表題作2015 spring

片喰鉄之助,初鹿野の元同級生
初鹿野柑, バイオ系企業の営業マン

あらすじ

『街の灯ひとつ』番外編、『この遊びを恋とわらって』
初鹿野にバレンタインのチョコを贈りたい片喰ですが…。
2015春のJガーデン、無料配布小冊子。

作品情報

作品名
2015 spring
著者
一穂ミチ 
媒体
小説
サークル
MICHI HOUSE〈サークル〉
ジャンル
オリジナル
シリーズ
街の灯ひとつ
発売日
4.2

(5)

(2)

萌々

(2)

(1)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
21
評価数
5
平均
4.2 / 5
神率
40%

レビュー投稿数3

まさかの片喰×初鹿野!!

何か私に作用したのか、ただの偶然か(後者でしょうけどもw)
つい先週『街の灯ひとつ』と『窓の灯とおく』を
読み返したばかりだったんです!!
もうミチさんの新作では私の大好きな片喰×初鹿野は
もしかしたら読めないのかもしれない…と思っていたのですが
「久しぶりにバミオ書けて楽しかったです」だなんて
有り難くて有り難くて思わず涙ぐみました!!!


初鹿野と付き合い始めた事で、
それまで知らなくてもそんなに困らなかった
世間一般のニュースにも気を付ける様になりました。
初鹿野との溝が広がらないようにだなんて
相変わらず健気…ww

そして勿論バレンタインデーが近づいていて
百貨店の催事場等のにぎわいをテレビで見て
初鹿野にもチョコをあげたいと思うのです。
〝あげたいな、でもいらないかな。
だけど高校の時も食べてたし
この間もハーゲンダッツのチョコブラウニー味食べてたし〟
半分くれて、口の横に付いたアイスを
おそらくキスでとってくれただろう初鹿野を思い出して
(直接描写が無くても想像にかたくない!)
二時間経過ってどんだけなの片喰!!!
「こんなんじゃ人生足りなくなる」ってものすごく可笑しかった…。
でもまた思いを巡らせてさらに三時間経過って
言葉が出ないな!ww

久々の外出でメインの目的とは別に
勇気を出してデパートの催事場へ!
自分用に買う男性の姿も…とテレビで言ってたのに
女性ばかりで立ちすくみそうになり、
更には種類がありすぎて
「ビスキュイって何かの鳴き声?」とか
わけがわからない上に
突然試食を勧められてビビッて落としちゃっていたたまれない…。
どこまでも片喰……。
でも、駅までの道のりの間に、気になるものを見つけます。

ここから初鹿野視点!!
片喰の部屋へ行くと、
今まで無かったチョコレートブラウンのビーズクッション。
ベッドしか座るところが無いから、
買えなかったチョコの代わりにって目をそらす姿に
〝襲っちゃおうかな〟って!
………ぐは…っ。
しかも初鹿野に買ったからといって
自分ではまだ座ってないとか可愛いし
座っていた体をずらして片喰を呼んでキスとか可愛いし
もうあなたたちときたら……!!!

人をダメにするそのビーズクッションは、
たった数週間で残念ながら片喰の不注意
(仕事が多忙で睡眠不足のせいもあり)で
中身が出て来てしまったのですが
「けがしなくてよかったよ」と言ってあげるのが優しい。
静電気のせいであの白い粒粒を体にまとってしょげる片喰と
ビーズを手のひらにすくってまたキスをする初鹿野が
脳内再生出来て(勿論穂波さんのイラストで!)
めちゃくちゃ幸せ………!!!

いつまでも優しくて甘い、
ふたりですることだからなんでも楽しい、
片喰と初鹿野でした!!
私には特別な彼らなので神です!!!

4

軽快で暖かなチョコレート色の幸せ

相変わらず一途というのを通り越した一途さの片喰くんの
バレンタインストーリー。
テーマに合わせてクラフト紙にチョコーレート色のインクという
おしゃれな装丁の『街の灯ひとつ』番外編。

すっかり安定している幸せな割れ鍋と綴じ蓋ぶりは
読んでいてとても楽しいが
何より、ある種コミカルな程の彼の言動を
とても軽快にそして暖かく描く一穂さんの筆の冴え!
もし本編を知らなくても、ちょっと個性的なカップルの
ちょっと個性的な健気な話として
クスッと微笑みながら読めるにちがいない。

『この遊びを恋とわらって』というタイトルは、
おそらくCharaの曲名からだろう。
以前の『オルタナ・ボーイフレンド』も
同じくCharaの曲名からだと推測したが、
このカップルにはCharaなのかな?





2015.3.15現在、異例なスピードで
本作は作者のブログにアップされている。
こういう無料配布本は、作者のファンサービスだと思う。
もし、それを巡っての苦情やオクでの高値取引など
作者を傷つける動きがあるとしたら、なんとも悲しい。
 

3

甘くてほろ苦い味わいが素敵

"初鹿野とつき会い始めてから(本当に現世の話なのかな?)"

この冒頭の下りがすごく片喰らしくて
のっけからニヤリとしてしまいます。


バレンタインに初鹿野にチョコを渡したい片喰。
デパート催事場へ単身で乗り込み
女性だらけの空間で、聞き慣れぬスイーツ用語に
キョドりまくる姿が「はじめてのおつかい」のようで
なんとも微笑ましいです。
そっか、トリュフがキノコじゃないってことは
ギリ分かるんですね!w

結局チョコは買えず、かわりに買ってきたのが
チョコレート色のビーズクッション。
(ここから初鹿野視点の話になります!)
片喰「うちベッド以外座るとこないし…
 よかったら使って」
初鹿野の自宅用に…ではなく
初鹿野が片喰の家でくつろぐ用のクッションって
とこがいいですね!

クッションの色が律儀に「チョコレートブラウン」と表記されているのも、以前に初鹿野がハーゲンダッツのチョコブラウニー味を買ってきたエピソードに因んでいるのかな~~と思うと愛を感じますv

しかしこのクッション、抱き心地が良すぎて
片喰が使いまくった挙げ句
ドジって解体してしまうという後日談が……w
部屋に散らばったビーズを見ても呆れず
「けがしなくてよかったよ」
と言う初鹿野の優しさが良いです。
このあとの片付けも、片喰と一緒に
楽しんじゃうんだろうと思います。


いつも初鹿野のために一生懸命なのに
いまいちカッコつかない片喰と、
そんな片喰が可愛くて愛しくて仕方ない初鹿野。
やはり素敵なCPだと思います。

ラブラブで可愛いだけでなく、
片喰の自信なさげでしょんぼりした佇まいに
ほんのり切なさや侘しさも感じられて
何とも言えない味があります。
久しぶりにこの二人に会えて幸せでした♪

3

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