バイトは家政夫！？―俳優と家政夫

賑やかで面白い

俳優と家政夫シリーズの第１作です。なお、「恋人は俳優」「醜聞!?宣伝!?」「結婚狂騷曲 第一楽章」「結婚狂騷曲 第二楽章」と続きます。

短編４つの連作で構成されています。

「バイトは家政夫！？」
稔（受け）はお金のために、住み込みのバイトをすることになった。想像を絶する汚い部屋の住人が、人気俳優の江阪（攻め）と知ってビックリするも、掃除に勤しんでいた。ところが、マネージャーの鳥羽に騙され、江阪は稔を襲ってしまい…。

汚い部屋とその掃除する描写がなんとも面白かったです。復讐のために、バイトは続けるが、手を出すなと告げる稔のたくましさが良かったです。


「家政夫は大変！！」
部屋の掃除は遅々としつつも順調だけど、二人の仲は進展しない。そんな中、稔は鳥羽に騙され、変な薬を飲んで苦しむことになり…。

媚薬ネタのセオリーどおりに江阪は抱いたりしません。その後、思いを通じ合わせるような感じにはなるのですが、甘い恋人同士にならない二人が面白いです。


「頑固な恋人」
だまし討ちのように抱かれ、ストを起こした稔。江阪はそんな稔の機嫌をとろうとしたが逆に怒らせてしまう。怒った稔が向かった先は…。

江阪の妹さんが良いキャラで笑えます。江阪により稔の思い違いが修正され、ようやく二人は恋人初心者の道を歩き始めます。


「俳優と家政婦 デート編」
デートに出かけた二人。良いムードになりますが、稔は怖くて江阪を拒絶してしまう。結局ケンカになってしまい…。


江阪が一目惚れ状態で好きになり、稔が素直になれなかったりして拒むという内容です。

作品の合間に、「初期装備」や「コマンド」「アイテム」とＲＰＧゲームのように主役二人の説明をしているのが面白いです。

稔がぎゃーぎゃー騒ぐのと、江阪たちがお金でケリをつけようとするので、そういうのが苦手な方はダメでしょうが、明るく楽しい作品を軽い気持ちで読みたい方にお勧めです。

この本では、二人の関係が進展しているのか後退したのかという中途半端な状態でラストを迎えますので、気になる方は２冊目へどうぞ！