この熱を知ってしまったら最後――

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炎天夏ドロップ(表題作 炎天夏心中)

entenka drop

炎天夏心中

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表題作炎天夏ドロップ(表題作 炎天夏心中)

鮎川,クラスメート
湊,高校生

同時収録作品うそつきと花 前後編

華原貴之,先輩,学内の有名人
相川日夏,ヘタレな高校1年生

同時収録作品レッテル・アンド・ディストラクション

同時収録作品近距離フラストレーション

同時収録作品幽霊の水面鏡

その他の収録作品

  • うそつきのホント(描き下ろし)
  • カバー下:あとがきマンガ(描き下ろし)

あらすじ

湊は他人の熱を知らない。
恋愛に興味もない。
クラスメートの鮎川が毎日違う女子を連れているのを見て恋愛脳だな、と思う程度。

しかし告白されている現場を鮎川に見られ…
からかうようにキスをされる。
熱を知らない湊に、鮎川は平然と触れてくる。
触れる手は熱いのに、
瞳は、どこか底冷えするような冷たさを孕んでいた…。

作品情報

作品名
炎天夏ドロップ(表題作 炎天夏心中)
著者
小野アンビ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
一迅社
レーベル
gateauコミックス
発売日
ISBN
9784758073219
3.7

(38)

(10)

萌々

(13)

(11)

中立

(2)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
7
得点
137
評価数
38
平均
3.7 / 5
神率
26.3%

レビュー投稿数7

かわいい★可愛い☆カワイイ

「短編集です、お気に召す物があれば」
と作者さまの仰せのとおり、見事にタイプがそれぞれ違う短編集です。ふつう人物の設定や表情が似通ったりするものなのですが、丁寧に描き分けられています。描写力という点ではかなり高いと思いました。
全然関係ないですが、裏帯に出版社の宣伝文句でしょうか・・・
「よいこのためのBL」
の文字を見た瞬間、良い子はBL読むわけねーじゃん!とか僕的に思ったり。そういや「よい子の住む街」というコミックを読み終わって、一人もいねーじゃん!って言ったのを思い出しました。

~ 炎天下心中 ~
多くは語りません。短い物語でも起承転結があり、二人のこれからを連想させてくれます。セリフ中にヒントが記されていますが、「身体の奥にかすかに感じる熱」、ラストのセリフ「…行くなよ」の意味が分かるか否かがポイントです。

~ うそつきと花 ~
エロなしですが、とーにかくカワイイこと可愛いこと。「キレイな顔が近いです!」と二人がじゃれ合う所に、通りすがりの二人の女子(一人は初恋の乙女)が、仲いいね! カツアゲじゃないの? と見方が真二つ。そんなところから交際スタートです。こういう先輩後輩の関係っていいなぁー。

~ 近距離フラストレーション ~
ここは一旦、801フィルター及び色メガネを外して純粋な気持ちになりましょう。受けだとか攻めだとかの煩悩は余計です。
お向かいの幼馴染の大学生に憧れている(おそらく)中学生のお話です。英語で水曜日の単語を習うから中二かな。とか想像しながら読みました。ちっちゃい子が懐いてくれるだけでカワイイじゃないですか!!
けど、このお兄さんは天然で甘えたがりな一面もあり、「欲求不満でどうにかなりそー。それともお前がなんとかしてくれるの?」とか言っちゃう。そんな大人なお兄さんに頑張って背伸びする子ってかわいいじゃないですか!
エロはもちろんありません。

そのほかの作品はメガネ萎(読む気力が無になる生理現象)が邪魔して読めていません。それでも僕には十分堪能できる一冊です。

1

男の子と恋

エロ無し胸キュン系の、ボーイズラブでやって欲しい少女マンガなシチュエーションってこれだよな!ってかんじの短編集。
もうちょっと詳しくいうと、
1.制服姿の十代の男の子たちがいっぱい出てきて、
2.初めての恋で、ジタバタしたり、モダモダしたり、キリキリしたり、ヒリヒリしたり、
3.そして相手は同性限定。

1について
やっぱり見た目に楽しいのは華奢さの残る10代の男の子だよね。
エロい大人や、ガチムチやおじさんもいいけど、かわいくてきれいは基本でしょ。
2について
ラブが生まれたり育ったりする過程が楽しいので、エロはあってもなくてもいいし、そこは問題じゃない。
3について
で、一番の肝は、「どっちも」カワイイ男の子だって事だ。

ストーリーの内容的には、短編だし、物足りない物もあるけど、とりあえずみんなカワイイからOK.

1

ほの暗いものからほのぼのまで

色んな物語を集めた短編集です。

表題作は、遊び人な攻めと他人の熱を知らない受けの雰囲気が暗いお話です。
光に向かって歩き出すのも良いですが、
こういうダークサイドへ飲み込まれるのもたまりません。
攻めの受けへと向けられている感情が、恋情なのか依存なのか、
はたまた全く違うものなのか分かりませんが、
これからは二人で分け合って生きればと思います。
弱い攻めなので、二人で転んで立ち上がれなくなりそうで
怖いところではありますけれども。

二番目のお話は、受けがラブレターを間違えて攻めの靴箱に入れてしまうという
少女漫画色の強い物語です。
攻めはずっと受けのことが好きだったようで、嬉しそうにしていますが、
受けは間違って入れたんだと言えずにずうっともやもやを抱えたまま
日々が過ぎていきます。友達とそのことについて、そろそろどうにかしないとと
話し合っている時に攻めが偶然立ち会わせてしまい……という展開なんですが、
蓋を開けてみると、攻めが意外と策士で酷い男でした。
受けもへたれでおっちょこちょいなので、
自業自得と言えなくともないですが、
いくらなんでもそれを逆手に取りすぎていて。
書き下ろしが攻め視点なため、その利己的な性格がわかるんですが、
一言で受けを黙らせてしまうところは本当にずるいと思います。
掴み所のない攻めなんですが、受けにべたべたとして、
言葉を惜しまないところが萌えました。

あとは、不良と優等生の葛藤する話、
幼馴染みから脱却したい受けの話、
双子の共依存の話があります。
どの話もカラーが違っていて、飽きることなく読めますが、
特に双子の救いようがないループし続けそうな流れが
とても魅力的だと思います。
二卵性も美味しいですが、一卵性がいちゃいちゃしている
様子も可愛らしくて大好きなので、楽しめました。

絵柄も可愛らしいので、BL初心者の方にも
安心しておすすめすることができる一冊です。
いたしているシーンがありますがw

0

ギ、ギムナジウム!

ギムナジウムと旧制高校だけは、読まねば!読まねばなるまい!と購入。※暑苦しい。

絵柄が今風(?)で軽い感じの話かなあと思いきや、結構重めな話が多いんですね。
私は「うそつきと花」が一番好みでした。こっちの作風のが合ってる気がするんですけれど、どうなんでしょうねえ。
生まれたての子鹿が可愛い。

重い話は何というか、設定が若い子好きそうだなあという感じで、設定は重いけれど話はちょい薄い感じです。
ギムナジウムものも、ちょっと中学2年生な感じでこういう感性についていけなくなった時点で、私も大人になったのですなあ。※充分大人です。

2

短編だからな・・・

二人の視線にやられて表紙買いしてしまいました。
学生ものの5つの短編(内1編は前後編もの)から構成されています。
表題作「炎天夏心中」と「幽閉の水面鏡」がシリアス・ダーク気味で面白かったので、紹介と感想を少し。

【炎天下心中】
他人の熱を求める高校生の鮎川×他人の熱を知らない高校生の湊。湊はひょんなことから鮎川にキスをされ、そこから体の関係をもってしまう。鮎川が常に誰かの熱を求めている理由を知った湊は、それと同時に、本当は自分も誰かの熱を求めていたのだと鮎川への恋心に気付く。
展開が少し駆け足気味な気もしましたが、なかなか読み応えがありました。

【幽閉の水面鏡】
ギムナジウムを舞台に美しい双子の歪んだ兄弟愛を描いた短編。自分にそっくりな美しい兄を独占したくて、その顔を誰にも見せないよう眼鏡をかけさせる弟。兄はそれを甘んじて受け入れていたが、ある日、同級生に素顔を見られてしまい、告白されてしまう。その同級生が弟とキスをしているのを見てしまった兄がとった行動は・・・
水面に映る自分に恋をして心囚われ死んでしまったナルキッソスを彷彿とさせる作品です。
作中の「己の半身」という言葉が印象的でしたが、この兄弟はお互いがいないと自分という存在が成立しないと言わんばかりに、互いに強い執着を抱いています。この執着愛がどう展開するのか、とても気になるところで終わってしまいました。

他の3編は続きがあればきっと甘い展開になっていくのだと思いますが、この2編は何とも言えないのでもっと続きが読みたいような、ここで終わっておいた方がよいような?

1

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