ボタンを押すと即立ち読みできます!
元々 日野ガラス先生の「また、あした」がとても好きで、お名前と美しいイラストに惹かれて購入しました。
しかし今回は残念ながらあまり刺さらず...
今回も絵は繊細で か細くて儚い感じ、でも美しくとても好きでした。しかし、内容があまり入ってこなかった...王道すぎて特に見所もなくサラサラ読み進めてしまいました。
「スウィートチェリーバイブ」
篤也は本当に竜司のこと好きなのか?序盤から昔の可愛かった頃の竜司が忘れられなくて、流されてるだけの様な気がしてしまい、それが最後まで 払拭できませんでした。全体的に竜司に振り回されてる感が凄かった...
「欲望のなぎさ」
これも両思いというか、バンド活動を続けるために体を繋げてるような気がしてしまって...
依存するほどの愛を感じられませんでした。個人的には重いお話大好きなのですが、少し病んでしまった修司の複数プレイや、セックス依存が見てられず...。征弘もう少し早く助けられなかったの?
「わたぬきの悪戯」
1番短いお話です。執着愛でしたが片方だけの執着は見ていて辛いものがありました。
表題作が他の2つと比べると甘い感じで、残り2作はシリアストーン。あとがきにもありましたかが、ピアスということでえっちなシーンを意識しすぎてしまったのでしょうか。
正直そっちに重きを置きすぎて、全体的に話がうっすいなと思ってしまいました。
でも、えっちなシーンも絵が綺麗すぎてえっちに見えない...。
絵だけは本当に好きで、見ていて幸せになるので中立ですが、作品の中身だけ見ると今回は「趣味じゃない」です
表題作スウィートチェリーバイブ
かわいいんですけど、絵も綺麗なんですけど、すみません!
BLあるあるの連続で新鮮味がなくて。
欲望のさなぎ
修司は何をそんなに不安定でセックスや薬物依存なの?
レイプされたり業界の掌返しに精神をやられたの?
売れなくてユキが必死だったのを見てられなくて枕して、それから不安定になると複数プレイに?
ユキはなぜ修司を抱けるの?荒療治で勃つもんなの?
本当は高校時代から両思いだったの?
ただ好きな音楽を二人でやりたいだけなのに、な修司とそんな修司をただ一人だけ理解してそばにいてあげられるユキなのかな?
どうも理解が追いつかず、また修司の複数プレイが見てられなくて。
ちょいシリアスめなストーリーを繊細で美しい絵で描かれる作家さんで好きなので、電子で読めるものは読破してるのですが、ピアス作品でも意味なしどエロに走るようなことはなく、従来の作品通り丁寧に描いていらっしゃいます。
きっととても真面目な方なんだろうなぁ……って思う。
「「ピアスではエロを中心に回る話を!」と思って私なりに頑張って描いておりましたが、読み返したらエロくなかった…エロって難しい…」とあとがきはあったけど、どエロ目的ではなく、日野さんのお話が読みたいという気持ちを満たしてくれるこちらの一冊はお気に入り。
さて前置きが長くなったけど、各作品のレビューです。
【スウィートチェリーバイブ】
天使のようだった可愛らしくてスウィートだった幼馴染が、背の高いイケメンとなって現れて…という王道もので、ほんわりほのぼのしてます。
日野さんの描くデフォルメ絵やチビっこ絵が愛らしくて私は好きなんだけど、幼い頃の攻めは、「お嫁さんにしたかった…」という受けの記憶通りの愛らしさで本当にかわいい。
それが心身ともに成長し、そしてあそこもビビるほどでかくなってしまい、おまけにまだまだ成長途中……。
受けを追い抜け追い越せ!と、ゴキュゴキュと牛乳を飲み干した甲斐もあり、見事ご立派になられてしまった攻めを見て「わーん、俺の天使を返せ!!」と思い出と現実のギャップにジタバタする受けが笑えます。
【欲望のさなぎ】
バンドものです。
高校時代の友人だった二人がバンドを組んで、売れない不遇時代を経て今や、ミュージックシーンを牽引する存在にまでになっています。
しかし、売れる前に男に犯られてしまった受けは精神が不安定になり、売れっ子となった今でも何かあると男とのセックスに逃避……。
成功を引き換えに二人の仲がどんどん望んでいたものとは違った方向へと進んでいく。
心の痛みや渇きみたいなものが突き刺さる作品で、読んでるとピアスってことを忘れます。
【わたぬきの悪戯】
高校時代の部活の先輩を思い続けて、早10年。
再会できたらあの人を地下牢へ……と願い続けていたら、バッタリ再会できちゃった。
そして念願叶って地下牢へ…。
それをあっさり受け入れる先輩。
昔、不恰好で虐められていた攻めだけど、先輩だけがいつも明るく接してくれた。
だけど…だからこそ、成長しあの頃の惨めな面影がなくなった今でも先輩のこと思い出すと、あの頃の様々なことを感傷を伴って思い出してしまう。
「あなたの優しさはどんな傷よりも深く残った」
このセリフが日野さんらしいです。
というのも、「孤独な犬の飼い方」というこの短編の2年後に発売されたコミックスで、やはり似たような二人が描かれているからです。
昔、不恰好でボッチだったけどイケメンへ変貌した攻めが、優しくて人気者だった先輩に再会、そして似たようなモノローグ。
勿論ストーリーは全然違うけれどもテーマは同じだと思う。この短編をもっと発展させて深く描いたものが、「孤独な犬の飼い方」なんじゃないかぁって思ってます。
そちらもオススメです。
「スウィートチェリーバイブ」「スウィートミルキーバイブ」
女の子みたいにかわいかったハーフ?の幼馴染・竜司はイケメンに成長して、好きだと襲いかかってきて…
篤也は竜司の男くささとかっこよさに負けて受け入れてしまう。
執着に愛されてメスのようにとろけさせられてしまってる幼馴染のお話です。
「スウィートチェリーバイブ」は受けの篤也視点、「スウィートミルキーバイブ」が攻めの竜司視点です。
篤也をかわいがるために男らしくなろうと、たくさん食べて牛乳飲み過ぎてお腹壊す竜司が健気でかわいい。
ピアスっぽいドエロ感はないけれど、日野先生作品の中ではエロ多めで、こんな官能的なキスやエロシーンも描かれるのだなと嬉しいビックリでした。
「欲望のさなぎ」
中出しされたまま横たわっている長髪の男を、黒髪の男が無理矢理起こして、シャワーで中の物を掻きだす、インパクトのある始まり。
長髪の男・修司が書いた詩に、黒髪の男・ユキが曲をつける。
二人のバンドは売れているけれど、売れるまでにあった色々(カラダを差しだしたり?)で修司は神経をすり減らし、男に抱かれずにはいられなくなってしまった。
それにキレたユキは修司を犯し、これから男が欲しくなったら俺を呼べと吐きつける。
修司はユキが自分をどんなに気づかっているか知っているから、バンドを売るために無理をして自分を壊してしまった。
そんな修司にユキは「お前のほうが大事だ」と伝え、修司は「夢の方が大事だ」と反対のことを言うけれど、その夢こそがユキと一緒に歩んできたことで、言葉とはウラハラに「ユキだけが大事だ」って心が叫んでいるようで胸がしめつけられる。
人を好きになる求めるという甘い感情じゃなくて、孤独な世界にその人だけしか存在しない、孤独なダークさが痛かったけれど、どうしようもなく惹きつけられました。
未来が感じられる終わり方なので後味は悪くないです。
「わたぬきの悪戯」
10年ぶりに再会した先輩を、家賃50万円の家の地下室に監禁して犯し続ける執着短編。先輩がなぜリストラされたのか?監禁されてどう思ってるのか?多くは語られてないのが、かえって余韻に残ります。
鍵付き貞操パンツが出てきました。
「スウィートチェリーバイブ」
可愛かった幼なじみが大きくたくましくなって自分を口説いてくる…という、幼なじみものには王道(?)な展開でした。コメディーというよりほのぼの系です。
かわいいんだけど、驚くほど感想が思い浮かばない・・・。
あまりにもさらさら~と読めちゃいました!
感想を書くためにもう一度読みましたが、やはりこれといって内容がない^^;すみません。
それとやはり、これは個人の感覚でしょうが、日野さんの書く男性がまつ毛がビシバシで唇がつやつやなのでキレイな女の子に見えてしまいます。
攻めである竜司が学ランを着てる姿なんて女の子のコスプレに見えてしまった。
「欲望のさなぎ」
こちらはかなりシリアスです。これ単品なら神評価でもよいと思いました。ページ数もこちらのほうが多いです。
売れないバンドから売れるバンドになった征広と修司の音楽業界のお話。
売れるようになるにつれてどんどん精神的に追い詰められていく修司とそれを見守る征広。
内容はすごく重いです…。でもすごくズシンとくる。
ピアスレーベルなんですねよね、これ。
えろえろなんですが、モノローグやコマの間で読ませるタイプの感動的なお話です。
2人とも、売れるために違う形でいろんなことをして、そのせいで溝が深まっていく。一見すると2人の仲は悪くてどろどろです。
ラブストーリーというよりお話としてとてもよかった。
売れてなかったけど仲がよかったころ、売れてるけどどこかゆがんでしまった関係の2人を交互に見せているのですが、裏側が次第に見えていきます。
がんばってるのに報われない、もうだめかもしれないという気持ちとその純粋さがすごい綺麗に描かれていた。売れるために歪んで言ったさまが上手く描かれています。
でも1人でないから純粋でもいられたし、歪んでもまだどこかに綺麗なものが残せているわけですね。
結局あまあまなカップルになって終わる…いうわけではありませんが、こういう関係もすごくよいなぁと思いました。