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『言ノ葉』シリーズ、第三巻です。
個人的には一番好きなタイプのカップルでした。
わたしは二巻の攻めが苦手でしたので。
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受けは、『心の声』が聞こえる20歳のカンナ。
同様に『心の声』が聞こえた母親を幼い頃亡くし、その後親戚の間を転々として育ちました。
攻めの額田は、カンナの引っ越してきたアパートの住人で26歳。
実像は無口、そして『心の声』はシンプルな、上からは捨て駒のような扱いを受けるヤクザ。
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このシリーズでは、カップルのどちらかが『心の声』が聞こえることで孤独を抱えています。
一巻は受け、二巻は攻め、そしてこちらでは受けが。
今までの登場人物の中ではカンナは幼いですが、この不思議な力のことをとても真摯に受け止めています。
初対面の時、まったく心の声が聞こえなかった額田に思わず手を伸ばしてしまったカンナ。
それは心が空っぽで、子供の頃に救えなかった人とまったく同じで…
母が語って聞かせた『心の声』の意義。
優しくてそして悲しい言葉と、そしてその結末に支配されているカンナは、空っぽな心の人を救うことがこの力の使命だと、自分の存在意義だと信じて生きてきました。
額田もカンナも好きなタイプのふたり(年上攻めで年の差あり、受け健気)なので、せつない部分はあれど楽しんで読めました。
カンナは自慰もしないくらいの真っさらな子で、そんなカンナへ額田は餌づけされる猫のように懐へ入っていきます。
でも、野良だから疑い深く慎重にです(苦笑
時には気に入らないと脱走。
カンナはカンナで、初めて抱く気持ちに自分は変だと思ったり。
ふたりともが育った環境が不幸で、その後の道は両極端に別れていましたが、やっと交差点で出会って、信号が青に変わるのをカンナが辛抱強く待ったというカップルです。
個人的にはツバメの雛について額田がついた優しい嘘が、彼らの青信号だったように感じました。
ちなみに雑誌掲載の本編では、きちんとした本番はありません。
書き下ろしの方で一緒にいるようになり、そこでという感じですね。
本編の方で曖昧になっていた額田の現状も、書き下ろしできちんと補足されています。
この結果に対して甘いと感じられる方もいらっしゃるとは思いますが、わたしはこのお話はこのくらいの甘さで良いのではないかなあと思いました。
設定自体もファンタジー入っているわけですし。
とにかくカンナの懸命さに打たれ、萌×2よりではあるのですが神にさせて頂きました。
砂原さんのこのシリーズにはあまり惹かれなかったのですが、今回はじわっときてしまいました。
言ノ葉シリーズ最新作。
1作目と2作目はCDしか聴いていないのですが、とても良いお話だったので、最新作が出ていたのを今さら知り読んでみました。
どういった二人なのか知らずに読み始めたのですが、思いがけず好きなヤクザさん登場w
このシリーズでヤクザ側の話がどんな展開を迎えるのかすごく気になって、夢中になって読みました。
心の声が聞こえるカンナは、お母さんから言われた通り人の役に立とうと必死。
で、同じアパートに住む額田がヤクザと知っても役に立ちたいとおせっかいを焼くのですが、空回りしてばかり。
空っぽの額田からはあまり心の声も聞こえてこない。
そんな額田はおせっかいにイラついて、怪我をしている額田を病院に行かせたいカンナにやらせてくれたら行くと交換条件を出します。
男女どちらもまったく経験のないカンナがそこまでしてくれることに額田はとまどい、少しずつ打ち解けるようになりますが、ヤクザである額田は問題をかかえています。
心ない組長にただの犬としてひどい仕打ちを受け続けているのです。
そんな額田を見ていられないカンナは身を挺して助けようとしますが…
額田をどうやってヤクザの世界から救うのか、そんなことが出来るのか?救ってあげてほしいと思いながら読みました。
“心の声が聞こえる”と言うことを活かした方法での救い方は圧巻とも言えます。すっきりしました!
そこに人の本質があるのかなと。
カンナも額田を救うことでやっと自分自身のしがらみ?からある程度救われたのだと思います。
これからは額田が傍にいることでカンナは声が聞こえることが足かせにはならず、二人は幸せに暮らすのだろうとほっとした気分になりました。
このシリーズいいなぁ。
やはり1作目が一番かなとは思いますが、どれも好きです。
1と2も小説を読むこと決定です♪
心にじわっと来ました。
一作目が好きで、なぜか二作目はまだ未購入ですが、三作目が店頭にあったので思わず…。
砂原worldキターーーーー!!
みたいな。
私個人の意見ですが、やはり砂原先生の描く世界が好きです。
母親も「聴こえる」体質の主人公は初めてで、
世に役立てようとする主人公、カンナはえらいっ!
が、つらいと思うよ…自分が他人の犠牲になって生きていくなんて。
心で何も考えない相手(額田)に出会ったのは良かったのかよくなかったのか。
結果的にはもちろん「よかった」のですが。
一作目の余村と長谷部の…リンクもありますし。
ほっこりもしましたし、ハラハラさせられる面もあって、
やはり私はこのくらいの切なさと愛しさの入り混じった世界が好きですね。
自作もあると…いいなw
言ノ葉のシリーズも3作品目で、今回はこう来たのか!って感じでした。
生まれつき心の声が聞こえるカンナは、同じく声の聞こえる母と二人で暮らしていましたが、その母を亡くしてからは親戚をたらい回しにされて育ちます。
そして、新しい街で、古びたアパートを借りて一人暮らしをはじめるのですが、、、。
カンナは、幼い頃の母との約束で、声が聞こえるという自分の力を人のために役立てなくてはいけないと常に思っています。
それは、まるで「幸福の王子」のようで、
そんなカンナが、同じアパートに住む、額田というカラッポの男と出会います。
自分の力の限界を受け入れて、自分自身を自分で幸せにする強さを得る物語。
言ノ葉シリーズの1作目がちょっとだけリンク。
この作品もCD化されるといいのに、カンナは山下大輝くんがいいなぁ
「心の声が聞こえる」シリーズ三作目。
今までの二冊はどちらも楽しめたので、ワクワクして入手しました。
読後の感想は「なるほど、こうきたか!」です。
一作目は普通の人間が聞こえるようになってなにもかも失い、また聞こえなくなって手に入れた物を失いそうな怖れに翻弄される男。
二作目は生まれつき能力はあるが、それに対する知識は殆ど無い。能力を嫌悪して、生きる術にしている自分を諦めている男。
そして三作目にしてこれですよ。「能力を自分の使命と信じる男」
ヒーローものなんかにはありがちですが、BLでこういうのは珍しい。しかもそんな熱血ではない。淡々としています。
前二作と違い、今度の主人公、栞名には能力に対する知識と確固とした対処法があり、嫌悪も戸惑いもなく、それが自分の自然な状態、と受け入れています。そして今までの主人公と違い、この人はメンタルが強い。強いからこそ優しい。でも本人にそんな自覚はありません。
それでも自分は人と違うというのは分かっているし、それについて考えることもない訳じゃ無い。無意識に自分で遠ざけていた感情を、じわじわと自覚していく表現が上手ですねえ~。
触れ合って分かるまで「カンナ」「ガクタ」とカタカナ表記なのもいいです。
心の歩み寄りがそんな形で表現されていて、そうそうそうなんだよね人と人って! みたいにスッと入ってくる感じ。
心と声で、普通に会話しちゃえる額田もメンタル強い。普通なら慌てますよ。
一作目の攻めは受けが好きだったからOKだったけど、二作目の受けは色々グルグルしちゃいますから、それが普通だよなあ、と思うわけですが、「別に俺は、聞かれて困ることはねえ」なんて言っちゃえるのがかっこいい。そりゃ栞名も惚れるわけです。
口の重い男が無表情なくせに心の中で「かわいい」「こいつ、大事にしねえと」なんて思っちゃうのを聞いちゃった受けが堪らなくなるのは当然ですよね!
逆に言葉が出ない額田にとっては、言わなくても分かってくれるのは「便利」な訳です。
「へえ、便利なもんだな、喋らないで通じるのも」「便利なのか恥ずかしいのか、よく判からねえ力だな」
なんて、読まれててるのを分かってても動じないんだからむしろすごい。額田も常人じゃないなあ。
恋愛、と言う面で言うと、前二作と違い、初な二人の可愛い恋物語です。
お互いが大事で好きで、その為に色々と動くのがお互い分かるので、心理的には安定している。そこだけ見ればほっこり出来るんですが、とにかく額田の状況がハードボイルドすぎるので、色々ハラハラします。
だけどメンタル強い二人なので強敵にも打ち勝ちます。いいなあ。
一作目のカップルが二作目の後でどうなったか、ちょこっと出てくるので、続けて読んでる人にもご褒美があります的な。あと、クリスマスケーキについてのこだわりもちょっと出てきます。
これだけで読んでも充分楽しめるだろうけど、やっぱり全部読んだなりの楽しみもあり、そこら辺は砂原さんのサービス精神でしょうか。
とにかく良かったです。