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優男とサディスティック

yasaotoko to sadistic

温柔男子与残酷本性

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表題作優男とサディスティック

吉野桜次,ストーカー
高瀬一,サラリーマン

あらすじ

瀬は、いたって地味で普通なメガネのサラリーマン。
ところが、そんな彼をつけまわし、女性との仲を引き裂くストーカーが現れた!!
つきとめたストーカーの正体は、高校の同級生でイジメっ子の吉野だった。 イケメンで資産家の親を持つ吉野が、今さらなぜ――!?
問い詰めると、いきなり「好きだ」と告白されてしまい!?

作品情報

作品名
優男とサディスティック
著者
秀良子 
媒体
漫画(コミック)
出版社
徳間書店
レーベル
Charaコミックス
発売日
ISBN
9784199606465
3.7

(188)

(64)

萌々

(55)

(43)

中立

(15)

趣味じゃない

(11)

レビュー数
23
得点
684
評価数
188
平均
3.7 / 5
神率
34%

レビュー投稿数23

性癖で好き嫌いが分かれそう。

私は好きです。
BL漫画に良くあるSMっぽさは無いと思います。
肉体的、というよりは精神的というか。私は受けのほうが上っぽいお話しが好きなので、大歓迎でした。
マンガ内の1コマで吉野がうっすら笑うシーンとか、足コキでの高瀬の淡々とした口調、後日談で高瀬が吉野の首へ手をかけるところなど、そういう部分に私はたまらなく刺激されたので、その辺りが嵌るとあうと思います。
あと、吉野のホントに躾をされずに育った感じが、すごく、好きです。
怒られたりこれは駄目、やっちゃいけない、とかそういうことを本とに知らないんだろうな~っという雰囲気凄く良かったです…。

逆にその当たりがさっぱりだとあっさり読み終わってしまうかもしれません。
個人的には好きなシーンを繰り返し眺めてしまうお話しです。

15

大勢が思う「SM」とは一味違うSMモノ

どこかに捻れがあり、そこが魅力的だと思う作家様。
恐る恐る手に取った「宇田川町で待っててよ。」で秀良子さんにハマり、読むようになった一読者ですが、こちらの作品もあちらと同じように、このキャラが何故こんなことを?と不思議に思い引き込まれるところからスタートします。
ただ、すーっと入り込めたあちらに比べると、こちらはキャラたちの心情を自分の経験則では今一つ掴みきることが出来ず、一読目はさらさらさら〜と読み終えてしまいました。
二度、三度繰り返し読んでいくうちに徐々にハマった1冊です。
人間の「矛盾」に焦点を当てた、とても面白いお話だと思います。

攻めの吉野がほんとクズなんですよ。
恵まれた容姿で生まれ、恵まれた環境に育ち、子供のうちは王様、成長してからは働く必要もないイージーモードな人生。
挙げ句、学生時代は高瀬のことをイジメていて、卒業後は一転して今度は高瀬の生活を24時間覗くストーカーになります。
いくら主役の片方といえ、こんな奴を魅力的に思うこと自体難しいのですが、けれど「なんだこのクズ…」とバッサリ切り捨てられない不思議なキャラなのです。
そして、高瀬もきっとそうだったんだろう…という感じに次第に吉野のことが気になっていきます。

普通ならば到底その先の進展を望めるはずもない2人を本人達の心とは裏腹に強く結びつけるのは、それぞれがそれぞれにかけた「呪い」
高瀬はイジメられたことで吉野をずっと忘れられないという呪いにかかり、吉野はイジメた時に高瀬に対して抱いてしまった感情にずっと縛られることになります。

呪いも、SMも、「縛る」という意味では共通点を見出せますから、この2人の関係にSMを掛け合わせてきた秀さんにまずおおおと思わされるのですが、さらに面白いのは2人の関係が逆転に逆転を重ねること。
自分がイジメた高瀬を見て思わず欲情してしまった吉野は普通に考えればSだろうと思うのですが、実際はMなんですよね。高瀬のほうがS。
けれど、上下で言うと、攻めは吉野で高瀬は受けなのです。
この時点でもう訳が分からないのですが、もう一つSMにおいては面白いことがあって、本来のSMの姿というのはMがイニシアティブを握り、SはMに精神的に支配されることで喜びを得るものだとも言われています。

一体どちらがどちらを振り回しているのか、本人達同様、読んでるこちらも読めば読むほど分からなくなって、途中で頭がショートしそうになります。
でもその一方で、現実は案外こんなもんだよなとも思わされるのです。
作り物のお話のようにスパッと分かりやすい関係なんて現実ではそうそうありえなくて、矛盾だらけの感情の中でみんな生きているものですしね。

呪い呪いと繰り返しましたのでおどろおどろしい印象を与えてしまったかもしれませんが、ここでいう「呪い」というのは安倍晴明とか京極さんの百鬼夜行シリーズとかに出てくる陰陽道の「呪」のことです。
呪に縛られた2人に秀良子さんが提示するアンサーがなんとも素敵でした。
女子が好きなラスト、ではないでしょうか。

電子版には4ページのSSが付いています。
かわいいワンコ吉野がある日高瀬にお弁当を持たせる話なのですが…
これもまた女性なら「ふふふ♡(意味深)」となるオチ付きショートストーリーでした。

10

「踏まれるのが好き」と「踏まれるのも好き」の違い

秀良子さんは即買いの作家さんなのですが、読む前にこちらのレビューを覗いてみたらかなり好みの分かれる作品みたいだったので、自分にはどうかなーと楽しみに読みました。

SMはものによっては好き、ものによっては嫌い、というジャンルです。でもこれは、あんまりSMというかんじはしませんでした。攻めが局部を踏んづけられようが殴られようが、やっぱり受けのほうが翻弄されています。受けにとって攻めは自分を高校でいじめていた相手であり、自分をストーキングしていた相手であり、自分をぐちゃぐちゃにかき乱す相手です。そんなやつには関わりたくない。なのに実際姿を消されたら「自分をこんなに振り回しておいて姿を消すとは何事だ」と腹が立つ、という翻弄されっぷり。
一方攻めのほうは一貫して「受けスキスキ」で、こっちは受けのそばにいたい、受けとしゃべりたい、受けと付き合いたいし、舐めたいし挿れたい。でも「踏まれたい」とか「殴られたい」ではないのです。実際踏まれたらすんごく気持ちいいけど、踏んでほしい、ではない。何をされてもうれしい、そばにいられるだけでうれしい。
そういうところがあんまりSMっぽさを感じない理由なのかな、と思ったりしました。(あくまで個人的な感想です)

描写はシンプルなのに、含まれた情報量がすごいので、息を詰めて読んでしまいます。
ろくでもない男なのですが、「受けスキ!」な攻めが可愛くて、きゅんきゅんしました。受けに拒まれてしょんぼりワンコ(耳としっぽがはえてる)な姿とか、受けでなくてもほだされます。
私的には神です。

6

読み手を選ぶ本かも………でも私は好き!

全体的に面白かったし萌えたけど、登場人物の気持ちが分からない所が多々あった。(私の読解力が無いだけかもしれないけど)←何回か読み返して来ると分かってきたかも。
なので、感想というより個人的疑問と私の解釈が大部分含みます。

以下部分的ネタバレ注意↓

吉野(攻め)があんなに高瀬(受け)を尾け回してストーカーしてたのに親にストーカーバレしてすっぱりやめれるのかとか、描き下ろしの2人がxxした後の高瀬の「これじゃまるで〜」ってセリフの意味とかがよく分かんなかった。←吉野が高瀬のストーカーを止めようとした理由は、その前にあった出来事で嫌いだ、と言われたからですかね?
吉野だったら嫌いだって言われても、ずっと付きまといそうだったので、ちょっと意外……
あと、描き下ろしの高瀬の台詞はツンデレって思う事にしました!(笑)

この上記以外(吉野の方は理解出来たので省く)は特に気にならずに読めました‼︎
高瀬が吉野を本当に好きなのかはちょっとよく分かんなかったけど(笑)
でも、すごく良かったです!期待通りで裏切らない‼︎
買おうか悩んでる方は是非買った方が良いと思います!

2

手綱はどちらが引いてるの?

作家買いしている秀良子さんの作品です。
秀良子さんの作品は個人的に、引っかかるものがほぼ無くて、すーっと頭に入ってくるんです。わかりにくい部分が少ないと言いますか。
絵柄もエロの割と淡白なところもお気に入り。
あと、「へらっ」としたチャラ男とか軽薄そうな男を描くのが上手いと思う。

こちら高校時代にいじめを受けていた高瀬といじめグループの一人である吉野のお話。
吉野が高瀬をストーカーしている描写から始まります。
ストーカーしているのがバレてから好意を隠す事なくさらにストーカーしてきます。
高瀬も最初は猛烈に拒絶していたものの、徐々に徐々に…というストーリー。
ただのストーカーではなくひどくいじめられていた相手からの好意ですからねー、なかなか受け入れられないですよね。

この二人の関係性が面白いです。
片方が主導権を握っているようで、じつは反対で。
この辺のやりとり、攻防が楽しい作品です。

2

この作品が収納されている本棚

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