Life is Beautiful

Life is Beautiful 

Life is Beautiful
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神8
  • 萌×29
  • 萌3
  • 中立1
  • しゅみじゃない6

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レビュー数
3
得点
86
評価数
27件
平均
3.4 / 5
神率
29.6%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
白泉社
シリーズ
花丸文庫(小説・白泉社)
発売日
価格
¥713(税抜)  
ISBN
9784592877417

あらすじ

大型新人デビュー! 
自殺しようとしたところを図書館司書の綾部に助けられた瑞生。綾部の好意を素直にうけとることができず…。

表題作Life is Beautiful

綾部文彦,町立図書館の司書,27歳
有沢瑞生,自動車部品工場の元従業員,23歳

その他の収録作品

  • あとがき

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レビュー投稿数3

病んだ2人の再生物語

町立図書館の司書×自殺しようとしていたところを攻めに拾われた住所不定無職。

職場で陰湿ないじめに遭い、職を失い、親からは捨てられて家もない受けが、絶望というよりはなんの希望もなく崖から飛び降りようとしたところ、ボランティアで自殺防止のポスターを貼りに来た司書の攻めに出会います。
攻めは、町立の図書館を受けの居場所とし、受けに食事を与え、アパートの一室を与えます。自分を守ろうとして攻撃的な反応ばかりする受けを、嫌な顔一つせず養う攻め。攻めにもまた、妹を自殺から救えなかった過去があり、その代償行為として自殺志願者を救っていたのです。
受けくんはだんだん健やかになっていきます。そして当然のように、自分を救い出してくれた攻めに刷り込みのような気持ちを抱くようになります。
でも攻めにとっては自分は「可哀想な自殺志願者のひとり」でしかなく…。

トゲトゲしたハリネズミのようだった受けが、だんだんと心のリハビリをしていく様子がほほえましいです。
ある意味需要と供給の成り立った2人です。一時は死のうとしていた受けが成長していくのに攻めは足踏み状態なので、逆に攻めのほうが病んでるのかな続き、と思ったり。
あと、完全に余談ですが、攻めの友人の自動車解体工の野村さん×工場で働く吃音で赤面症の米本くんの組み合わせなんかがあると萌えるな、と勝手に思いました。

受けが美形だという設定の話ですが、個人的には受けは平凡な容姿であったほうが純粋にテーマを楽しめたように思います。受けの容姿を確認した途端に態度のかわる攻めにちょっと引いてしまったので。
これで受けの容姿に難がある設定だったなら、凪良ゆうさんの名作『お菓子の家』に通じるものがある作品であったかもしれません。

4

ツンデレキャラの戸惑いが丁寧に書かれたデビュー作

この作品は、クリスマスまで積読しておけばよかったです(笑)もちろんいつ読んでも素晴らしいです。
瑞生(受)が高く大きな崖で、自殺しようとする場面から始まります。
作中で瑞生が綾部(攻)に「失業したぐらいで死のうなんて人生舐めてるって思ってるだろう」と、いかに追い詰められていたかを訴える場面があります。いくら辛くても自分が死ぬというのは怖いものだから、その怖さを上回るほどのもので侵食されているから、死を決意するんですよね。
貧困では手も足も出ませんし、何もできない。それを知らずに若者を甘いと決めつけ、人生の先輩風をドヤ顔で吹かせるのは、情けないことに我々年配者層には少なくありません。
ギリギリの縁まで追い詰められている怖がりな瑞生を、やさしくだけど熱っぽく強引に導きます。瑞生のこわばった心がゆっくり溶けかけたとき、今度は冷静沈着な紳士である綾部が瑞生を失いたくないから余裕がなくなってしまいます。そのあたりの対比が面白いです。

脇役キャラで気に入ってるのは、綾部の親友の野村です。私の中で勝手に熊五郎的なビジュアルを想像しています。気持ちいいぐらい竹を割ったような性格で、恰幅の続きいいおじさん(お兄さんか?)です。
ロケーションが都内や市内ではなく、町立図書館というのがまたいいです。
心理描写と脇役へのキャラ付けがとても丁寧で、あとがきで商業デビューの嬉しさと信じられない気持ちが綴られており微笑ましいです。今後とも楽しみにしています。

8

恋人になってからの展開に注目

第1回花丸WEB新人大賞受賞作。
(同日発売のくもはばきさんの作品は、第9回受賞作です。)

あらすじ:
いじめを苦に仕事を辞めた瑞生(受け)は、崖から飛び降りようとしたところを図書館司書の綾部(攻め)に止められる。親切な綾部に惹かれていく瑞生だが‥…

心を閉ざした美青年が、王子様に愛され幸せになる話かと思いきや、実は王子様も心に傷を抱えており、
そんな二人の成長を描いた物語でした。

瑞生は、無愛想に見えるけど根は非常に純粋で繊細。
綾部をはじめとする温かな人々との交流により癒され、変わっていく瑞生の心情が丁寧に綴られており、じんわり感動できる展開です。

綾部は、一見完璧な王子様ですが、妹を亡くした過去があり…‥?
瑞生と出会う前にも、可哀想な人たちを何人も救っており、そんな彼が瑞生にだけ特別な感情を抱いたのは「瑞生には自分以外誰もいないから」。
友人も家族もいない瑞生なら、自分から離れることなく側にいてくれると、「失う」ことを何より恐れる彼は、ある意味瑞生以上に繊細かもしれません。

そんな綾部の恋人になった瑞生は、彼の望むまま、一歩も外に出ず家続きで本を読むだけの生活を送るようになります。
ここからアブノーマルな方向に行くのかと思いきや、瑞生が綾部のため強くなろうと自分の意志で外に出、綾部を説得するという、とても前向きな展開。
このあたりの瑞生の葛藤と決断は、作中に登場する絵本のストーリーとリンクしており、なかなか引き込まれます。

一読後は、綾部が瑞生を好きになる理由が弱いと感じましたが、むしろ、大した理由なく始まった恋が瑞生の成長により変わっていくところに、本書の面白さはあるのかもしれません。

個人的には、綾部はもっと黒くても良かったし、綾部の周囲の人間が良い人ばかりな点にも都合の良さを感じました。
しかし、人の心の弱い部分を描きながらも暗くなりすぎず、爽やかにまとめられている点はバランスが良く、読みやすい一冊かと思います。

12

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