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表題作彼の部屋

江利融,同じビルの会社に勤める会社員,23歳
藤森温希,アパートの霊現象に苦しむ会社員,25歳

その他の収録作品

  • みんなのおうち
  • あとがき

あらすじ

霊感ゼロなリーマンが、ゲイの性悪幽霊と霊媒リーマンに毎晩狙われて!? 実力派・渡海奈穂が贈る新感覚★LOVEホラー!!

引っ越したばかりのアパートの不具合に悩んでいた藤森。
初夏なのに異様に寒く隣の声はうるさいし電化製品もすぐに壊れ、
万年睡眠不足だ。そんな折、同じビルに勤めるイケメンリーマンの江利が、
親しげに声をかけてきた。「藤森さんの部屋、出るよ。引っ越しません?」
――俺の部屋って相当ヤバイ!? 霊感ゼロだが怖がりの藤森と、
なぜか霊に慣れていて下心アリな江利の幽霊退治が始まって!?

作品情報

作品名
彼の部屋
著者
渡海奈穂 
イラスト
乃一ミクロ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199008146
3.7

(24)

(5)

萌々

(9)

(9)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
89
評価数
24
平均
3.7 / 5
神率
20.8%

レビュー投稿数4

ホラーとバカップル

引っ越したアパートの怪異現象に悩まされている受け。
恐怖と睡眠不足で日々憔悴していく中、顔見知り程度の、同じビル内にある別の会社に勤める2歳年下の江利というイケメンリーマンが「藤森さんの部屋、出るでしょ?」と話しかけてきて…という話。

受け・藤森は女顔の小綺麗なサラリーマンなのですが、体育会系のイケメンタイプに嫉妬めいた憧れを抱いてるので、理想的なイケメンの江利がうらやましすぎて苦手でした。でも部屋の怪異が霊障だとわかり、やむにやまれず部屋を見てもらい、泊まり込んでもらったりしているうちに、頼りっきりになります。
部屋に帰りたくなくなるレベルの激しい霊障です。諸事情により再度引っ越しできない受けは、攻めに「藤森さんに好意を持ってます」と言われても、自分はゲイじゃないので付き合ったり考えられないけど、泊まりに来てくれなきゃ怖いし困るのです。
で、連日泊まりに来てもらって、いろいろ助けてもらっているうちに、受けにも攻めに対する好意が芽生えてきます。でもそれって、霊から助けてもらいたいがための好意なのでは…? という葛藤が受け攻め双方に生じます。

受けの好意が純粋なものか打算から生じたものか、という葛藤は、攻めいわく「ユルユル」な受けの単純なキャラのせいで、あまり深刻にはなりません。
ていうか、受けさんが可愛いです。最初はクールな美人受けだと思ってたのに、抜けてるし、怖がりだし、純粋だし、かなり愛嬌のある気持ちのいいキャラです。
にこやかに見えて鬱屈したものを抱えまくりの攻めは、この受けに出会えて本当に幸せだったと思う。基本バカップルで、いちゃいちゃしたりチュッチュしたりしてるのが微笑ましくて微笑ましくて。
すべての問題が解決したあとの、なんの問題もなくいちゃいちゃしているところがもっと読みたかったな。

ホラー描写はかなりヘビーでした。深夜に1人で読んでたら怖かった。

5

ほのぼのオカルトコメディ

あらすじ:
アパートの怪現象に悩む藤森(受け)は、同じビルの会社に勤める江利(攻め)に霊退治に来てもらううち、彼に口説かれ、キスやハグ等色々されてしまい……

藤森は、自分の綺麗な容姿がコンプレックスで、江利のような精悍な男前に憧れるノンケ。
しかし「顔が好み」だからってそう簡単に男からの好意を受け入れられるものなのか?
コメディとは言え、ラブ展開の決め手となるシーンくらいは説得力のある理由を付けた方が話として締まった気がします。

江利は、イケメン好青年に見えてじつは霊感体質で、基本的に生きている人間に興味がないというちょっと変な人。
そんな江利がなぜ藤森を好きになったのかについても、もう少し理由が欲しかった気がします(天然で優しい藤森に癒やされるのは分かりますが)。
また、霊感があるせいで子供時代は周囲から気味悪がられいじめられ〜という設定と、現在の江利のイケメンぶりがあまり結びつかず……個人的には、もうちょっと暗かったり言動が突飛だったり等、キャラクターに癖が欲しかったです。

藤森のお人好しな性格が霊を引き寄せてしまうので、二人のHシーンにも霊がワラワラ(江利が追い払いますが)。
賑やかで面白そうですが、藤森視点なので基本的に霊の情報は江利の解説等から間接的に伝わることが多く、霊の退治法も説教やら気合やら抽象的なものなので、霊の存在をちょっとイメージしづらいのが難点かも。

全体として、クスッと笑えるシュールな面白さはありますが、自分の好みとしては、もう少しはっちゃけて欲しかったかなという感想です。

6

優しさも良し悪し…??

心霊系が好きなタイプはドスケベって聞いたことがあるんですが
それはさておき(?)心霊系大好きです←

本人の自覚も無く霊障のあるアパートに住む藤森は
同じビルの違う会社で働く江利と喫煙室で顔を合わせるくらいですが
自分がなりたい容姿をしていて密かにコンプレックスをいだいています。
江利の人懐こく話しかけてくる態度に若干絆されつつ
アパートの異常を当てられ急速に距離が縮まりそうに…!?

やっぱり、目に見えないものを信じない方々もいらっしゃるでしょうけども
そういう類から逃れられないと個人的には思っていますので
(とかいいながら霊感があるわけじゃないんです;)
年下の江利にわりと共感しながら読ませていただきました。
藤森みたいに服に執着しないからかもしれませんがww

助けてあげたい気持ちがありながら、
自分を必要として欲しくてつけ込むようなところもわかりましたし、
藤森が優しすぎるから心配になる江利、気苦労が多そうです…。
藤森はちょっと自身に鈍感な面もあるから。
そのくせ、江利の普段見せない顔を気にして
「あんな顔はさせたくない」とか思って
江利の過去を知り益々肩入れして若干無茶しちゃうくらいなので
ホント江利に同情票入れたくなりました…ww
顔と体だけじゃなく、藤森のそういう面にも江利は惚れたんでしょうけども☆

いたずら(嫌がらせ??)していた霊たちが
最後あんな風に思うのは意外でしたがハピエン的にはいいのかもしれません。
もっとどろどろしてても無問題な気が私はしてしまったのですが、
BL作品ですしね;;
とりあえずこれからは心置きなくいちゃいちゃ出来るっぽくて
さぞ営みに集中できることでしょう!!(下世話)

怖いのが苦手な方にも楽しめるライトな作品ではないでしょうか♪

1

ポルターガイストBL

ポルターガイストというか…住んでるアパートに「先住者」がうじゃうじゃいて、それに気付かず暮らしているリーマン・藤森が主人公。
気付かずと書きましたが、霊を見るわけではないのだけれど、とにかく毎晩変な物音、電化製品の故障、その他不眠など、心身の不調には悩まされている。
そこに声をかけてきたのが、共有喫煙スペースで時折会う江利という男。
江利からもらった安眠用ポプリが思いがけず効き礼を言ったところ、江利が突然「アパートを引っ越せませんか」と言い出す。
そこは事故物件で、色んな不調は霊障だから、と。
…と、霊感持ち攻めと怖がり受けのストーリーが始まります。
攻めの江利ははじめから下心は隠さず。でもとっても誠実に藤森を護ってあげます。
藤森の方もはじめは「男と⁉︎」と思いつつ、霊の怖ろしさと江利の頼もしさを比べると江利を選ぶ!という感じでほだされていきます。
もちろん本当に心でも惹かれていく展開ですが、なんか作者様の書き方が私の趣味と合わないというか、なんか伏線ありげで結局無かったり、みたいなのが目についていまいちノリきれなかったですね…
途中まで、もしかして江利もなにかある?みたいな、究極江利ももしかして霊?なんて疑って読んでたから、ちょっと気が抜けました。
ところが、本編後の書き下ろし「みんなのおうち」では本編で江利が頑なに実家の話をしなかった理由とか過去の話が明かされたり、藤森の家/家族の秘密のようなものなど、あれこれと詰め込んできて私には読みづらかったです。

内容は中立、江利が誠実で藤森を甘く愛しているところは良かったので「萌」で。

0

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