黒曜の災厄は愛を導く

kokuyou no yakusai wa ai wo michobiku

黒曜の災厄は愛を導く
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神18
  • 萌×222
  • 萌8
  • 中立1
  • しゅみじゃない3

153

レビュー数
12
得点
203
評価数
52件
平均
4 / 5
神率
34.6%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
シリーズ
リンクスロマンス(小説・幻冬舎コミックス)
発売日
価格
¥870(税抜)  
ISBN
9784344834668

あらすじ

※6/30→7/31→8/31発売日変更になりました。

黒髪・黒曜の秋人は友人の巻き添えで異世界に飛ばされてしまう。そこで殺されそうになったところをレンドルフに助けられ…。

表題作黒曜の災厄は愛を導く

レンドルフ,アヴァロニス王国の王候補の一人、28歳
鈴木秋人,異世界にトリップした高校生

その他の収録作品

  • あとがき

評価・レビューする

レビュー投稿数12

なぜサンショウウオ?

異世界トリップもの大好き、六青先生大好きなんだけど
受けさんがエライ目に遭わされる作品が何回かあって、
今回もドキドキしてたら、
ちょっと違う系統でエライ目に遭わされてました。
しかも複数回。
ちょっと痛すぎて、萌2にもできず(泣)

いたってふつーな高校生(もともと ひがみ癖あり)なんで
そんなエラい目にあって、よく耐えられたねえ、あんた神レベルだわ
とマジで思いました。

途中参戦した クロのおかげで耐えられたんでしょうか?
しかしですよ、どう見てもサンショウウオ(=クロ)でしょ?
異世界で追い込まれると、サンショウウオ、肩に乗っけてても
OKなんでしょうか・・・・私は正直、自信ないかも・・・
投げ飛ばして 「んっ、ぎゅ」とか言わせてそう。
(鳴き声は妙に可愛い)
確かに傷口とかには効きそうではありますがね。
湿潤療法っていうの?
ウェットなタイプのばんそうこうというか・・・

冷静沈着そうな攻めさんが好きなので、
もう一冊のあほあほちゃん(笑)の
方も読んでみようと思っていますが、ぜひ先生にお聞きしたい。
なぜサンショウウオ?

3

世界観は面白い

高校生の秋人と春夏が学校帰りに穴に落ちて、異世界にトリップしてしまうというファンタジー作品でした。
最初は秋人と春夏のお話かと思っていたのですが違くて、秋人と王候補レンドルフのお話です。

設定とか世界観は面白かったです。
特に言葉が通じないまま、”たぶんこんなこと言っているんだろう”という推測で話が進んでいくところは、斬新で驚かされました。

ただ、かなり後半まで秋人がひとりで困難に立ち向かうサバイバルストーリー中心でBL色は少なかった気がします。
後半は急展開かつ詰め込んだ感があったのも、少々物足りなく思えて残念でした。
クロは可愛かった。

2

面白いのだけれど、もっとじっくり描けばいいのに!

ある日突然、複雑なコンプレックスを抱くハルカの巻き添えで
異界に飛ばされた、高校生アキト。
そこでもまた、ハルカは神子としてかしずかれ、
自分は厄災として迫害されるという運命が待っていた。

唯一自分を庇ってくれる、4人の王候補の一人レンドルフ。
しかし、彼の元も離れなくてはならなくなり、
一人命の危険と隣り合わせの日々を生きる……


この物語の設定の面白いところは、全く言葉が分からないところ。
神子のハルトは神の水というマジカルな道具で
苦労せずに言葉が分かるようになるが、
アキトにとってはリピートも難しい意味不明な音の連なり。
そして、読者にとってもまたアキト同様異界の人々の言葉は
全く分からないまま物語は進んで行く。

やがて殺される寸前でレンドルフに救い出され、
瀕死の身を救う為に彼の体液が必要ということで……
柔らかな眼差しで自分を気遣うレンドルフに惹かれていくアキトだが、
誰にでも優しいレンドルフにとっては、治療でしかない。


主人公二人のキャラクターも、アキトに救い出され
共に旅する真っ黒なオオサンショウウオのようなクロ続きはなんとも可愛らしく、
白い神に支配された異世界の雰囲気も
虐げられた民の集落の様子も、とても魅力的。

が、これだけの設定だったら、上下巻にしてじっくり描けばよかったのに
全体に駆け足で、特に最後二人の気持ちが通じあってからもバタバタなのが
物足りないのがとても残念。


表裏になるハルカ視点&レンドルフの『金緑の神子と神殺しの王』が刊行され
(とりあえず目下上巻だけ、下巻は今月2016,9末に発売予定!)
補足される部分も多いと思われるが、
全部揃ってみると、また印象は違うだろうか……さて。

2

言葉が通じない異世界トリップなんて!!

アキが幸せになって良かった!!読後の感想はもう本当にこれ(笑)

学校からの帰り道に友人と一緒に異世界トリップ。
そこで友人のハルカは神子として尊ばれるけど、アキは迫害の対象。しかも、見つかれば殺される程の忌み嫌われよう。
そんな世界で唯一親身にしてくれるレンドルフに惹かれていくアキだったけれど、彼はハルカの伴侶候補のうちの一人で・・・という物語です。

BLを目的に読むと、ラブラブは本当に最後の最後だけなので物足りない。
冒険ものとすると、アキの目的がハルカに再会して元の世界に戻ることや隠れ里で平和にひっそりと暮らすことだったりするので、壮大なドキドキ感を求めてしまって物足りないのだと思います。
だけど、私はこの作品好きです!
アキが本当に愛しい!!
元の世界でもトリップ先の異世界でも、頑張らなきゃいけない運命のアキ・・・そのアキが人間臭くていいんです!
自分より恵まれていると感じるハルカをちゃんと羨むし、迫害されれば心も荒むし、マイナス思考で不安に揺れます。
だけど、アキは強い!自分の中にちゃんと譲れない一線を持っていて、一瞬迷ってもちゃんと踏み止まれるんで続きす。すごくいい子で、レンドルフがアキに惚れるのも納得です。
アキがレンドルフと幸せになってくれて、居場所だと思えるところが見つかって、しかも言葉もちゃんと通じるようになって良かった!
まったく言葉が通じない二人に、言葉が通じない分は気持ちで通じ合っているような温かさを感じて萌えていたので、少しだけ残念だけれど・・・だけど!きっとレンドルフならアキの不安を吹き飛ばすだけの甘い言葉を沢山告げてくれると思うので、きっと良かったんだと思います!!

3

ラブが少ないからか、攻めが地味なのか?

異世界トリップ物、ファンタジー大好きです。
六青さんの前回読んだ「輪廻の花」が私の萌ツボにドンピシャだったので今作もめちゃめちゃ楽しみにしていました。

設定は面白くてワクワク感があり、ストーリーも二段組みながらあっという間に読み終えてしまいます。

物語のキーポイントとして出てくるクロもめちゃくちゃ可愛くて癒しもあるのですが、レンドルフ(攻)に今ひとつ魅力が感じられないのが残念でした。

秋人(受)は、地味ながら(別に主役が美少年でなければならないのじゃなくて)育ってきた生い立ちや環境も可哀想、異世界に飛ばされてからも、一緒にトリップしたもう一人の春夏は言葉もわかるし神子として大事にされるのに、秋人は災厄の導き手でこれでもかと危ない目に合うし、秋人の拠り所のレンドルフも春夏の伴侶候補であったり、何かを一つするにも苦労の連続…でも一生懸命どうにかして生き延びるために考え行動する心根はやさしい男の子。
色々と細かい設定で魅力的に書かれていました。
でも不憫と言うより、暴力的に痛すぎて…その点が駄目でしたが。

レンドルフは他の方も書いてありましたが、あまり出てきませ続きん。
秋人のピンチの時には結構都合よく出てくるのですが、言葉が通じないので印象も薄いし、考えていることもわからない。
しかもイラストも地味で想像してもあまり萌えられないし…

最後の最後で主役二人の会話が成り立つようになるのですが、このあたりからようやくレンドルフが強気で魅力的になってくるのですが、
もう少し早くから意思疎通がもっとスムーズになって、二人のラブと出来上がった後のいちゃいちゃがもっと読みたかったです。

ファンタジー好きなので、ストーリー的にはすごく好みで色々萌えるようなシチュエーションとかもあるのですが、ラブが少ないからか、言葉が通じないからか、レンドルフが地味で印象が薄いからか、どちらの原因なのかははっきりしないのですが、思ったより萌えられませんでした。

次作は春夏が主役だそうですが、できれば秋人とレンドルフを存分に出して、今回足りない部分を読ませて頂きたいです。


4

良質なファンタジーでもなければ、BLでもない

内容は他のレビューで詳しく書かれているので割愛しますが、とにかくまるまる1冊が前フリのような内容で読んでいてとても疲れました。

恐らく、物語全体に圧倒的に“会話”がない事が要因だと思います。

異世界トリップなので、現地の人と言葉が通じない。
一緒にトリップしたもう一人の主人公の少年は、少し頭が足りないので会話の内容が主人公の脳内で要約される。
唯一意思疎通できるのはトカゲですが、きゅうきゅうしか言わないので、これもまた主人公の一人語りになっている。

主人公が可哀想な目に会うのが十八番な先生ですが、今回はそれを救う甘いシーンが少ないのも要因だと思います。
だって会話が通じないから、せっかくの甘いシーンも主人公のマイナス思考のおかげで幸せに浸れないです。

また、攻めはもう一人の少年のお世話で忙しいので、物語のうち半分くらい出てこないです。主人公は攻めが何をしているか知れる立場にいないので、読者の私たちも何も分かりません。

異世界のルールを主人公が知らないから、読者の私たちもなんだかわからないまま為すがまま急に「生きる為に精液が必要」だの「神の水は飲めなか続きったけどトカゲのおかげで飲んでいい事になった」とか言われてご都合主義にしか聞こえない。
どこかでみたことのある設定のファンタジーに無理やりBL要素をぶっ込んできた感じ。きゅうきゅう鳴くトカゲとのやりとりも少しあざとく感じてしまいます。
異世界の言葉についての説明もいくつかありましたが、正直言ってしまうと知りたいのはそんなことではない、とつっこんでしまいたい。

シリーズものなので、次回作は一緒にトリップした少年の話の話になるとのことですが、そちらの少年のほうが言葉が通じて会話が成立するので世界観に浸れると思います。

とにかく次回作の前振りだと言われても仕方が無い内容でどのキャラクターにも惹かれるものがありませんでした。

6

異世界難度E

異世界トリップもの。異世界の騎士×日本人高校生。
一緒にトリップした友達が選ばれし神子で、主人公はオマケどころか忌まわしい存在として忌避される、という展開です。
まったく同じ展開の『妖精王と二人の花嫁』(秋山みち花)を最近読みましたが、そっちは受けが不憫で読んでて不快だったけど、こっちは許せました。こっちの受けくんのほうがはるかにひどい目に遭ってるんですが、あっちと違って、攻めが最初から受けくんに好意を持って接してくれているのが大きかったかな。『妖精王と~』は攻めにも邪険にされてましたから。

それはさておき、異世界トリップBL大好きでいろいろ読んでますが、なぜか言葉は通じるナンチャッテ異世界が多い中、この作品はまったく受けくんの言葉が通じません。異世界難度が非常に高いです。神子に選ばれた友達のほうは通じるため一緒にいるときは通訳してもらえるけど、受けくんが拉致られ一ヶ月以上さまよったときなんか、言葉が通じないどころか自分を黒髪黒瞳の忌まわしき存在として排除しようとする世界で1人。
もーほんと大変で、可哀相で、うるっとしました。受けくんが打たれ弱いくせにたくましく、異世界で生続きき抜こうと頑張ってくれるので、応援しながら読めました。
きっと今後は、現代の知恵をたくましく役立てつつ、攻めのもとで活躍してくれるにちがいない、と思いました。

シリーズもの一発目で、次回は神子に選ばれた友達のほうが主役のスピンオフが出るらしいです。
友達神子がおバカすぎてやや心配ですが、そっちも楽しみです。

5

あーちゃん2016

はるぽん様
ご快諾いただきありがとうございますー\(^_^)/
嬉しい!

私も当作品の異世界では生き残れません。too hardっす。
行くなら もうちょっとあまあまの別異世界探そう・・・

はるぽん

あーちゃんさま。
どうぞどうぞ!
レビューを書くようになってから使い始めたのですが、我ながら使い勝手のいい言葉です。(笑)

難度低めの異世界なら私も行ってみたいけど、この作品に出てくる異世界には絶対行きたくないなーと思います。私には生き残れそうにない…。

あーちゃん2016

はるぽん様
こんにちは。
異世界難度 という言葉、ナイスです。
はるぽん様のおつくりになられた用語でしょうか?
すいません、私にも使用許可いただきたく(笑)
なにとぞ使用許諾の旨、ご検討お願いいたします~

上下巻にしてもよかったんですよ?

延期に次ぐ延期となり、首がキリンどころかろくろ首になってたんですが、ようやく!!
届いてびっくり2段組は平常運転として、このみっちり感、そして行数改行ギリギリ!
大興奮で読み始めたら、もうあっという間でした。

大まかな内容はあらすじの通りですが、今回はいつもの六青さんとは少し違い、受が不憫なのには変わりないのに健気じゃない。
ある意味健気ではあるんですが、他人を妬むという人間として当たり前の感情を持った、普通の子です。
ちょっとひねた所はあるけども、心根は素直で優しい、勇気のあるまっすぐな子。
人間くさくて大好きになりました。

で、中身についてですが、誰からも必要とされていない受が、自分の持っていないものを全てその手に収めていく友人を横目に見ながらグギギギギギ…………!!!!!
友人は天真爛漫で少し無神経な子。その子は神の神子で王を選定する者として大切にされているのに、自分はといえば友人を助けるために異世界トリップに巻き込まれた挙げ句、忌み嫌われる容姿を持つが故に迫害されます。
最大級の災難により流転を余儀なくされた受は、その途中で自分と同じような黒い見た目で続きあることから、こどもたちに虐められていたトカゲ(みたいな山椒魚みたいな)を助けます。
紆余曲折あって、攻に救い出されるんですが、まぁ、その不憫具合ときたら、歴代ひどい目に遭ってきた受の中でも上位に食い込むレベルでした。
おきまりな強○ンはないので、初心者向けマイルド仕様ですが、別方向に痛々しい(喜)

そんな中で唯一自分を匿ってくれた攻に徐々に惹かれてゆくのですが、受は異世界からきた人間だけが掛かる病に侵され、それを治すためには攻の体液が必要だと(笑)
いやー……もうね、言葉が通じない相手でやりとりが非常にもどかしいのですが、こっからの二人の誤解とすれ違いにやきもきすることといったら!
最後の最後までまともな意思疎通が出来ないという、BL的に非常に珍しいパターン。
誰が見たって攻が受に惹かれていってるのはバレバレなのに、頭は良いのに初な受の鈍感なこと。あー、もう、もどかしい!
結局はこの世界の創世神話により、受の救ったトカゲが実は……という展開からのシンデレラストーリー……。
で片付くならいいんですが、この話、本当に9割9分9厘、意思疎通が出来ないんですよ。
残りの1厘でお互いに言葉を理解し合っての桃色シーンに突入したのはいいんですが、あとがきでも六青さんがおっしゃってる通り、そこから!!!
そこからのラブいちゃがもっとっ!もっと読みたいんですけど!!!
というところで終幕し、軽く悶絶しました。
最後の最後に攻の年齢も発覚し、その年の差にさらに萌が大爆発。
是非薄い本でラブ補完をお願いしたいところ……。
褌の描写があれば、神にしてたと思います。楽しみにしてたのに!

そして次回は、巻き添えを食らった受の友人の話です。
今回は初心者向けっぽい感じでしたが、何だか次回は来そうな気がぷんぷんしますよー。
天真爛漫な友人が、受を気遣う嘘をついたように、笑顔の裏に隠した凄惨不憫を期待してます。
某ふしぎな遊びな少女漫画と、某十二の国の小説が好きな方だと、結構楽しめると思います。

余談ですが、私は爬虫類系や両生類系は大の苦手なんですが、こんなに萌えるとは思いませんでした。死ぬほど可愛いです。

8

あとがきと全く同じ気持ちになりました

受けがどんな酷い目に合うんだろう…とドキドキしながら読みました(苦笑)。やっぱり今回も、可哀想な境遇に一生懸命頑張る受けに泣かされました。

昔から劣等感を抱いていた相手と一緒に異世界に飛ばされて、そこでも自分だけ蔑ろ(というか災いの対象)にされる…、これだけでもう泣けます。おまけに、そのチヤホヤされて大事にされてる相手に、「これでも辛いんだ」なんて言われたらグレたくなる気持ちも分かります。だって、何度も殺されそうになるし、骨は折られるし(ここの描写は読んでて辛かったです)。
それでも、自分のできることに前向きで、時には嫉妬心や葛藤と戦いながら、頑張る秋人にキュンキュンしました。
そんな中で、攻めのレンドルフだけは優しくしてくれて、ピンチの時に颯爽と現れるのが萌えます。ただ、友達の春夏ともエッチしてたのかと思うとモヤモヤしたけど…(病気を治すためやしきたりのためでも)。
その秋人が実は…は展開になった時には、今までの苦労が報われたようで嬉しかったです。
焦らされた分、誤解が解けてやっと本当の意味で結ばれた時もニヤニヤが止まらなかったし。
だけど、あとがきに「読者の声が聞こ続きえそうです」とあったように、もっとイチャラブが読みたかったです。秋人が実は…な、その後の世界も見たかったし。次の春夏編では読めるのかなと、期待したいと思います。
ちなみに、山椒魚もどきのクロが気に入って、秋人とのやり取りが可愛くて悶えました。

10

翻訳機能が欲しい!

子供は無力だ。
無力だから受け入れるしかない。
辛い事実も受け入れる。
同じ境遇なのに自分より何もかも、ことあるごとに恵まれている子がいる現実を受け入れる。
でもどうしたって理不尽でやりきれないから妬む心が生まれる。

今回の受けの秋人は、六青さんの作品によく登場する小公女○ーラ風の不幸だけれど健気で心根が純粋のタイプとちょっと違います。
身寄りの無い母子二人だけの家に育つも幼い頃に母親が他界。そして父親だと思っていた人に自分の子供じゃない、それはDNA鑑定してわかったこと、だから育てる義務はないと言われ施設で生活することになります。
そこで出会ったのが次回作の主役予定の春夏。
この子は金髪碧眼の天然系。たくさん大変なことがあるのだろうけどこの子の人柄というのか人徳で何とかなってしまう子。
秋人は常に心の中でこの子と自分とを比べてしまいます。
施設から春夏だけ資産家の家に養子に入れたこと。
自分が必死で奨学金を貰い通っている学校で、勉強の出来ない春夏がのほほんといること。
異世界トリップしてもその容姿で優遇される春夏と、迫害される自分。
レンドルフが秋人の置続きかれる状況を心配し、安心できる場所を提供してくれても、どうしてもその容姿のために迫害を受けて殺されそうになる。
逃げている時、幼い子供が暴力を受けていたのを見るに見かねて助けたのに自分の姿を見たとたんに周りの大人だけでなく、助けた子供からも侮蔑の眼差しを受ける。
迫害を受けるから、一人隠れながら生きる日々。
生きていくために野菜を盗む、ナイフを盗む、楽器を盗む。
ずっとそんなこと駄目って教えられてきたけど、こうしなければ生きていけないのです。
しかしそんな隠れて逃げていくことなんて続かず、自分の姿が人目に晒されてしまう時が来ます。
大勢の人たちからの身体中への暴力、足を折られても止まず処刑台に頭を押さえつけられる。
そこにレンドルフが助けに来てくれて、その先には神子として綺麗な衣装に身を包み、いい暮らしをしているように見える春夏がいるのです。

自分とのあまりの違いを見せ付けられて、秋人は「お前はいいよな」と思わずにはいられません。
昔から選ばれるのは春夏。
いい暮らしをするのは春夏。
どこにいても居場所が無い自分。

世界が変えられる様でいて変えられない。
本当は変えられるかもしれないけど、その知識はない。
また別の知識はあるけど、それがどれだけ狭い世界でのことなのか分らない。

本当!!秋人にとって救いといったらレンドルフだけなんですよ。
なのにレンドルフは春夏の伴侶となる王候補の一人。
おまけに春夏から色々聞かされてしまうし。
悪気は無いのがこの子のこの子たるところで。

秋人、辛いだろうな、苦しいだろうなと思う。
手に入りそうな求めていた幸せが目の前で消えてしまうことばかりで。
でも、秋人が見ようとしないところにはそれが望みじゃないけれど、今まで得られなかった幸せが転がっていたりする。

ああ、レンドルフが秋人に何て言っているのか知りたい箇所が多すぎる!
展望台の上で秋人の額にレンドルフは何て書いたのだろう。
助けた子供にさえ、侮蔑の眼差しを受けて心が折れた秋人にレンドルフの言った言葉が知りたい。
瀕死の状態の秋人を救った時に秋人に掛けた言葉が知りたい。

続編は春夏が主人公ですが、それよりもこちらのレンドルフ視点で何て言っていたのか裏話が読みたいです!

8

待ちに待った新刊!

六青みつみ先生の新刊でした。
リンクスは月末発売なので毎回待ち遠しいです。
今回の作品は延期に次ぐ延期で…。

主人公の受けは神子として選ばれた親友の巻き添えをくらって異世界へトリップしてしまいます。
そこで追い剥ぎ?に襲われているところを助けられますが、神子である親友はとても丁重に扱われます。
しかし受けは黒髪黒目の見た目から忌み嫌われ、迫害を受けます。
ただ一人、攻めからだけは優しくして貰えましたが、攻めも実は神子を伴侶に出来る王候補の1人。
たまたま神子と一緒にきてさらに同情から優しくしてくれるのかと落胆する受けですが、さらに彼が自分と同じような境遇の人間を訳あって助けていると知り、またまたがっくりします。

まぁ攻めの受けに対する好き好きビームが溢れ出ているので気持ちは読者にバレバレですし、最終的にハッピーエンドになるのは分かっているのでサクサクと最後まで読みますが(笑)
受けは異世界トリップする前の世界でも児童養護施設で育ち、父親にも捨てられ(理由ありますが)誰からも愛されない、一番になれないと思っているので(これは六青作品のお約束みたいなもの)ちょっと続きでも攻めが神子である親友と親しげな素振りをみせると心が不安定になります(笑)

ほんとによく襲われる(攻撃系で)作品ですが、攻めが毎度丁度良いタイミングで助けに来てくれるので安心です(笑)
最後の神のシーンはご都合主義的な匂いがある気がしましたが、受けの今までの境遇があるだけに「良かったね…」と言ったところです。
それにしても親友の神子…、アホの子過ぎる気が…。
親友神子と王のスピンオフも是非期待してます!

まとめると、六青みつみ先生が好きなので絶対買いますが、号泣するほどでは無かったです。
ただ程よく切なげなので、涙もろい方は泣ける作品かと思います。
あと可愛い生き物が出てきて始終可愛いです。
ただ攻めは正体を知っているのに投げたのか…、とは思いましたが(笑)
エロ要素はそんなに無いですが、思いが通じあってからのシーンはあります。
思いが通じあった二人をもう少し見たかったような…。

異世界の方は結局最初から最後まで異世界語?の様な文字で話されていて、「書くの大変そうだな…。『』じゃダメだったのだろうか…」とあらぬ心配をしてしまいました!(笑)

5

ヤキモキ不足のファーストステップ?

久々に手に取りました、六青作品。
ちなみに、手に取る時点で期待するキーワードがありませんか?

”ファンタジー”なのはもちろんですが、”健気”、”誤解”、”理不尽”…
「これでもか!」というほど、受けが無体な目にあい、攻めとの行き違いにドギマギし、両思いになってもトラウマに悩まされ、ようやく最後は幸せに…。
展開は定番といえど、その世界に無限の広がりがあることろが六青作品の魅力かと思います。
ですが、残念ながら、本作はパンチ不足。

主人公のアキは友人の春夏といっしょに、突如、異世界・アヴァロニス王国にトリップしてしまいます。
4人の候補のなかから王を選ぶ『神子』として大切にあつかわれる春夏。
黒髪黒目の外見ゆえに『災厄の導き手』として忌み嫌われ、言葉もわからないアキ。
王候補のひとりであるレンドルフだけが、アキに優しく接してくれるのですが、王=神子の伴侶となる身。
その容姿と、言葉が通じないことが、アキの境遇をより困難なものにしていきます。

アキは特別美人でも健気でもなく、どちらかというと理知的で気持ちを内におさえこむタイプ。
理不尽な境遇に育ち、春夏続きに嫉妬めいた気持ちを抱きつつも、黒く染まらないところが、読んでてて安心します…
そして、攻めのレンドルフも誠実で落ち着いたタイプ…レンドルフ自身が裏切ったり、誰かに陥れられることもないので安心!
…って、ん?安心して読める作品でいいのか?
六青作品にもっとも期待するところ…それはヒヤヒヤ、ヤキモキでしょうが!それって、私だけ??
(ご本人もあとがきに”無体なし”なので、安心して読める、といったことを書かれていますが…)

キャラクターも押さえぎみで、お話も場面はいろいろ盛り込まれてはいるのですが平坦。
とくに春夏へのコンプレックスや嫉妬で、アキ自身がもっと嫌な人間になったり、自己葛藤する部分があってもいいんじゃないかな、と。
(ここは『十二国記』の陽子ばりにやさぐれて欲しかった)

六青作品の魅力のもうひとつといえば、だれもが主人公になれるだけのストーリーがあること。次回作は、春夏が主人公だそうです。
公平と不平等、幸福と不遇、正義と不義…それはその人間の立ち位置によって変わり、視点を変えることで独自のファンタジー世界に厚みを持たせていく六青先生。

きっと本作がパンチ不足なのは、シリーズのファーストステップだからでしょう。六青さん初心者にはライトに読めるかと思います。

9

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