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シリアスな表題作と甘エロな短編
描き下ろし109ページのシリアスな表題作と、あまえろな短編が２本。表題作は不完全燃焼だったので「中立」でしたが、短編が良かったので間をとって「萌」です。
◆『恋愛事変』
初恋相手の家庭教師・晴見に６年ぶりに再会した太一。晴見は現在大学教授との不倫関係にあり、愛情と依存と呵責の中で自暴自棄になっていて…。
という、複雑な感情が絡み合う再会ラブでしたが、キャラクターが感情ではなく設定に動かされているような印象を受け、物語の中に入り込めませんでした。
初恋相手は男ですが、不特定の女性との割り切った関係を好む太一。「俺はホモじゃない。男なんか抱くか」と言いながらも再会した晴見に誘われるまま身体を重ね、いつの間にか初恋相手に執着するわんこキャラに変身。感情の動きが分かりにくかったです。
晴見のほうも、かつては愛していたという教授への想いがあっさりしすぎていて、穏やかな表情と説明っぽい台詞がちぐはぐな感じでした。
教授も何だか情けないばっかりで、もう少しオヤジの魅力があっても良かったかな～と思います。晴見を救ったという設定なら、威厳なども見せて欲しかったです。
100ページ超えの長編描き下ろしに苦労したとあとがきにもあったので、大変だったのだろうとは思います。
◆『手のひらは嫉妬する』
弓道部の副主将×主将の話。親友である2人は毎朝一緒に電車通学。そこで痴漢にあい、感じてしまう受けの姿に欲情してしまう攻め。
痴漢の正体を攻めだと勘違いしていた受けと、性欲を我慢できずに暴走する攻め、どちらもエロ可愛くて萌え×２でした！
◆『おまえの心で聴かせてくれ』
男前で厳しい上司×地方出身のバイト。方言萌え！ 方言を活かしたいちゃつきぶりも良かったです～。
少女漫画的な絵
表紙の受けさんの手が縛られているというそれだけの理由で手に取ってみました。
表紙では特に何も感じなかったんですが、
中身の絵が平面的な感じとか、
体の造りなどの不自然な感じがどうにもこうにも微妙でした。
そのあたりの不自然さがなければ絵柄的にはＯＫな絵柄なんですが。
表題作の「恋愛事変」は受けがビッチな助手、攻めは教え子の大学生という設定だったんですが、
受けさんがビッチだったらもうちょっとタギるエロの描き方をして欲しかったです～。
基本、チ○コが描かれていない！
ブツを描かず、握っている手の形だけで表現など。
あとは白塗りの光り輝くライトセーバーなど。
とにかくぼかした表現ですね。
アナルもトーンでぼやぁ～と表現。
なんぞこれ。雰囲気的にはＴＬレベルの表現かな？と感じました。
同時収録作は、
・高校生×高校生の痴漢もの
・年上編集者×方言を気にして隠しているバイト学生
の話でした。
痴漢ものは、受けは攻めが痴漢していると勘違いして、知らない痴漢に体を許していたという展開でした。助けもせずに痴漢されている受けを見てハァハァしている攻めさん、ダメだろうｗｗｗ攻めがネトラレ属性とかなら分るんですけどね。そういう性癖でもないのに、というのが謎です。さらに受けは放置されて眺められていたのに喜んで付き合えるようになるんですからとんだミラクルです。
もう一つの方言ものはそこそこ自分的にはいい線いってる内容でした。
年上×訛りを気にする青年は美味しかったです。
あとがきによると作者さんはＢＬは初コミックみたいですね。
内容がかなり少女漫画ちっくだなぁ～と思ったのですが、
作者さんは普段は少女漫画を描いているというようなことが、
書いてあったので「なるほど」と腑に落ちました。
ＢＬ、描いちゃいました系の人なのかな？
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