16歳、友達ゼロ、ひきこもり。

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表題作輝ける星

七尾 ひきこもりの高校生 16歳
赤星優斗 元小学校の同級生 16歳

その他の収録作品

  • 10年の光
  • カバー下表紙1【表】~カバー下表紙4【裏】:あとがき

あらすじ

友達もおらず、ひきこもりになってしまった七尾のもとに小学校時代の同級生・赤星が現れた。カッコ良くて優しくて、唯一自分を気にかけてくれた憧れのヒーロー。そんな赤星が自分を救いたいと手を差し伸べてきた。
高鳴る鼓動を抑えつつ赤星と共に動き出した七尾は、ある日、赤星の隠された過去を知ってしまい……。
思春期を駆け抜けるきらっきらの初恋グラフィティ!

作品情報

作品名
輝ける星
著者
真柄うしろ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
東京漫画社
レーベル
MARBLE COMICS
発売日
ISBN
9784864421577
4.1

(18)

(5)

萌々

(10)

(3)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
6
得点
74
評価数
18
平均
4.1 / 5
神率
27.8%

レビュー投稿数6

誰かを想えば

「誰かを想えば人はどんなふうにだって変われるのかもしれない」
そんなことを思わせてくれるお話ではないでしょうか。

長いあいだ友達がおらず、自分の存在を嫌おうとする泣き虫のひきこもりっ子(七尾・表紙左の黒髪)と、過去にとらわれながらも傷ついた自分に気づかないフリをしている、誰からも好かれちゃうようなイケメンくん(赤星・表紙右の茶髪)。ふたりは小学生の頃、同じクラスだったことがあります。時は流れ、高校生になった今。やさしい君との思い出だけが、唯一の楽しい思い出...そんなことを思いながらもひきこもっている七尾。ある日突然、七尾の家を訪れる赤星、それは驚きの再会だった...そんなシーンから始まります。誰かのために一生懸命変わっていこうとしたり、それに応えて笑顔を取り戻そうとする物語。「お互いになぜ相手が必要なのか」が読み手にしっかりと伝わってくるのと、それぞれの頑張る様子に応援したくなってきてしまうところがよいです。

ひきこもりっ子の七尾は両親に大切に思われているようだし、それを出すチャンスがないだけで、実はやさしく明るい心の持ち主だと思います。頑張って登校すれば、いつのまにかムードメーカーにもなってしまいそう。おバカだけどお菓子づくりも得意。ドジだったり運動神経が悪いのもあり、なかなかのオーバーリアクションなのでイライラするかもしれませんが(でもそこが最高なんですよね、私は大好きです)、ぜひともこの子をとりあえず中盤まで見守ってあげてほしい。そのあたりから私は何度も涙が溜まってきてしまうのですが...最終話ちょい前のクライマックス、何度読んでも泣いてしまう。Hシーンも少な目ではあるけれど。こっちが恥ずかしくなってしまうのだけど、私はなにか好きなんですよね。

さて、描き下ろしもとってもよくて...
おそらく10年後のふたり、がいます。
いろいろ書きたくなってしまうほど微笑ましいが、ここまでにします。

大人っぽい作品を続けて読んだあとなどにもおすすめだと思いますが、ほのぼのページをめくっていく感じというわけでもなく、大波小波があって泣いたり笑ったり、なかなかパワーを使う一冊かもしれません。でもそこがこの作品のおすすめポイントだと私は思います。まるっと一冊1つのストーリーなのは、作者の既刊コミックスではこちらだけですし。ほかももっと読みたいなぁ。

実はここ数年のお気に入り作家なのですが、本日再読しましたら「私は真柄うしろ作品の大ファンです!」と言いたくなりました(笑)。この心がポッとあったかくなるカラーイラスト、どれも大きく引き伸ばして額に入れたいです。既刊コミックス4冊はどれも同出版社から出ているものなので、背表紙を並べた感じもまたよいのですよねぇ。

ぜひたくさんの方に読んでほしいと思う一冊です!

9

希望の星

”不登校””ひきこもり””自殺未遂”
こんな3つの言葉が出てくるだけでどんな重苦しい話なのだろう?と感じずにはいられないのですが。
普段だと、軽くあしらってしまうことへ抵抗も感じてどうして?って思っちゃう事があったのですが、この作品はそうはならなかった。
作者さんへの信頼と好きという欲目が働いているせいもあるかもしれないけど、
そこを非常に前向きに、且つ、ユニークに、明るく仕上げた作品となったことにこの作品を楽しむ事ができました。


友達がずっといなくて、何をやっても上手くいかなくて、高校に入ったら!と頑張ったけど空振りに終わり、登校できなくなって引きこもりになってしまった七尾の唯一の楽しい思い出は小学校の時、同じグループに誘ってくれた赤星君との修学旅行の思いでだけ。
そんな七尾の元へ、地元へ戻ってきて同じ高校に転入したという赤星君が訪ねてくる。
七尾にとっての希望の星の赤星君と約束したから頑張れる!
そうやって七尾は少しずつ外へ出られるようになるのだけど、何気に「好き」と言った時から少し赤星君の様子がおかしくなって。。。


七尾がドジっこでヘタレで弱っちいけど、その一生懸命さ、一途さがとても魅力です。
自分でも頑張ろうとしたけど、駄目だった。
彼を頑張らせるのは、赤星君じゃなきゃ駄目ってちょっぴり思い込んでいたかもしれないですね。
最初この本の題名も知らずに読んでいたんです(汗)で、読み始めて赤星君は七尾の希望の星なんだ!と思ったら題名が「輝ける星」だったという自分的オチ付きだったのですが(恥ずかしいw)

何よりよかったのは、七尾が赤星により立ち直り
そして、赤星の抱えている苦しみを純粋な気持ちで救うっていう、そういう展開がとってもよかったんです!
自分にできることは何だろう?
余計なおせっかいすぎるほどに真摯に、突っ走るその一途さがキュンキュンきちゃいました♪
案の定、ドジっこらしくその展開には笑いもついてくるのですが、それが却っていいんだ!

赤星が転校した理由。
ホモの自殺未遂事件と言われた、相手の橘高君について本当はもうちょっと言及が欲しかった点が惜しいのではあります。
自殺未遂をするくらいの事であったのに、赤星と会う事ができたのは彼に謝りたかったという気持ちもあるとは思うのですが、余りに清々しい表情をしていて、彼の心の苦悩とか、彼にも誰か救いの手を差し伸べてくれる誰かがいたのだろうか?とかものすごく気になるのですが~!!
いつか、それを見せてくれることを期待して、ひとまず。

悩んで迷って苦しんで、そして恋をして、
酸いも甘いも青春がいっぱいつまった作品。
心があったまります。

描き下ろしでは彼等のその後、10年後なのかな?
社会人になった彼等の様子を見る事ができます。
大人なのに、かわいい2人のやり取り♪いや、七尾の天然は一生変わらないからまだ青春してるみたいでいいのかもしれないです。

9

あり得る弱さ

完全無欠な登場人物のいないBLなんて
興醒めで読みたくない、などと仰らずに
と薦めてみたい一冊です。
多分そこでツッコミの一つは来るでしょう。
このタイトルで完全無欠な登場人物の
いない物語は有り得ないだろうと。
評者はこう返すでしょう。
「自分自身を燃やして輝く星もある。
他の星が投げかける光を浴びて初めて
輝く事の出来る星もある」と。
輝きに対する回答は、一つではありますまい。

この物語の中には輝きの中にある陰影が
静かに息づいています。
登場人物達の立ち位置も又陰影を勘案した
上での結果なのでしょう。

4

シリアスなのも良し

「ひみつのお花ちゃん」から大注目の真柄さん。
真柄さんならではのユニークさも散りばめられてはいたけど、今回は真面目な方にベクトルが・・・。
不登校や自殺など重た目の内容で、まる一冊。
引きこもりの七尾の家に、小学生時代の同級生だった赤星が教師と共に訪問にくるとこから始まり、赤星のために登校しようとがんばる七尾や、その赤星が抱えていた心の傷の大きさに、どうなるのどうなるのこの子たち~!となりながら読んだ。
10年後の幸せそうな二人も読めて大満足です。

3

少しずつ進んでいく関係

なんとなくお話が気になって買ったこの本、内容も私好みで買ってよかったと思える作品。

友達もいなくてずっと家にひきこもっている七尾のもとに現れたのは小学校のときに唯一自分に話しかけてくれて優しくしてくれた赤星。彼は七尾にとって憧れのヒーロー的存在だった。そんな赤星はひきこもっている七尾を救いたいと言ってくれ、二人の物語が始まる。少しずつ近づいていく距離。だけど時折みる何か考え込んだ顔の赤星。赤星に隠された過去に七尾が気づいたとき、物語は再び廻り始める。高校生同士の恋、リアルなお話でした。わりとシリアス展開ですが、最後はハッピーエンドとなっております。切甘といったとこでしょうか。きちんとまとまっていて読みやすいです。

それぞれの悩みをお互いに乗り越えていってはじめて作ることのできる新しい関係。七尾と赤星は乗り越えたからこそ、幸せになれたんだと思います。

ただ甘いだけでは嫌という方にはオススメですね!読んでみてください!

3

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