表題作I Don’t LOVE YOU

藤堂燿九郎(李九燿)
芦原雪

あらすじ

商業誌「ワンダーリング」 番外編。
夏休み、藤堂の甥がシンガポールから遊びに来て…。

作品情報

作品名
I Don’t LOVE YOU
著者
一穂ミチ 
媒体
小説
サークル
MICHI HOUSE〈サークル〉
ジャンル
オリジナル
シリーズ
ノーモアベット
発売日
4.3

(9)

(3)

萌々

(6)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
39
評価数
9
平均
4.3 / 5
神率
33.3%

レビュー投稿数2

あまのじゃくの恋

見たまま分かるルーレットの表紙は、『ワンダーリング』番外編。

夏休み、甥・英海(インハイ・14歳)を2週間預けられる事になった藤堂。
中国で育ち、英語は苦手、勿論日本語は全く分からない英海のお相手を
雪に頼んだものの、そりゃあ、不安なことこの上もない。
お目付役に、というか
命の危険だけは回避すべく、ポーカー組も頼むのだが……


迎えに出たフェリー埠頭でいきなり強烈な洗礼を浴びせる雪。
お金持ちの甘やかされて傲慢なボンボンが、
年上の人への一夏の恋を経て大人へのステップを一つ上がる……
というのは典型的な話だが、その相手が雪っていうのがね!(笑)

ポーカー組の極めて真っ当で心温まるパパママぶりも微笑ましいが、
(今度はイチャイチャを覗かせてね♪)
なんと言っても、雪が実は藤堂にどれほど甘えているかが見えるのがいい。
英海を見送りながら、
これまた典型的な年上の人の別れのセリフを吐くのだが
(あの人よりいい男になったら相手にして上げるわよ、的なw)
比較対象の藤堂に一毫の不安も感じていない様が、
読者には分かって微笑ましいのだ。


一穂さんの同人誌の最近の装丁の凝り方は、
この値段で大丈夫?と心配になるようだが
この一冊もスタイリッシュなグレーの美しい表紙。
めくって目に飛び込む艶やかなRedと深いBlack。
本編が赤が効いた白のイメージだったのに対し、
こちらは赤が効いたモノトーン、2冊並べると、また素敵。


I Don’t LOVE YOUは、大文字のワードだけを読むんだね?
……とタイトルもにやりと洒落た、
素直じゃない小悪魔(と仲間達)の話でした。

4

永遠の反抗期?

シンガポールから藤堂の甥・英海(インハイ・14歳)が
遊びに来る。
多忙な藤堂に代わり、ポーカー組(一哉と逸)や雪が
相手をすることに…。


ポーカー組の、良きお父さん&お母さんぶりに和む♪
そして子ども相手でも雪は容赦なくドS。
大人げないとも言えるけど
幼い頃から大人の世界で生きてきた雪には
年齢を理由に子どもの無知や無礼を許してやる道理は
ないのでしょうきっと。

わがまま坊っちゃん風の英海。
登場して早々、雪にやり込められすっかり怯えてしまい
ちょっと可哀想。
その後も、頑張って話しかけるも冷たくあしらわれ
かなり可哀想。
でも、そんな仕打ちをうけても
雪に惚れてしまうあたりさすが藤堂の血縁ですw

雪の甘言に乗って、将来、藤堂を超えるお金持ちになるか?
もしかして、シンガポールで引きこもり気味な英海を
更正させるための雪なりの作戦…なわけないか。

藤堂、一哉、逸の、英海への接し方の違いも興味深い。
優しいけど、叱るところは叱る大人たちに
囲まれ、少しずつ変わっていく英海が微笑ましいです。


18禁的なシーンは2回。

藤堂は、相変わらず雪にベタぼれで
「子の親より、君の男でいたい」
とかサラリと言えるところがいいですね~
忙しい合間を縫って抱き合うシーン、
本編より雪が藤堂に甘えているように思えましたv


そんな素敵な番外編だったのですが
何より気に入ったのはタイトルと装丁ーーー!
店頭で見つけたときは、黒と赤の配色の美しさと
文字のインパクトにしばし見入ってしまいました。

(表紙をめくると、赤一色のページが目に飛び込んできて
この赤の美しさにも吃驚!!!)

赤いハートマークをヒラヒラさせながら「嫌い♥」って
小悪魔だなーーーー。
あとがきで一穂さんが、雪ちゃんの「嫌い」は
ダ○ョウ倶楽部の「押すなよ!」的な…と書かれていましたが
個人的には、第一次反抗期(イヤイヤ期?)の子どもみたいな
無邪気さを感じます。
何にせよ藤堂は特別な存在なんだろうなぁ…
考えれば考えるほど雪ちゃんが可愛く思えてきましたw

3

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