いたぶること 唯一ゆるされた 愛しかた

夜はともだち

yoru wa tomodachi

夜晚是最好的朋友

夜はともだち
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神137
  • 萌×244
  • 萌22
  • 中立15
  • しゅみじゃない21

290

レビュー数
37
得点
942
評価数
239件
平均
4.1 / 5
神率
57.3%
著者
 
媒体
コミック
出版社
ふゅーじょんぷろだくと
シリーズ
POEBACKS Baby comic(コミック・ふゅーじょんぷろだくと)
発売日
価格
¥675(税抜)  ¥729(税込)
ISBN
9784893939715

あらすじ

ノーマル似非S×真性ドM
「SとM」役以上の繋がりを求めてはいけない――?

顔は可愛いのに無口で無表情でミステリアスな飛田(とびた)くん。
実は飛田くんがゲイでドMだと知った真澄(ますみ)は、
好奇心からサド役を演じることに。
『飛田くんが真澄の名前を呼んだらプレイ終了』という唯一の約束。
それは2人のつながりの終わりも意味していたのだが、
真澄はプレイメイトという限定された関係以上を期待するようになり――。

類い稀なセンスで絶妙なバランスの2人を描く注目の一作。

表題作夜はともだち

真澄龍一
飛田白

評価・レビューする

レビュー投稿数37

静かな夜の話

真澄
社交的、人当たりも良い。なのに興味本位で飛田くんと不思議な関係を結ぶような大学生です。
飛田くんの事を何考えてるかわからない、とずっと思っているけれど、真澄も大概何がしたいのか読み取りづらいです。飛田くんにペースを乱されてうろたえたり、寂しがったりするシーンはいつもの飄々とした雰囲気が崩れて、ぐっと好きになりました。

飛田
無愛想で交友関係も狭いのに、Mです。いじめられている時の顔はなんだか可愛いのですが、普通にしていても独特の雰囲気があります(隠れ?ファンもいるんです)。貴重な笑顔はときめきます。
何をするにしても大体煩わしそうなのですが、彼が珍しく本心を語るシーンは静かなのにすごく印象的です。

Mと、SじゃないけどS役をする人、という組み合わせの二人なので異文化交流みたいでした。ラストを読んで思っていることは言わないと伝わらないよな、と思います。
最後に裏表紙で真澄の目を見てから読み返すとまた味わい深いです。

2

読み返して味が出る作品

結末が完全なハッピーエンドなのか読む人によって感じ方が違うと思いますが、
私は前向きな方でとらえました。

最初飛田くんという人が何を考えているのか分からず、攻めの真澄と夜外で待ち合わせした時の背景のように暗くて飛田くんの周りにだけ音が無いイメージでした。
人付き合いの上手な真澄のように愛想笑いは一切せずに、自分が興味を持てないことには人に合わせるフリすらもしない様子は我が儘なようにも自分をしっかりと持っているようにもみえました。

そんな飛田くんのこころが真澄に向いたのは、真澄の目が金星みたいに綺麗だと飛田くんが言った頃からでこれがラストに繋がっています。
真澄に感情が芽生えてからの飛田くんは彼なりの愛情表現をしています。
誕生日プレゼントとして自分の好きな星の本(ぱっと見価値があるとは分からない)を渡して自分が好きなことを真澄にも知ってもらいたいと思うようにもなりました。ただ無表情で口数が少ないから分かりにくいのです。

それでもやっぱり飛田くんは真澄の望むようなSMのない優しい触れ合いではダメで。
真澄を好きになったからこそ、自分のSMプレイに付き合わせたく続きないと決断した彼のシーンを見て、わたしはやっと飛田くんのキャラクターが分かりました。

最後のシーンでは今まで真澄ばかり行動していたのが、初めて飛田くんの方から感情をあらわにしています。
無口で無表情な彼だったからこそラストが際立ちました。

その後の話では真澄と過ごした過去のことをしっかりと覚えていて、真澄に喜んで欲しいという飛田くんの気持ちも感じられました。

ちょうど今日8月31日は飛田くんの誕生日だなと思いレビューしました。

6

最後まで絶対読んでほしい

井戸先生の本は表紙の吸引力がすごいですね。

中身もすごいです。あまり暴力表現が得意ではない私ですが、ときどき「痛い!」と思いながらも一気に読んでしまいました。

落ち着いたテンポで進む話と漫画の雰囲気が独特の良さ。癖になります。
殴る蹴るが苦手なことを差し引いても、セリフ回しのセンスに魅せられてとても楽しめました。

どんな結末が待っているかは、この作品に関しては特に、ぜひ読んでその目で確かめてほしいところです。
特殊性癖ものだと敬遠するのは勿体ない作品でした!

3

表紙はあれですが

痛めつけられることでしか快楽を得ることができない受。
その受の求めに応じるように、辱めるような言葉を浴びせ、ときに暴力的な
行動を起こす攻。
受が求めるから~が大部分なのでしょうが、
ちらほら見えた、あれ?ちゃんとドS要素もってない?なコマに
ちょっぴりドキッとさせられました。
作中の大部分で、お互いに「好き!」と大きな表現はない。
ないものの、少しずつ距離が近くなり
相手の為に~な気持ちが強くなり。
ほんとに相手は自分を求めてくれているのかの葛藤から~な2人。
最終的にバイオレンスな終わりではなく、なんだか微笑ましい顛末だったので
すごくほっこりしてしまいました。
暴力的で、ひどく痛めつけられたいという心中の中で
攻はいつでも優しい。そうつぶやいた受のコマが好きです。
バイオレンスもいいけど、今後なかよくやって欲しいなーと
思うお話でございました。
かわいいかわいいしてあげたいw

1

雰囲気を感じてほしい

最高です!
もとからSMが好きなので即買い。
絵柄やコマ割りもとっても素敵でした。
受けの顔の傷やら拘束なんかに萌えまくりです

1

SMなのか…?

SMと思って読むには全然物足りない、けど、超スパイシーな純愛と思って読んだら、とっても切なくて良い作品です。相手への想いが自分の性癖を越えたとき、解りにくい性癖の、相手の感情に手が届いたとき…が、ラストに繋がって、2人の涙にもらい泣きしました。

1

絵や雰囲気はとても素敵

途中まではとても良かったです。
セリフや間の取り方など、全体の雰囲気もとても好きです。ただただ思うことは…

「性癖の壁って、精神論(気持ちが通じあっていればいい)で解決できるレベルのものなのだろうか?」

ジェンダーとはまた根本が異なるけれど、飛田に普通のセックスをさせること、真澄にSMプレイで流血させることは、ゲイの人に女性を好きになれと言うくらい、本能的に違和感があることなのではないかと思うのです。

付き合うってセックスが中心ではないけれど、(出来る状況を前提として)それも込みでのお付き合いであるとするならば、果たして二人に未来は有るのか…。

そして大きな問題が残ったまま、真澄に喜んで貰うために「普通のカップルっぽいこと」をする飛田を痛々しく感じました。「この二人、これからどうなるんだろう…」と不安を覚えて読み終えました。

真澄が完全にSとして覚醒する、または愛が性癖を越えるのであれば分かりやすく飛田がノーマルなセックスでイく、という描写があれば、読後感はまた違ったのだろうと思います。

あとがきで真澄のことを「世話焼きの奧さん風」と表されていたの続きで、お話としては作者様が狙う着地点に二人は落ち着いたのですよね。
ですが、この時点ではハッピーエンド(ガチ兄弟だろうがヤンデレだろうが二人が心身共に満足ならばハピエンと思っています笑)ではないと個人的には感じています。

問題が残ったままなので評価は中立ですが、何らかの決着がついていたら、この評価はガラッと異なっていました。
性の不一致を深刻に捉えすぎですかね…(苦笑)

次の作品に期待します。。

0

飛田のキャラが良い

SMに飛びついて購入。
あまり痛々しいのは苦手なのですが、これはすんなり読めました。
飛田のキャラがとても魅力的です。側から見たら変わった人と言われても確かに仕方がないんじゃないかといった感じの無口で不思議な雰囲気をまとっている飛田。そんな彼に魅せられていく真澄。というか読み手もだんだん飛田に魅せられていきます。
飛田の考えていることは読み手にも分かりづらい。だからこそいろいろ考えることができて面白いです。
またセリフがいいんですよね。飛田の短いセリフからたまに漏れる感情がたまりません。
いたぶられて気持ちよくなる飛田。彼の主張はやたらリアルで惹きつけられます。
ラストの飛田のセリフもよかった。飛田のことばっかり話していますが本当にこの作品の魅力って彼にあるんじゃないかなって思います。
美しくてセンスのある素晴らしい作品でした。

2

モノクロの中にあるきらめき

痛々しい物語はすごく苦手で、危機を感じたら目を半開きにして読んだり、遠くに離しながらちら見したりして読むくらいビビリなのに、こういうネタが好きなんです…でもどうせビビるしやっぱ無理だし(ここでループに陥る)
しかし、グロじゃなかったらいける! みなさんの評価を拝見しながら、思い切って購入を決意。

これはそんなわたしでもちゃんと読めました。もちろん痛々しい描写もありましたが、素晴らしかったです。
話に色を付けるとしたら、白と黒。
色は必要ない、そう断言したくなるほどの静かなコマの中の熱情。
それなのに、最後まで読んだら痛みがすーっと消えてしまうような美しさまで感じてしまい、まさかこんなにあたたかい気持ちになるとは思いませんでした。
きゅんだとかかわいいだとかそんな物語ではありません。しかし、歪な関係が彼らにとっても第三者から見ても歪に見えないことが凄いと感じました。

2

夜「は」友達

二人が同じ場面に登場するのは、夜。
二人の関係の転換期のみ、昼間の描写がある。
心理描写がメインのSM。
痛くないとイケない、飛田君。
ノンケノーマル、真澄君。
二人の夜の関係。

読むたびに、解釈が変わるので、あんまり書けることがない…

最後の夜、「あの人と同じキモチだったんじゃないかな。」とそれだけの告白。
ーなんて言ったと思う?「愛してる」って言ったんだよ。ー
飛田君の耳には入らない。独白。

「真澄は目がきらきらしててきれいだね、金星みたいだ」
「また 来て」
「真澄にだからしてほしくないこともあるよ」
「行っても いいかな」
「それだけ 待ってる」
「約束 守れなくてごめん」
「あんなに きれいな金星は 見たことがなかった」
飛田君なりの告白だな、と感じた台詞。
最後まで、直接的な台詞は出てこない。気持ちを伝えるのが下手だし、最初の方は「伝わらなくていい。」ぐらいに思ってそう。「伝わればいいのに…」というのを挟んで、「伝えよう」に変化していったような気がする。
彼は、モノローグもなければ、発話以外の思考がない。ほとんどとかじゃなく続き、ない。

真澄君は、思考もモノローグもあるから、読者側にはキモチ伝えてるけど、なかなか飛田君に対しては、言葉にしない。
だから、すれ違うんだよ。
怖くて、大切にしたくて、だから、言えない。
言葉って怖いな。

何度読んでもずっと切ない。
切なくて、若くて、苦しい話。
個人的にはすごく好き。

6

SMモノとして読むと主題が見えづらくなっちゃう

SMモノが好きだからそっちへの期待ばっかりで読んだら、何だか全体的にスッキリしないし、SM欲も全然満たされないしで、うーん…?だったんですけど、そこにこだわるのをやめたら一気にスッキリしました。
かえってSMに興味のない人の方が、私みたいに変な読み違いをすることもなく、すんなり読めそうです。

描かれているのは、マゾという性癖を隠れ蓑(言い訳)に、いつも受身で“してしてちゃん”だった飛田くんが、真澄と出逢ったことで人を好きになるってことがどういうことなのかを知る、ラブストーリーというよりかは人間ドラマのようなお話でした。

S役の真澄とMの飛田の仲がただのプレイメイトからほんの少しだけ縮まった時、飛田くんが真澄の目を《金星》に例えるシーンが出てきます。
金星(ヴィーナス)と言えば「愛と美の女神」なんて俗称を持つ星ですよね。
でもってその金星の中でも作中一番のキーワードとして使われているのは、夜明け前の空に輝く《明けの明星》。
私、星にはまったく詳しくないので少しばかりgoogle先生のお世話になりましたが、釈迦は明けの明星を見て真理を見つけ、空海は悟りを開いたなどと言わ続きれているようで、ラテン語では「光をもたらす者」だそうです。

それを踏まえた上で読み直してみると、初読時のモヤモヤが晴れるように解りやすくなりました。
飛田くんにとっての真澄は、夜に最も明るく綺麗に輝いて朝(光)を連れてきてくれる金星(明けの明星)みたいな存在。
相手を思いやることを知らず自分本意に生きてきた飛田くんが、真澄を通して少し成長して見つけた真理。
ラストシーンの飛田くんのセリフは愛を知ったばかりの彼らしく、あまりにも純粋で、クサイぐらいのキラキラに溢れていて、泣かせてくれました。
描き下ろしのボーナストラックでは、そんな飛田くんの変化をストレートに表現したエピソードが読めて、これもまた良かったです。

因みに最初に読み違えたのは、真澄の方に視点を置いていたからなのですよね。
自分を過信した似非SがSMの真似事を通して、加虐とも暴力とも区別のつかない快感に目覚める危うさを描いたお話なのかと思ってしまいました。
病んだ話ばっかり読んでるとダメですね(笑)

綺麗でとても良いお話でしたけど、自分の好みかどうかで言うと綺麗過ぎてちょっと物足りないので「萌」で。

3

苦手ジャンルだけど、この作品は良かった!

SとかMの、BLは苦手で、読んでると痛そうに見えるのは、全然楽しめないのですが、このお話は絵柄も独特で淡々としているせいか、さらっと読めました。二人の関係性が変わっていくのが静かに丁寧に描かれていて良かったです。お話の方なのですが、ある事をきっかけに、サド役をかって出た真澄と、実はゲイでドMの飛田がプレイメイトになるのですが、真澄の方の気持ちが段々、変化してしまって~なお話。元から、真澄はオラオラ系のSでは無いし、どちらかと言えばサービスのSだと思いました。飛田は本当に自分の欲望に正直で子供みたいな子で、ある意味なかなかのワガママに見えました。そんな、お二人のお話です。最後のシーンは、本当に萌えました。このジャンル苦手だなと思う人も、痛いだけのお話ではないので、一度お試し下さい(^^)/

1

夜が明けて

SMの関係で主導権を握っているのは実はMだという事。
Mはご主人様を選び、Mのして欲しい事に従うのがS。
その見返りはMの悦ぶ顔、ってどこかで知りました。

真澄の悲劇は飛田君に普通の友達として、恋人としての
「お付き合い」を求めた事にあります。


上記の条件で言えば、飛田君は悦ぶ顔を真澄だけに
見せる事で十分なんです。

それ以上の事は望んでないし、そういう事をされると真澄は
自分との「関係」に不満がある、自分を哀れに思うから嫌々
付き合っているんだ、と飛田君は脳内変換してしまいます。

あと、飛田君の背景が物凄く気になります(佐久間さんとの事も!!)

ボーナストラックは本当に良かったです。
「真澄が喜ぶみたいだから」って!!!もうもうこのこの!!!

そう言った飛田君は相変わらず暗かったけどおだやかで、
人は愛し愛されて生きるのさ、って事を覚えたみたいです。

3

非常に良い

最近は知らない作家さんのものは開拓してなかったのですが、試し読みを経て即買いしました!よかったです。
理解できないものに惹かれてしまう感じの恋愛大好きなんですよね!
真澄はいたって普通の人なんですがとてもかっこよくてエロいですねー。しかも優しい。飛田くんの求めてるものと真澄の求めるもののズレに真澄が苦しみだしてからは、飛田くんを満足させるためのSとは違った歪んだ拘束や暴力が始まってしまって辛かったです。でも飛田くんにも変化を見ることができ、最終的にはお互いの欲しいものを補い合うように付き合っていくようで嬉しかったです。切実に2人の幸せを願いました。悲恋じゃなくてよかった…

3

きみは美しい明けの明星

表紙は金星を背景に鎖で縛られた飛田くん、
裏表紙には花を手に持ち、口角だけが上がった真澄くん。

SM作品ということで、読む前は気が張っていたのですが
読み進めるうちにどんどん物語に引き込まれていきました。

低体温、ローテンションが通常運転の飛田くんは真正のM嗜好で、
そんな彼に興味津々の同級生・真澄くんがS役を買って出ることで
ふたりの不思議な関係がはじまります。

何かと自分を気にかけてくれる真澄くんに対し
飛田くんは、はじめは戸惑い訝しげな態度を取るけれど
少しずつ、気持ちの変化を表します。
ほくろを褒められて照れたり、真澄くんの瞳を金星に喩えたり、
誕生日に自分の大切な星の本を贈って、笑顔を見せたり...
特にベランダで髪を切るシーンはとても印象的です。
(あと、よく作り笑いをする真澄くんに、そんな必要ないよって
飛田くんは伝えたかったのにうまくいかないシーンも良かったな...)

逆に真澄くんはうまくこなせるSの役割とは裏腹に
気持ちが中々ついていかず、不安になったり悩んだりしています。
真正のMという性癖を理解できない真澄くんは苛続き立ってしまうけど、
低体温の飛田くんにとって、唯一夢中になれるのが
夜、Mでいるときの自分だから、どうしようも仕方なくて...
でも、真澄くんがS役でいることに疲れたのなら
もうやめようと終わりを提案する飛田くん。
その後『約束』を乞う飛田くんの姿が、とても哀しかった。

そして圧巻のクライマックス。
約束を守れなくてごめんと涙を流す飛田くんが、
さみしくて、会いたくて、と真澄くんに気持ちをぶつけるシーンに
胸が抉られたように熱くなりました。
抱き合いながら金星の話をするラストシーン、
ふたりの涙に、読み手のわたしも一緒に泣いていました。

巻末の『bonus track』も最高でした。
相手の喜ぶことをしてあげたい、という気持ちが
いつもはしてもらう側の飛田くんに芽生え、
それを受け取る真澄くんは照れるというやりとり...とても微笑ましかった。

絵もコマ割りもストーリーの筋も心情も、丁寧に整えられていて
本当に素晴らしい作品だと思います。
わたしにとって、出合えてよかったと心から思える物語でした。


6

宇宙人とのまじめな恋愛

攻めのあげたいものは痛みじゃなくて愛情なのに、受けの欲しい愛情は痛みで、っていう矛盾を淡々とした筆致で描いていて、淡々とした読み心地なのに惹き込まれました。
その矛盾によって肉体的に傷つけられ快楽を享受する受けと、精神的に苛まれ追い込まれていく攻めの対比が読んでいてもどかしい気持ちになりドキドキします。
(ただ、読み終わってみるとあらすじの結びにはほんの少しだけ語弊があった気がしました。そんな単純な感情ではないというか…もう少し沼的な)

とにかく性癖が難儀な飛田くんですが、ラストの鍵にもなってくる中盤のエピソードで、相手に意味の分からないものをわたして、それがとても物的価値のあるもので、それ以上に自分の宝物で…っていう重さはとても愛しいなぁと思いました。痛々しいセックスも、天体や宇宙の話も少しも興味はないしわからないけれど、自分なりに真剣に向き合おうとした真澄くんの真摯さもまた愛しいです。

bonus trackの傷一つない顔で美しく笑う飛田くんを見て、飛田くんがセックスに求めていた痛々しさの代替が今は、何か愛しさとかあたたかさとかもう少しだけ穏やかな前提のものでつとま続きっているのかな…と思いほっとしました。
真澄くんのドSっぷりも歴が浅い割にかなり堂に入っていたので、もう少し局所的に穏やかに発揮されていると個人的に嬉しいですが…

また全体的に、画面の処理はとてもシンプルなのに印象的なコマがとても多く、随所に井戸先生のセンスを感じるシーン運びがとてもよかったです。フェティシズム全開のエッチシーンもですが、ベランダでの散髪や水族館のシーンなど、大胆なベタが宇宙や夜の闇というテーマととてもマッチしているなと感じました。
装丁に関しても、カバーを外すとクラフトにスミ一色の深くて暗い夜空が広がってるのも作品にあっていてとてもよいなと…飛田くんの瞳の中のような、吸い込まれそうな気配があって素敵でした。

3

入り込めず。。

元々好きそうな設定ではありませんでしたが、高評価だし、食わず嫌いは良くないと思って、いざチャレンジ!しましたが、全く感情移入できず。。
痛くて感じるって、あそこまで血とか出てるのに気持ちいいものなのか??
真性のドMではない私にはなんだかよく理解できず、普通に痛い痛い!と思ってしまいました。
それゆえ2人の心の機微がよく分からないまま、淡々と終わってしまいました。
お互いいつ相手のこと好きになったんだろ??
色々示唆してるところはあると思うのですが、汲み取れない自分が未熟なのかもしれません。。
こーゆー性癖あるのかぁーとなんだか考えさせられました。

0

一切萌えませんでした

たなとさんのスニーキーレッドにめちゃくちゃ萌えたので、似たような雰囲気かなと購入しました。
やさしくおしえて も、あまりしゅみじゃなかったのですが、まあまあだったので、smが好きなのでこれは萌えられるかなーと期待して買ったのですが・・・・・
絵はとても好みなのですが、登場人物両方の心情を汲み取ることができなくて、理解できなくて、全く萌えることができませんでした。
久しぶりに買ったことを後悔した漫画です。

2

いたぶること 唯一ゆるされた 愛しかた

この煽り文句が、この作品のすべてを物語ってると思います…! 新しい形のSMを見た気がしました。

一冊丸々が表題作で、思う存分この作品の世界観を堪能することができます。お話は飛田白という名前の見た目は寡黙だけど真性ドMの受と、そんな飛田にひょんなことから興味を持った真澄龍一という名前のノーマル非似Sの攻を中心に進んでいきます。
飛田は元よりドMなので、痛め付けられることによってのみ快感を得られますが、真澄はそんな彼をいたぶることでしか感じさせられず、人を痛めつけるセックスに徐々に自分が快感を覚え始めていることに疑問を感じます。
ここから始まる二人の心のすれ違いが、読んでいて非常に苦しかったです。Sを演じようとすればするほど表情が冷酷になっていく真澄は、恐ろしく怖かったです。
一度離れることを決意した二人ですが、真澄のいない寂しさから涙をこぼし会いに来た飛田の姿を見て、真澄も決意した心が崩れ、二人の関係性はある形に落ち着きます。書き下ろしの、飛田がいたずら心で真澄に不意にキスをし、それに真澄が慌て照れる姿は、なんとも言えない複雑な心境になりました。この二人は笑い合ってはいるけれ続きど、完全に分かり合えることはないのだろうと。

作者さまはまだ新人さんだというのに、SMプレイのシーンがすごく萌えさせられました。真澄が飛田の首の血のほうを止めて、飛田がその快感からプレイ終了の合図を出せないシーンなんか特に、グッときました。
今まであまりSM作品は買わなかったのですが、この作品を読んで私の中の新しい扉が開きました。
萌×2評価なのは、飛田が見ている夢の中で一瞬グロいイラスト(人体というか脚の断面図?のようなもの)が挟まれていたからです。

2

クセになりそう

終始淡々としてるというか、静かな感じです。
読み終えた後にこれは本棚においておきたいと思える作品でした。たまに読んでこの世界観とか作風に浸りたくなる感じ。
ゆるいSM表現があるので苦手な方にはお勧めしませんが、気持ちが落ち込んだときとかにこういう作品を読みたくなりますね。

4

攻めの精神力に驚き

いたぶられることが快感の受けと、それに付き合う攻め。
攻めが終始、普通の思考を保っていることに驚きました。
あれだけの行為(SMというより暴力的な行為に近い)をしたら
それにハマる展開があってもいいと思うのですが、一切ないです。
なんだか受けも攻めも淡々としている。

文学作品を読んだあとのような気持ちになりました。
以前人気作のチョコストロベリーバニラを読んだ後もこんな気持ちになったような気がします。
おもしろい、というよりも考えさせられる作品だと思います。

4

今後「ぎぼうさん風」などと言われそうな大物の予感

「夜は」の下のカッコ内が漢数字の三に見えて、1,2巻読んでないけど!と焦った(笑)SMは苦手だがデビュー作が好きだったので期待して読んだらこれもまた良かった。一般的にはかなり変わってるタイプの飛田に興味を持った真澄も、けっこうな変り者だと思う。自分が相手になってやろうかという時点でもうすでに。真澄がプレイ意外の関係を求め始めたために、繋がりを解消しようかという話の中、普段寡黙な飛田くんが投げつけるように言うセリフと、ラストの金星のくだりは泣けてしまった。あーあのときね!と思わせる持って行き方が巧い!

3

Mは常に良質なSを渇望している

「Mを満足させられる良質なSがいない。」

ひょんなことから知り合ったM嬢の愚痴です。
真面目な内容の集まりで知り合ったかたですが、
ネットでは、自分の日常生活の中で出会うこともなかっただろう人たちと出会えてしまうので、面白いものです。

この作品を読んでいたら、そのM嬢のことを思い出しました。

良質なSとは何だろうと思うのですが、
そのM嬢に限った話ですが、「Mの気持ちがわかるS」だそうです。
良質なSが枯渇しているため、
彼女は今まで満足なプレイをしたことが一度もないそうです。

私はSMというものは、SがMの気持ちを無視して、
虐げ、痛めつけるものだと思っていたので、
最初「Mの気持ちが分かるS」という意味がよく分かりませんでした。

しかし彼女の説明によると、そのことは案外分かりやすい話でした。

趣味や思想が十人十色であるように、性癖も十人十色。
つまり一口にMと言っても、Mも十人十色でそれぞれ違ったツボがあるらしく、
「Mのニーズに合わせられるSが求められている」ということなんだそうです。

その話を聞いて、
Mが好きそうな続き虐め方を模索したり、
Mが喜ぶ縛り方をしてあげたり、Mが喜ぶ首の絞めかたをしてあげたり、
良質なSになるのって、実にメンドーくさいな~と思ったものです。

でも、きっと飛田はそんな自分のニーズに応えてくれるSを探していて、
そして真澄は飛田が相手だからSを引き受けて…。

真澄はもともとSMが好きな人というわけではなく、
気になっていた相手、飛田が真性ドMだったから、
飛田のニーズに合わせてS役をやってあげようということになったのです。

真澄がS役を買って出たのにはもちろん飛田に対して下心があったからですが。
それにしても真澄はS役にノっている時もあったようなので、実はSの素質があったのかもしれません。
惹きあうべくして惹きあったのかも…?

内容がハードになればなるほど、
Mとて安心して自分をまかせられるSじゃなければ、
プレイをしようとは思わないのではないでしょうか。

そういう意味では、淡々としていて何を考えているか分からないように見える飛田ですが、
裏を返せば真澄を信頼しているからこそ、プレイしたいと思っているように見えました。

夜になると役割が明確化する二人は、
気持ちより、性癖を満足させることに終始してしまい、
その先になかなかつながりません。

真澄は元々プレイがしたくて近づいたわけではないので、
いつかその「役割」を飛び越えたいとじれったく思っている。
Sという役割に徹しようとするけれど…。

じれったさに、苛立ちに耐えきれなくなった真澄が取った行動は、
いつもと同じ、だけど心が伴わない拘束、暴力…

結局、唯一の愛し方が「いたぶること」というのが、
切なく、苦しかったです。

本当の意味で愛し合うということは?
それぞれの「役割」以上のものはどうしたら手に入るのか。
そのあたりはぜひ読んで感じて頂きたいと思います。

たとえプレイであったとしても、
好きなもの同士ならなおさら。
お互いの心を深く理解し合うということは、
とても大切な事なんだと思いました。

11

咲人

>82626444さん
つたない感想ですが、
共感してくださいましてありがとうございます!!┏○))ペコ

直感的に読み取ることができなくて

SMということで避けてはいたのですが、あちこちで話題だったので意を決して読んでみました。
SMの観念がはっきりとよくわからないので、正直言ってしまうと深部まで理解できない状態で読み終わってしまいました。
ただ俄かに感じたのは、好きな人を痛めつけるのはそういった性的嗜好を持たない人にとっては辛いのではないのかということです。
飛田と関係のあった佐久間さんを見ている余計にそう思えますね。
真澄に関しては、SだとかMだとかの前に人が本来持っている残虐性だとか征服欲が見え隠れしていて怖いです。
飛田はいつしか恋が芽生えたとき、自分の性癖にノーマルである真澄を巻き込むことを心苦しく思たのか、また自身の性癖を乗り越えて一般的であって恋人的なセックスをしたかったのか…。
その辺りが直感的に読み取ることができず、よくわからないというのが正直な感想です。
身体的にも心理的にも痛々しい感覚なので私個人としてはやはりSMを題材とした作品は苦手です。
苦手ではありますが、だからと言ってしゅみじゃないをつける程に何も感じなかったわけではないので中立評価にしました。

3

設定は面白い

たなとさんの「スニーキーレッド」以降こういうSMチックな作品が増えて嬉しいですが、SMを表現するのは難しいと思います。

この作品もテーマはSMですが、SMの表現の仕方が結構残酷というか、痛そう。疑似という割に結構楽しんでいるように見える真澄のSさ加減がちょっと怖い。何にもわかんない人の方が加減がわからないからそういう表現なのかどうかはわかりませんが、結構流血とかあるので、苦手な方は注意ですね。私もSM的な作品は結構好きですが、流血があったのでちょっと失敗したなと思いました。BL的に言うと流れがゆっくりで、ハヤカワノジコさんやymzさんとかに展開や雰囲気が似てるかなあと思いました。

2

なんだか切ない

SMはあまり好きな方ではなくて、痛いのとか縛ったりだとか
好んでは読みませんでした。
今回の作品はみなさんの評価が高いのと、友達に勧められたこともあり
読んでみました。
最初は自分を傷つけ痛みを与えることでエクスタシーを感じるという飛田や
好奇心からサド役をしている真澄にも
少々嫌悪感を感じていましたが、読み進めるうちに飛田の隠された姿や
二人の間に生まれた愛情や、それに戸惑う姿に少しづつ人間らしさを感じ
真澄の飛田に対する気持ちの変化と、飛田の想いが
話が進むにつれて、悲しいほどに伝わって来ました。
本来Mである飛田とSを演じていた真澄の間に、
切な過ぎる恋愛が生まれたことにより、二人の複雑な気持ちが
とてもうまく表現されていると思います。
好奇心だけで飛田を傷つけていた真澄ですが、
そこに愛情が芽生えてしまったことによりその行為に疑問を持ってしまう。
傷つけられることが、飛田にとって性的興奮につながると知っていても
本来Sでない真澄には、だんだんキツイ行為になっていったんでしょうね。

それでも、お互いに忘れることができなかった二人。
最後には続き気持ちが通じ合ったようで、ちょっと切ないけど
これもHAPPYEndでいいのでしょうか。
飛田の星好きというのには、痛い中に癒しを感じました。
何か過去にいろいろあって、すごく複雑な思いを抱えているような
そんな人物像を思い描いていたので、星が好きで
いろんな本を読んでいるところなんか、ちょっとホッとしました。

4

何だか悲しい。

プレイではなく、SMという性癖の本質はよくとらえられていると思います。
しかも悪い面の。
正直な所、両思いになってもこの二人は上手くいくのかなあという、何とも物悲しいハッピーエンドな気がしました。
まず真澄はノンケでノーマル、飛田くんはゲイで真性のマゾ。
前者は乗り越えられると思うんですが、後者はどうだろう。
性癖は変えられないと思うのです。頭で理解したと思っても、それは真の理解なのか。
こればかりは分かり合えないんじゃないでしょうか。
しかも、それが一人で完結する事ならば可能ですが、自分が相手を痛めつけなければいけない。

いつか小さなズレが亀裂になって空中分解するのではないかなあという、不安ばかりが募ります。
飛田くんが歩み寄ればいいかもしれないですが、そうやってお互いに気を使いながら関係を続けられるのか、私には分かりません。
真澄がSっ気があるならば上手くいくとは思いますが、ないですものね。

色々希薄な飛田くんが、星は好きで星の本をプレゼントした件はとても好きです。

この飛田くんを見ていて感じる不安は何かに似ているなあと思ったら、Free!のはる続きちゃんでした。ああ、そうか。

5

SMだろうか?

痛めつけられて喜ぶ描写は多かったけれど、SMより性的快感しか求めていなかった飛田が初めて相手のことを思う方に重点が置かれていたのが残念でした。

キスをして真澄の唇に自分の血が付いたのを見て「痛々しい」と思うまでの変化は素敵ですが…
真澄を好きになっても結局の所、飛田の性癖は変わらない。
真澄が主張する普通も、飛田が好む趣向も、お互いずっと分かり合えない。
ただ真澄の気持ちに少し寄り添う場面が増えるだけで、逆に気を遣わせている気がして一緒に居るのが切ない。

綺麗に結ぶなら、元彼の佐久間さんでも良かったのでは?
持っている感覚に大差がなかったので、遅かれ早かれ真澄も佐久間さんの二の舞で終わってしまいそうです。
それならば、真澄がもっと深く飛田君に寄り添ってSを極めて欲しかった。

意外な甘いオチに、あれ?これSM作品を見た気がしない!となりました。
『SM』と聞いて嫌煙されてる方には、仄暗さは無いので読み易いかと思います。

6

SとM

いつからかな、こういうの流行ったの。
地味に目立たないように暮らしている人間の中に、特に意味を与えられずに、ただ存在している被虐と嗜虐。

多分、私はSMが好きじゃないんだと思う。
暴力も好きじゃない。
なので評価が難しい。
この作品はしゅみじゃないとは言い切れない。
だからといって萌を感じるとも言い切れず、
とはいえ、作品として、好き嫌いを超越凌駕するほどの衝撃というには穏やかで、、、

SMプレイのいたぶりは、Mの人にとってはいじめじゃない。
性的興奮と快感をもたらす行為だ。
だけど、この作品の主人公の真澄は、たまたま真性Mの飛田を好きになっちゃっただけなのに、飛田をいたぶることでしか愛させてもらえない。
飛田をいたぶることにある種の興奮を感じはするけれど、自分の愛したいようには愛させてもらえず、それは真澄にとって、飛田に酷くいじめられているような感じだ。
これって、お互いに、互いの欲望や要求を押しつけ合うだけの幼い関係って事なのかな。
二人は一度離れたけど、最終的にはそこから一歩踏み出して、お互いの関係を構築し直そうとしている。
でも、この先にある続きのは普通の甘いセックスなのか、よりステップアップしたSMプレイなのか、
できれば、甘いセックスであってほしいな。

6

貴重な1冊

帯のS×Mの文字に惹かれ、購入。
予備知識がいっさい無い状態で購入したので少し不安でしたが、買って良かったです。


内容は、

ゲイでドMな飛田くん(受け)に興味を持ったノンケな真澄くん(攻め)がS役を引き受けて、プレイメイトとして付き合うことから始まるので、プレイ中(SM)の描写が結構ありますが、そこまで痛くないです。しかしエロい。
S役な筈の真澄くんが本当に役?と疑うぐらいSになってて、色気があります。
ちなみに私は、飛田くんのあそこを真澄くんが足で踏む場面が一番好きです。

プレイメイトとして、付き合ってた2人が、プレイメイトではおさまらなくなっていくのですが、ここは飛田くんの変化が大きいです。
静かにわかりにくく、でも確かに変わっていく飛田くん。実にセクシー。
飛田くんの心理描写が少ないので、よけいに終盤の飛田くんのセリフや表情にやられました。
特に、最後のページの飛田くんの微笑みったらもう。

SMを表題にした本は、あまり多くないので、この本は間違いなく貴重な1冊になると思います。

4

ピッタリはまらなくたって。

ノンケの男子に恋をするゲイのお話はとても切ないですが、性的嗜好の違いというのもそれに匹敵するのかなと思いました。
飛田君の場合それだけじゃないけど…
なんで飛田君なんかを好きになったんだよと時々思いましたが、気は合わないけどなんだか楽しくて、次第に心が欲しくなってしまうことってごく自然なことだと思います。体の関係があるんだったら余計に。
飛田君の得体の知れなさは、私にもやけに魅力的に映りました。

でも決定的な所が全くかみ合わないのは本当に辛いですね。
真澄君の頑張っている感がとても辛かった。
彼が飛田君を諦めた時も、これは仕方がないんじゃ…と同情の気持ちがわきました。
だからこそ、飛田君がむき出しの感情をぶつけた思いがけなさにもの凄く感動しました。(めちゃくちゃ可愛かったし)
彼だって一人の人間なんだなと思いました。
そこの所の変化がこれから気になるけど、相手とピッタリとハマらなくたって恋愛はできますよね。
積極的に相手を理解していこうという気持ちがあれば。
むしろ気が合う者同士の方が「分かりあえている」という名の怠慢に繋がるのではないでしょうか。
でもセッ続きクスはどうしていくんだろう…

神に近い萌え萌えでした。
作者さんは表情などの表現力が多彩で、表情の変化や感情を読みとることが楽しかったです。
ヒョロ攻めもとても新鮮でした(笑)

5

心と性を天秤にかける

表紙の絵の、月と星座と薄明るい夜空をじっと見る。
その時に感じたイメージが、この作品の空気感。
てっきりキワモノだと思ってたのに、核となる部分は正統派でした。

 この作品の主役二人には、二つの性的嗜好の相違がみられます。
主人公の真澄龍一は、ヘテロでノーマル。
同じ大学に通う飛田 白は、ゲイで真性のマゾ。真澄が飛田の性癖を知り、興味本位でS役を引き受けてから、彼とセフレの関係が続いてます。

 前提として、飛田の性的嗜好は、ストーリーの展開次第で変わるということはありません。個性の「違い」であって異常なことでは無いからです。
作中でも、そのように扱われています。

 しかしこの「個性の違い」が、彼らに「性の不一致」と「恋愛感情」との間で、大きな「葛藤」を生じさせます。
では主役の二人は、いつ相手に「恋愛感情」を持ったのでしょうか?

 これに関しては、飛田のほうが先だと思います。時系列にすると明瞭で、2話のラストに兆候があらわれます。3話以降では自覚も芽生え、真澄に対する彼なりの愛情表現を示します。
(しかし、この飛田の変化に、真澄の認識が追いついていま続きせん。)

 反対にノーマルな真澄は、それが遅かった。3話目の後半、散髪のシーンあたりから無自覚ながら兆しが見られ、4話目では自覚への葛藤が発生し、5話目でやっと愛情に起因する怒りが見えました。(作品は6話構成です)
真澄はやがてS役が負担となり、心が不安定になります。

 プレイについては、過激なものが含まれてたと思います。
加えて前半は、時系列が前後しており、真澄のS役としての成長過程が分かりませんでした。その状況でM役の飛田が、S役の真澄に酸素のコントロールも委ねた時は、信頼のペースが早いように思えました。
 もう少し真澄が感じていた恐怖や、危険性についての描写があっても良い気がしました。表現は言葉に留まり、体感としてはありませんでした。

 前半はSMパートの割合が多く、後半に行くに従って、SMと入れ替わるように恋愛パートの分量が増えていきます。
 序盤はSMのインパクトで読者の目を惹き、中盤は性の不一致で葛藤させ、終盤ではキャラクターの心情が最高潮に達し、そのままラストまで畳み掛けるという構成になってました。

 作品の両輪をなす「性癖」と「愛情」について。「愛情」の面では、誤解やすれ違いと真摯に向き合うことで、一定の進歩がみえました。
しかし、それによって「性癖」の問題までクリアしたことにはなりません。
 真澄は、ゲイとノンケの違いについては軽々と乗り越えました。一方で、彼らの間には、マゾとノーマルという性の不一致が残っています。

 一旦気持ちが通じてしまえば、ノーマルである真澄も、作中のように怒りにまかせて暴力を振るう状態には戻れません。S役は苦痛なことでしょう。
 愛さえあればノーマルの主人公が、好きな相手を痛めつけるサドに徹することができるのか? その葛藤をより強めるためにSMもソフトにせず、ハードルを上げたんじゃないかと思いました。

 この作品がハッピーエンドになるかどうかは、もう、話をどこで切るかの問題だけのように思えます。SMという性の不一致を解決しなければ、不安要素は排除したことにはなりません。二人の葛藤は今後も続きそうです。

 再読中は時系列や細かい確認のために、頭が冷めた状態だったはずですが、それでもラストの展開はかなりドラマティックな印象を受けました。
ボーナストラックを含め、飛田の表情が別人のように魅力的でした。

6

思っていたよりも

そんなに痛々しいSMでは無かった。
どちらかと言うとSを演じている真澄くん(攻め)の心の葛藤の方がメインだと思います。
Sのプレイはどんどん上手くなっていきますがそれ以上の関係を望んでしまう。

最初、飛田くん(受け)はプレイメイトとしてしか真澄くんの事を感じていなっかたんだけど真澄くんが言う普通(恋人同士として)の関係が理解できなくて・・・。

お互い、いろいろ悩んだ結果が最後に繋がっていく。

描き下ろしのSSでこれからの二人の在り方が見える。
幸せになって欲しい。

SM苦手な方でも読みやすい作品になっていると思うので毛嫌いしないで読んでみてください。

4

やさしいSM

黒髪のおとなしそうな男が夜空を背に鎖で縛られている表紙と、帯の「いたぶること 唯一ゆるされた愛しかた」というフレーズにやられた!初めて読む作家さんだったのでレビューと評価を見てから買おうと思っていたのですが、本屋で見かけて我慢できず発売日に購入。読了後の感想は「買ってよかった!」

「やさしいSM」と言っても、プレイ内容は暴力、緊縛、玩具、野外、軟禁など、少しハードに感じる方もいらっしゃるかもしれません(プレイによる流血も描写されています)。
けれど真澄(攻め)の、飛田(受け)への暴力(プレイ)は飛田の希望により二人の合意の下で行われているもので、あくまで飛田が快感を得るための手段なので、読んでいても痛さは感じません。むしろ、飛田のためにS役をこなす真澄の姿は、恋人に献身的に尽くしている可愛いやつに見えるくらい。帯にある通り、真澄にとって「いたぶること」は、飛田から唯一ゆるされている「愛しかた」なんだなーと。

全体を通してプレイ場面は多いですが、肉体的なところではなく精神に重点をおいているので、エロばかりの薄っぺらいBLという感じはしませんでした。
内容について深くは書き続きませんが、ぐいぐいと深いところまで没頭させられる独特の雰囲気のある一冊でした。SMが苦手な方にもぜひ手に取ってみてほしいです。

6

今年読んだBLコミックの5本指には入る作品

日常の中に潜む、日常的なSM。
SMと恋愛を通して、登場人物二人の心の移り変わりやすれ違いを楽しむ感じ。
心と体、両方を満たすのは難しく、だけど人は寄り添える、というステキなお話でした。
深いようで、単純なようで、だけど難しい。
だから切なくて哀しいです。
最後はハッピーエンドなので、ほっとします。

玩具を使ったSMプレイ、流血、暴力などの描写がありますが、そんなに痛々しくはないです。
どちらかというと二人の内面のほうが痛々しいです。

読み返せば返すほど、色々な発見がある、そんな漫画です。

4

興味深い作品

SMにさほど知識がない読者の立場での感想です。

作品の内容としては、SMという一つの性的趣向をテーマにした
二人の心理ドラマが中心で、SM好きじゃなくても十分楽しめる作品でした。

むしろ、SMによって新たな愛の価値観について考えさせられ、
とても興味深かったです。

性欲と愛情は切り離せない故の葛藤が見事に描かれていました。

飛田君がなぜドMになったかがあえて語られず、
最後までミステリアスな雰囲気を保っていることで、
逆に真澄の方に、より感情移入する効果があり、
物語に引き込まれました。

読者としては、
なぜ飛田君がドMになったかは気になる所ですが。。

ノーマルS役の真澄に好きな気持ちが芽生え、
SMプレイから離れたとき、
愛情の表現の仕方が分からず、
相手がドMという特殊な性的趣向のために、
愛情が受け入れられない切なさに、
胸を締め付けられました。

「セックス以上になにがあるのだろう」と
悩む真澄の言葉が印象的でした。

SMプレイの場面は、
飛田君が真性ドMで、Sを演じる真澄がノーマルのため、Mとはどんな人か続き
Sとはどんな人かを、真澄の思考と行為を通して読者に分からせてくれるので、
SMを知らなくても、なるほど、と思いながら読めました。

感情のないSMプレイで性欲を満たすことだけを求めていた飛田君が、
最後に真澄に会いに来るシーンには、
真澄にずっと感情移入していた分、
なんか胸につかえていたものがすーっと軽くなるような、
うれしい感覚を覚えました。

5

今後も作家買いを決定付けた作品

すっ……ごく良かった!あまりSMモノを進んで読まないので、数こなしてるわけではないのですが、私の知るSMをテーマにしている作品の中ではトップクラスではないかと。
プレイ中心というよりストーリー重視で、読み返せば読み返すほど、感動とか新たな発見が出てきます。
そして表紙も扉絵もぜんぶ素敵!

偶然、飛田くん(受•真性ドM)が前の恋人とモメているのに遭遇した真澄(攻•ノーマル似非S)。そこで飛田くんの性癖を知った真澄は、プレイメイトとしてS役をかってでることに。

この飛田くんは普段は常に無表情で無口で変わり者の宇宙人タイプ。でも縄で身体を縛られた途端スイッチが入り、表情を恍惚とさせ感じやすくなり、敬語で懇願する完全なドMになります。
それが、真澄の名前を呼び、プレイ終了を告げた途端、普段の無表情&無関心に戻るのです。

真澄は、器用で物事のさじ加減が分かる八方美人タイプ。好奇心からサド役になり、飛田くんがどんな風なのが悦ぶのか勉強しながらSの腕前を上げていってます。ネット通りの台詞を言ったり、このセリフはここではダメかとか手探りで飛田くんをいじめていますが、それを十分楽続きしんでいるあたり、Sとしてのポテンシャルは高かったのではないかと。

そんな割り切った関係で、それを楽しんでいた真澄ですが、ちょくちょく前の恋人と比較したり、付き合うというのを意識したり、非道く抱くのに興奮してハマりそうになったり、そうなるのを怖がったりと心情の変化が訪れます。
しかし、笑いかけたり一緒に水族館に行ったりと、もっとまともな関係を望んだ真澄ですが、飛田くんには届かず、無表情のまま。
それが、いたぶられるためなら興奮した表情で土下座も簡単にする飛田くんに真澄はイラつきます。八つ当たりでした非道い扱いにすら恍惚とする飛田くんに、いよいよ真澄のいたぶり具合が本格化してきます。そんな自分に呆れや恐怖を感じる真澄がなんだか可哀想に見える…。

最終的に監禁生活になるわけですが、いままで何考えてるかわからなかった飛田くんの気持ちがここで吐露されます。
関係を終わらせようと言う飛田くん。痛いことをしているのに悦ばす、無表情でやめてという飛田くんに真澄も悟ったんじゃないでしょうか。
飛田くんはただ単純にいたぶられながらのセックスが好きで、それに理由がいるのかと、真澄に問いかけます。
でも真澄が知りたいのは、飛田くんが真澄を好きだと思ったことがあるのかで…。
この夜、真澄は初めて飛田くんを恋人にするように普通に抱きますが、飛田くんは最後までいけなくて…。
いろいろすれ違ってるふたりが切なくて苦しくなりました。真澄がいじめて、飛田くんが悦ぶという行為が成り立たなくなってしまったら、現段階で気持ちが通じ合ってない以上、関係を続ける意味がないですからね…

しかし次の朝、身を引こうとする真澄に、恋人ができても気が向いたら会いにきて都合のいい犬にしてくれ、俺はそれだけを待ってると言います。
でも真澄は飛田くんを好きになってから、飛田くんといて触るのがこわくて、絶対に交わることのないお互いの気持ちがさみしくて、二度と会わないと決意します。
もーここでせつなさMAX!!!

これで一体どーなんねん!って思ってたら、なんとついに飛田くんから行動を起こします。待ってると言ったのに、真澄がいないのがさみしくて、一目会いたくてと、真澄の前に現れます。やっと気持ちが通じ合ったふたり。セックス以外で涙を流す飛田くんに真澄も私もジィンときました。

最後まで飛田くんから好きだとかいう言葉はなかったけど、星好きな飛田くんの、金星を使っての気持ちの表現に作者さんの巧みさを感じました。
わたしの説明だけ見てたら、飛田くんがかなり勝手なヤローに思えますが、飛田くんはもともと変わり者の宇宙人なので、それが他人を思って涙を流すまでになった変化のほうが感動なのであります。

書き下ろしでの、待ち合わせ場所で真澄のほっぺに飛田くんがキスするお話はすんげー萌えた!
監禁生活で、「普通ってなに」「俺、どうしたらいいの」と言ってたあの飛田くんが、真澄が喜ぶからとした突然の行為。しかも笑顔で!あの飛田くんが!
あの監禁生活、普通のセックス、会えない期間を含め、真澄と過ごした時間で飛田くんにも大きな変化があったんですね。
飛田くんは普通のセックスじゃイケないから、いまもSMプレイはやってるんでしょうか。でもこの書き下ろしには、以前のふたりには全くなかった感情や空気があるから、せつない展開だった本編の読後をほんわかとさせてくれてとてもよかったです。

SMモノなので、暴力シーン(多少流血有り)、首締め、吊るし、オモチャもあるけど、そこまで過激ではないと思います。(私比)夢の中だけどグロシーンっぽいのは出てきますが一瞬ですし、それ以上にストーリー、心理描写に引き込まれる作品なので、SMがNGな方にもオススメしたいです!

タイトル通り、次回作もおおいに期待して待ってます!!

22

この作品が収納されている本棚

PAGE TOP
  • 電子書籍
  • レビューを見る
  • 評価レビューする
  • 関連作品
  • 攻受データ