表題作恋をする/恋をした

萩原一顕,電器メーカー営業部勤務
半井整,同社総務部勤務

あらすじ

商業誌「ふったらどしゃぶり」番外編
日常ほのぼの?

作品情報

作品名
恋をする/恋をした
著者
一穂ミチ 
媒体
小説
サークル
MICHI HOUSE〈サークル〉
ジャンル
オリジナル
シリーズ
ふったらどしゃぶり When it rains, it pours
発売日
4.7

(11)

(8)

萌々

(3)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
52
評価数
11
平均
4.7 / 5
神率
72.7%

レビュー投稿数1

恋しさと切なさと

友人がデキ婚し、急きょ結婚式の二次会の幹事をやることになった一顕。

お人好しで社交的な一顕とは対照的に、整は幹事の経験はなく、ずっと部屋にこもっていても平気なインドア派。
「気が合わねえなー」
「ほんとそう思う」
というやり取りが素敵。
正反対なのに、互いの考えを尊重し
仲良くやってる二人が好きです。


今回の同人誌は、整視点。
整が、そんな正反対な一顕のことを
どれだけ好きか伝わってくる話です。

もう一人の幹事(女性)と会うことが多くなった一顕は、整に自分の携帯をいつでも見ていいと告げる。
心配はしていないけれど、自分たちの関係の始まりを思い出して胸が痛む。
そんな整の繊細さが好きです。

そしてある日、整は幹事の女の子のツイッターを偶然見つけてしまい、それを見るのが日課のようになってしまいます。
明らかに一顕に恋している彼女。
一顕に何とも思われていないと知りつつも、彼に会うたびときめき、その一言一言に一喜一憂している。

彼女の健気さにグッとくると同時に
彼女の目を通して見る一顕が
男性としてとても魅力的なことにも
改めて気づかされました。
一顕に惚れ直してしまう整の気持ちも
よく分かります。

"ごめんね。でもあげない。大好きなんだ。
春が来たら返してもらうから。"
そんな整のモノローグが切ない。
タイトルの「恋をする/恋をした」って何だろうと思っていたのですが、一顕に恋する整と、一顕に失恋する彼女とを並べたタイトルなのかもしれません。
恋愛の幸福感と切なさとが同時に感じられる味わい深い一篇でした。

8

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