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BLを読んでいて「ろくでなし」と来たら「ビッチ」と相場が決まっているようなもので。
ヒモ、生活力ゼロで家事能力があったら良い方、男女問わず、セックスは宿泊費代わり。
脳内データベースからどんどん出てくる関連ワードにどきどきしながら読みました。
ビッチ、ではなかったかな。ただ緩そうではありました。
北方が夜の街で再会したのは中学の同級生で人気者だった美里。
泥酔した美里を家に連れ帰る羽目になって…、という始まりです。
女の家を追い出されて北方の家に転がり込もうとする美里ですが、ちょいちょい「ケツには自信がある!」「天国に連れて行ってやる!」と北方に迫ってくる。ビ、ビッチ…。
でも大丈夫です。他の人が絡んでくるシーンはありませんし、北方に再会するまではいろいろあったのでしょうが、再会後は北方宅に連泊を避けるために女性のお宅を転々としているだけみたいです。
だけ、と言っていいのかわかりませんが。ビッチ臭というよりたらし臭でした。
ふたりがどうして惹かれあったのかは、そんなに丁寧に描かれているわけではありません。
中学のときのエピソードがひとつ出て来ますが、それがあったからと言って「そのときからずっと好きだった!」というパターンにはならないし、北方の方は美里の顔が可愛いから流されている印象でした。
美里の方にこそ北方にこだわる理由がありそうだったのに、こちらも特になく。北方が厳しいことを言いつつも優しいので懐く延長線上で体も…、という感じ。なのでお互いに居心地の良さそうな関係ではあるけれど、胸が鷲づかまれるような展開やあの日からずっと隠していた切ない想いのような胸きゅんエピソードはなかったです。
再会も謀ったものではなかったようで、ただ偶然再会して、一緒にいたら情が移っちゃったかなという始まりながら、お互いに本当に居心地良さそうで見ていて微笑ましくて、何だかんだと仲良くやっていきそうなふたりでした。
ひとつだけ、転勤話で将来を考え始めてすれ違った場面で、北方が言った
「一生面倒見るつもりはねぇが、明日の朝メシぐらい作ってやる」
この台詞は萌えました。先はわからないけど、とりあえず一緒にいてみようぜ、みたいな。そのあとの台詞も良かったので、ここは是非読んでいただきたいです!
同時収録は「蜜色パンケーキ」の番外編というかちょこっと続編でした。
千春がデレた!問題は解決していないけれど、仲の良いふたりが見られてしあわせでした。
番外編は本編ラストにちょっと描かれていた転勤後のふたりの続きでした。
こちら、本当に最高でした。萌えた。可愛かったです。
ちょっと手のかかる猫を拾ったらすごーーーく懐かれて、気付けば溺愛していた。
そんな雰囲気の、ほのぼのとした作品でした。
たまにはこういうまったりしたものもいいですね。
5話+描き下ろしの表題作と、
2007年の既刊本「蜜色パンケーキ」の続きが1話入っていました。
ほのぼの系の1冊です。
■表題作「ろくでなしと俺」
堅めのノンケリーマンの北方(受け・表紙左)が、
中学時代の同級生(攻め・表紙右)に偶然出会ってスーツに吐かれ、
仕方なく家に連れて帰ったら、すっかり懐かれちゃて…というお話です。
なんでもするから家に置いてくれと頼んでくる攻めに、
「 何が出来るんだ 」と聞くと、
攻めは笑顔で『 ケツ貸せるよ♡ 自信あります 』なんて言ってくるw
すっごく嫌そうな顔で激しく拒否する受けだけど、
冷たくはしきれなくて、なんだかんだと攻めの世話を焼いてしまって、
好奇心とほだされで、フェラを許しちゃったり、
実は小説家だった攻めに、本が出たらSEXする約束をしちゃったりして…
この攻め、『 ケツ貸せるよ♡ 』なんて言っていたので、
途中までは受けなのかな~と思ってたんですが、
いざエッチ!となると、攻める気でいたノンケの受けを、
『 やり方わかんないでしょ? 』と押し倒して、ヤっちゃう☆
ほわぁ~んとしたワンコに見えて、
意外と強か!? いや、でもやっぱりおバカなろくでなし、かな?
最初はニートみたいだし、
小説も書かずに受けのナニで頭いっぱいにしちゃってるし、
フェラさせてもらって、ガーーーッと小説を書きだしたと思ったら、
フェラの時の受けの様子を文章に残してるだけw
正直、男としての魅力はあんまりないかも。
でも、
受けと会ってからは女性関係はだらしなくはないし、
ダメな奴だなーと思いながらも憎めない可愛さがある、ろくでなし。
どうして、強気でお堅いノンケの受けが、
こんな男に抱かれる気になったのか?
そこがちょっとぼやけているように感じて残念でしたが、
ほのぼの可愛いお話でした。
くっついてみると、ほんわり×ツンデレは、似合いの癒しCPでした♪
■「蜜色パンケーキ」
既刊コミックの「蜜色パンケーキ」を読んでなくても、
俳優 × パティシエのCPのお話として、問題なく読めると思います。
攻めのマネージャーに、
大事な時期なので別れてほしいと頼まれて、
年上の受けは承諾する気でいたけれど、攻め出演のドラマを見ていると…
既刊本ではワガママが目立っていた攻めが、
受けを包み込む格好いい男に成長していて、嬉しかったな~
だからこそ、エッチが朝チュン描きだったのが、ちょっと残念!
切なさはほとんど感じない、クスッとできるほのぼの系、
だけど全体的にアッサリ~という印象の1冊でした。
木下さんは作家買いする作家さん。
コミカルなものでも、キュンと切なさがあるのが好き……
なのだが、これは気持ちの目盛りが振れなかったなぁ。
北方はある日、かつての同級生美里に偶然再会する。
女のところを追い出されて宿無しという彼を
家に置いてやり、ニコニコと甘えられて冷たくできず
文句を言いながら世話を焼き、だんだんほだされていく北方。
どうもただのフリーターではなく、作家らしい美里に
本が出版されたらセックスをするという約束をして……。
ろくでなし……という割には、単に甘ったれな男なだけで
それほど波乱があるわけではない。
と言っても木下さんの真骨頂は、とりたててドラマチックではない
日常の中での男の可愛さや切なさなのだが、個人的な好みとして
これは「ふうん‥‥」という感じで、切なくも可愛くもなかったのだ、
面白くないわけではない。
まぁ、サクサク、エへへへ、ウフフフってな感じで読んだけれど
展開が速いのか、比重の置き方がピンとこないのか
終始ヒトごと(BL界の出来事なんて常にヒトごとには違いないのだがw)
な感じで読了。
ちょこっと番外が出ている『蜜色パンケーキ』も
私的にはそれほど思い入れがない作品だったので、
あら?元気なのね〜?的にサラッと読み終わりました。
さらっと読めました。
明るく楽しいコメディ調作品です。
木下けい子さんらしさも出ています。
……が。
うーん、「萌え」はなかったかなぁ…?
正直、私は萌えませんでした。
◆◆ ◆◆ ◆◆
無職とおぼしき宿無しヒモ青年 × 堅物サラリーマン
15年ぶりに出会った受けと攻め。
攻めは職業を明かさず、受けはそんな攻めを
「無職のヒモ」なのだと思い込みます。
なんとか攻めの家に転がり込みたい攻めは、
「ケツ貸せるよ。自信あります」とか
「じゃ、フェ○チオで。俺結構いいテク持ってるよ」とか
「ア○ルマッサージは?」とか
とにかく食らいつきます。
ホント、体しか売るものがないのか……(笑)
でも、こんな発言と綺麗な容姿も手伝って、
私は、このヒモ青年を受けだと勘違いしてしまったんです。
でも決め台詞が
「ねえ、抱いていい…?」
ですからね!
セックスすることすら頭にない受けはドン引き。
私もヒモ青年が攻めということに、かなりビックリ。
そして小説家の攻めに「本が出せたらセックスしてもいい」と
勢いで言ってしまった受け。
本当に本が刊行されたので、抗いながらも、結局セックスに突入ー♪
自分が受けと思っていなかった受けですが、結局自分が受けでした☆
みたいな感じでした。
そして北海道に転勤になったサラリーマンの受け。
そこには、攻めも付いてきます。ほっこりするようなラストでした。
描きおろしマンガでは、北海道での愛情弁当の話。
自分で作った弁当なのに、「カノジョが作った愛情弁当」と
受けは会社で勘違いされますが、実は攻めのために
作った弁当でした……というのがオチ。
◆◆ ◆◆ ◆◆
確かにコメディチックで面白かったんですが……
うーん、萌えがいまひとつグッと来なかったです。
木下さんの作品は好きなので、
また他の作品もトライしてみようと思います。
それで、極上のケツのを味わわせてくれるという件はどうなったのか。
さて、今回のお話は幼馴染ものですね。
久しぶりの再会を果たした二人。
無銭飲食の上に無職、女(たまには男)のところをふらふらと
渡り歩く男を拾ってしまったのが運の尽き。
「体で返すから」を繰り返す相手とのすったもんだ。
内容的にはわりと薄め。
日常を描かれてる感じなのでこれといったイベントはないのですが
多分、美里はずっと好きだったんだろなーとか
ふと思ってしまうとほんのり萌えました。
結果犯される形となった受が、すんなり受け入れて
それが日常になっているのも、あーこんなもんかなという雑感。
性格的にリバに転じることはないような気がしてしまうのが
少々残念な気がしました。
ラストラストな4コマ
あれが個人的には一番ツボだったかな。
可愛くて◎