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とにかく主人公の受けの秋人の境遇が厳しい!
あらすじとしては、よくある(?)なろう系小説で流行っているような感じの「異世界に召喚されたけれども、召喚されたのは友人の方で自分は望まれていないどころか厄介者でした」みたいな。
元の世界でも受けは母子家庭で幼いころに母が病死し、養護施設で育っていて、そして「お前はいらない」と言われていると感じながら育った子です。成績優秀、音楽の才能もあって本人も自分の力でいい大学に入っていい会社に入って…と思っている努力家で賢い15歳の男の子です。
異世界の神子として召喚されたのは養護施設で一緒に半年ほど育ち、秋人が面倒をみていた春夏、ぽやーっとした見目のいい男の子です。この子はこの子でいろいろあるようなのですが、秋人からしてみれば、養護施設に父親が迎えに来てくれた上、資産家の息子になって、うらやましい存在の男の子です。
異世界にきても、春夏は神子として大事にされて、自分は災厄を呼ぶものとして蔑まれー…という胸がえぐられる展開です。
嫌われるとかいう生半可さじゃなくて、まじで命の危機の連続で、サバイバル生活を余儀なくされるので、ウワーつらい…となりました。でも賢くて強くて優しい男の子なのでちゃんと一人で生きるんですよね、すごい…。つらい思い、痛い思いをしながらも生きていく受けのことがどんどん好きになります。
攻めは神子が選ぶ王候補の4人のうちの一人です。冷静で落ち着いていて、最初から秋人に優しくて守ろうとしてくれるこの作品の良心みたいな男です。ただ、春夏がこの攻めを王に選ぶかも…と思って受けはグラグラ揺れて…切ない思いをしたりするので、春夏にはムカついちゃいますね。
この作品の面白いなーと思ったのは、異世界から来た人間は神の水を飲まないと言葉が通じないという設定で、8割言葉が通じない中で攻めと受けがやりとりします。キスも性行も最初は言葉が通じない中で必要にせまられて行っているので、なんか切ないけど萌えます。この本の対になっている攻め目線の本では受けの言葉が伏せられて攻めが何を言っているのかわかるので、この本の次に読むとなるほどー!!になって面白さ倍です。対の本は説明臭さも若干増えるので、個人的には1冊目だけでも十分面白いですが、せっかくなので攻め編も読むべきかと。私は攻め目線の黒曜に導かれて~の本が出てからこの本を読んだのでストレス皆無でしたが、皆さんずっと発刊を待たれていたようで…それはほんとに待ち遠しいことだったろうなぁと思います。
神子の本は春夏にムカついちゃう気がして、私は読んでません。秋人のことが書かれているのなら、ちょっとよみたいな~とは思うのですが…。
とにかく、こんなに胸が締め付けられる話は久々だったので、かなり良かったです。攻めとクロと一緒に幸せになれる話でよかった!
異世界トリップファンタジーですね。長かった!
しかも主人公は巻き込まれてトリップしたモブだという。
もう主人公が可哀想で気の毒で辛くて、これでもかとひどい目にあって、何度も先のページを確認したくなりました。
黒髪黒瞳というだけで迫害され生き延びる為に葛藤しながら盗みをしたり野山で野宿したり殺されかけたり。
そして共にトリップした正反対の境遇の春夏に私も何度嫉妬を抱いたか。
秋人のレンドルフに対する恋情が切なくて。でも思い込み激しすぎでは?一言誰かに王は誰になったか確認すれば良かったのでは?
言葉が通じるようになってからは怒濤の甘々展開でしたね。レンドルフが饒舌です。
レンドルフに愛されていて本当に良かったね!
そしてクロちゃんの正体にびっくり!いい可愛いキャラで唯一の秋人の味方と思っていたらなんと!
秋人も自分で異世界に居場所と運命を切り開いたのですね。
続編では春夏の物語なようですね。壮大ですね。
もう元の世界に戻れないので二人とも開き直って幸せになってほしいです。
早速黒曜に導かれて…の方もポチりました。レンドルフ視点読みたい!
BL異世界トリップのジャンルでは出色の作といっていいと思います
これ1作ではなく、関連4作で。
きっと繰り返し、お話からお話へ、場面から場面へ、駆け巡るように読み返したくなります。言葉と心を追って。
シリーズや関連作品というか、これはほぼ同じ物語を誰の視点で語るか
というのと、あのとき彼は何と言ったのか、どう思っていたのか
を楽しむ作品群だと思うので、通しての感想を1作目に書きます
つい最近一気に読んだ自分は幸運だったようです
1 黒曜の災厄は愛を導く 2015年8月31日
2 金緑の神子と神殺しの王 2016年5月27日
3 金緑の神子と神殺しの王 2 2016年12月28日
4 黒曜に導かれて愛を見つけた男の話 2018年3月29日
作者による推奨順は1423とのことで、直前に知ったのでそのとおり読みましたが、刊行順でもとくに問題はないと思います
順番を気にするなら、4を最初に読むのでさえなければ…
これが刊行順にナンバリングしてあれば読者が判断できるわけで、
出版側の都合で読者には不親切です
よくあることであり、思惑があるのでしょうが、
手にとってくれた読者の不興を買っては逆効果なのではないかと
似たようなことがあるたび、思っています
閑話休題
長く不安が続く1作目から、べつの視点で読みすすむうち、作家が神的な操り人形を舞台上部から動かす図が脳裏に浮かびましたが、
もっと閉じた小さな空間がふさわしいものでした
物語は、神の箱庭の入れ子のようになっていて、
作中にも象徴的なものがあります
作家の心象風景のようで、美しい
言葉が通じないということ、じっさいにも、本質的にも
だからこそ解りたいと思い、通じればこんなにも嬉しく、
でも伝わらない、わからないから、誤解や思い込みはすれ違いを生む
そしてあきらめてしまう…
しかしそこで終わらせないタフな攻めさんたちのおかげで、受けさんたちの幸せが待っているわけですが
これ、まさしく「心」のお話なんだと思います
「目に見えず、触れることもできず、あったりなかったり、(中略)時々、すべてに打ち克つ力になる。」(「あなたの言葉を辞書に載せよう。」(大辞泉))
心を決めたら人は強いね
はじめにほぼ同じ物語と書きましたが、各編で付け加えられているパートが胸にこたえます
そして後日談に興味がわきます。とくにはじめのカップル
薄い本を待ってみようかな…
ところで異世界で言葉が通じない恐ろしさというと、わたしはまず「十二国記」第一作で陽子が老人と話す場面を思い出します
あのキツイ物語で一番怖かったー
異世界トリップもの大好き、六青先生大好きなんだけど
受けさんがエライ目に遭わされる作品が何回かあって、
今回もドキドキしてたら、
ちょっと違う系統でエライ目に遭わされてました。
しかも複数回。
ちょっと痛すぎて、萌2にもできず(泣)
いたってふつーな高校生(もともと ひがみ癖あり)なんで
そんなエラい目にあって、よく耐えられたねえ、あんた神レベルだわ
とマジで思いました。
途中参戦した クロのおかげで耐えられたんでしょうか?
しかしですよ、どう見てもサンショウウオ(=クロ)でしょ?
異世界で追い込まれると、サンショウウオ、肩に乗っけてても
OKなんでしょうか・・・・私は正直、自信ないかも・・・
投げ飛ばして 「んっ、ぎゅ」とか言わせてそう。
(鳴き声は妙に可愛い)
確かに傷口とかには効きそうではありますがね。
湿潤療法っていうの?
ウェットなタイプのばんそうこうというか・・・
冷静沈着そうな攻めさんが好きなので、
もう一冊のあほあほちゃん(笑)の
方も読んでみようと思っていますが、ぜひ先生にお聞きしたい。
なぜサンショウウオ?
高校生の秋人と春夏が学校帰りに穴に落ちて、異世界にトリップしてしまうというファンタジー作品でした。
最初は秋人と春夏のお話かと思っていたのですが違くて、秋人と王候補レンドルフのお話です。
設定とか世界観は面白かったです。
特に言葉が通じないまま、”たぶんこんなこと言っているんだろう”という推測で話が進んでいくところは、斬新で驚かされました。
ただ、かなり後半まで秋人がひとりで困難に立ち向かうサバイバルストーリー中心でBL色は少なかった気がします。
後半は急展開かつ詰め込んだ感があったのも、少々物足りなく思えて残念でした。
クロは可愛かった。