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表題作恋する若頭

伊吹龍之介,強面でヘタレなハードボイルド作家,28
眞田史弘,玩具メーカーの営業マン,33歳

その他の収録作品

  • 愛と旅情の若頭
  • あとがき

あらすじ

ヒット作《若頭シリーズ》の著者・伊吹は硬派な容貌と作風に反してヘタレな男。一目惚れした相手になぜか部屋に連れ込まれてしまい?

作品情報

作品名
恋する若頭
著者
野原滋 
イラスト
陵クミコ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
ISBN
9784344833425
3.7

(25)

(8)

萌々

(5)

(10)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
7
得点
91
評価数
25
平均
3.7 / 5
神率
32%

レビュー投稿数7

なんちゃって極道コメディ☆

野原滋さんの新刊は
ヤクザのふりをするヘタレ作家の一挙一動が
面白可愛いすぎるコメディ。
猫野まりこさんの『極道ナイーブ』とかお好きな方は
こちらも楽しめるのではないかと思いますv


主人公の伊吹(攻め・28歳)は
身長190cmでヤクザにしか見えない風貌だが
中身はヘタレで口下手の童貞。

「振り向けば若頭」という任侠シリーズが大ヒットし
本人はいいかげん終わらせたくて
若頭を滝壺に突き落としてみるも
編集の無茶ぶりで死んでいないことにされ
続きを書かされてしまう…
そんな押しの弱い性格ですw

そんな彼が、人間ドックで出会った
玩具メーカーの営業・眞田(受け・33歳)に一目惚れ。
ある日、チンピラに絡まれる眞田を
ヤクザのふりをして助けたことで
眞田と友達になるが、ヤクザと勘違いされたままで…
という展開。


眞田は、童顔で可愛いけど
中身は営業マンらしくハキハキしていて
結構押しの強い性格。
伊吹がヤクザをやめたがっていると勘違いし
連れ戻されないよう自宅に匿ってくれます。

伊吹にとっては願ってもない好機で
しかも眞田に若頭シリーズを
けちょんけちょんにけなされてしまいw
なかなか本当のことを言えず。

でも結局白状し、いったんは怒る眞田ですが
これまでの伊吹の誠実さを思い出して
自分から会いに来てくれるのがさすが大人で
年下の伊吹を可愛がっている感じに
すごく萌えました♪♪

実は眞田も伊吹のことを…というのはお約束ですが
伊吹はヘタレといっても空手黒帯だし
料理は上手いし本は売れてるし
性格は温和で真面目ときたら
むしろ好きになるしかないですねw
Hで眞田がすごく満足しているのに
伊吹本人はガッカリされたんじゃないかと
ビクビクしている、そんなネガティブすぎるところも可愛かったですv


派手な展開や斬新さはありませんが
キャラ立てやエピソード使いが上手く
(編集の佐田と、伊吹の父親が最高ですw)
最初から最後まで楽しく読める作品でした!

9

暴走気味の攻めがかわいいです(^^)

最高に笑えて可愛いコメディです。

攻めは190の大男で強面なのに、中身は乙女でネガティブな小心者です。
作家なのでその想像力を生かし、事あるごとに妄想を繰り広げてくれます。
受けはおっとりしてそうなのに芯は強く、年上らしい包容力もある男前です。

この攻めがとにかく突き抜けたキャラクターで可愛すぎるんです。
受けを柱の影からこっそり見つめては、営業スマイルを見て自分にも笑って欲しいと祈り、ずり落ちた眼鏡を直す仕草を見て「なんてカワイイ…」とうっとりします。
そして壊れかけた小屋の前を通りかかれば、受けが拉致されて自分がかっこよく助けに飛び込む事を妄想するといった具合に、常に頭の中は受けでいっぱいです。
受けの事が好きすぎて頭の中が暴走気味なのですが、そこは乙女でネガティブなので話しかける事も出来ないんですね。

受けが絡まれているのを助けた事をきっかけに交流を持つんですが、ヤクザと勘違いされ、本当の事を言い出せなくてグズグズと悩む。
ここからも乙女が全開で、受けが待ち合わせに遅れてきただけで嫌われてると絶望し、電話一本かけるのにああでもない、こうでもないとひたすらオロオロするといった感じで、自分の若い頃を思い出してしょっぱい気持ちにさせてくれます。(笑)

攻めが強烈過ぎてかすみがちですが、受けもとても魅力的で、年上らしい包容力で受け入れてくれます。
またHの時が、受けがやさしくリードして、攻めが乙女全開でドキドキしているという、とても二人らしい流れです。素直にしたい事をおねだりして受けをキュンキュンさせるのが、年下攻めの醍醐味ですね!

乙女全開の攻めが可愛らしかったり、いじらしかったりとお薦めです。

3

とっても楽しい作品

とっても楽しい作品でした!書店でなんとなく手に取って積んだままになっていた作品で…もっと早く読めば良かったです。

主人公(攻)は190cmの長身に強面の青年・伊吹。彼の本当の職業は小説家で、テレビドラマ化もされている人気作品「若頭シリーズ」の作者でもあります。見た目に反してヘタレで、寡黙ではなく単に口下手、しかも思考回路はちょっと乙女…という伊吹は、ある日、可憐な風貌に優しい雰囲気の会社員・眞田に一目惚れします。ふとした切欠で眞田と知り合いになった伊吹は、明るい性格で常に周囲を和ませる彼に対して更に恋心を募らせていくのですが、眞田の早とちりと伊吹の臆病な性格が複雑に絡み合って、眞田は「伊吹はヤクザから足を洗おうと苦悩している若頭である」と思い込んでしまいます。本当のことを言い出せない罪悪感と、眞田と一緒に居られる多幸感の狭間で揺れ動く伊吹。それなのに、二人の距離はどんどん近づいていき…――というお話です。

眞田はおっちょこちょいで天然ボケなところはあるのですが、自分のことをよく分かっているし、伊吹が結果的に嘘を吐いてしまったのは自分にも一因があると冷静に振り返ることのできる大人で、非常に好ましいキャラクターでした。また、伊吹と担当編集者である佐田との掛け合いがもう最高に可笑しくて、若頭シリーズを是非読んでみたいと思いました笑 伊吹は無口で押しに弱いところはあるものの、ツッコミが的確なので気持ちよかったです。

二人の(特に眞田の)セクシュアリティがよく分からず、二人ともストレートだとすればこんなに簡単に肉体関係になるかしら~という点が気になったので評価は「萌x2」にしましたが、続編があればぜひ読みたいと思える作品でした。

1

強面ヘタレ攻めがおもしろい!

見た目が◯◯なのに実際は……というやつ、本人からすると苦労の種でしかないんだけど、BL的にはギャップ萌えが期待できる王道ですよね。

この作品の攻め・伊吹もヤクザな見た目に反して、ヘタレでシャイゆえに童貞というギャップの塊。
そしてオモチャ会社の営業マン・眞田に一目惚れしてしまって、彼の営業先であるファンシーショップの柱の影から、眞田が働く様子をこっそり見つめている……というめっちゃ美味しいキャラ。

伊吹が書いたベストセラー小説の主人公に因んで「若頭」と呼ばれているだけなんだけど、眞田がチンピラに絡まれているのをヤクザのフリしてして助けたら、何故か足を洗いたがっているヤクザだと勘違いされてしまって真実を打ち明けられず………というラブコメで、テンポが良くて面白かった〜。
受けの思い込みの激しさというか、知り合って間もないヤクザ(伊吹のこと)を匿うとか非現実的なんだけどいいの、ラブコメだから!

伊吹がほんとヘタレで、小説家だから妄想力があって自分と眞田のラブストーリーを妄想するも、ネガティブだからいつも死ネタ(自分が死ぬ)で終わってしまうというところ、吹いた。

野原先生の小説、数えてみたら8冊読んでいるのだけど、いずれも不憫健気受けなどの切ない話ばかりでラブコメはお初でしたが、「冥土の土産レベルの思い出」とか「ぬいぐるみ好きのスナイパー」などなど言葉のチョイスが絶妙で、何度も吹きました。

ただし恋の成就の気配がなかったのに、いきなり眞田もOKしちゃったのには、え?と思ったのと、エッチシーンに違和感が。
伊吹の脱童貞の様子に注目したかったのだけど、それよりも眞田がエッチにノリノリで、眞田さん………あなたノンケだとばかり思ってたのにゲイだったんですか?しかもやたらこなれてません?というか、そんなキャラだったんですか??みたいな混乱が起きてしまい、伊吹の脱童貞なんかどーでも良くなってしまった……。

でも楽しく読めたので読後感はいいです。

0

いつどこを好きになったの?

既出の設定と既出のエピソードを組み合わせて上手くまとめたような一作。特色の無さが惜しい。
キャラ萌えもなし、受けの眞田は毒のないほわほわイイコちゃんでまさにBLキャラ、攻めの伊吹は強面なはずなのに挿絵は腑抜けた面で拍子抜け。
口下手というのはこのタイプの話の進行において非常に便利に使える設定だな、と思った。

内気強面男が頑張っていたが、一目惚れシーンがエピソードとして弱く、ストーキングまでする気持ちに共感できない。初恋童貞設定が余計に、なぜこれだけで眞田に初恋?とモヤモヤする。
キャラ萌えがない状態だと、中盤の気持ちの動きの少ないエピソードは退屈でしかなく、デート場面は飛ばしたくなりながら読んだ。とてものんびり進行なお話。

しかし告白後は急転直下、なぜか思いが通じ合う。眞田が伊吹に惚れる決定打と思われるものはなく、徐々に惹かれていくにしてもこちらには伊吹の魅力が伝わってこないため、どこを好きになったの?と疑問が。
相手を天然タラシ扱いするBLお決まりの流れも、伊吹のどこが?と違和感アリアリ。
そして当然のように受け入れる準備を始める眞田にまた呆然。もうそういう世界の話として受け入れるしかないが、それまでのほのぼの展開から一転してノリノリ受け状態になられても……。
ここまで来るのがかなりゆっくりだったこともあり、作品のスピード感が変わったようで戸惑った。妖艶とは程遠い挿絵も白ける一因。
作者は眞田を男前と評していたため、感性が合わないんだろうと思った。

文章は読みやすい。だが語尾で「~な伊吹なのだった」「~な伊吹だった」という書き方を多用していたのが気になった。とぼけた口調で言われるアニメのナレーションのようで鳥肌が立つ。ポップな空気感を出せる表現だが、オタク臭が酷く萎える。

キレイなハッピーエンドを迎えるため、読後感は良い。心に引っかかるものはなかった、一度通り過ぎるには良い作品。

1

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