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表題作どうにかなればいい

桑原大介,『ディスプレイオブジェ/デザイン工房オゴホゴ』の工房作家
早川誠二,『早川ディスプレイ』社長代理

その他の収録作品

  • どうにかすればいい
  • 踊る象の夜

あらすじ

幼い頃から憧れていた工房作家・桑原大介の才能を世に出す――早川誠二は自分の会社の仕事を請けようとしない桑原を説得するため、彼の工房に泊まりこむが……。「おまえの中に、俺を入れてくれよ」はじめて知る桑原の欲望は、誠二の身体に消えない快楽を刻みつけていく。だが濃密な夜を重ねるたび、桑原の表情には暗い影が差すようになり――新進気鋭の工房作家VSディスプレイ会社の若社長、男のプライドと熱情が交差する一生一度の恋。

作品情報

作品名
どうにかなればいい
著者
ナツ之えだまめ 
イラスト
高崎ぼすこ 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA(メディアファクトリー)
レーベル
フルール文庫ブルーライン
シリーズ
うなじまで、7秒
発売日
ISBN
9784040669076
3.7

(49)

(11)

萌々

(24)

(9)

中立

(1)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
4
得点
179
評価数
49
平均
3.7 / 5
神率
22.4%

レビュー投稿数4

勝手な思い込みは世界を狭くしますね

うーんすごくよかったです
紹介文から勝手に想像していたお話から、いい意味で裏切られました
想像としてはお仕事の交渉としてエロイことみたいなありきたりなモチーフのお話かなーと買ったきり電子版を放置していたのですが、二人が思い思われ幸せの絶頂からの~というお話で全然ありきたりではありませんでしたそのギャップからも神評価で

前レビュー様も書かれていますが作中の大介の世界観を表現する部分が本当に素敵でした
最後の踊る象の夜が読了後、ほんわかします
象さんと二人の生活はさぞや幸せに満ち満ちているんだろうなあ

文章のリズムもBL小説では中々見かけないような文章で世界観があると思います
ここぞという時の繰り返しの表現などが私的にはぐっときました

大介の途中のこだわりからの行動は、小説だから面白いのであって現実にこんなことする奴は本気でタコ殴りしてやりたいとは思いますが
それでもストーリーとしてぐいぐいきました
安藤さんて存在が奇跡的に誠二君を救ってくれてよかったですよね大介
大介が発表した作品の魔女の道具がよかったですね
誠二をどれだけ思っているのかと

8

攻めの作る作品が魅力的

ナツ乃えだまめさん、初読み。
表紙に惹かれて入手。

何が魅力的だったと言って、攻めの大介の作りだしている作品世界。
彼が主宰する工房オゴホゴの
プリミティブなエネルギーと色彩溢れる作品、
これをリアルで見てみたくなった!というのが一番の感想。

物語は……
中学生と大学生で出会った誠二と大介。
誠二は業界第3位のディスプレイ会社の御曹司、
かたや大介は美大を出たのち、仲間と工房を立ち上げる。
ずっと側で過ごしながら時は流れ、28歳となった誠二が
自社の仕事を引き受けて欲しいと工房に押しかけるところから始まる。

男っぽくておおらかででも秘めたる野心のある大介は
その作品世界に興味があるのと共になかなか魅力的だったのだが
最初、30近くの社長代理という要職にありながらも
まるで子供っぽい誠二にちょっと白けながら読んでいた。

恋愛感情を自覚した途端、この誠二がなかなかにエロいのだが
大介は想いを振り切って(ってこれも勝手っちゃ勝手だが)
誠二と対等になるべくフランスへ旅立つ。
そこからはまぁトントン拍子で再度巡り会い
昔と変わらぬ愛を確かめ合い、というのがストーリー。

この一旦別れていくエピソードは、ちょっとやりすぎだし
それなのに、その後の成功と再会和解は簡単すぎるし、
誠二の父を含めて周りの人があまりに物分かり良すぎなのが
興を削ぐが、別れている期間に大介が
何度も作り直していたという誠二人形のエピは好き。

長い片思いの執念というか、芸術家らしい執着というか
欲望というか……(笑)

それと、最後に二人が一緒に暮らすようになった家に
大介が描いた象が誠二に語りかけるように感じるエピも好き。

と、ストーリーそっちのけで、作中作品の魅力に惹かれた一冊。
そういうちょっと横道な感想ではあるが、
なんだかんだ振り返ると結構楽しめた一冊だったかも。



7

snowblack

「恋は盲目」な、stella☆さま、
コメントをありがとうございましたm(_ _)m

この作品、欠点もあるとはいえ、なかなか面白いと思うのですが
読み終わってレビューを読もうと思ったら、なんとまだない?!
ちょっとびっくりしながら、レビューを書かせて頂いたのですが
お目に留めて頂いて、ありがとうございます。

どの作品もぜひ見てみたいですが、特にあの人形と象はいいですよね。
こういう細部に魅力のある作品だったと思います。
stella☆さまは、web連載の時から注目していらしたんですね。
このリコメントでstella☆さまのご感想も伺えて嬉しかったです♪

stella☆

snowblackさま
 こんにちは!
私も大介はとても魅力的な攻めだと思います。
snowblackさまのあげられていたエピは私も好きです。普段はおおらかで大きい印象の攻めが、人形という小さなものを受けを思いながら何度も直す姿を想像すると、、可愛いです。オボコボの作品は私もどれもほんと見てみたい!と思いましたが、この人形は特に見てみたいです。とてもきれいなのでしょうね~。ゾウの絵のエピも幸せな気持ちが伝わってくるようでいいですよね。
 
 実は私は、この小説はweb連載中からとても好きで、でも文庫発売当時は評価も少なくひそかに残念に思っていました。
でもご指摘のマイナス面を読ませていただいて、なるほど!と・・・
私は単純なので、けっこうマイナスな面があっても大好きなところがあれば気にならないという・・・(思わず「恋は盲目」という言葉が頭に浮かんで自分に苦笑しました~。)
芸術家の恋は多少エキセントリックでも、でもそこが魅力?!でしょうか。
  
 snowblackさまのレビューは、いつも作品の情緒的な面を丁寧に書かれている印象で、読ませていただくのを楽しみにしています。
 拙い文章でのコメントで失礼しました~   stella☆

身勝手だけど。

『うなじまで、7秒』の関連作品となっていますが、ほとんど独立したお話です。

真っ直ぐで純粋で、一途な誠二。
ずっと憧れていた大介と仕事がしたい、その一心で大介を口説くも、大介はつれない態度。
そんな大介も秘めたる想いを抱えていて、押さえきれずに誠二に手を出してしまうのです。

結局は両思いだった二人──なんですが、大介のプライドといいますか、職人魂といいますか。
大介の中でずっとわだかまっていたものが原因ですれ違いが起き、誠二は傷ついてしまいます。

大介のとった行動は、確かに誉められたらものじゃないかもしれない。
フォローのしようもあっただろうに…とも思いますが、彼は彼で色んな葛藤を抱えていて、不器用で、まだ未熟だったのかな。
大人だからといって『大人』になりきれるかといえばそうではないから。

精密に人形を造るのなら、フォローのひとつでもすれば良かったのに…と大介に若干呆れましたが、そこまで執着しているのね、と安心もしました。
中学生だった誠二を一目見て惹かれ、そして大介の中心にはいつも誠二がいたとすれば、大介の方が焦っていたのかもしれません。
誠二に対して胸を張れる自分になりたい、と。

一度は投げやりになりながらも、それでも大介を想う誠二がいじらしい。
誠二の行動を留めた安藤に心から感謝!
なんていい奴なんだ君は。

突然消えて突然帰ってきた大介に誠二は頑なになってしまうけれど、でもやっぱり気持ちは抑えられなくて。
身勝手な大介だけど、好きなら許しちゃうよねぇ。
いささか大介に甘い!と思ったりもしましたが、幸せならいいんです。

大介の造る『オゴホゴ』の世界観をぜひ一度体感してみたいなぁ。

6

時計ほしいなあ

うなじまで を読んで、今一つぴんと来なかった私。
なんとなく流れで これも読んどこう と思って購入。

何が一番いいって 受けさんが中学生の時から持ってる
攻めさん作成の 時計!(だったはず)
みたい!ほしい!
あと作中に出てくるビーズの作品も見てみたいなあ。。。
なんだか「○ウルの動く城」という作品にあった独特な
物のフォルムをイメージしてしまった。
すごくいきいきと各種作品が描かれていて、とってもわくわくしたお話でした。

たーだ。攻めさんが ちょっとまて、それはあんまりではないか。
という対応をしたところが、もうだめで。あったま来た!
なので受けさんが 頭からじゃー ってしたときは、
もう胸がすく思いで~。このまま棄てちまえっって思ったんですけどね
そこはBL。小説が成立しなくなっては困るので、しょうがない。。。。

サブキャラ的にでてくる攻めさんの同僚がいい味だしてます。
あと、受けさんのおやっさんも、人間でかいわ。
みんなが許しても、私は許さん!と勝手に怒ってます(笑)
時計くれたら許してやる(爆)売ってくれ。

ああ、すんません、一言どうしても付け足したい!
挿絵が素敵です!特に頭じゃーする時の受け!
ぼすこ先生前から好きでしたが
この本で、指名買いする先生のお一方になりました~

3

この作品が収納されている本棚

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