砂漠の黒獅子×奇跡の踊り手の、アラビアン・エロティックラブ

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表題作黒獅子の寵愛

ヘイダル,32歳,サッタール首長国の外相
サーニヤ,18歳,イムラーン国の神の子と呼ばれる踊り子

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

サッタール首長国の外相・ヘイダルは、視察先の一夜の慰みに踊り子のサーニヤを強引に買う。翌日、再会したサーニヤの初対面のような態度に、彼が時折記憶を失くすことを知ったヘイダルは、サーニヤを引き取ることに。同居生活の中、何度記憶を失くしても健気に自分を慕うサーニヤに惹かれるヘイダルだが、手酷く抱いた夜を思い出しては悔恨に苛まれる。それでもサーニヤの全てを欲しいと思う気持ちに抗えず…。砂漠の黒獅子×記憶移ろう踊り子の、熱砂に溶けるエロティック・ラブ。

視察先の一夜の慰みとして踊り子・サーニヤを買った外相のヘイダル。サーニヤを利用して金稼ぎをしている兄からかくまうため、彼を身請けすることに決めたヘイダルだが、サーニヤが時折記憶を失うことを知り…。

作品情報

作品名
黒獅子の寵愛
著者
つばき深玲 
イラスト
Ciel 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
ISBN
9784041027660
3.7

(38)

(10)

萌々

(16)

(7)

中立

(3)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
9
得点
138
評価数
38
平均
3.7 / 5
神率
26.3%

レビュー投稿数9

兄に食いものにされているサーニアを救う物語

「砂漠の黒獅子×記憶移ろう踊り子の、熱砂に溶けるエロティック・ラブ」という説明文。
物書きのお手本のように、起承転結が構成されていて読みやすかった。
後書の後に、「青竜の虜」後日談が入ってました。

サーニアが好きな紫薇(しび)とは、和名がサルスベリ/ヒャクジツコウ(百日紅)。
伝説由来の花言葉は、「潔白」「あなたを信じる」。

サーニアは爆発事故に遭ったせいで、大きな音を聴くと、発作を起こして記憶を失うが、爆発事故の前の記憶は残る。
ずる賢い兄はそれを利用して、サーニアに身売りをさせて稼いでいた。

踊りの名人のサーニアは、「神の子」として舞台で踊っていた。
サッタール首長国の外相・ヘイダルは、一夜の慰みに踊り子のサーニヤを買う。
朝、姿を消したサーニアを探すと、サーニアはヘイダルを覚えていない。

ずる賢い兄のユアンに金を渡し、サーニアを雇うことにしたヘイダル。
サーニヤの記憶喪失は、ヘイダルと相愛になっても、爆発音を聞くと起きてしまう。でも、ヘイダルを愛していた事だけは、忘れなくなるサーニア。

色々あって、最後はハピエン。
アラビアンものによく居る暴君のヘイダルが、ガゼルの子供のような瞳のサーニアと接しているうちに、庇護欲が沸いて、
子供の頃の誓いを思い出していく過程が良かった。
面白かった。


1

見どころたくさん

過去の事故により記憶を飛ばしてしまう踊り子と身分がぐーーんと上の外相の恋。
小さなトラブルはありつつも早くもうまくいったぞ♡と思った半ばすぎ、もちろんそのまま終わるわけなくて。
呆れるほどのクズ兄貴にイライラさせられつつも、
毛むくじゃら大臣の手に落ちる前にハイダル登場した時は、そうそう、こうでなくっちゃ!と。
シースルーの衣装、氷プレイ、ビーズをあしらった下穿きに無毛。
つばき先生の文章だけでも垂涎ですが、それを彩るCiel先生のイラストよ♡
鎖Tバックの色白サーニヤが浅黒ハイダルにまたがるあの絵は必見です。

1

傲岸不遜な攻めの純情

アラブ系王子×踊り子。踊り子は、起きた出来事を忘れてしまう記憶障害もち。

いやー、切なかったです。攻めが、傲岸不遜なんだけど、受けに対してはすごく誠実で優しい。最初はひどいヤツだったんですが、受けに対する思いを自覚してからの尽くしっぷりにはキュンキュンしました。
過去に巻きこまれたテロのせいで、何かが割れる音とか、爆破音などで記憶をリセットされてしまう受け。攻めと出会ってから三度、受けは攻めの記憶を失います。その三度目が切なかった。二度目が偶然の事故での記憶喪失だったので、次も偶然の産物だとちょっと出来過ぎ感アリアリだなぁ、と思いながら読んでたらびっくりでした。
攻めがいい男すぎた。受けもけなげすぎた。あと帯の「何度でも処女になる」ってコピーにもズキュンときました。

ただ攻めが、一応次期国王の第一王子なのに、受けくんと結ばれて跡取り問題や政権どうなっちゃうのかしら、とか、お付の人もあっさり認めてるけどそれでいいの? とかちょっと気になったのでそのへんで一段階マイナス。今後妻を娶る必要がないとか、さわりだけでも触れられてたらよかったな。

9

恥ずかしがらなくてもいいじゃん(笑)

初読みの先生でした。Ciel先生の挿絵目当てでget
抵抗などなく、すんなり読めました。
受けさんが記憶ないのに、必死に記憶をたどろうとするところが
健気に思えて、ぐっすん。健気さにうたれて 萌2。

攻めさん:傲慢、going my way、惚れた弱みで受けさんに弱い、照れ屋っぽい。
受けさん:記憶ない故の天真爛漫な部分あり。神の子と言われる、特別な踊り子。
     可愛くてしょうがないらしい(by 攻めさん)
攻めさん側近:攻めさんの従兄弟、歯に衣着せぬ物言い。こういう役どころ好き。
受けさん兄:くず。足悪いといって働かない。受けさんを食い物にしてる・・・
てな方々が出てこられます。

心因性なのでしょうが、大きな音で記憶をぶっ飛ばしちゃうそうで、
好きだった気持ちまでぶっ飛んじゃうのは、せつなすぎる。
想いが強いと、なんか記憶の底からふつふつ湧いてくるんですかね?
必死に探そうとするシーンが切なかったです。

一生懸命生きてたら、いい方向に行く と思える内容でしたので
ハピハピで終われました。
受けさんに花買おうと思ったのに、
なんか理由をつけないと花屋に行くのが恥ずかしいらしく
勝手に記念日をねつ造する攻めさんが可愛かった(笑)
好きだわ、こういう不器用さん。

7

設定は良いのだけれど

初読みの作家さまでしたがCielさんの美しい表紙に惹かれ購入してみました。

お金にモノを言わせてお金持ち(権力者)が受けを買う、っていうイメージがあってアラブモノってあまり好きではないのですが、これも定番のアラブモノでした。内容をざっくりと。すみません、ネタバレしてます。



とある国の首長の息子であり、次期首長になる予定のヘイダル。隣国に資金提供をするためにその国に視察に来た彼ですが、貧しいはずのその国で贅沢なもてなしを受けます。また自身の娘を彼にあてがおうとする国の大臣たちに辟易していたヘイダルは、宴で美しい踊りを披露する踊り子に目を奪われます。その踊り子について尋ねると容姿と踊りに優れた「神の子」と呼ばれる踊り子で、さらに高級男娼だと聞かされます。
国の政策や大臣たちに怒りを覚えていたヘイダルは、彼らへのあてつけもあり、その「神の子」・サーニヤを買うのですが…。

というお話でした。

ヘイダルがサーニヤを買ったとき、明らかに男に抱かれ慣れている身体をしながらも、必死で「私は男娼ではない」と言いつのり抵抗するサーニヤですが、その理由があらすじに書かれちゃってるんですよね…。それはあらすじに書いちゃダメなんじゃないのかなと思うのですが。

ヘイダルも自身の国を愛し守っていこうと思っているナイスガイなのですが、だったら尚更後継ぎの事とか考えるべきで、男であるサーニヤを妻の座に置くことにもう少し葛藤があっても良いんじゃないかな、とか。そこまでサーニヤに固執する理由が欲しかった。

サーニヤも自分が男娼であったことを教えられ、「こんな自分がヘイダルの傍にいてもいいのか」と悩みながらもヘイダルに諭されあっさりヘイダルの元へ戻るとか。「ん?」と思うことが多かった。

サーニヤの記憶障害。
身分差の恋。
サーニヤの鬼畜ともいえる兄の存在。
健気なサーニヤに、彼を彼の持つ記憶障害をも一緒に受け止めてくれるナイスガイなヘイダル。

設定や伏線は良いのですが、いまいちそれらを回収できないまま終わってしまったなと感じました。何を主体にストーリー展開していきたかったのか分かりづらかったのが残念でした。

ですが、アラブモノの定番という感じで、アラブモノがお好きな方にはたまらない一冊だと思います。

12

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