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表題作氷刃の雫

秀島逸水,組の若頭,39歳
鳴神一生,組の跡目,23歳

その他の収録作品

  • あとがき 水壬楓子
  • あとがき 周防佑未
  • カバー下:short story「階下にて」

あらすじ

若頭×跡目、くるおしい愛の仁義――
人気作「B.B. baddie buddy」、待望のスピンオフ。

鳴神組長男の一生は、かつて自分の守り役だった若頭・秀島への恋に破れ、想いを封印するため逃げるように海外に留学していた。
だが、父親が病に倒れて帰国。跡を継ぐよう秀島に告げられた一生は、交換条件で自分を抱くよう命じ…。

作品情報

作品名
氷刃の雫
著者
水壬楓子 
イラスト
周防佑未 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
シリーズ
B.B. baddie buddy
発売日
ISBN
9784796406475
3.7

(21)

(3)

萌々

(13)

(3)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
2
得点
77
評価数
21
平均
3.7 / 5
神率
14.3%

レビュー投稿数2

主人公の若さがもう愛しくってたまらない!

真砂と千郷のB・Bシリーズのスピンオフというか、前2作に寡黙な若き組長として登場した鳴神一生の七転八倒、破れかぶれの奮闘記です。ヽ(*´∀`)ノ
時間としては、B・Bの前になる作品のようです。

これまで、ちょっと謎めいた雰囲気のあった一生ですが、実は若頭・秀島へのかなわぬ想いを断ち切るため海外逃亡、もとい留学したりホント可愛い人なんです。(本人は合気道や居合の達人ですが)

一生は組長の実子だけど組を継ぐ気はなく、実力のある者(若頭)が継ぐべきだと考えている。しかし父亡き後、一時の混乱を乗り越えるため暫定的に組長の座につくことをほかならぬ秀島に要請される。
悪ぶって代償に秀島を求める一生、一途さが愛おしいです。

たとえば、甲殻類が脱皮するとき、外敵から身を守ることのできない一番危険な状態であるように、偉大な組長を失い求心力を欠いた鳴神組は今おおきな危地にある。
隣接するよその組にシマを狙われ、しかし同じ神代会系列の組長たちにも「鳴神が会のお荷物になるようなら潰す」と睨まれている状態。
ヤクザの家に生まれ育ち、留学中にも様々な国を旅しいろいろな経験をつんできた一生ですが、やはり『組長』というものは腰掛けでおさまるようなものではなく、神代会の総会の場で失態を演じてしまいます。
若さも美貌も一生には不利に働きます。「お前の若頭は挨拶がわりにお前を差し出した」という虚言に動揺してしまい、文字通り裸足で逃げ出してしまったのです。(°_°;)(; °_°)

「鳴神の名に泥を塗ってしまった!」「秀島にとって大切なのは自分じゃなくて組なんだ!」組にも戻れず、一生はそのまま家出してしまいます!ヤサグレ一生、いったいどうなるの?

ハラハラ展開ですが、天は自らたすく者を助けるというか、チャンスは努力するものに訪れるというか、家出中の一生は本当の敵を探しはじめ、ついに組の最大の危機を乗り越えます。ヽ(;▽;)ノ

拉致された秀島を救うため刀を掴み、真砂一人をお供に敵地に乗り込む一生がカッコイイです。「悪いな、道連れで」は、真砂とは互いに惚れている相手を知っている仲だからこそ出てきたセリフかと思います。

十六も年の離れた『若』に慕われ、かつては(おそらく一生のため)突き放したけれど、秀島もまた一生を愛しく思っていたんですね。海外生活で男を知ったと聞けば内心穏やかではいられないし、変わらぬ一生の想いに腹をくくればエロオヤジ全開で若い組長を翻弄します。ブラヴォ!(*≧∀≦*)

とにかく、ストーリーが目前に繰り広げられていく感覚で、引き込まれ何度も読み返してしまいました。若き組長の活躍をこれからも見ていたいなぁ。
楓子先生、お願いします!

7

現実とのすり合わせ

ううーん、水壬先生は好きな作家さんですが、これは余り乗り切れませんでした・・。

まず、前半の話の流れが緩慢というか、、最初に受けの鳴神の父親がどれだけ偉大だったかの説明が濁々と続きますが、正直ここまで書かなくても本編に影響しないのでは・・と思います。
と言うか、この亡き組長さん、立派に描かれすぎていて、他の人物が小物にしかみえません。。
その為か、メインの2人に対して残念ながら余り魅力を感じられないまま、ストーリーの流れにも上手く乗れず。

例えば、初めて組長達が顔を合わせる総会に出席した時。
受けの一生は他の組長にバカにされ、あげくの果てに輪姦の危機に曝されて、結局罵倒して逃げ帰るんです。
で、すっかり自信をなくして一週間ぐらいフラフラするんですが、これ、すごーくリアルだとは思います。そりゃ、極道の世界に飛び込んだばっかりの若造がいきなり百戦錬磨の猛者達の中で闘える訳ないよなー。
ただこれを話の前半部分でやってくれればまだ良かったんですが、いかんせん話の中盤以降でやられるので、この子大丈夫かなーと思いながら萌えられないまま後半に流れ込みます。。

後半はむしろ怒涛の流れで、攻めの秀島が捕らわれているところを一生が日本刀を持って駆けつけて格好良く助けるんですが、、
今までがやたら現実感のあるお話だったのに、ここだけいきなり非現実化したというか。。銃を持った数人の相手にたった2人、しかも日本刀で切り込むのは、不可能ではないけれどちょっと厳しくないか・・?幹部連中もそこは何としても止めなきゃ・・なんて、今までは現実味が感じられた分だけ妙にリアルに考えちゃいました。

あと、何気に一番ショックだったのが、帯の言葉。。
これ、受けが攻めに言ったセリフではなく、攻めを一緒に助けに行ってくれる若頭補佐の真砂に言った言葉なんですね・・・
この作品は元々真砂達の話のスピンオフみたいだし、色々含むところはあると思うんですが、てっきり受けが攻めに対して言うセリフなんだろうと読む前に勝手に勘違いしてしまっていたので、個人的にちょっと残念でした。。


慣れた作家さんなので、文章が読みにくいという訳では決してないんですが、リズムに乗れなかったことと自分が求めていた萌えとは違っていたので評価は低く付けさせて貰います。
が、若い組長の頑張る姿とか主従関係とかが好きな方には良いと思います。

7

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