五つの箱の物語

itutu no hako no monogatari

五つの箱の物語
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神1
  • 萌×20
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
1
得点
5
評価数
1件
平均
5 / 5
神率
100%
著者
 
媒体
コミック
出版社
雑草社
シリーズ
ぱふコミックス(コミック・雑草社)
発売日
ISBN
9784921040024

あらすじ

今市子ファン必読の、初期のボーイズラブ系作品集。「箱」をテーマにした表題作の連作5編

表題作五つの箱の物語

評価・レビューする

レビュー投稿数1

バラエティーに富み、心震わせる短編集

今市子さん、大好きです。
特に初期が好みかもしれません。
今作品は濡れ場は極少なので、BLで括るとモノ足らないかもしれませんが、
絵の綺麗さ、お話の作りの巧さが際立ち、特にこちらは何年経ってもいい作品だと思えるのです。
また各々の作品のテイストが違い、飽きさせないんですよね。

なかでも特に好きな作品を。
【落日】
昭和初期を舞台にした、画家・音弥と画商・久野の秘めた関係。
この関係性、波津彬子さんの「9つの夜の扉」にある作品とほんの少し似てます。
昔読んだ時は、音弥がどうしてこの三角関係を選んだかわからなかったのですが、今ならわかる。
その想いにもまた、ぐさりと胸をつかれるのです。


【エレベーターのパンドラ】
わりと珍しい?社内恋愛もの。
社内の派閥争いで奔走するなか、クールで格好いい三上を純粋に慕い、追っていく天然系の奥井。
ベットのなかでのやり取りが、なんともいい!横になって三上が奥井を抱えている、あの体勢が最高に好きだ!


【雪の下の柩】
「当時、何が描きたかったかわからない」そうですが、私はいい話だと思います!人の心はままならな続きいものだと思うから。
様々なエピソードから、父親と養子になった明生の暮らした12年の苦しみがのし掛かってくる。唯一しがらみ抜きで心通わせられた三味線の存在がもの悲しい。
そして辰弥側としての寂しさも、ないがしろにしていない。

最後にみせた明生の表情が、あまりに痛々しく印象的。結局逃げることしかできなかった明生に、また生きる場所を見つかりますようと願うばかりです。


【図書館で会いたい】【花曇り】
この2篇にでてくる、小林と高屋のCPがまた非常に好きなんです!
遊んでいそうでいて奥手で情熱的な小林と、堅物のようでいて恋愛巧者な高屋。
時折挟み込まれるコミカルなやりとりが、実に楽しい!

相手の新しい一面を知る毎に惹かれていく過程、そして長く一緒にいることでうまれる不安と世間との兼ね合い。
それらをあえて描きすぎす、第三者の目からであったり匂わせることで、ストーリーに深みを与えています。
キスシーンやほんの少しのベットシーンの艶やかさといったら!
ちなみにラストの選択は、通常私は辛口目線になるのですが、彼らなら悪くないと思わせるところがあるのです。


他の作品もとても面白く、人によって好みの作品が分かれそう。
読むたびに感嘆してしまう、そんな作品集です。

一時期埋もれた作品たちであったようですが、埋もれたままにならなかったのは、ちゃんと理由があるというもの。
尽力してくれた白夜書房のA女史に感謝です!!

1

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