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表題作COLD LIGHT

高久透
藤島啓志,透の戸籍上の兄

その他の収録作品

  • Soft sweet
  • COLD LIGHT ショートノベル

あらすじ

事故で記憶をなくしてしまった透と同居する藤島。「藤島さんと恋人になりたい」と透に訴えられ、口づけられるが、藤島はその願いを拒絶する。実は藤島と透の間には、透が忘れてしまった壮絶な過去があって……!?
人を愛するということはどういうことか、傷つきながらも問いかける感動作!!
木原音瀬書き下ろし小説&コミック描き下ろし収録!!

作品情報

作品名
COLD LIGHT
著者
麻生ミツ晃 
原作
木原音瀬 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイコミックス~BE×BOYCOMICS~
シリーズ
COLD SLEEP
発売日
ISBN
9784799715109
4.6

(95)

(71)

萌々

(18)

(6)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
12
得点
445
評価数
95
平均
4.6 / 5
神率
74.7%

レビュー投稿数12

ある意味、原作より良い

視覚的にくる暴力表現は小説では出来ませんし、話が原作より上手くまとめあげていると思いました。
結構飛ばしている感じもあったので原作も併せて読むことをお勧めします。
また、違った感情が湧いてくるのではないのでしょうか。

どう話が上手くまとめあげていると言いますと、
木原音瀬さんは心理描写がとても上手く、最後の方になってくると(私の場合は)泣き疲れて萌えるどころでは無くなります。
今回この漫画でも泣きましたがまだ体力が残っていたので萌えられました。
二人の不器用さ加減と、透のちょっと意地悪なところよかったです。

あと、絵に関してですが原作の張りつめた雰囲気と絵柄があっていました。
透の折檻のシーンは何回みても心が痛いです。麻生ミツ晃先生は表現力があります。
少し顔のデッサン狂っている気はしますがそこが味になって、なんかわざと狂わせている気もします。
あえて言うなら、表紙もうちょっと上手く描いて欲しいですね。弱すぎます。もうちょっとコントラスト強い方がいいです。

あと、描き下ろしの小説は最後の可愛い方の透です。
もう木原音瀬が書かれることは一ありません、悲しすぎます。
COLDシリーズ好きな人は透にお別れをしたいなら買うべきです。

7

初めて与えられたもの

 『COLD SLEEP』では謎だった藤島の過去が、冒頭から一気に明かされる今巻。現在と過去を行き来しながら描かれる藤島の過去は、想像を遥に超える異常で壮絶なものでした。
 血筋に拘り藤島をすべて支配しようとする母と、妻への憎しみを藤島にも向ける父。藤島の秘密を自らの今際の際の満足の為だけに明かす伯父。藤島はそれでも母を愛そうと、湧き上がる悪感情を押し殺し、口も利かぬ父に愛を期待しては裏切られて生きてきたんですね。母の藤島への行動、感情は狂気そのものだし、父から向けられる妻と藤島への憎悪は無関係だった幼い透をも巻き込んでいく…。
 記憶を失った今の透は、無邪気で可愛かった出会いの頃の透とそっくりで、二人の透が藤島に向ける満面の笑顔に、藤島に裏切られてからはこんな風に笑うことは二度と無かったのだろうと想像できて、目の奥が熱くなり涙を堪えることが出来ませんでした。笑顔がこんなに悲しいなんて辛いです。
 だけどあの頃の藤島に何が出来たと言うのでしょう?6歳上だったと言ってもまだ高校生だったのです。産まれてからずっと精神的に虐待されて生きてきた子供だったのです。裕福な家で生まれ育ちながら、実は何も与えられていなかった子供。感情すら搾取されてきた子供だったのです。
 無力な藤島が透に抱いた感情は、母を象徴する『女』に対する拒絶と思春期が重なった結果だとしても、それを幼い透が受け入れられないのも当たり前のことだし、唯一の人だと信じた人に裏切られた透が、藤島を嫌うのも至極当然だと思います。
 今のまっさらな透が、今度は自ら藤島に触れたいと切望して、感情を押し殺していた藤島の心も動かされていく。想いの通じあった二人に、本当に良かったねと安堵したものの、あとがきを読むとこの物語は3部作なのですね。2部が藤島のターンだとしたら3部は透のターンなのかな。
 すべてを知った上で透を愛し、幸せを願い、すべてを捧げた藤島。3部では透がすべてを理解したうえで藤島を愛することが出来るのか?が描かれるのでしょうか。どうか初めて与えられたものを彼等から奪わないで欲しい。早期の連載再開が待たれます!

6

大人のエゴ。特に母親の狂気にぞっとする。

藤島さん退院後。
藤島さんの回想が合間に挟まる形で透が忘れてしまった2人の過去の因縁が分かります。
…悲惨です。
大人のエゴに振り回されまくりです。

何というかもう透が不憫すぎる。
実母は育児放棄気味だし、連れて来られた先では散々な扱い。
父親は会おうとはせず、藤島母は本宅に近づこうものなら怒り狂う。
学校行く以外は倉から出るな!で風呂にも入れてもらえない。
おかげさまで不潔すぎて学校では孤立。
耐え切れずに父親の部屋を探して本宅の藤島さんの部屋に迷い込んだ当初の透の体は骨が浮き出てて…。
段々と肉づいてきて笑顔も増えて「お兄ちゃん」って懐いているのがもー可愛くて可愛くてたまりませんでした。
本当に素直で可愛くて…なんであんなめに…。

じゃーお坊ちゃんな藤島さんは悠々自適に暮らしているのかといえば違っていて…。
父親は自分のことを嫌っているし、ってか幼い時に自分の父親は別の人(母の実兄)と知らされるし…。
母親の愛情は歪んでいる上に執着が激しすぎて恐ろしい。
いやもーあれ怖すぎて抵抗できないわ。
目の前で見殺しにされたような状態を味わった透が恨むのも無理ないと思うけど…止められない藤島さんも責められない。
マジであれ恐怖。
幼い透が藤島母にホウキで殴られまくっているのは…色々な意味でぞっとしました。
殴りまくっていることだけじゃなくて…藤島母の狂気が本当に怖い。
庇ってくれない藤島さんを見つめる殴られすぎて腫れ上がった顔の透の目が…辛いです。
辛すぎて息がつまります。

ってか透の学校も1ヶ月以上風呂に入っていない状態をなんとも思わないのですか、通報しろよ。
まともな大人はお手伝いさんだけじゃないか…。

あんなお母様の選んだ藤島さんの結婚相手が素敵な女性過ぎて何か複雑気分。
お母様のお眼鏡に叶ったのですから家柄は言うまでもなく良いのでしょうが、人柄が本当に…優しそうな方で。
幸せになってくれそうなので何よりだと思いました。

過去の出来事を知っているからこそ…透が思い出した時とかのこと考えちゃうんでしょうね。
藤島さんとの思い出を作りたい透と、幸せな思い出を作るのが怖い藤島さん。
どちらも切ないです。

特に印象に残った言葉…「君といると苦しい。君がいなくても苦しい。」
相反する言葉だけど、藤島さんの気持ちが溢れていて…。。。


それはさておき、今回もケーキを食べる藤島さんは幸せそうです。
あの表情を見ているとケーキが食べたくなって仕方なくなります。
ケーキというものはそんなにも美味しいのか!レベルで。
いや、ケーキは美味しいのですよー好きですよ。
美味しいのですが、自分が食べている時あんなにも美味しそうな幸せに満ちた表情をしているとは思わないので。

それから書きおろし小説の藤島さん(対職場の女性)の王子様っぷりに吃驚。

5

いい!

原作を読んで、胸がつぶれるほど切なく、苦しく涙があふれたのを思い出した。
苦しくて苦しくて苦しくて。
苦しい過去。そして過去を忘れてしまった楽しく嬉しく愛しい時間。
その後に叩きつけるかのような酷い現実。
思い出したら涙がまた止まらなくなった*ノД`*)・゚・。

とはいえ、今回のコミカライズ。
原作の一片の具現化とはいえ、すばらしい作品でした。
何より感動したのは、私個人が「これってどーいうあれなんだろう」と思っていたあいまいだった部分がしっかりと描かれていることです。
なぜ、弟である透が兄を恨んでいるのか。
なぜあんなにも弟に対して兄である藤島はざんげし、怯えているのか。
いけないと思っていても惹かれてしまう想いと
忘れてしまったが故に純粋に向けられる気持ち。
原作を読んでいればこの後の展開がまた見えてしまうのですが
このまま二人幸せな時間が続くことをただただ願ってしまう。

5

むちゃむちゃ良かった

シリーズものは揃ってからっというのが基本なんですが、
今日は無性にBL読みたくなり、遠出もしたくなく、
地元の本屋で物色。手に入ったのが今作だったので、
大好きな木原さんだし、たまにはいっかと思い購入して読んだんですけど、
ひゃー!なんなんですか!これは!!って位良かったです。
絵も好きだったし、お話はさすが木原さん。
読み応え充分でした…てか、よくこの長さに収まったなって位。

家にシリーズ揃ってからと寝かせてあるCOLD SLEEPがあるんですけど、即効読みます。
で、今作の小説版もその先も読まねば。

はまりました。

4

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