですが……)。



前作のリグとカイエが少し成長した姿で二人の世話役になっており
皇帝カップルは相変わらずのいい味、ギルとリュセも顔を見せてと
今までのキャラの登場は、シリーズのファンとしては嬉しいが、
キースの素性や、育った邑の曰くなど書き込めば面白そうなネタが
後半はそのままスルーだったし、
最後の二重新月の魔獣との戦いもちゃんとは描かれず、
この戦いを軸にこの世界観は成り立っているのに……
と些か残念だった。

続きの巻がまだ出る予定とのことなので、
帝国の現状やダイナミックな戦いぶりも、騎士と聖獣の臆面もない熱愛ぶりも
さらに描かれる事を楽しみにしたい。



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【シリーズ全体についてのガイド】

この作品をより味わう為には、前三作を先に読むことをお勧めする。
どれか一冊だけでも面白く読めると思うが、特に今回は世界観が殆ど描かれず
今までの作品を読んでいないと、よく分からないことが多いように思う。

ちなみにノベルズの発刊は、「忠誠の代償」→「誓約の代償」→「奪還の代償」だが、
作品としては、「誓約の代償」が先に雑誌発表されているそうです。
「忠誠」と「誓約」は同じ事件の裏表のような関係なのだが、
個人的にはノベルスの発刊順に読むのがお勧め。


この作品世界は……
今から1500年前、突如として現れた魔獣により絶滅寸前だった人類。
それを救ったのは、クー・クルガン族(聖獣)。
獣の形をした彼らは魔獣を倒す力を持ちながらも、
この世界で生きていくことが難しく
特定の人間と絆を結ぶことによってだけ、生き延びていくことができる。

以来ラグナクルス帝国では、人と聖獣がこの特別な絆を結びながら、
共に戦い生き抜いてきた歴史がある。
聖獣はその定められた運命の相手「騎士」を、繭卵のうちに自ら見つける。

聖獣にはランクがあり、
「インペリアル(金位)」「銀位」〜「黄位」「琥珀位」「赤位」と8段階。

11

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