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表題作愛と欲望のパライゾ

浅倉貴之,31歳,大手有名グループ企業ナンバー2
深山悠一,19歳,大学生,攻の愛人

その他の収録作品

  • あとがき 高岡ミズミ
  • あとがき 笠井あゆみ

あらすじ

3年前、両親を殺され、穏やかな日常を奪われた悠一。
事件後は、親の仇である男・浅倉の愛人に仕立てられた。
大手有名グループ企業のナンバー2である浅倉とは
弁護士だった父の仕事相手として知り合い、以前は恋心すら抱いていたのに…。
心は凍え、憎い男の腕の中で快楽に溺れる刹那だけ渇いた現実を忘れる。
そんな日常を繰り返しながら、復讐の絶好の機会を狙っているが――!?

作品情報

作品名
愛と欲望のパライゾ
著者
高岡ミズミ 
イラスト
笠井あゆみ 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
発売日
ISBN
9784796407656
3.5

(26)

(9)

萌々

(6)

(3)

中立

(5)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
5
得点
83
評価数
26
平均
3.5 / 5
神率
34.6%

レビュー投稿数5

共依存?

どんでん返しが有って、意外な結末が面白かった。
実際にありそうで興味深い。人って、複雑な生きもの。一つ心の引き出しが増えた。

朝倉グループ傘下の金融会社の顧問弁護士だった深山悠一の父
両親を目の前で殺害され、深山悠一だけは、浅倉貴之の愛人になることで救われるが、一部の記憶を失う。

浅倉貴之は、朝倉グループのナンバー2で汚れ役を担っている。
代表は朝倉の義兄, 雅佳。

結末の悠一が取った行動は、多分共依存が愛になったから。
それは、愛とは言えないかもしれないけれど、二人で生涯背負いこむ決心をしたのだから、貫いてほしい。

局面に立った時にとる追い込まれた人の判断・・意外性があって面白かった。

--
パライゾ
(〈ポルトガル〉paraiso) 
キリシタン用語で、天国。 楽園。 パラダイス。

0

ラストの展開に疑問が…

大学生の悠一(受け・19歳)は、大企業グループのNo.2・浅倉(攻め・31歳)の愛人。
3年前両親を火災事故に見せかけ惨殺され、浅倉の愛人にされて以来、復讐の機会をうかがっているが…。

悠一は、虫の息の両親の前で男たちに輪姦され、浅倉にも犯された挙げ句愛人にされたという悲惨な過去の持ち主。
復讐のため浅倉の前では従順な愛人を、学校では優等生を演じる彼は、年のわりにかなり大人びたキャラクターだと思います。
しかし身体はすっかり開発され淫乱な一面も。
復讐心と恋心との間で揺れる姿が色っぽくも切なかったです。

浅倉は、悠一を犯した過去とはおよそ結びつかない、寡黙で温厚な人物。
悠一に何を言われても怒らない、ベッドでも酷いことは一切しない紳士的な振る舞いから、3年前の出来事にも何か事情があったことは容易に察せられます。

こんな感じでCPとしてはなかなか好みな二人だったのですが、ラストの展開にやや疑問が…。
いくら初恋の相手とは言え、両親を殺した敵をそう簡単に愛せるものなのか?
せめて暫くは距離をおけばよいものを、即決で浅倉の家に戻るのも切り替え早すぎないか?

浅倉の事情はラストで明かされますが、殺したことには変わりないし、自分の立場が危うくならない範囲でしか悠一を助けてくれなかったわけで、それほど株は上がらなかったかな。
そんな浅倉を許しちゃう悠一はちょっと甘いんじゃないかな~と思ってしまいました。

笠井あゆみさんの挿絵は、いつもながら遠近法とデフォルメを駆使した躍動感ある絡み絵が見応え抜群でした。
アレ4人いる?顔どこ?等々、一度見では全体図が把握し辛い凝った構図も面白かったです。

8

納得いかない

両親を殺した仇×仇の愛人として飼われながら、いつか攻めを殺そうとしている大学生。

三年前、弁護士であった両親を殺され、犯人たちに輪○され、その後攻めにも陵辱された受けくんが、攻めの愛人として飼われる話です。
いつか仇をとろうと狙っているらしいのですが、全然狙えてません。毎回キスだけでトロトロにされちゃって、3日と空けずに抱かれ、えっこんなんで本当に仇をとろうとしてるの? と疑問になります。いくらでも機会があるのに殺そうとしない復讐ものって、「殺る殺る詐欺」みたいで読んでて個人的にイライラしちゃいます。
そして物語も終盤に近づき、急に別の仇が出現。実際に手を下したのが誰で、とどめを刺したのが誰で…という話になるのですが、攻めがまるっきり殺しに加担していなかったのならともかく、一応加担しているのに受けの心情が復讐から許容に変わるのがまったく理解できませんでした。そして攻めとの関係はそのままで、「もっと勉強して弁護士になるんだ」って言うんですが、攻めを殺すリスクより自分の将来の安泰を選んだとしか思えず、萌えないことこの上なかった。親の仇はもういいんだ…。
あと、新たに出現した親の仇にも納得がいきません。それまでは一応、悲惨な過去を持った子が仇討ちを目指して一生懸命生きてますよ~的に話が進んできたのに、急に「新たに出現した仇」のほうが悲惨な目に遭ってました、と攻めにサラッと語られちゃ。それまで構築していた「カワイソ受け」設定がダダ崩れだし、おまけにその新たな仇の行く末に至っては…。
あと、これで事件が解決、無罪放免になるなんて…。警察はもっと仕事しろよ、と思いました。

6

取り除けないもやもやが…

あーなんでしょう。
設定もお話もそこそこ好きなタイプだったのですが、ずーっともやもやしっぱなしで読みました。
胸のあたりがムカムカしましたね。

もうちょっとどこかに救いのある話だったらよかったけのに…
犯罪を許すとしてもこれはなかったかなって感じです。
同じような小説でも許せるものはあったのに今回はなぜか許せなかったです。

それぞれの人物は魅力的なところもあったので、話のもっていきかたが違っていればとっても気にいっただろうなと思われたので、残念でした。

でも、これは本当に個人個人の好みによると思うのでハマる方はハマると思います。

あっ常々、小説は冒頭が肝心!と思っているのですが、冒頭はとても惹きこまれる文章だったと思います。そこはとても気に入ってます。

3

無理でした。

ラストがどうしても無理です。
両親を攻めに殺され復讐を誓った受け。
攻めは受けの初恋の相手で愛されていたとは言え、彼が確かに両親を殺したことは間違いないのに、最後の最後は罪も償わせることなく許してしまうのは、正気を失っているのか?としか思えなかったです。
こんな子だったら復讐を誓ったりしないのでは?
両親もこれでは浮かばれないだろうなと、どうしても納得出来ず、モヤモヤした気持ちで終わりました。
虐待していたひどい親だったとか、そもそも受けが歪んでいるのだという設定であれば分かったのですが、線が一本繋がらない気持ち悪さがあります。

信頼している作家さんだけに、とても複雑です。

2

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