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表題作花は咲くか (5)

桜井和明,38歳,広告代理店のディレクター
水川蓉一 ,19歳,美大生

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

ようやく互いの心が寄り添った矢先、広告代理店勤務の桜井和明の大阪転勤が迫る。桜井と水川蓉一、それぞれの気持ちと想いの行方は……。大人気作、完結編。

「花は咲くか(5)」「花は咲くか (5) 特装版」のP308において、モノローグ部分の文字抜けがあることが2015年4月 6日公表されました。
大学生と社会人のピュアな年の差恋愛ストーリー。日高ショーコの大人気シリーズとなった。


2009年から2015年まで5巻完結、大学生と社会人のピュアな年の差恋愛ストーリー。日高ショーコの大人気シリーズとなった。
2018年に実写映画化。公開日は2月24日
主人公の美大生・蓉一役は渡邉剣、相手役の攻めキャラの桜井和明役を、天野浩成。渡邉と天野は映画でキスシーンを演じている。

作品情報

作品名
花は咲くか (5)
著者
日高ショーコ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
バーズコミックス ルチルコレクション
シリーズ
花は咲くか
発売日
ISBN
9784344833852
4.6

(614)

(480)

萌々

(86)

(27)

中立

(13)

趣味じゃない

(8)

レビュー数
42
得点
2838
評価数
614
平均
4.6 / 5
神率
78.2%

レビュー投稿数42

堂々たる完結本

爽やかさと心地よさを感じながら本を閉じて、
一番の強く思ったことは、
こういうBL本がこれからもっと増えるといいな…。

5巻めの完結本にして、ずっしりな厚さ、
そして、エロさも展開も派手さはないけれど、
すごくすごく丁寧に描き綴られていました。
メインのふたりだけでなく、
脇役たちそれぞれの考え方や感情がちゃんと描かれていて、
本の中でそれぞれ皆が、しっかりと生きていました。

人気作家さんだからこそできることかなとも思うけれど、
こういう「人」をゆっくり丁寧に描き出して、
エロに重きを置かない本には、また別の堪らなさがありますね。
(エロに重きを置いた本も、それはそれですごく好きですが!)
BLというジャンルの中で、
色んな方向性で極められ本格的な本が、今後も沢山出てきますように。

こう言うと、
この本のエロは大したことないと言っているみたいかな?
そんなことは全然なく!
この厚さの本にしては少なめになるかと思いますが、
4巻で桜井さんが隠していたグッズがちゃんと活用されて、
エッチシーンは1回のみでしたが結構ページ数が割かれ、
しっかり挿入まで描かれていましたよ♪
ほぐすために後ろを触れらて、
ぞわぁっとして変な顔になったり、
グッと指を入れられてびくっとなったりの、蓉一の顔は可愛いし、
それでいて熱を持った視線はすごく色っぽくて、臨場感がありました。
でも一番は、しながらのキスのシーンかな、
優しさと特別感で溢れたその雰囲気はとても素敵でした。

桜井さんの転勤が決まって、
胸がギリギリとするような切ない展開になるのかと思っていましたが、
そういう切なさはなく、距離如きで揺らがないふたりの絆と、
今後もずっと続くであろう日常がとても幸せそうで、じんわりです。

結局最後まで、庭の花は咲きませんでした。
(その庭の花が咲いて、ラストを飾ると思っていた…w)
でも、
両親が残した蓉一という花は、
これまでもそうであったように、
きっとこれからも周りに愛されつつ支えられつつ、
色んなものを吸収して大きく成長し、
何度も大輪の花を咲かせるんでしょう。

なにも特別なことじゃない、
あたたかな幸せで満ちた明るい未来が、とても眩しかったです。

28

高律

江名さま
私も庭の花は咲くものだと思っていました。
『花は咲くか』このタイトルの意味ずっと考えていました。
ラストまで来て、たったこれだけの言葉の奥深さに納得です。
江名さんの『両親が残した蓉一という花』という表現に
感動してうるっときてしまいました。
いつも的確な言葉を選んで書かれているレビュー
毎回読ませていただいていますが、
今回はまた一段と素敵な言葉で綴られていて感心してしまいました。

江名

Emi223さん、はじめまして!
コメントありがとうございました~(#^^#)

両親が残した蓉一という花は~は、
本編に「名前と同じ花を咲かせる」ってあったので、
そういうことかなぁと思いました。
さりげなく語られていたことが実は繋がっていたと気付くと、
そのハッとさせられる瞬間にまた、
この本と日高さんへの好きの気持ちがグンと増えますよね(*´▽`*)
わたしもまだまだ繋がっていないことがありそうなので、
何度も繰り返し味わいながら読みたいと思います~

Emi223

両親が残した蓉一という花は~ とっても素敵なことを言いますね!まさに日高ショーコさんはこれが描きたかったのだと目から鱗でした!自分だけでは気づけませんでしたので(((^^;)

snowblack

江名さま

本当に心満ちる後感の最終巻でした。
実は私も庭の花が咲いて終わると思っていたのですが、
咲かなかったところが意味深く、そして
花は咲いた、ではなくて未来志向なところが何とも美しい終わりでした。

BLとしても充実した、そして人々のドラマとしても一流の
名作の完結だと思います。

これだからBLはやめられない!!

日高先生との出会いは遠野春日先生の「茅島氏の優雅な生活」の挿絵。
美しく繊細なタッチ、品がありながらも色気、体温まで感じられる表情。

もしもストーリーが物足りなくても、そんなうっとりするような素晴らしい絵が見られるならオッケー!とかなり贔屓目で読んでいた日高作品。
もちろん落胆させられるようなことは一度もなかったけれど…
どうしようもなく心を鷲掴みにされる物語もなかった。

それが…それがこうして……今ここに………!!!!
と膝から崩れ落ちる想いで読み終えました。

「花は咲くか」は蓉一の成長の物語だろうと思いながら当初は読んでいました。

みんなに愛された父親をトレースするように生き、人と関わらず、心揺さぶられることもなく、父親の遺した家でひっそりと暮らす。
そんな蓉一が、桜井と出会い変わっていく。自分と家族と過去と向き合い、自分の力で自分の居場所を作っていく…そんな物語。

もちろんそれだけでも充分面白いのですが、何より素晴らしいと思ったのは、蓉一だけでなく彼を取り巻く全ての人が再生していく姿をきちんと描いていること。
桜井はもちろん、友人の藤本、従兄弟の菖太に竹生。
伯父の菖一。柏木に吉富。
それぞれの出会いにより、影響し合い、皆が少しずつ自分の過去と今を受け入れていく。

その様子が本当に丁寧に描かれていて、途中で漫画を読んでいるということを忘れていました。
映像を見ているように、彼らが本当に存在して生きているような。
読んだ後にふと、自分の家族と大切な人達のことを思い浮かべていました。

ただ消費するように読んでしまう漫画が多い中、間違いなくこの作品は殿堂入りする名作だと思います。

そして忘れてならないのがしっかりとBLであること!
日高先生の描くキスはエロい!!
本当にエロい!!!

キスと前戯だけでも悶絶ものなんですが…
欲をを言えば桜井が蓉一の中で果てる顔が見たかった!!!
もちろんそんな私の爛れた願望も自分で脳内補完できる位に、しっかりと素晴らしい初夜(挿入あり)が描かれています!

まだ読んでいない方は全巻一気読みをおすすめします!!

27

花は咲くか 完結 5巻発売で嬉しいような悲しいような

本当に本当に待ち遠しかったです、本の厚さに驚きながらもドキドキでいっぱいでした!1から4巻までをずっとずっと読み返していたので容一の過去とか人間関係とか本音とか最後どうなってしまうんだろうって多分ページ捲るのがいつもの1,5倍はやかった気がする… 期待以上でした!容介の苦悩 驚きの真実 まさかこんな展開とは思わなかったです… まだドキドキが止まらないです…

1巻の頃からどんどん容一の表情が柔らかく明るくなっているなーって5巻では本当に1巻と見比べたらもう別人ってくらい!こういう変化もちゃんと描かれていることに多分心持っていかれるんだなって思いました、容一が笑ったり怒ったり悩んだり もうそういうのひとつひとつが見ていて楽しかったです。それに容一が喋る喋る…!!(感動 すごく変わった!これも桜井さんのおかげなんですねー 本当に本当にいい作品です。もう表紙の二人の笑顔に歓喜ですね。

BL漫画ではあるんですが、これは一つのドラマというか物語というかとても深い作品だと読み終わった後に思いました。こんなにも人の心情や悩み、苦悩 衝動とか行動とか 色々共感できるような感情移入できるような この作品に出会えてよかった!感動でした涙腺がもう…

できるだけたくさんの人に読んでほしいのであんまり… あんまり!ネタバレはしないように… でもこの感動をたくさんの人に伝えたい!叫びたい!評価は神よりもう一個か二個くらい上の評価があればいいのに…神しかないようで… 

最期を迎えて嬉しいような悲しいような… でも本当に幸せになれる作品でした、こんな素晴らしい作品に出会えたこと日高先生に感謝です。

いやー 想像もしていなかったような展開&面白い展開 &衝撃の事実と容一の決断…!? ぶっこんできた感じですがもう気が付いたら読み終わってた… 泣 みたいな感じでした。

どの辺からネタバレになってしまうのだろうか… ネタバレあんまししたくないこれは読んで感動してほしい!! もうこの二人に癒されてほしいです… 

この作品に出会えて本当によかった!もうこれに尽きる!!

24

声を抑えて..

萌えしかありませんでした...
お互いの気持ちを認識しあってから恋が始まると同時に桜井さんの転勤、蓉一の下宿の取り壊し
問題は山積です

その中で人と距離を取りながら踏み込まず、踏み込ませず生きてきた桜井さんが蓉一の過去や背負っている現実に自分から支えて行きたいと変わって行く様に大人の愛を感じました

19歳の蓉一の限り無い未来に自分が寄り添うことで芽を摘んでしまうのでは無いかと躊躇し戸惑い、逡巡し続けた桜井さん
蓉一を愛してしまい先の見えている自分との差も怖かったのでしょう
蓉一の真っ直ぐな視線、想いが「おまえは本当にわかってきるのか?」と疑念に思ってしまいます
そりゃそうですよ
自分の事に置き換えで19歳で何を考えていたか
まっ何も考えてませんでした(笑)

それでも、止まらないくらい想いが募ります
避けて通ってきた人生で始めて自ら能動的な行動を起こします
家から家財道具一式下宿へ持って来ます
大阪から帰ってくるのは蓉一の待つ下宿先ってね

あぁもうここで萌えが爆発です!!

そして下宿先での初挿入ありきのエッチシーン
万全の準備を怠らない桜井さんに拍手ですよ
愛が溢れてます
桜井さんの手練手管に翻弄されて喘ぎ声が大きくなる蓉一
「声を抑えて」とささやく桜井さん
抑えきれなき蓉一がエロ過ぎてまずいです
若さからの強がりなのか、桜井さんに対して自らが主導権を握ろうとごねる蓉一がまた可愛い
くぅぅとなります
でも、そこは大人桜井さんには敵いません
桜井さんの前立腺を弄ろうとし、「今度は僕がやります!」とリバ宣言!!
大人桜井余裕の返しで「いつかな」
はい、もう脳内桃色です
リバ愛好家の私は是非とも蓉一に努力して頂きいつか桜井さんを組み敷いてひぃひぃ言わせて欲しいと心から願いました

そうこうして繋がった二人
「蓉一 好きだ」と吐息の桜井さんの告白
涙がほろりとこぼれ胸が熱くなりました
長くじっくり描いたエッチシーンに大満足でした
やや親父臭い桜井さんの攻めがまたいいんですよw

やっとここまで辿り着いた二人
あけすけに本能の赴くままに恋が出来ない年齢の桜井さんが世間体もかなぐり捨てて恋に落ちる過程に共感し過ぎて死にそうでした
大人って面倒なんですよ
大人の作り出す何かを隠している空気を敏感に察知しながら心を閉ざし生きてきた蓉一
その嘘は蓉一の為であったがそれに気づくには桜井さんが必要だった
桜井さんとの交流で人の現れない本音が少しづつ感じられる様になった蓉一

話の伏線をきちんと回収して纏めた日高さんの構成力には脱帽です

最終話で桜井さんの転勤先の大阪に蓉一が泊まっている話がありあぁ良かった。と心からホッとしました
小冊子も心暖まるエピでした

最後をエロシーンで締めくくらない所が大人の恋愛だと思いました
現実に向き合いながら一緒にいる覚悟を決めた同性カップルの在るべき姿と心からの愛に萌え萌えでした

日高さんワールド全開の心を打たれる作品でした
桜井さん蓉一が永遠でありますように

23

花は咲く

穏やかに、でも中身は濃く、読んで幸せになれる、
そんな最終巻だった。

前巻で、思いが通じあって最後まではいかなくても
肌を触れ合わせた桜井と蓉一。
しかし、蓉一の中には両親の死に関する
今まで誰にも告げたことのない疑惑があり……


時は満開の桜の中、物語の中の二人も満開の笑顔の表紙、
その表紙が全てを語る。
蓉一の目覚ましい変化だけではなく
十分に大人で、大人の分別……だった桜井も、
蓉一だけじゃなく、水川邸の人々に出会って
やはり変わっていった先に開けた新たな世界。

いろいろな要素をきちんと回収したストーリーも流石だが
逆に破綻がない分、あっと驚くような展開もなかった。
そういう大きな事件や珍しいネタで引っ張る面白さではなくて
大枠では予想される線の上に、予想以上に細やかな機微や情緒が
言葉だけじゃなく惹きつける表情や背景や絵で表現されているところが、
この作品の魅力だろう。
もちろん、心にしみるセリフの数々も……。

脱皮して大人になりつつある蓉一の瑞々しさ可愛らしさ、は最後まで健在。
表情豊かにちゃんとたくさん喋るようになった蓉ちゃんも、
最後少し大人っぽく青年っぽくなりつつある蓉ちゃんも、また魅力的!

「萌え」ということだけで言うならば、前巻の方がキュンキュンしたが
ちゃんと結ばれた二人には胸がいっぱいになったし
(前巻で、桜井がゴソゴソとベットの下に隠したグッズもちゃんと登場!
やりとりの細部がいい!初々しくてちょっと天然な蓉ちゃんに萌え!)
彼らだけじゃなく、脇役を含めたそれぞれが
触らないようにしていた過去の傷を見つめて弔って、新たに生きて行く
そんな光溢れる、読みでのある最終巻だった。

結ばれたシーンもだけれど、美しくシリアスな話なのに
どこかクスッとするようなちょっとリアルで微笑ましいコマが挟み込まれ
登場人物たちへの愛おしさが増す。

恋愛だったり、友情だったり、家族愛だったり、仲間への思いだったり
一人じゃあ生きられない、一人に戻れない、一人じゃない!
そんな心の動きが綴られた群像劇としても幸せな完結編。

そして、料理上手なみんなのお父さん吉富桔平さんにも
なんと春が!(笑)




特装版と通常版の違いがよくわからないのだけれど、
私は特装版を購入、以下が特装版の仕様です。

第26話〜34話が収められ(34話はそれから1年半後の二人)
最後に見開きであとがきがある。(右ページは表紙カラーボツ案のラフ、
左は文と芙蓉の花。ここまでは通常版と変わらないか?)

口絵カラーは、花見をする人々、その裏はピンク地に桜の花。

加えて24Pの特装版特典小冊子つき。
書き下ろしが二編、ドラマCDの付録「in the rain」、
サイン会配布冊子「Xmas present」、
ルチル文庫8周年記念小冊子より「while sleeping」

(どなたか通常版をご購入の方、
表紙と小冊子の有無以外に違いがあるかないか、教えてくださいませ!)

19

江名

snowblackさん、コメントありがとうございました(*^^*)

庭の花が咲いて終わると思っていたのは、
わたしだけではなかったんですねw
そういうところも日高ショーコさん、巧いですよね、
花がまだ咲かないってことは…って、読者に考えさせるところが、
また心地よい長い余韻に続くのだと思います。
そうそう、吉富桔平さんの春もすごくよかったですよね~
その陰にあの子の涙があるのがまたw
わたしはあそこが一番笑いましたよ~
本当に、何度も読みたい名作でしたね(*´ω`*)



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