通学バスで出会う高校生の史織にずっと片思いをしていた奏。想いが通じてようやく恋人になり、ふたりは身体を重ねるが……?

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作ポケットで手をつないで

弓月奏 習学館高校2年
紡木史織 朋成学園高校2年

あらすじ

いつもと同じ朝、いつもと同じ通学バスに乗ると君に会える。
通学バスで出会う高校生の史織にずっと片思いをしていた奏。想いが通じてようやく恋人になる。初めてのデート、そしてキス……情欲の赴くままふたりは身体を重ねた。しかしその日から史織の様子がいつもと違い――?

1.君が好きだから僕は世界を変えてみせる/2.僕らの間にたったひとつ循環しているもの/3.むこうがわの夜空、こちらがわの森/4.閉じてゆくタイムライン/5.ポケットで手をつないで/あとがき

作品情報

作品名
ポケットで手をつないで
著者
日の出ハイム 
媒体
漫画(コミック)
出版社
海王社
レーベル
GUSH COMICS
発売日
ISBN
9784796406185
4

(37)

(17)

萌々

(9)

(8)

中立

(1)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
9
得点
146
評価数
37
平均
4 / 5
神率
45.9%

レビュー投稿数9

シンプルな言葉ほど強いときもある

本当は、あらすじだけ見て読んでほしい作品です。以下、段階を追ってはいませんが全体的に匂わせるレビューとなっています。

※※※ネタバレ※※※

奏(表紙右・高校生)は、バス最後部座席に座る史織(表紙左・他校の高校生)に一目惚れ。ただ、同じ通学バスに乗っているのにふたりはなぜか、なかなか出会えずにいるんです。それでもまた違う日がきて、ふたりだけの世界が流れるように、バスの車内アナウンス以外にまるで音が聴こえていないかのように進んでいきます。このアナウンスの加減やタイミングが、ふたりの存在感や動きを生かしているのでしょうか、とても独特で印象的でした。

さてこの話...やがて何かのきっかけでふたりが出会い、ほのぼの甘い展開になっていくのかと思いきや、読み手がいざなわれるのは本の中でもさらに別の世界。それにふわぁっと気づく瞬間があるのですよね、読んでいて。そしてそれが、読み終えるころには不思議なほどスーッと沁み込んでラブストーリーに。

「君が好きだから世界を変えてみせる」という奏の思いは、それ以外を考えさせないほどストレートに胸を打ちます。(君といるとうれしくて楽しくて、ぼくの世界がパッと明るくなる。本当は出会う前から心のどこかでその存在を知っていたのかもしれないけれど、気づかないフリをしていただけなのかな)...史織の心はそんな感じだったのでしょうか。そんな史織の心の中に入り込んでしまったような感覚のまま読み終え、私にとってはこれまた文章にするのが難しい読後感となりました。

何名かのレビュアーさまが書かれていた「ここがこうだったら」という部分に私も確かに同意で一瞬「もうなの?」とも思ったのですが、その思いを除くことができてしまうほど、シンプルな言葉が自分には響いたのだと思います。シンプルな言葉ほど強いときもあり、シンプルな言葉ほど強いものはないかもしれないと感じさせてくれた、大好きな一冊となりました。

7

こにしそる

詩雪さん
こんにちわ^^私もこの作品が大好きなのでコメントさせて頂きました。
恋愛としてのせつなさも胸を打たれますが、負が大きい史織の世界と、正が大きい奏の世界の描きわけ方など見事だなぁと思います。
どうして2人は出会ったのだろうとしみじみ考えてしまうお話ですね。
ラストは私もちょっと詰まっている印象を受けましたが、それでも幸せなラストまで見れたことが満足でした。

君がいなくても「絶望」じゃない

あまりに感動して2回読み返してしまいました。
日の出ハイムさんのいつもより不思議感強めの作品です。

ネタバレしないほうが楽しめるお話だと思うので、あまり物語の核心には触れないように書きます。
奏は、ある時から通学バスで一緒になる史織に恋をして、いつかこっちに気づいてくれないかなぁと眺める毎日を送ります。そんな時本屋で手に取った小説の中に「世界が変わるのをただ待つな」という文章を見つけ、自分から状況を変えなければと勇気を出して史織に告白する…というもの。

この時、奏をとりまく「世界」はバスの中という小さなもの。物語はずっと同じ街の中ですすんでいくけど、この「世界」を変えるという言葉はやがてもっと大きな意味をもつことになります。

「君が大好きだ」って2人とも何度も何度も言うんですけど、その度にもうただ苦しい。
2人がバスで出合った所からお話は始まっていて、途中辛い展開も待っているけど、「どうしてこんな事になるのか」というより「2人が出合ったからこんな事になった」と言うのが正しい…のかな。
奏と史織というキャラクターが出会って、そこでカチっと何かはまったような、この2人でないと起こりえない展開とせつなさと幸せと…何ていうのかな。「この2人でよかった」って思える作品を読んでこそ、BL読んでてよかったって思える瞬間ですね。

4

エロいだけがBLじゃない!!感動作です!!

久々、泣けるBLでした。

言葉があまりなく、絵で表現している描写が多く、
かと思えば、1ページ全てを使って、心に響く1文だったり…
まるで小説を読んでいるような世界観でした。

もっと、レビューが多くても良いのでは?と、このBLが何故あまり評判になっていないのか疑問です。

お話はパラレルワールド、
それぞれの世界にすんでいる、全く別次元の高校生達。
出会わないはずの二人のが、
通学バスという空間で偶然出会い、恋をして…
しかしお互い、別の次元に住んでいると分かってしまい、
好きなのに、会えなくなってしまうのが、
二人ともわかって…離ればなれに…

もう、このレビューを打っているだけで、
涙が、溢れてきました。

最後まで、皆さんに是非読んでいただきたい作品です。

1

無題

正直作画は相当苦手、でも良作なので是非読んでほしい。

最初は普通の日常物と思って流して読んでたのですが、段々空気が変わってファンタジーに。
とは言っても魔法が出てきたりするような派手なものではなく、刻一刻と迫る別の世界の空気が何とも言えず良かったです。

ネタバレすると台無しなタイプの物語なので詳しくは言えませんが、パラレルワールド物です。

誤解を恐れずに言えばBL版の新海誠みたいな雰囲気、キャラも等身大だし実写化も難しくなさそうだけどまあまず無いでしょうね。

AとBが恋しましたで収まらないタイプの話で満足しました。

0

二回読んで完結する話

ある日いつも乗っているバスの最後尾に見たことのない男がいた。
彼の周りだけきらきら輝いて天使のように見えた。
これは、二回読んで完結するお話です。そう、一回目は想像を覆されます。あらすじだけじゃ、想像の付かない展開が待っています。

希望の少ない灰色の世界に生きる史織を、違う世界の奏が見つけ出し、光あるところに連れ出す。
奏が連れていくところは賑やかで、史織が連れていくところは廃れて桜も咲かない、そんな差が切なかった。
笑顔の素敵なのほほんとした史織も、真っ直ぐ好意を伝える奏も愛しい。
二人とも背が高いけど絵が可愛いのであんまりゴツさはなかったですね。
それにしてもまさか、パラレルワールドのお話だったとは…!衝撃の展開でした。
あと別離から再会までもっとスパンあった方が劇的になって良かったかなぁとも思いますが。また会おうという前向きな気持ちになれたことで二人の世界は結びつく。後味の良い作品でした。

3

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(コミック)一覧を見る>>

PAGE TOP