恋人関係が永遠に続くとは、どうしても思えないんだ――

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表題作親友の行方

ロバート・アンダーソン,女たらしの幼馴染み,28歳
ライナス・ラドクリフ,男たらしの貴族,28歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

社交シーズンのロンドン。ロバート・アンダーソンは舞踏会で儀礼的に女性たちの相手をしているが、瞳は他の男と親しげに語らうライナス・ラドクリフをとらえていた。ロバートとライナスは幼馴染みの親友同士だが、時折ベッドを共にする仲。夜ごと男から男へと渡り歩くライナスに、ついに限界を超えたロバートはこう提案する。「俺たち、本物の恋人になろう」意外にもライナスの答えは……!?十九世紀初頭の英国摂政時代を舞台としたM/Mロマンス、読みやすい『超訳』で登場!

作品情報

作品名
親友の行方
著者
鳩村衣杏 
イラスト
高崎ぼすこ 
原作
アヴァ・マーチ 
媒体
小説
出版社
ハーレクイン
レーベル
ハーレクイン・ラブシック
発売日
ISBN
9784596744371
3

(10)

(0)

萌々

(3)

(4)

中立

(3)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
27
評価数
10
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数4

なんともまぁ、焦れったい

早い段階で両思いなのは発覚していますが、『親友』という関係にとらわれなかなかくっつかない二人のお話です。

『親友』
このキーワード、なかなかにやっかいだと思うんです。
ありきたりなセリフを使うと、恋人は別れが来るかもしれないけれど、親友なら一生そばにいられるだろ?的な。

大事だから、愛してるから、親友というポジションを捨てれないライナスの葛藤。
そして親友では満足できず押せ押せモードのロバート。
片方は頑なだわもう片方は突っ走りすぎだわで微妙にズレてしまい、ジレジレ~ジレジレ~なのです。

親友といいながらもやるこたやってる二人なので、そのラインも曖昧なんですが、むしろだからこそ余計にうまくまとまらない原因だったんじゃないかなぁ…。

ぼすこさんの絵は相変わらず美しい…。
もっと男らしい体つきでもよかったとは思いますが、抵抗なく見れる(読める)ものを考えると、ぼすこさんの絵は当たりだと思います。

作中では一応受け攻めは固定されていましたが、リバ要素も匂わせているところが妄想を掻き立てるw
ロバートが受けてるところをちょぉっと覗いてみたくなりました。

0

一味違う両片想いモノ

19世紀のロンドン。
社交界で様々な女性と浮き名を流すロバート(攻め・28歳)は、男色家の親友・ライナス(受け・28歳)に密かに片想いしており…

攻め受け両視点あるため、ライナスもロバートのことが好きだということは比較的早く判明します。
しかもこの二人、15歳で戯れに一線を越えて以来身体の関係もあり、あとはもう告白待ちみたいなハードルの低さ。

しかしライナスが頑なにロバートの告白を拒むため、身体の関係はあれど中々くっつきません。
ライナスは、女好きのロバートが自分だけのものになる筈はない、結婚できない男同士が長続きする訳がないと思い込み、別れるくらいなら親友のままでいたいと思っています。

そんなライナスとロバートとのめくるめく駆け引き&ディスカッションがいかにも欧米的で面白いです。
ロバートは言葉を尽くしてライナスを説得し、ライナスはライナスでロバートの気持ちを試すため、あえてつれなくして様子を窺う。
簡単にはほだされないライナスの冷静さに好感が持てました。

絡みは挿入以外も含めると4回ほどあり、なかなか男臭くエロティックです。
ロバートを犯したい願望もあるライナスが、ロバートに「お前に犯されたい」と請われ興奮するシーンが特に秀逸でした。
これはロバートの罠で、挿入直前で逆転されてしまうのですが、それでも後孔を舐め先端をあてがうところまではいくのでなかなかドキドキさせられました。
攻めがここまでやられるBLは日本ではなかなかお目にかかれないのではないでしょうか。

ストーリーとしてはそう捻りはないのですが、ロジカルな会話シーンと情熱的なベッドシーンとのメリハリが効いていて楽しめました。

挿絵は高崎ぼすこさん。
綺麗な絵ですがやや線が細く、長身男前同士という設定にはあまり合っていないような?
ライナスの方がロバートより小柄で、ロバートも筋肉が足りず、個人的にはちょっとイメージと違いました。
表紙絵は文句なしに美しくて好きです☆

6

翻訳小説初級編という印象

舞台は19世紀初頭、Regency eraのロンドン、
幼い頃から親友同士、今はロンドンで隣同士に住むともに28歳の二人、
ロバート・アンダーソンとライナス・ラドクリフ。

彼らは、服も使用人も、時にはベッドも共有しながら暮らしている。
互いを求めることもあるが、
ロバートは女性を渡り歩き、ライナスは男と寝ている。
やがてロバートの嫉妬が募り、
ライナスが男と消えて行くのが耐えられなくなり……。


美しい表紙、魅力的な雰囲気、と期待しながら読み始めたのだが
全体としてはあっさり薄味の話だった。
まぁ、この厚さだったら致し方ないのだろうか……。

話は最初からお互い思い合っているのが分かる二人の
駆け引きといったところ。
特に大きな波乱もなく終始する。

筋自体というより、二人の視点が交互に語られる作りや
いかにも外国物らしい描写ややり取りが面白い。
ロバートが受け身に誘惑しておいていざとなると逆転!
というシーンは他で見たことがなく面白かったが、
駆け引きとしてだけではなく、リバもあれば良かった。

ライナスの怖れと屈折は、個人的には好みのはずなんだが、
いまひとつ切なさに結びつかなかったのは、なんでだろう……?
(ライナス→毛布と条件反射で思ってしまうせい?……冗談ですがw)


ぽすこさんの絵は雰囲気があって美しいが、
M/Mと言っていいこの物語の感じからすると
線が細くてちょっとBLBL過ぎる印象。
翻訳も柔らかく、それがBL読者にとっては馴染みやすいと感じるか
物足りないと感じるか、それは人によって受け取り方が様々か。
個人的には後者です。


『Brook Street』三部作の一作らしいのだが
他の作品も出るのかな?
http://www.audible.com/pd/Erotica-Sexuality/Brook-Street-Rogues-Audiobook/B00803A84C

2

焦れったい両片思い

超訳作品を読むのは二度目です。以前読んだ作品は文体が軽すぎて合わなかったのですが、こちらは大丈夫でした!超訳を担当した鳩村先生は原作の空気を壊さないよう慎重に作業されたとのこと。クセがなくて読みやすかったです。

幼馴染の親友、ライナスを恋人にしたいロバート。ロバートが好きだからこそ、別れの訪れる恋人関係よりも、ずっと側にいられる友人関係のままでいたいライナス。という両片思いの二人。
交互に視点を変える書き方がうまいなぁ~と思いました。お互いの気持ちを知ってる分、読み手側は焦れったい事この上ない!(笑)

ただ、なにか事件が起こったり、派手な展開があるお話ではないので少し物足りなかったかな…。
140ページという短さながら、キレイにまとまってるし、濡れ場シーンも多め。さらっと読める良作ではあるのですが。

アヴァ・マーチさんの作品は別レーベルからも一冊出ていて、同じく19世紀ロンドンが舞台で貴族のお話。世界観と雰囲気が似てるので、気に入った方はこちらもオススメ。

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