表題作2014 summer

あらすじ

『ワンダーリング』番外SS『今宵の月のように』、
2014年夏コミ無料配布本。

まだ若き日の李令輝(レンフイ)がルーレットを回している。
そこに現れた50前後の日本人ビジネスマン。
名前も交わさずに別れる二人の、一夜の出来事。

作品情報

作品名
2014 summer
著者
一穂ミチ 
媒体
小説
サークル
MICHI HOUSE〈サークル〉
ジャンル
オリジナル
シリーズ
ノーモアベット
発売日
5

(2)

(2)

萌々

(0)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
10
評価数
2
平均
5 / 5
神率
100%

レビュー投稿数1

14番目の月……の思い出

『今宵の月のように』。
時はおそらくは1990年代半ば、
ところはラスベガスだろうか……

まだ令輝(レンフイ)も若く、
現役でルーレットを回していた時代のある日、
出会った日本人ビジネスマン。

『ワンダーリング』を読んだ時に気になって、
次なるスピンオフはありやなしや?思った藤堂の兄・令輝だが
淡く美しく洒落た、そしてもの悲しいSSの主人公となって登場。
ステノグラフィカのじじい達の昔話もそうだったが、
こういう掌編の上手さときたら!

一夜限りの刹那の恋。
いや、これを恋と読んでいいのか分からないのだが、
何かが通じあって、そして何かを心の中に持ち続けるような一夜の逢瀬。

その時代の社会的な出来事の断片、
ドフトエフスキーの「賭博者」のエピソード、
(「罪と罰」と同じ時期に僅か27日間で書き上げられたという、
ルーレットで身を滅ぼす男の物語)
それらが浮かび上がらせるビジネスマンと令輝の人となりと関係、
そして思い。


そして時は流れ、今や老齢になっているだろうビジネスマンが
かつて一夜を共にした男とよく似たスタイルのディーラーを前に
ルーレットをしている。
今夜賭けるのは……

  次の夜から欠ける満月より、
     14番目の月が一番好き。




※あ、作者の後書きによると……令輝は「受け」だそうです!

4

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