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読み始め「この文体好きだわ〜〜っ!!」ってなりました!丸木先生はお話や舞台で文体を変えられますが、硬めで一気に雰囲気に呑まれました。途中からは普通になり読みやすくなりましたが。
太陽のような坊ちゃんが、学、学と猫可愛がりする様が好きでした。口吸いをしたり肌を揉みますが一応そこで終わり。それが狂気を孕んでいって…
裕太郎の狂おし〜い学愛が堪りませんでした!工口も侍従気質な学が後ろからとか鏡で感じたりとか、口絵のスーツかっこいい攻めが良きでした。
最後に種明かしなのですが、もう少しお話に混ぜて欲しかったなと思いつつ、これは学視点の話なので仕方ないかなとも理解しました。裕太郎がどうしてそこまで学に固執するのかは分かったし、でも学が真に安らげる日がくる感じは無さそう(多面をも裕太郎が愛してそう)…
たろうを抱いてるとか、覚えてないのに体が違和感ある学とか見たかったかも。
後半裕太郎の妹葵とのやりとりに少し笑いました
「この、恥知らず!」「はい……その通りです」
大正時代の伯爵家の嫡男裕太郎と奉公人の学の
身分差BLとして読む本なのか、ミステリーとして読む本なのか微妙でちょっとモヤモヤしながら読み進めたら最終章で種明かしがあって、あー
ミステリーだったのねとなりました。
主人公の学は、体が弱くておとなしい性格でアル中の父親から毎夜暴力を振るわれてて、その処世術として心を無にするテクを身に付け、時には気を失ってるなんて事も頻繁にある。(これが伏線だったんだな〜)
裕太郎の悪友、青池が学の顔を[複数の人のパーツを寄せ集めた様な一筋縄ではいかない人相をしているから注意が必要]と何度か忠告する。(これも伏線)
学が、おかしな夢を見ている、その内容。(これも伏線)
たまに挟まれる文章、「たろう」「菊子」「ユウタロウ」「学」なーんか、意味不明で気持ち悪いなと思っていたら全部読み終わると理解できる。
うわぁ〜、ドロドロした共依存ストーリーだったわ。一方的に裕太郎が執着してる様に見えて、実は黒幕は学だったのかなとだんだん思えてきた。
私だったら奉公人なのに、毎夜坊ちゃんに抱かれてるお手つきだと同僚に知られたら気まずいからバレない様にしたいし、少し距離を取りながら関係を続けようと思うけどな、学の行動分からんなーと思ってたら、そう言う事かい!
しかし、誰1人として好きなキャラはいなかったな。
裕太郎が20代なのに行為の最中エロ親父の様な発言なのがオモロってなってしまいました。
登場人物の苗字が赤緑青黒黄でした。何か先生の遊び心なのかな?
同著者「蜜華の檻」も読んでの感想です。
「蜜華の檻」は昭和の戦後、「霧の楽園」は大正時代。
時代背景が少し似ているのと、どちらも挿絵が笠井あゆみ先生とのことで比べてみると私は断然「霧の楽園」が好みでした。
伯爵家の長男×奉公人で難しい話があまり得意ではない私は、メイドさんだと思って読みました。
二人とも霧の館に暮らしているので作品が全体的に湿っぽい、ダークな雰囲気でした。
受けの学の母は別の男と駆け落ちして、残された父には虐待を受け、かなり辛い境遇で胸が痛みました。
そんな中で唯一、光となったのが攻めの裕太郎の存在。
幼い頃から一緒に居て、学にとても優しいのですが大人になるにつれて執着が段々と強くなっていきます。
主人がたった一人の使用人に懐くのは、個人的にすごく好きなシチュエーション。
受けも無自覚の美人で、攻めが懇意にする行動に対して立場を考えてほしいと少し拒絶して攻めを暴走させてしまうのもまたツボ!!
攻めがじわじわと間合いを責めている感じや、館に閉じ込める為に生きているところが執着さMAX!
受けに他の女性と結婚してほしいと言われた時にとった行動が、いい感じに狂った思想でドストライク過ぎました…。
久しぶりに強めの執着を見つけました。
また、この受けもどこか不思議でミステリアスな問題を抱えています。
一見したら攻めが目立つのですが、私はどちらかというと攻めの方がまともに見えました。
受けにこういった怪しい雰囲気を持たせるのは丸木先生ならではないかと思います。
全体的に仄暗く、館の中という狭い世界だけでこれだけゾクッとさせられます。
「神」評価でなかったのは、終わりに少し違和感があったからです。
最後は第三者視点だったのですが、答え合わせが短すぎてもったいない…。
これが攻め視点だったら、もっともっと受けの良さが際立ち、面白かっただろうなぁと。
更に「あれ、そういえばアレはどうなったの…?」という疑問も残ってしまい、読み返しては悶々としてしまいました。
とはいえ、ダークさと執着、共依存を楽しめたので買ってよかった作品です。
大正主従もの、閉鎖的、鬱々!!
溺愛執着ハイスペ驕慢攻め。
受けのことは甘やかしまくりだけど外堀埋める系!
大好物です!!!!!
受けには捕まえようとすると壊れそうな脆さ。
ついつい魅了されちゃいます。
サスペンス要素もあって、モヤモヤっとあと引く怖さ。
全てが繋がってから、振り返ると、そういうことかーーーと
面白さも怖さも濃厚さも倍増!!
えろは濃厚で甘やかしつつガツガツ系でした♪
そして笠井あゆみ先生のイラストが良い!
ドキドキ魅了されっぱなしでした。
これはすごいわ。
『耽美』と紹介されてることも多いですが、私はサスペンスミステリとして「すごい」と思いました。
ホラー風味もあり、大正時代の霧に包まれたお屋敷の中で、何だかよく解らない不安感に弄ばれます。
まあ、読んでいて、不安なこと不安なこと……
これ、核心部分は絶対ネタバレしちゃいけないやつだと思うんですね。
だから私も出来るだけそこに触れないようにご紹介したいと思います。
主人公の学は、ぼんやりしていて、記憶が曖昧になってしまう人なんです。
赤井伯爵の家で使用人の子どもとして生まれるのですが、母が幼い頃に別の使用人と駆け落ちし、酔った父に暴力を振るわれる毎日を暮らしています。
学の希望は、小さい頃から自分を可愛がってくれる赤井家の長男、裕太郎だけ。
全てにおいて優秀で太陽のような裕太郎は、不憫な学に目をかけてくれるだけではなく、常に自分の側に置き、恋人の様に扱います。
そんな裕太郎の振る舞いを止めさせようと、彼の家族は学を裕太郎から引き離そうとし、学も一時はそれに従おうとするのですが、そのことで裕太郎は以前にも増して学への独占欲を剥き出しにする様になります。
裕太郎の縁談話、父の失踪、自分を捨てた母との再会……学の周りで次々と様々なことが起きますが、裕太郎との激しい情事の所為もあり、学の記憶はどんどん曖昧になって行くのですが……
察しの良い姐さまであればお話のオチに感づくかもしれませんが、とにかく丸木さんのお話の構成と文章の巧みさで、最後まで緊張感が途切れません。
「多分、こうなんだろうな」と思いつつ「いやいや、まだ解らんぞぉ」と思い直したり。
最後の短編『葵の手紙』を読んで「そうかー!」と。
全てが収拾された後の『やられた感』がすごいです。
上手い!
そして、怖く、哀しい。