azami

薊
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神21
  • 萌×22
  • 萌1
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

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レビュー数
2
得点
116
評価数
24件
平均
4.8 / 5
神率
87.5%
著者
 
媒体
コミック(同人)
サークル
おげれつ<サークル>
ジャンル
オリジナル(ジャンル)
発売日
価格
ISBN
ページ数
52ページ
版型
B5

あらすじ

商業誌【錆びた夜でも恋は囁く】番外編。

表題作

林田かんのすけ(かんちゃん)
弓冬次

評価・レビューする

レビュー投稿数2

この手をとれば....

かんちゃん良い子でした、やはり...
本編読んでる時から「自己中やし、むかつくのに何故か痛々しいな...」と思っていたら、やはりかんちゃんの背景に抱えていたものがありました。
ただ、抱えるには幼過ぎたんです、重すぎました、全てが。
溢れて一杯になってしまった...
そこまで、耐えてしまうほどかんちゃんは優しく、そして家族を弓を愛してました。
弓もかんちゃんを愛していたが、心の何処かに過去に思った男が残っている、
そんな、弓の心に何となく気づいていくかんちゃん。
それと、平行して、ブラック企業で行われる不当理不尽極まりない扱い。
家族の為に我慢していたかんちゃん。日に日に煮詰まっていくかんちゃん。

そんな矢先、仕事でのミスを責められ、罰としてまっ裸になることを強要されるかんちゃん。
「もういやだ、もう無理かも」心の糸が切れかけた時、弓に辛い心情を吐露します。しかし、弓は「頑張れ!」と背中を押すのです。
もう、限界だったかんちゃんの、頑張れなくなっていたかんちゃんの...
弓も若いのでそこまで気づく事は出来るはずもなく、悪気は無いんです、が、
そこからかんちゃ続きんは耐えて会社へ通い続けた結果、笑顔が可愛く、優しく、思い遣りあるかんちゃんが無くなっていく...
笑わない、怒りっぽいかんちゃんばかり増えていく
我慢し続けた結果「弓はバイトをのらりくらりとし気楽に暮らして、家族も俺の辛さを解らずに..」とかんちゃんの許容範囲を超えてました。

ある日、弓との諍いで思わず手が出てしまったかんちゃん、家を飛び出します。
超えてはいけない線と超えてしまったと茫然自失のかんちゃん
「かんちゃん寒いでしょ、お家かえろ」と手を差し伸べる弓
弓も一生懸命考えたんです、そして、かんちゃんの側にいようと思ったんです
この手と取れば、この手に縋れば、きっと俺は堕ちてしまう...でも取るしかなかったかんちゃん。一人で背負うには幼すぎて未熟すぎたのです。
互いに側にいることしか出来なかった、それが傷の舐め合い、惰性に変わっても
本編に繋がる序章として描かれた二人の話に涙しながら、一気に読めず、二度程閉じながら読みました。
おげれつさんの画力と効果的なコマ割りがB5サイズで凄く活きていると思いました。
どうすることも出来ない若さと優しさと弱さが瑞々しいくらいに、ヒリヒリした感情が流れこんできました。
これを読んで初めて「錆びた恋..」のタイトルの意味、「恋愛ルビ..」のかんちゃんの冷めた目が解りました。
再生した二人の愛おしさが倍増しました。
買って良かったと心から思いました。
おげれつさん凄いです。

12

薊(アザミ)の花言葉は「触れないで…」

【錆びた夜でも恋は囁く】で弓に暴力をふるっていたかんちゃんがどうしてそうなってしまったのか、というザラついた経緯の話。

父親不在の実家を金銭的に助けなければならないかんちゃんは高卒で就職。
美大を目指す妹の夢を叶えたい、自分が頑張ればなんとかなると思っていたかんちゃんは混乱の新生活を迎えます。

当たり前のように横行する理不尽な上司の仕打ちは殴る蹴るなどの直接的な暴力以上に胸くそが悪くなるものでした。
ほんっとクソ上司にも知らんふりの周囲にも腹立つ!!

正しいと思ったことは報われず間違っていることに虐げられる日々に言葉を飲み込み身動きがとれなくなっても家族のために引くことも許されないかんちゃん。
傍らにいる弓の可愛らしさは『癒し』から『苛立ち』へゆっくりと姿を変えていきます。

笑顔が剥がれおちてしばらく経ったある日、それまで気持ちの中で何度も何度も拳を振り上げては行き場のなかった拳を弓におろしてしまいます。

ほんの少しのタイミングのズレ。
かんちゃんが弱音をはいた時、弓は彼の事情を知っていたからこそ励ました。
でも、そこで方向を変えれば…と胸が苦し続きくなります。

公園で独り泣くかんちゃんを迎えにきた弓から優しく差しのべられた手を前に戸惑うかんちゃん。
彼には少し先に待つ、暴力に翻弄される自分の姿がぼんやりと頭の中に広がっていたんだと思います。

それでも、かんちゃんには弓のやわらかさをふりきれるほどの気力はなくて。
「いっしょに帰ろう」
かんちゃんは笑って頑張れた、弓と笑いあえた頃に帰りたかったんでしょう。
触れないで…と思いながら諦めきれず、ふたりに疲弊する日々が訪れるまでの間、かんちゃんと弓は手を繋ぎます。

ふたりは大きな勘違いをしています。
殴られることに慣れなんてない。
慣れちゃいけない。
頼られてしまうことにも頑張りすぎてしまうことにも慣れちゃいけない。

心が麻痺した状態からの反動で溢れだす感情の噴出は【錆びた夜でも恋は囁く】への静かなプレリュードのようです。
【錆びた夜でも恋は囁く】へ繋がるといえば『携帯』の存在も一役かっていました。
さりげなく、かつ切ない印象的な演出!

この作品を読むとふたりの印象が少し変わります。
そしてまた本編が読みたくなります。
リピ熱を煽るスピンオフってたまらん!

何があっても暴力は許されないこととわかっていつつも、今なら【ほどける怪物】のレビューも評価も少し変わるかもしれないとも思ってしまう。

かんちゃんに頼りすぎるお母さんとすこしゆるめの妹の能天気さが悔しい…。

23

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